椀
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椀(わん)とは、飯や汁物などを盛るための食器[1]。土製、金属製、木製、石製のものがある[1]。
木製のものを木偏の椀、陶磁器製のものは石偏の碗、金属製のものには金偏の鋺の字を用いる(また金椀:かなまり・かなわんとも呼ぶ)。
概要
[編集]複数用途に用いられる食器で汁物の料理以外でも用いられる。水平投影の形状が円、底部が円形に湾曲しており、糸底があり、片手で持ち上げることのできるものを椀と呼ぶ。
大別して飯椀と汁椀、盛椀の三種類がある。同様の料理を入れる食器に鉢があるが、鉢は皿よりも深く、椀よりも浅い開口部の広く開いた形状の器を呼ぶ。
日本で古くから使用されており、正倉院には玉、ガラス、銀、黄銅製のものがある。鎌倉時代には飯椀と汁椀のほかに、壷椀、腰高椀などが現れた。
塗物椀は漆器産地の隆盛を経て近世以降に民衆にまで普及した[2]。磁器製の碗も近世になって量産されるようになったが、全国的に普及したのは鉄道の発達した明治時代になってからである[3]。現代では取り扱いの便利なプラスチック製のものも普及している。
種類
[編集]- 茶碗
- 飯椀 / 飯碗(めしわん) - 飯類を主に盛る椀。
- 湯呑み(ゆのみ)- 湯呑のうち、口径よりも高さが低いものは汲出し湯呑(または汲出し茶碗)、あるいは単に汲出しと呼ばれる。円筒形で縦長のものを長湯呑ということもある。
- 汁椀
- 吸物椀 - 吸い物を盛る椀。普通の椀よりも口径が大きい。
- 雑煮椀
- 煮物椀 / 盛椀 - 蓋付きのやや大ぶりの椀。漆器が一般的だが、陶磁器もある。
- 竹椀: 竹を輪切りにして作成した椀で、盛り椀や蕎麦猪口などとして用いられる。意匠として竹椀の形状を模した陶磁器の椀もある。竹は他に、縦に割って皿として用いられることもある。
- 夫婦椀 - 2つセットで1組となっている椀。茶碗、飯椀、汁椀、湯のみなど様々の食器類である。
- 多用椀