1979年の文学
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1979年の文学(1979ねんのぶんがく)では、1979年(昭和54年)の文学に関する出来事について記述する。
できごと
[編集]- 1月19日 - 第80回芥川龍之介賞・直木三十五賞(1978年下半期)の選考委員会開催。
- 4月 - 第22回群像新人文学賞が発表される。村上春樹の『風の歌を聴け』が受賞。
- 7月10日 - 五木寛之の『四季・奈津子』が集英社より刊行される。同書は1979年年間ベストセラーの総合6位と、1980年年間ベストセラーの総合8位を記録した[1][2]。
- 7月18日 - 第81回芥川龍之介賞・直木三十五賞(1979年上半期)の選考委員会開催。
- 7月23日 - 村上の第1作『風の歌を聴け』が講談社より発売される[3]。
- 10月15日 - 堀晃の短編集『太陽風交点』が早川書房より刊行。同書は1981年1月発表の第1回日本SF大賞を受賞した。
- 11月16日 - 椎名誠の初めてのエッセイ集『さらば国分寺書店のオババ』が情報センター出版局より刊行[4]。同書はベストセラーとなり、「昭和軽薄体」という言葉が流行するきっかけとなった。
- 12月 - 第1回野間文芸新人賞の発表が『群像』1980年1月号にてなされる。津島佑子の『光の領分』が受賞。
受賞
[編集]日本国内
[編集]- 第80回(1978年下半期)芥川賞・直木賞(1月)
- 第81回(1979年上半期)芥川賞・直木賞(7月)
- 谷崎潤一郎賞(第15回) - 田中小実昌『ポロポロ』
- 泉鏡花文学賞(第7回) - 眉村卓『消滅の光輪』、金井美恵子『プラトン的恋愛』
- 群像新人文学賞(第22回) - 村上春樹『風の歌を聴け』
- 野間文芸新人賞(第1回) - 津島佑子『光の領分』
日本国外
[編集]- ノーベル文学賞 - オデッセアス・エリティス
- ブッカー賞 - ペネロピ・フィッツジェラルド 『テムズ河の人々』
- ジェイムズ・テイト・ブラック記念賞(1978年度) - モーリス・ジー 『プラム - ある家族の愛と憎しみ』(フィクション部門)
- ゴールド・ダガー賞(1979年度) - ディック・フランシス 『利腕』
1979年の本
[編集]小説
[編集]- 阿久悠 『瀬戸内少年野球団』(文藝春秋)
- 色川武大 『生家へ』(中央公論社)
- 五木寛之 『四季・奈津子』(集英社)
- 海老沢泰久 『監督』(新潮社)
- 大江健三郎 『同時代ゲーム』(新潮社)
- 金井美恵子 『プラトン的恋愛』(講談社)
- 川端康成 『海の火祭』(新潮社)、『舞姫の暦』(毎日新聞社)
- 杉森久英 『天皇の料理番』(読売新聞社)
- 宗田理 『未知海域』(河出書房新社)
- 津島佑子 『光の領分』(講談社)
- 筒井康隆 『大いなる助走』(文藝春秋)
- 堀晃 『太陽風交点』(早川書房)
- 村上春樹 『風の歌を聴け』(講談社)
- 吉田知子 『大興安嶺死の八〇〇キロ』(新潮社)
- ジョン・ル・カレ 『スマイリーと仲間たち』 ※邦訳は1981年に刊行
その他
[編集]- 石原吉郎 『石原吉郎全集』(花神社) ※刊行開始
- 沖藤典子 『女が職場を去る日』(新潮社)
- 椎名誠 『さらば国分寺書店のオババ』(情報センター出版局)
- ハロラン芙美子 『ワシントンの町から』(文藝春秋)
- 堀江邦夫 『原発ジプシー』(現代書館)
- 向田邦子 『眠る盃』(講談社)
- 山田風太郎 『風眼抄』(六興出版)
死去
[編集]- 1月15日 - 田中西二郎、日本の翻訳家。71歳没。
- 2月21日 - ミハイル・ショーロホフ、ロシアの小説家。『静かなドン』の著者として知られる。73歳没。
- 6月9日 - 荒正人、福島県出身の文芸評論家。66歳没。
- 7月25日 - アレグザンダー・ケイ、米国の作家。74歳没。
- 8月1日 - 龍口直太郎、日本のアメリカ文学研究者・翻訳家。75歳没。
- 9月17日 - 吉田満、日本の小説家。『戦艦大和ノ最期』の著者として知られる。56歳没。
- 8月13日 - 福永武彦、日本の小説家。61歳没。
- 10月6日 - エリザベス・ビショップ、米国の詩人。67歳没。
- 10月22日 - 神谷美恵子、岡山県出身の精神科医・随筆家。65歳没。
- 11月7日 - 池田健太郎、愛知県出身のロシア文学者。50歳没。
- 12月2日 - 植草甚一、日本の文筆家。71歳没。