直野敦

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直野 敦(なおの あつし、1929年3月18日 - )は、日本翻訳家・東欧・ロシア文学者。東京大学教養学部名誉教授。

経歴[編集]

大分県大分市生まれ。1954年東京大学文学部仏文科卒、1957年一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。金子幸彦ゼミ出身[1]。1958年からルーマニアブカレスト大学に学び、63年同文学部卒業。1965年同大学院修士課程修了、帰国。翻訳をいくつか出し、1969年東京大学教養学部専任講師、71年11月助教授、76年12月教授、1989年定年退官し名誉教授、文化女子大学教授、90年文学部長。2004年退職。

主としてルーマニア語、ルーマニア文学の教育、翻訳をおこなった。かつては社会主義思想を信奉していたが、後年は、宗教学者ミルチャ・エリアーデが、初期に書いた小説作品の翻訳で知られる。また、ルーマニア語の他に、アルバニア語ポーランド語の入門書、単語集などを著した。

長女・直野洋子も東欧文学者、その夫は深澤英隆・一橋大学教授(1956-、宗教学)。

著書[編集]

  • 『ルーマニヤ語文法入門』大学書林, 1967
  • 『ルーマニア語会話練習帖』大学書林, 1974
  • 『ルーマニア語基礎1500語』大学書林, 1975
  • 『ルーマニア語小辞典』大学書林, 1976
  • 『ルーマニア語の入門』白水社, 1977
  • 『ルーマニア語基本文1000』大学書林, 1980
  • 『ルーマニア語辞典』大学書林, 1984
  • 『アルバニア語基礎1500語』大学書林, 1986
  • 『ルーマニア語分類単語集』大学書林, 1986
  • 『アルバニア語入門』大学書林, 1989

翻訳[編集]

  • プレハーノフ『歴史における個人の役割』西牟田久雄共訳 未來社 1956
  • A.ガイダール『チムール小年隊』岩波少年文庫 1957
  • ジェルジ・ルカーチ『世界文学におけるロシア・リアリズム』西牟田久雄共訳 洋々社, 1957
  • ナジ・イシュトバン『キンタ横町の少年たち』新日本出版社 1967
  • スタンク『現代東欧文学全集第9 はだしのダリエ』恒文社 1967
  • ペトロ・マルコ『最後の町』新日本出版社(世界革命文学選) 1969
  • 『珍しい毛皮 ルーマニア短編集』恒文社, 1974
  • ミルチャ・エリアーデ『ムントゥリャサ通りで』法政大学出版局, 1977
  • 『ルーマニアの民話』住谷春也共編訳 恒文社 1978
  • 『世界短編名作選 東欧編』高橋勝之,吉上昭三共編集 新日本出版社 1979
  • 『バルカンの民話』恒文社, 1980
  • スミルノーフ,ザイツェフ『東京裁判』川上洸共訳 大月書店 1980
  • デサンカ=マクシモビッチ『世界のメルヘン16 妖精の女王ドーブラ』田中一生,八百板洋子共訳 講談社 1981
  • 『ネコになったおきさき 東欧の昔ばなし』小峰書店 1986
  • 『金のリンゴと九羽のクジャク 東欧の昔ばなし』小峰書店, 1987
  • エリアーデ『ホーニヒベルガー博士の秘密』住谷春也共訳 福武文庫 1990
  • 『エリアーデ幻想小説全集』全2巻 住谷春也共訳 作品社 2003-04

脚注[編集]

  1. ^ [1]

参考[編集]

  • 『人事興信録』1995年
  • 『ホーニヒベルガー博士の秘密』訳者紹介 

外部リンク[編集]