階段室

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名古屋市市政資料館中央階段室

階段室(かいだんしつ)とは、集合住宅などといった建築物に設けられている部屋の名称。階段室とされる部屋というのは階段だけが置かれた空間であり、防火区画内では構造、仕上げの制限を受ける[1][2]

東京国立博物館日本銀行大阪支店(旧館階段室)[3]のように、意匠を凝らして造られている階段室もある。

「階段室型」の住棟形式[編集]

集合住宅の住棟形式に階段室型がある。廊下がなく、階段室から直接各戸に出入りするように設計した形式をいう[4]。日本においては同潤会アパート昭和30年代から大量に供給された団地で多く採用されてきた。プライバシー通風採光などといった条件に優れている。

団地と呼ばれる建築群は多くが4-5階建てであり、エレベーターを持たず、向かい合う2戸で1つの共用階段を持っている[5]。昭和50年代後半(1980年代)以降は、エレベータのない階段室型プランが採用されることは少なくなった。

既存の階段室型団地をリノベーションし、後付けでエレベータを設置する事例もある[6]

なお、集合住宅の中央部分に階段室・エレベータホールを配置し、ホールから各戸に移動できるように構築した形式は、センターコア型と呼称される[4]

脚注[編集]

  1. ^ "階段室". 精選版 日本国語大辞典. コトバンクより2021年11月1日閲覧
  2. ^ 基準法施行令(昭和二十五年政令第三百三十八号)”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2021年11月1日閲覧。
  3. ^ 階段室の詳しいご紹介”. 日本銀行大阪支店. 2021年11月1日閲覧。
  4. ^ a b 第2章 集合住宅の建て方および住まい方に関する調査” (pdf). 国立研究開発法人建築研究所. 2021年11月1日閲覧。
  5. ^ マンションの間取りの基本:階段室型 マンション物件選びのポイント”. All About (2017年6月5日). 2021年11月1日閲覧。
  6. ^ 階段室型住棟におけるエレベーター・共用廊下の新設(西東京市ひばりが丘団地)[1]、階段室型住棟におけるエレベーターの新設(堺市向ヶ丘第一団地)[2]