鹿児島県漁業無線局

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鹿児島県漁業無線局(かごしまけんぎょぎょうむせんきょく)は、鹿児島県無線漁業協同組合が免許人として設置する無線局海岸局)である。

概略[編集]

鹿児島県漁業無線局は、鹿児島県無線漁業協同組合が鹿児島県と協同で管理し、遠洋カツオ・マグロ漁船を主な所属船として365日24時間体制で運用する漁業用海岸局[1]である。漁業情報サービスセンター(JAFIC)の無線FAXによる漁海況情報も送信する。

また、同一の場所より共同通信社による短波ファクシミリ新聞放送[2]気象庁気象無線模写通報およびVOLMET放送を行っている。 三重県と共同での三陸沖におけるNOAAの衛星軌道データおよび受信画像の提供も実施している。

鹿児島市中心部にある演奏所から鹿児島市内山中にある送信所と南九州市にある受信所をマイクロ波および光回線を用いた遠隔管制をしている[3]

沿革[編集]

  • 1928年(昭和3年)7月:枕崎漁業無線局開局
  • 1953年(昭和28年)6月:串木野漁業無線局開局
  • 1954年(昭和29年)4月:山川漁業無線局開局
  • 1973年(昭和48年)4月:鹿児島県漁業無線局建設推進委員会設立
  • 1976年(昭和51年)9月:鹿児島県無線漁業協同組合を設立
  • 1979年(昭和54年)7月:串木野・枕崎・山川無線漁業協同組合が合併、鹿児島県無線漁業協同組合が開局。
鹿児島県(漁業指導監督用海岸局)と鹿児島県無線漁業協同組合(漁業・電気通信業務用海岸局)の2重免許を受けて運用を開始する
  • 1995年(平成7年)10月:県本土全域の沿岸小型漁船対象の27MHzDSB1W漁業用海岸局開設
  • 1999年(平成11年)3月:GMDSS監視制御通信システム導入
  • 2002年(平成14年)8月:WMO方式短波帯FAX放送運用開始
  • 2003年(平成15年)3月:7.5GHz多重無線回線システムを導入
  • 2007年(平成19年)4月:共同通信社船舶向け短波FAX新聞放送運用開始
  • 2009年(平成21年)3月:気象無線模写通報及び東京ボルメット無線電話通報の通信サービス運用開始
  • 2013年(平成25年)4月:無線通信設備の全面更新工事、熊本県指導通信及び熊本県無線漁業協同組合の通信業務を一部運用開始
  • 2014年(平成26年)4月:一般社団法人漁業情報サービスセンター無線FAX放送開始

業務内容 [編集]

  • 漁業通信
出漁中の漁船と船主間を、無線通信で仲介する漁業に関する専用通信。
操業状況、運航計画、漁獲報告、餌料、燃油、漁業資材、食料等の補給調達、船員の手配等が主な通信内容。
  • 指導通信
国及び関係機関が発信する調査指導、監督取締り、練習業務、漁海況情報、気象観測資料の収集の他、航行警報、各種演習及び気象放送など
所属船の安全運航についての公共的な通信。
  • 電気通信業務の通信
所属漁船乗組員と留守家族を結ぶ個人的な通信、NTT回線を介して行う有料の個人電報の取扱い。
  • 沿岸漁業用27MHz1Wの通信
沿岸漁船に対し、1日4回の漁業気象及び漁船安全情報を定時に放送。24時間の常時聴守をもって通信エリア内にある各単協に設置された超短波海岸局職員の
不在時、夜間、祝 祭日及び休日等における緊急通信に対応するなど、沿岸漁船航行の安全と操業効率の向上に努めている。
  • マリンレジャー、ヨットとの無線通信
鹿児島海上無線協会と日本外洋帆走協会南九州支部との通信業務委託により、それぞれの超短波(VHF150MHz帯)通信施設を設置し、
錦江湾内外における洋上レジャー船の安全確保に寄与。
  • WMO FAX(世界気象機関 ファクシミリ)放送
定められた周波数と時刻により、1日10回、漁業無線便り、天気図、NOAA軌道情報などを沖合いの漁船向けにFAX放送、航行安全、乗組員の福利厚生、漁獲の向上に努めている。
  • 共同通信社船舶向けFAX放送
共同通信社との業務委託により、当漁協の施設を通じ、沖合船舶(主に太平洋が対象)に対して短波帯を使った時事新聞FAXを放送。
  • JMH / 東京VOLMET
気象庁より委託を受け、JMHはアジア地域の船舶に対して無線FAXで気象図を放送、東京VOLMETは航空機に対して日本又は韓国の国際空港の気象状況を無線電話で放送。

