水谷武子

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水谷 武子
1956年頃撮影
1956年頃撮影
生誕 1930年代
日本の旗 日本 京都府京都市
死没 2005年
職業 漫画家挿絵画家
活動期間 1954年 - 2000年
ジャンル 漫画挿画
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水谷 武子(みずたに たけこ、1930年代 - 2005年)は、日本の漫画家挿絵画家である[1][2][3]水谷 たけ子(みずたに たけこ)とも[2][3]楳図かずおのデビュー作『森の兄妹』を合作したことで知られる[4]

人物・来歴[編集]

詳細な生年月日は不明[5]であるが、1930年代、京都府京都市に生まれる。1946年(昭和21年)、『少國民新聞』(現在の『毎日小学生新聞』)に掲載された手塚治虫の『マァチャンの日記帳』に衝撃を受ける。1951年(昭和26年)、デビュー以前、神戸市在住の中学生でのちにギャラリスト(ギャラリーユマニテ)となる西岡務、富山県高岡市の藤本弘(藤子・F・不二雄、1933年 - 1996年)、奈良県五條市の楳図かずお(1936年 - )、のちにCMディレクターとなる西久保弘光らとともに「改漫クラブ」の設立に参加する[4]。1954年(昭和29年)、『月姫物語』でデビューする。

牧美也子とともに「トキワ荘」に出入りしていた[6]

『森の兄妹』の復刻版が2005年(平成17年)11月20日に発行されたので、それに協力した松本零士が水谷に贈本して自宅に電話している[7]。翌日、再度電話したところ、電話を受けた実弟によれば急に危篤状態に陥っており、電話には出て話したが、それが水谷の最後のことばであったという[7]。70歳前後で没。

作品[編集]

国立国会図書館蔵書を中心としたおもな作品の一覧である[1][2]。特筆以外は「水谷武子」名義である[1]

