病は気から (慣用句)
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病は気から(やまいはきから)は、本人の心の持ち方次第で病気が重くなったり、症状が改善するさまを現した慣用句[1]。
概要
[編集]いわゆるプラシーボ効果を分かりやすく置きなおした慣用句であり、「うそも方便」「病は気で勝つ」などのことわざに類する[2]。
日本においては『夕霧阿波鳴渡』という1712年ごろの人形浄瑠璃のなかで「家内が勇むきほひにつれて、諸病はきより本服の」と詠われていたり[3]、1864年ごろの歌舞伎の『小春隠沖津白波』序章において「病は気から生ずると申しますれば」などと語られていたりと、少なくとも江戸時代には日本の慣用句として成立を見ていたと考えられている[4]。
研究
[編集]心理的なストレスと病状の関連性についての研究がなされており、ペンシルバニア州立大学の研究チームが2015年に発表したものが知られている[5]。872人の成人に対しストレスをどのような時にどれくらい感じたかの電話調査と血液検査を実施し、ポジティブな解釈をもってストレスに対処しようとしている人ほどストレスマーカーが低く、ストレスに対し否定的な感情を持っている人ほどストレスマーカーが高い傾向にあることを突き止めた[6]。 また、2017年には北海道大学の研究チームがストレスによる病気発症のメカニズムについて世界で初めて突き止めたとして研究成果を発表している[7]。
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ 小学館『デジタル大辞泉』病は気から
- ^ 橋本尚『ことわざ安全読本』p.97
- ^ 小学館『日本国語大辞典 第二版』病は気から
- ^ 帯津良一『ホリスティック医学の治癒力』p.23
- ^ Keep calm and carry on -- for the sake of your long-term health
- ^ 生活習慣病予防協会『「病は気から」は本当だった ストレスはポジティブな行動で打ち消せる』
- ^ 2017/08/16北海道大学プレスリリース『世界初!「病は気から」の分子メカニズムの解明』
参考文献
[編集]- 小学館『デジタル大辞泉』
- 橋本尚『ことわざ安全読本』
- 小学館『日本国語大辞典第二版』
- 帯津良一『ホリスティック医学の治癒力』