通信内容[編集]

  • 漁業通信に関する事項・電気通信業務に関する事項[1](識別符号:JFX)
    • 熊本県および熊本県無線漁業協同組合、鹿児島県および鹿児島県無線漁業協同組合が共同で利用
    • 漁業情報サービスセンターによる漁海況情報もJFXで送信される[4]
日本時間 主な配信内容 送信日 周波数(kHz) 備考
03:00 〜 NOAA情報 8658
07:00 〜 全般海上警報 8658
07:40 〜 鹿児島・⻑崎・沖縄海上気象予報 8658
09:20 〜 週間気圧予想配置図 8658 / 13074
10:10 〜 通報スケジュール 月曜日 8658 / 13074
12:10 〜 地上解析天気図(09時観測) 16907.5
12:30 〜 瀬物市況 8658 / 13074
13:00 〜 週間気圧予想配置図(再) 8658 / 16907.5
13:40 〜 台風情報 台風発生時 8658 / 13074
15:10 〜 NOAA情報(再) 16907.5
16:00 〜 三崎漁港冷凍マグロ市況 毎週月・水曜日 16907.5 / 22559.6
日本周辺広域海況情報 毎週火・金曜日 4274 / 13074 一般社団法人 漁業情報サービスセンター

が情報提供をおこなっている。

16:30 〜 気象情報
17:00 〜 サンマ漁海況情報 8月〜12月の期間
17:30 〜 近海マグロ市況 8658 / 13074
18:30 〜 航行警報(第10管区 / 第11管区海上保安本部 管内) 8658 / 13074
19:30 〜 海上安全情報 16907.5
20:00 〜 無線局からのお知らせ 4274 / 8658
  • ニュースの取材及び速報に関する事項[2](識別符号:JSC)
    • 一般社団法人共同通信社による短波ファクシミリ新聞放送
時間 (JST) 主な配信内容 配信日 備考
00:00〜 朝刊(ニュース、スポーツ、日本航行警報) 毎日
ファックスだより 日曜日
03:25〜04:10 インド洋海域海況情報 毎月4・14・24日 一般社団法人 漁業情報サービスセンター

が情報提供をおこなっている。

南大西洋海域海況情報、北大西洋海域海況情報
05:00〜 日本航行警報、船員だより
08:00〜 朝刊 00:00〜の再配信
海運水産ニュース 前日配信分(日曜の配信は無し)
11:00〜 夕刊 前日配信分(日曜のみ)
12:00〜 朝刊 00:00〜の再配信
13:55〜14:40 北太平洋南東部海域海況情報 毎月4・14・24日 一般社団法人 漁業情報サービスセンター

が情報提供をおこなっている。

北太平洋北部海域海況情報 5月〜7月の毎月4・14・24日
南東太平洋海域海況情報、南西太平洋海域海況情報 毎月4・14・24日
16:10〜 英字新聞「KYODO NEWS」 毎日
16:45〜 夕刊、海運水産ニュース、お知らせ 毎日
19:00〜 ふるさと通信 日曜日
19:20〜 朝刊 00:00〜の再配信
20:30〜 日本航行警報 毎日
21:00〜 英字新聞「KYODO NEWS」 再放送
23:00〜 海運水産ニュース 再放送
※配信内容によって、送信終了時間が変動する。
  • 気象無線模写通報(識別符号:JMH)
  • VOLMET放送(識別符号:東京)

免許人[編集]

脚注・出典[編集]

外部リンク[編集]