海女 (妖怪)

ウィキペディアから無料の百科事典

海女(うみおんな)は、福岡県遠賀郡芦屋町や大島町、及び山口県萩市相島に伝わる妖怪。その名の通り海に現れる女性の妖怪である。福岡と山口では伝承が異なる。

概要

[編集]
福岡の海女
東北部の海面を歩く女性の妖怪。東北部の漁師たちによって目撃されている[1][2]
山口の海女
さげ髪の真っ白な女性の妖怪。『旅と伝説』通巻130号(1938年刊行)に、60年前頃に現れたものとして記述されている。
ある男が小屋に寝泊りしていたところ、毎晩のように飲み水がなくなった。付近に海女が現れるという噂を耳にしていた男は、ある晩に注意を払っていたところ、小屋に海女が現れた。すかさず舵で竹を打ちつけたところ、海女は逃げて行った。しかし男は海女を脅かしたために病気になってしまい、治す手立てもないまま死んでいったという[3]

脚注

[編集]
  1. ^ 松谷みよ子『現代民話考』 3巻、筑摩書房ちくま文庫〉、2003年、214頁。ISBN 978-4-480-03813-5 
  2. ^ 民俗学研究所編 著、柳田國男監修 編『綜合日本民俗語彙』 第1巻、平凡社、1955年、172頁。 
  3. ^ 瀬川清子「相島日記 (1)」『旅と伝説』11巻10号(通巻130号)、三元社、1938年10月、23頁。