本多記念会

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公益財団法人本多記念会(こうえきざいだんほうじんほんだきねんかい)は、物理学者である本多光太郎の学徳を永く顕彰することを目的として設立された記念財団である。

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本多記念会は以下の賞を授与している。

本多記念賞

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学術の研究を奨励助長するために、我が国に国籍を有するもので、理工学特に金属及びその周辺材料に関する研究を行い、科学文化の進展に卓抜な貢献をしたものに贈られる記念賞である[1]

受賞者 業績
1 1959年 村上武次郎 鉄鋼の物理冶金学的研究
2 1960年 茅誠司 金属強磁性結晶体に関する研究
3 1961年 小野鑑正 金属の疲労の研究並びにその実地応用面の開拓
4 1962年 増本量 強磁性金属及び合金の異常性の研究
5 1963年 西村秀雄 アルミニウム三元素合金平衡状態図の系統的研究
6 1964年 武井武 O.P 磁石の発明及びその応用
7 1965年 廣根徳太郎 金属電子論及び統計力学に基づく金属合金の理論並びに化合物磁性の研究
8 1966年 的場幸雄 製鋼反応の物理化学的研究
9 1967年 三島徳七 MK磁石の研究及び発明
10 1968年 澤村宏 鉄鋼の物理化学的研究並びに鋳鉄の研究
11 1969年 藤原武夫 特定の結晶方位をもつ金属単結晶の製作法の創案と結晶異方性に関する研究並びに新しいx線ラウエ回折法の創案とその応用
12 1971年 佐藤知雄 鉄鋼中の炭化物に関する研究
13 1972年 西山善次 マルテンサイト変態の結晶学的研究
14 1973年 関口春次郎 鋼材の溶接に関する研究
15 1974年 五十嵐勇 強力アルミニウム合金の研究開発
16 1975年 佐野幸吉 鉄鋼製錬の化学冶金学的研究
17 1976年 岡田實 溶接冶金学の確立とプラズマ熱加工分野の開拓
18 1977年 今井勇之進 鋼の合金元素としての窒素の作用
19 1978年 作井誠太 金属材料の衝撃変形に関する研究
20 1979年 木原博 溶接構造用高張力鋼および低温用鋼の溶接性ならびにぜい性破壊特性に関する研究
21 1980年 白川勇記 金属・合金の磁性研究と新磁性材料の開発に関する業績
22 1981年 五弓勇雄 金属塑性加工に関する基礎的研究とその応用
23 1982年 橋口隆吉 金属工学における格子欠陥の研究
24 1983年 竹内榮 金属の統計熱力学的研究
25 1984年 不破祐 鉄鋼製錬の物理化学的研究
26 1985年 村上陽太郎 非鉄金属材料の金属組織学的研究
27 1986年 鈴木平 金属および合金の結晶の強度に関する研究
28 1987年 鈴木秀次 金属中の転位と格子欠陥に関する先駆的研究
29 1988年 盛利貞 鉄冶金物理化学の研究
30 1989年 高村仁一 材料科学への格子欠陥的立場からの貢献
31 1990年 久松敬弘 金属材料の耐食性の向上に関する研究
32 1991年 近角聰信 強磁性体の物性と応用に関する研究
33 1992年 増本健 アモルファス金属の材料学的研究
34 1993年 堂山昌男 金属結晶欠陥の研究
35 1994年 守谷亨 金属磁性の理論的研究
36 1995年 橋本初次郎 電子回折顕微鏡法による金属および結晶性材料の研究
37 1996年 清水謙一 マルテンサイト変態など各種相変態ならびに形状記憶効果と超弾性に関する先駆的研究
38 1997年 平林眞 無機材料の結晶構造と相変態および欠陥構造に関する研究
39 1998年 西澤泰二 材料組織の設計・制御に関する熱力学的研究
40 1999年 金森順次郎 遷移金属磁性の研究
41 2000年 藤田英一 格子欠陥を中心とする金属物理分野における先駆的研究
42 2001年 前田弘 Bi 系酸化物高温超伝導材料の発見及び開発
43 2002年 佐野信雄 鉄鋼製錬反応の熱力学および速度論的研究
44 2003年 佐川眞人 超強力ネオジム・鉄・ボロン永久磁石の発明と工業化
45 2004年 鈴木謙爾 パルス中性子散乱による液体ならびにアモルファス金属の構造に関する研究
46 2005年 平井敏雄 セラミック・ナノ・コンポジットおよび傾斜機能材料に関する研究
47 2006年 岸輝雄 材料の非破壊評価に関する研究
48 2007年 新庄輝也 金属人工格子研究分野の創始
49 2008年 藤森啓安 アモルファス・ナノ特殊構造物質の磁性の研究
50 2009年 竹内伸 固体の塑性変形機構に関する研究
51 2010年 早稲田嘉夫 ランダム系物質の微視的構造解明及びX線異常散乱を利用する新しい構造解析法の開発と材料工学への応用
52 2011年 坂公恭 透過型電子顕微鏡による無機材料の微細構造とプロセッシングのキャラクタリゼーション
53 2012年 佐久間健人 セラミック材料の物性に関する研究
54 2013年 細野秀雄 透明酸化物の新機能開拓と応用展開に関する先駆的研究
55 2014年 十倉好紀 遷移金属酸化物における強相関電子機能の開拓
56 2015年 宮崎修一 チタン系形状記憶合金の研究と開発
57 2016年 村上正紀 次世代電子デバイイス用の高機能金属電極材料の創製
58[2] 2017年 石田清仁 合金状態図と組織制御に関する基礎及び応用研究
59 2018年 深道和明 先進磁性機能材料の基礎から応用への展開
60 2019年 新家光雄 生体硬組織機能材料の研究開発
61[3] 2020年 宝野和博 ナノ構造制御による先進金属材料の開発
62 2021年 永長直人 金属磁性体における量子輸送現象の理論研究
63 2022年 花田修治 先進構造材料の高機能化に関する研究
64 2023年 前川禎通 磁性と伝導及びスピンエレクトロニクスの基礎的研究
65 2024年 三島良直 金属系構造材料の学理探求と合金開発