  • 『月姫物語』、丸山東光堂、1954年発行 - デビュー作
  • 『ウララちゃん』、『少女』連載、光文社、1955年
  • 『森の兄妹』、共著ウメヅカズヲ(楳図かずお)、トモブック社、1955年6月発行
  • 『おとぎ姫』(旧題『○○姫のおとぎどうちゅう』)、水谷たけ子名義、『りぼん』連載、集英社、1956年 - 1967年
  • 『楽屋うらのバレリーナ』、水谷たけ子名義、『少女クラブ』第34巻第10号掲載、講談社、1956年8月発行
  • 『どんな方かしら』、『少女』連載、光文社、1957年
  • 『小鳩くるみちゃん』、『少女』連載、光文社、1957年 - 1958年
  • 『おてんばてんちゃん』、『5年の学習』第12巻第2号掲載、学習研究社、1957年5月発行
  • 『宿屋のきょうだい』、『少女クラブ』第35巻第7号掲載、講談社、1957年6月発行
  • 『ゼロくんとウララちゃん』、共著寺田ヒロオ、『児童漫画』、東京児童漫画会、1957年
  • 『ありさちゃん』、『少女クラブ』第35巻第7号 - 第37巻第13号連載、講談社、1957年8月 - 1959年11月発行
  • 『天使の小箱』、『少女クラブ』第35巻第11号掲載、講談社、1957年9月発行
  • 『わたしのおかあさん』、おもしろ漫画文庫184、集英社、1958年発行
  • 『アンテナピン子』、
  • 『ゆうだち』、『こばと』第2巻第8号掲載、集英社、1959年8月発行
  • 『あきのやま』、『こばと』第2巻第10号掲載、集英社、1959年10月発行
  • 『のんびりのん子ものがたり』、『ひとみ』連載、秋田書店、1961年
  • 『ポッポちゃんのおたより』、『りぼん』連載、集英社、1959年
  • 『ドレミちゃんのひみつ』、『りぼん』連載、集英社、1960年
  • 『マア子もおいで』、『少女クラブ』第38巻第1号 - 同巻第11号連載、講談社、1960年1月 - 同年9月発行
  • 『無軌道とろっこさん』、『中学一年コース』第4巻第1号掲載、学習研究社、1960年4月
  • 『やんちゃのぺんたくん』、『こばと』第3巻第5号 - 第3巻第15号連載、集英社、1960年4月 - 同年12月発行
  • 『いじわるベビーとパア子ちゃん』、『ひとみ』連載、秋田書店、1961年
  • 『あのねピョコタン』、『りぼん』連載、集英社、1961年
  • 『タイミングのテカ子』、水谷たけ子名義、『中学生画報』第1巻第3号掲載、秋田書店、1961年6月発行
  • 『あんずちゃんだもん』、『りぼん』連載、集英社、1962年
  • 『スタイルちゃん』、『りぼん』連載、集英社、1960年代
  • 『ちいさなひみつ』、『りぼん』掲載、集英社、1960年代
  • 『ちいちゃなおとうさん』、『りぼん』掲載、集英社、1960年代
  • 『ふたりのぽっくり』、『なかよし』掲載、講談社、1960年代
  • 『日本の国土のはなし 3000キロの島国』、水谷たけ子名義、岩崎明、おはなし社会科シリーズ19、ポプラ社、1969年発行 - 絵
  • 『大むかしの生物』、水谷たけ子名義、樋口善一、理科の実験観察シリーズ3、ポプラ社、1970年発行 - 絵
  • 『水のはなし』、水谷たけ子名義、田沢与光、理科の実験観察シリーズ26、ポプラ社、1972年発行 - 絵
  • 『物の変化』、水谷たけ子名義、田沢与光、理科の実験観察シリーズ46、ポプラ社、1973年発行 - 絵
  • 『日本の国土』、水谷たけ子名義、岩崎明、新・おはなし社会科17、ポプラ社、1980年発行 - 絵
  • 『溶接のおはなし』、水谷たけ子名義、手塚敬三日本規格協会、1981年発行 - 絵
  • 『新しい時代の標準化』、水谷たけ子名義、『標準化と品質管理』第34巻第11号掲載、日本規格協会、1981年11月発行 - イラスト
  • 『図解パーソナルコンピュータ MZ-80』、水谷たけ子名義、共著緒方健二誠文堂新光社、1982年2月発行
  • 『変動の時代の標準化』、水谷たけ子名義、『標準化と品質管理』第35巻第11号掲載、日本規格協会、1982年11月発行 - イラスト
  • 『歌遊びから発展させる ダンスと音楽劇』、水谷たけ子名義、横山幸博文教書院、1983年発行 - 画
  • 『仲間づくりのための 楽しいゲーム・ダンス』、水谷たけ子名義、関益久、文教書院、1983年発行 - 画
  • 『コンピュータ』、水谷たけ子名義、緒方健二、ニューメディア2001-1、国土社、1984年発行 ISBN 4337255028 - 画
  • 『日本の国土』、水谷たけ子名義、岩崎明、新・おはなし社会科17、ポプラ社、1984年発行 - 画
  • 『中堅・中小企業のためのTQC』、水谷たけ子名義、『標準化と品質管理』第37巻第4号 - 同巻第12号連載、日本規格協会、1984年4月 - 同年12月発行
  • 『ニューメディア』、水谷たけ子名義、緒方健二、ニューメディア2001、国土社、1987年1月発行 ISBN 433725501X - 画
  • 『人工知能』、水谷たけ子名義、緒方健二、ニューメディア2001、国土社、1987年1月発行 ISBN 4337255044 - 画
  • 『21世紀の社会』、水谷たけ子名義、緒方健二、ニューメディア2001、国土社、1987年1月発行 ISBN 4337255052 - 画
  • 『ネットワーク時代』、水谷たけ子名義、緒方健二、ニューメディア2001-3、国土社、1987年発行 ISBN 4337255036 - 画
  • 『品質管理の手法』、水谷たけ子名義、三瓶滋、『標準化と品質管理』第41巻第4号掲載、日本規格協会、1988年4月発行 - イラスト
  • 『女性による品質管理活動』、水谷たけ子名義、磯部邦夫、『標準化と品質管理』第44巻第8号掲載、日本規格協会、1991年8月発行 - イラスト
  • 『歴史の中の品質管理 - 建築における尺度制を中心に』、水谷たけ子名義、荒木睦彦、『標準化と品質管理』第44巻第9号掲載、日本規格協会、1991年9月発行 - イラスト
  • 『これからのモチベーション 21世紀に向けて』、水谷たけ子名義、近藤良夫坂本昭三加古昭一大日文雄菅原修坪田正行富岡敬之石井榮一田川正則村上信之田中達男平井直治北川佳男、『標準化と品質管理』第45巻第7号 - 第46巻第9号連載、日本規格協会、1992年7月 - 1993年9月発行 - イラスト
  • 『マンガ土地改良偉人伝 広淵沼物語』、水谷たけ子名義、『圃場と土壌』第29巻第12号掲載、、日本土壌協会、1997年12月発行
  • 『まんが高須輪中の歴史と地理 水と生きる高須輪中』、水谷たけ子名義、岐阜県高須輪中土地改良事業所、2000年1月発行
  • 『明正井路開削と矢島義一』、水谷たけ子名義、大分県明正井路2002年 発行 明正土地改良区保存

脚注[編集]

  1. ^ a b c 水谷武子国立国会図書館、2012年11月6日閲覧。
  2. ^ a b c 水谷たけ子、国立国会図書館、2012年11月6日閲覧。
  3. ^ a b 水谷たけ子国立情報学研究所、2012年11月6日閲覧。
  4. ^ a b ユリイカ[2004]、p.197.
  5. ^ 『毎日グラフ』1956年1月22日号p11に「水谷武子さん(22)」と記述されており、1934年頃の生まれと思われる。
  6. ^ 赤塚、p.56.
  7. ^ a b 松本、p.167-170.

参考文献[編集]

関連事項[編集]

外部リンク[編集]