柏木寿志
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| 基本情報 | |
|---|---|
| 国籍 |  日本 |
| 出身地 | 長崎県佐世保市 |
| 生年月日 | 2001年12月5日（22歳） |
| 身長 体重 | 174 cm 72 kg |
| 選手情報 | |
| 投球・打席 | 右投右打 |
| ポジション | 遊撃手、二塁手 |
| 経歴（括弧内はプロチーム在籍年度） | |
| |
この表について | |
柏木 寿志（かしわぎ かずゆき、2001年12月5日 - ）は、長崎県佐世保市出身の元プロ野球選手（内野手）。
経歴
[編集]独立リーグ入りまで
[編集]9人きょうだいの7番目に生まれ、兄や姉の影響で佐世保市立相浦小学校3年生のときからから神島ボーイズでソフトボールを始める[1][2]。中学時代はシニアの硬式野球チーム・佐世保リトルシニアに所属[2][3]。中学3年生春には右ひじの手術を経験している[1]。小、中学時代ともに主将を務めた[1]。
高校はかつて兄が野球部に所属していた九州文化学園高等学校を選択[4]。部員が100人以上いる強豪校ながら1年生からベンチ入り[3]。2年生夏には打率5割、4打点をマーク[5]。3年生になると主将を務め、3番打者として春の県大会準優勝、6月のNHK杯県大会4強入り、夏の県大会8強入りに貢献した[1][3][5]。高校通算18本塁打[6]。野球外では、高校の生徒会副会長を務めていた[1][4]。2年生のときから明確にNPB入りを意識し[7]、プロ志望届を提出すると1球団から調査書が届き、同期の山科颯太郎とともにオリックス・バファローズの非公開の入団テストを受験するも[8][9]ドラフト指名からは漏れた[10]。
大学から特待生の誘いを受けていたが、そこではアルバイト不可で、生活費や野球道具代を経済面で苦しい家庭に負担してもらわなければならなかった。そんな中、アルバイト可の関西独立リーグ・兵庫ブルーサンダーズ（現：兵庫ブレイバーズ）から誘いを受け、早期のNPB入りも見込めることもあって入団を決断[3]。また、かつて長兄が四国・九州アイランドリーグ（現：四国アイランドリーグplus）の長崎セインツの練習生だったことも、独立リーグという環境に挑戦してみたい動機にもなった[7]。なお、高校時代の同期の山科も、同様に兵庫に入団している[11]。
関西独立リーグ時代
[編集]関西独立リーグ1年目の2020年は木製バットへの適応に苦しむ[3]。オープン戦でも左手を負傷する不運もあり、いわゆる“金属打ち”から脱するフォームの固まらないまま開幕を迎え、迷走状態で打率を落としていった[7]。しかし、9月5日・6日に行われた読売ジャイアンツ三軍対関西独立リーグ選抜戦のメンバーに選ばれ、そこで堺シュライクス監督の大西宏明から打撃指導を受けると、成績には表れないながらも感覚を掴み始めたという[7]。
2年目の2021年（このシーズンは「神戸三田ブレイバーズ」の球団名に変更）は5番打者に定着し、チーム最多の本塁打や、リーグ最多の盗塁を記録。オフの基礎トレーニングが実を結び、守備力も向上し、チームを牽引するようになる[3]。ドラフト候補と目されるようになり、10月上旬に読売ジャイアンツから声が掛かりトライアウトを受けた[3]。同年のドラフト会議当日放送のTBS特番『速報ドラフト会議2021 THE運命の1日』に出演し、柏木と家族のエピソードを紹介するVTRが放送されるなど大きく取り扱われた[12]。神戸三田の本拠地であるアメニスキッピースタジアムのグラウンドにドラフト会議のパブリックビューイング会場が設けられ、関係者らと共に結果を見守ったが、結局指名されることはなかった[6][13]。
