村井範子 (音楽史学者)

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村井範子(むらいのりこ、旧姓長田、1924年4月22日 - 2020年12月17日[1] )は、日本音楽学者フェリス女学院大学名誉教授

来歴[編集]

広島文理科大学学長で教育学者長田新の長女。夫は教育学者、慶應義塾大学名誉教授の村井実。次男は情報工学者、慶應義塾大学名誉教授の村井純

広島市生まれ。広島高等師範学校附属小学校広島県立第一高等女学校を経て、津田塾専門学校英文科(現津田塾大学)1945年9月卒業、1950年 東京藝術大学音楽学部楽理科入学、1954年同大学楽理科第2回卒その後専攻科修了。1956年東京藝術大学音楽学部副手就任、1956年東京藝術大学音楽学部講師(音楽史担当)、1958年~1960年米ハーヴァード大学音楽学部大学院にて音楽史研究(ロックフェラー財団奨学金による)、東海大学短期大学部教授、フェリス女学院大学音楽学部教授(音楽学部4年制創設)(音楽学特殊講義、教会音楽研究、器楽特殊講義、日本音楽文化) 1993年 同大学名誉教授。

国際音楽資料情報協会 International Association of Music Libraries, Archives & Documentation Centres (IAML)日本支部設立(1979)に際し事務局長、のち副支部長をつとめる。年次大会、総会における役員会に日本代表として12回参加。これに際してユネスコ国内委員会を通して、国庫補助を受ける。日本音楽文献目録作成委員会(RILM)日本国内委員会委員。横浜市民大学、横須賀市民大学の西洋音楽史講座において企画および講師。2004年までフェリス女学院大学オープンカレッジにて「日本の音楽・世界の音楽」講師。

学会: 日本音楽学会東洋音楽学会、民族芸術学会、アメリカ音楽学会American Musicology Society (AMS) 、国際音楽学会  

主な著書および訳書[編集]

 H.M.ミラー著(1977)村井範子、松前紀男、佐藤馨共訳『新音楽史』東海大学出版会

 プレンティスホール音楽史シリーズ全8巻を4名で訳出(1969~1986 東海大学出版会)

  Ⅰ A.スイー著『中世社会の音楽』    Ⅱ H.M.ブラウン著『ルネサンスの音楽』

  Ⅲ C.V.パリスカ著『バロックの音楽』   Ⅳ R.G.ポーリイ著『古典派の音楽』

  Ⅴ R.M.ロンイヤー著『ロマン派の音楽』  Ⅵ E.ソールズマン著『二十世紀の音楽』

  Ⅶ B.ネットル著『西洋民族の音楽』    Ⅷ W.P.マルム著『東洋民族の音楽』

平凡社『音楽事典』1956、音楽之友社『名曲解説全集』1959~1964など音楽学関係項目を執筆

参考[編集]

画家いわさきちひろの共同を得て実父長田新編著「原爆の子」の文を挿した絵本『わたしがちいさかったときに』(童心社)の作出など、広島被爆の立場から平和活動に尽力した。

脚注[編集]