本多フロンティア賞

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理工学特に金属材料などの無機材料、有機材料及びこれらの複合材料の3分野のいずれかの分野に関する研究を行い、学術面あるいは技術面において画期的な発見又は発明を行った者に対して贈られる記念賞である[1]

受賞者 業績
1 2004年 飯島澄男 カーボンナノチューブの発見
2 2005年 吉沢克仁 ナノ結晶化による軟磁性材料の開拓
3 2006年 一色実 金属の高純度化プロセスの開発
細野秀雄 ナノ構造を制御・活用した電子活性透明酸化物材料の機能開拓
4 2007年 石田清仁 ミクロ組織設計による先端材料の開発
5 2008年 青木清 耐水素脆化性に優れた非 Pd 系水素透過合金の開発
蔡安邦 準結晶合金の創製と準結晶に関する物質科学の確立
6 2009年 髙木英典 遷移金属酸化物における相関電子科学の発展と機能開拓への展開
宝野和博 金属材料のナノ組織と特性に関する研究
7 2010年 幾原雄一 セラミックス粒界超構造の計測と粒界・転位制御材料の創出
8 2011年 川﨑雅司 酸化物界面の原子レベル制御による新光電子機能の開拓
9 2012年 森博太郎 電子顕微鏡その場観察法による物質極微プロセスの解明
10 2013年 河村能人 長周期積層構造型マグネシウム合金の開発
堀田善治 巨大ひずみ加工による高性能材料の創製
11 2014年 髙橋隆 光電子分光法による量子物質の電子構造と物性発現機構の解明
津崎兼彰 ミクロ組織制御による鉄鋼材料の高性能化
12 2015年 岩佐義宏 電気二重層を利用した高密度2次元電子系の創製と電界制御機能
藤井秀樹 ユビキタス元素を活用した新チタン合金群の開発と市場創出
13 2016年 岡部徹 レアメタルの新製錬・新リサイクル技術の発明と開発
富永淳二 低消費電力型超格子相変化メモリの開発と、そのトポロジカル物性の発見
14 2017年 齊藤英治 スピン流物性科学の開拓
貝沼亮介 マルテンサイト変態の基礎研究および新型形状記憶合金の発明
15 2018年 小池淳一 先端半導体デバイスにおける高信頼性配線材料の開発と自己形成拡散バリア層の発明
田中功 第一原理計算の材料科学への応用と新材料探索
16 2019年 乾晴行 ナノ・メゾ構造を制御した先進構造材料の創製
新田淳作 スピン軌道相互作用を用いたスピントロニクスの開拓
17 2020年 有馬孝尚 磁気対称性に基づく非相反物質機能の開拓
戸田裕之 シンクロトロン放射光CTを利用した3D/4D材料科学の創成
18 2021年 折茂慎一 水素化物の新たな機能開拓とエネルギーデバイスへの応用
中野貴由 金属材料学を基軸とした骨基質配向化機構解明と制御法の確立
19 2022年 辻伸泰 バルクナノメタルの創製と組織・力学特性に関する研究
湯浅新治 酸化マグネシウム磁気トンネル接合の開発と応用
20 2023年 藤井英俊 硬度変化のない完全接合継手を実現する新規摩擦接合法の開発
吉川彰 新規シンチレータ結晶の開発および社会実装
21 2024年 常行真司 材料構造と非調和フォノン物性および電子物性の非経験的予測手法の開発
松田祐司 量子スピン液体における創発準粒子の研究

本多記念研究奨励賞

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わが国の若い研究者で、理工学特に金属及びその周辺材料に関する研究を行い、優れた研究成果または発明を行ったものに対して贈るもので、これにより受賞者の今後の発展を奨励することを目的とする記念賞である[1]

本多記念研究奨励賞

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本多記念会が指定する東北地区の大学、研究機関及び高等専門学校等に在職する35才以下の研究者で、金属及びその周辺材料に関する研究・教育を行い、優れた成果・教育的貢献が顕著な将来性豊かな者のうちから、選考により適当と認めた者に対して授与される記念賞である[1]。その名は東北特殊鋼の初代社長である原田猪八郎に由来する。

出典

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外部リンク

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