2022年ドラフト会議での指名を目標に球団に残留し、球団名が兵庫ブレイバーズへと変わった2022年はキャプテンに就任した[14]。これまでは遊撃手だったが、アピールする機会を増やすために同年は新たに二塁手のポジションに挑戦し、後半戦頃からは二塁のポジションに固定された[15]。12月27日、ファン投票によりこの年に初めて選出が行われたリーグのベストナインで、遊撃手として選出された[16]。なお、同年もドラフト指名はなかった。この年限りで兵庫を退団し、別チームでプレーを続行する意向を示しており[17]、10月31日に自由契約による退団が発表された[18]。
四国アイランドリーグplus時代
[編集]2022年11月4日、四国アイランドリーグplus・徳島インディゴソックスの特別合格選手（球団推薦選手）が発表され、その中に柏木も含まれた[19]。12月27日、入団交渉が合意に至ったことが発表された[20]。
2023年3月25日の高知ファイティングドッグスとの開幕戦から1番打者としてスタメン起用され[21]、同日の試合ではチームのシーズン初打点となるソロ本塁打を打った[22][23]。守備位置は前年から挑戦していた二塁にコンバートされた[24]。最終的に2023年は全68試合にフル出場し、打率.262、3本塁打、打点23、盗塁21（リーグ2位）の成績で[25]、11月1日、ベストナイン（二塁手）に選出された[26]。2024年も徳島でプレーしたが、主なポジションが三塁手となり、シーズン終了後に三塁手の部門でベストナインに選出された[27]。同年11月1日、任意引退での退団が発表された[28]。
選手としての特徴・人物
[編集]50mは5秒8。遠投100mの強肩で、遊撃守備では深い位置からスローイングができる[29]。スローイングのほか、守備の身のこなしや盗塁時のスタートの早さも強み[8]。
父親は野球経験者の日本人、母親はバレーボール経験者のフィリピン人[8]。9人きょうだいの順番は「男・男・女・男・男・女・男・男・女」となっており、柏木寿志は五男となる[7][12]。きょうだいの男は全員野球を、女は全員ソフトボールをプレーしている野球一家である[1]。前述のとおり、かつて長兄が長崎セインツの練習生だったほか、末弟の柏木信輝も2022年から九州アジアリーグの火の国サラマンダーズに所属する独立リーガーだったが[30]、2023年6月30日に寿志よりも先に引退している[31]。
徳島では練習に取り組む姿勢がチームメイトにも影響を与えている[32][33]。
詳細情報
[編集]独立リーグでの年度別打撃成績
[編集]| 年 度 | 球 団 | 試 合 | 打 席 | 打 数 | 得 点 | 安 打 | 二 塁 打 | 三 塁 打 | 本 塁 打 | 塁 打 | 打 点 | 盗 塁 | 盗 塁 死 | 犠 打 | 犠 飛 | 四 球 | 敬 遠 | 死 球 | 三 振 | 併 殺 打 | 打 率 | 出 塁 率 | 長 打 率 | O P S |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2020 | 兵庫 神戸三田 兵庫 | 27 | 118 | 107 | 11 | 20 | 5 | 2 | 1 | 32 | 16 | 11 | - | 1 | 2 | 8 | - | 0 | 14 | 2 | .186 | .239 | .299 | .538 |
| 2021 | 45 | 198 | 179 | 27 | 47 | 12 | 0 | 4 | 71 | 24 | 33 | 7 | 0 | 2 | 14 | - | 3 | 18 | 8 | .263 | .323 | .397 | .720 | |
| 2022 | 45 | 189 | 172 | 21 | 46 | 6 | 1 | 3 | 63 | 19 | 17 | 6 | 0 | 1 | 16 | - | 0 | 18 | 6 | .267 | .328 | .366 | .694 | |
| 2023 | 徳島 | 68 | 286 | 244 | 31 | 64 | 12 | 2 | 3 | 89 | 23 | 21 | 15 | 18 | 2 | 21 | - | 1 | 59 | 6 | .262 | .321 | .365 | .686 |
| 2024 | 63 | 279 | 242 | 47 | 78 | 13 | 3 | 8 | 121 | 47 | 13 | 11 | 8 | 1 | 26 | - | 2 | 33 | 2 | .322 | .391 | .500 | .891 | |
| KDL：3年 | 117 | 505 | 458 | 59 | 113 | 23 | 3 | 8 | 166 | 59 | 61 | - | 1 | 5 | 38 | - | 3 | 50 | 16 | .247 | .306 | .362 | .668 | |
| 四国IL：2年 | 131 | 565 | 486 | 78 | 142 | 25 | 5 | 11 | 210 | 70 | 34 | 26 | 26 | 3 | 47 | - | 3 | 92 | 8 | .292 | .356 | .432 | .788 | |
- 2024年度シーズン終了時
- 各年度の太字はリーグ最高
独立リーグでのタイトル
[編集]- 四国IL
- KDL
背番号
[編集]- 2 （2020年）
- 6 （2021年 - 2024年）
関連情報
[編集]出演
[編集]テレビ番組
[編集]- 速報ドラフト会議2021 THE運命の1日（2021年10月11日、TBSテレビ）
MV
[編集]- MACK JACK「泥だらけドリーマー」（2021年）
脚注
[編集]- ^ a b c d e f “9人きょうだい 九州文化学園・柏木主将 チームと家族の夢に挑戦”. 長崎新聞. (2019年7月8日) 2021年10月11日閲覧。
- ^ a b “佐世保リトルシニア 選手紹介”. 2021年11月7日閲覧。
- ^ a b c d e f g 小森有喜 (2021年10月7日). “開け！プロ野球への扉 きょうだい９人の期待背負って 神戸三田ブレイバーズの柏木選手”. 神戸新聞NEXT 2021年10月11日閲覧。
- ^ a b 柏木寿志（インタビュアー：田中実）「野球だけじゃない！人間的魅力も詰まった遊撃手「柏木」の魅力 柏木寿志（九州文化学園）」『高校野球ドットコム』、WoodStock、2019年4月2日。2021年10月11日閲覧。
- ^ a b “ドラフト会議2019 - 柏木 寿志 - 九州文化学園高”. gooニュース. プロ野球速報. 2021年10月11日閲覧。
- ^ a b 小森有喜 (2021年10月12日). “指名ならず涙… ９人きょうだい、柏木寿志選手 大家族の支えに感謝「来年こそ恩返し」”. 神戸新聞NEXT 2021年10月12日閲覧。
- ^ a b c d e 土井麻由実 (2020年12月14日). “柏木寿志（九州文化学園→兵庫ＢＳ）、１９歳。ドラフト指名へ向かって２年目に勝負を懸ける！”. Yahoo!ニュース 2021年10月11日閲覧。
- ^ a b c 『野球太郎No.040 2021ドラフト直前大特集号』イマジニア、2021年9月27日、298-299頁。
- ^ 山科颯太郎（インタビュー）「山科 颯太郎 選手へのインタビュー ブレイバーズ通信2022年6月号」『兵庫ブレイバーズ【公式】note』、2022年9月1日。2022年9月23日閲覧。
- ^ “埼玉ナンバーワン左腕・米山（昌平）など指名漏れとなった主な高校球児たち”. 高校野球ドットコム. (2019年10月17日) 2021年10月11日閲覧。
- ^ “独立リーグ行きが10名以上！強豪大学進学も多い中国・四国・九州地方の指名漏れ選手の進路”. 高校野球ドットコム. (2020年5月2日) 2021年10月11日閲覧。
- ^ a b ““男男女・男男女・男男女”の9人きょうだい 五男が迎える運命のドラフトをTBSが密着”. Full-Count. (2021年10月10日) 2021年10月11日閲覧。
- ^ “中居正広“ドラフト漏れ”選手にニヤニヤインタビュー「かわいそう過ぎるわ」”. まいじつ. (2021年10月12日) 2021年10月12日閲覧。
- ^ “新チーム名は「兵庫ブレイバーズ」 シーズン報告会で来季の活躍誓う｜三田”. 神戸新聞NEXT. (2021年11月24日) 2021年11月24日閲覧。
- ^ 白石怜平 (2022年10月12日). “兵庫ブレイバーズ 柏木寿志 関西独立リーグ希望の星 「常にNPB入りを意識してプレー」”3度目の正直”で目指す夢の実現”. スポチュニティコラム. 2022年10月20日閲覧。
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- ^ 【播州グラブ】野球一筋 西脇店 [@yakyu_hitosuji] (2022年10月26日). "播州グラブ契約選手の柏木寿志選手が 一年の挨拶に来てくれました。". X（旧Twitter）より2022年10月26日閲覧。
- ^ “退団選手のお知らせ”. 兵庫ブレイバーズ 公式サイト (2022年10月31日). 2022年12月28日閲覧。
- ^ “特別合格選手のお知らせ”. 徳島インディゴソックスOfficial Site (2022年11月4日). 2022年12月28日閲覧。
- ^ “2023特別合格選手及びドラフト指名選手 入団合意のお知らせ”. 徳島インディゴソックスOfficial Site (2022年12月27日). 2022年12月28日閲覧。
- ^ 徳島インディゴソックス〈公式〉 [@is_official89] (2023年3月25日). "🔥本日のスタメン🔥". X（旧Twitter）より2023年4月13日閲覧。
- ^ 徳島インディゴソックス〈公式〉 [@is_official89] (2023年3月25日). "【3回ウラ途中】徳島1-0高知". X（旧Twitter）より2023年4月13日閲覧。
- ^ “【週間戦評】23年シーズンの歩み（3,4月編）”. 徳島インディゴソックスnote. 2023年4月13日閲覧。
- ^ 高田博史 (2023年9月10日). “徳島・柏木寿志 できることはすべてやる／四国アイランドリーグplus”. 週刊ベースボールONLINE. 独立リーグ Other Leagues Weekly Report. 2023年11月2日閲覧。
- ^ “選手データ 柏木 寿志”. 四国アイランドリーグplusデータサイト. 2023年11月3日閲覧。
- ^ a b “2023シーズンのMVP・ベストナイン・最優秀監督・最優秀審判が決定”. 四国アイランドリーグplus 公式サイト (2023年11月1日). 2023年11月2日閲覧。
- ^ a b 四国アイランドリーグplus2024 年間MVPおよびベストナインならびに最優秀監督・最優秀審判決定のお知らせ - 四国アイランドリーグplusニュースリリース（2024年10月15日）2024年10月15日閲覧。
- ^ 徳島IS 退団選手のお知らせ - 四国アイランドリーグplusニュースリリース（2024年11月1日）2024年11月1日閲覧。
- ^ “神戸三田ブレイバーズ・柏木寿志”. スポーツ報知. 2021年プロ野球ドラフト名鑑. 2021年10月11日閲覧。
- ^ 柏木信輝 [@nbyk1015] (2021年11月8日). "実は9人兄弟。11人の大家族で生まれました！知ってる方もいると思いますが、お母さんありがとうで兄が取材されました笑". X（旧Twitter）より2021年11月15日閲覧。
- ^ “柏木 信輝選手 任意引退について”. 火の国サラマンダーズ (2023年6月30日). 2023年6月30日閲覧。
- ^ “【横浜3位】徳島インディゴソックス「加藤響」のてびき！”. 【公式】徳島インディゴソックス note (2024年10月22日). 2024年10月25日閲覧。
- ^ 「四国IL・驚異の三冠王、猛練習を支えるDeNA・井上絢登の言葉「NPBで待ってるからな」」『高校野球ドットコム』2024年6月26日。2024年10月25日閲覧。
- ^ “【2021年度】個人タイトルのお知らせ”. KANDOK さわかみ関西独立リーグ 関西のプロ野球独立リーグ (2021年10月27日). 2021年10月28日閲覧。