IAU100km世界選手権

ウィキペディアから無料の百科事典

IAU100km世界選手権
IAU 100km World Championships
競技 陸上競技
大会形式 ウルトラマラソン
開始年 1987年
主催 国際ウルトラランナーズ協会
スポンサー ワールドアスレティックス
前回優勝 男子日本の旗 岡山春紀
女子 フランスの旗 フロリアン・ホット
公式サイト
iau-ultramarathon.org
テンプレートを表示

IAU100km世界選手権(あいえーゆー100キロメートルせかいせんしゅけん、IAU 100km World Championships)は国際ウルトラランナーズ協会(IAU)が主催する、100kmの距離を走るマラソンウルトラマラソン)の世界選手権大会である。ワールドアスレティックス(世界陸連)が協賛[1]

100kmは、ウルトラマラソンの中でもワールドアスレティックスが唯一公認する種目であり、また最も人気がある種目であるが[1]、その世界大会となる。

概要[編集]

基本的に2年に1度(2016年までは毎年)開催。1987年ベルギートルホウトで第1回を開催。

日本では、1994年2005年サロマ湖100キロウルトラマラソンにて同時開催[2])、1998年四万十川ウルトラマラソンにて同時開催)の3回開催された。

各大会とも男子、女子の個人順位の他に、各国上位3名の合計タイムによる国別の団体順位も付けられる(第1回を除く)。日本はこれまでに男女とも優勝者を複数回輩出し、団体優勝も多い。

名称は、1993年から2003年まではIAU100kmワールドチャレンジ、2004年から2009年まではIAU100kmワールドカップの名称であったが、2010年から現在の名称が付けられた。

大会一覧[編集]

開催日 開催国 開催地
1 1987年6月20日 ベルギーの旗 ベルギー トルホウト
2 1988年10月1日 スペインの旗 スペイン サンタンデール
3 1989年6月25日 フランスの旗 フランス パリ-ランブイエ
4 1990年10月27日 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ダルース
5 1991年5月25日 イタリアの旗 イタリア フィレンツェ-ファエンツァ
6 1992年2月16日 スペインの旗 スペイン パラモス
7 1993年8月8日 ベルギーの旗 ベルギー トルホウト
8 1994年6月26日 日本の旗 日本 サロマ湖(涌別町 - 常呂町)
9 1995年9月16日 オランダの旗 オランダ ウィンスホーテン
10 1996年5月4日 ロシアの旗 ロシア モスクワ
11 1997年9月13日 オランダの旗 オランダ ウィンスホーテン
12 1998年10月18日 日本の旗 日本 四万十川(中村市 - 中村市)
13 1999年5月15日 フランスの旗 フランス シャヴァーニュ=アン=パイエ
14 2000年9月9日 オランダの旗 オランダ ウィンスホーテン
15 2001年8月26日 フランスの旗 フランス クレデール
16 2002年6月21日 ベルギーの旗 ベルギー トルホウト
17 2003年11月16日 中華民国の旗 台湾 台南市
18 2004年9月11日 オランダの旗 オランダ ウィンスホーテン
19 2005年6月26日 日本の旗 日本 サロマ湖(涌別町 - 常呂町)
20 2006年10月8日 大韓民国の旗 韓国 河南市
21 2007年9月8日 オランダの旗 オランダ ウィンスホーテン
22 2008年11月8日 イタリアの旗 イタリア タルクイーニア
23 2009年6月19日 ベルギーの旗 ベルギー トルホウト
24 2010年11月7日 ジブラルタルの旗 ジブラルタル ジブラルタル
25 2011年9月19日 オランダの旗 オランダ ウィンスホーテン
26 2012年9月19日 イタリアの旗 イタリア セレーニョ
2013年 中止
27 2014年11月21日 カタールの旗 カタール ドーハ
28 2015年9月12日 オランダの旗 オランダ ウィンスホーテン
29 2016年11月27日 スペインの旗 スペイン ロス・アルカサレス
2017年 中止
30 2018年9月8日 クロアチアの旗 クロアチア スヴェティ・マルティン・ナ・ムリ
2020年 中止
31 2022年8月27日 ドイツの旗 ドイツ ベルナウ・バイ・ベルリン
32 2024年12月7日 インドの旗 インド ベンガルール

優勝者一覧[編集]

選手名の右側は記録(タイム)。団体の記録は3名の合計タイム。

男子[編集]

開催年 男子個人 男子団体
1 1987年 Domingo Catalán
スペインの旗 スペイン
6時間19分35秒
2 1988年 Domingo Catalán
スペインの旗 スペイン
6時間34分41秒 フランスの旗 フランス 20時間58分43秒
3 1989年 Bruno Scelsi
フランスの旗 フランス
6時間47分06秒 フランスの旗 フランス 20時間46分56秒
4 1990年 Roland Vuillemenot
フランスの旗 フランス
6時間34分02秒 西ドイツの旗 西ドイツ 21時間21分36秒
5 1991年 Valmir Nunes
ブラジルの旗 ブラジル
6時間35分36秒 フランスの旗 フランス 20時間53分09秒
6 1992年 Konstantin Santalov
ロシアの旗 ロシア
6時間23分35秒 ドイツの旗 ドイツ 20時間23分20秒
7 1993年 Konstantin Santalov
ロシアの旗 ロシア
6時間26分26秒 ロシアの旗 ロシア 19時間59分48秒
8 1994年 Alexey Volgin
ロシアの旗 ロシア
6時間22分43秒 ドイツの旗 ドイツ 20時間07分01秒
9 1995年 Valmir Nunes
ブラジルの旗 ブラジル
6時間18分09秒 ロシアの旗 ロシア 19時間43分52秒
10 1996年 Konstantin Santalov
ロシアの旗 ロシア
6時間32分41秒 ロシアの旗 ロシア 19時間57分57秒
11 1997年 Sergiy Yanenko
 ウクライナ
6時間25分25秒 ロシアの旗 ロシア 19時間53分47秒
12 1998年 Grigory Murzin
ロシアの旗 ロシア
6時間30分06秒 ロシアの旗 ロシア 19時間44分41秒
13 1999年 Simon Pride
イギリスの旗 イギリス
6時間24分05秒 ロシアの旗 ロシア 19時間54分59秒
14 2000年 Pascal Fétizon
フランスの旗 フランス
6時間23分15秒 フランスの旗 フランス 19時間46分25秒
15 2001年 三上靖文
日本の旗 日本
6時間33分28秒 フランスの旗 フランス 20時間17分11秒
16 2002年 Mario Fattore
イタリアの旗 イタリア
6時間34分23秒 ロシアの旗 ロシア 20時間11分32秒
17 2003年 Mario Fattore
イタリアの旗 イタリア
7時間04分56秒 イタリアの旗 イタリア 22時間10分18秒
18 2004年 Mario Ardemagni
イタリアの旗 イタリア
6時間18分24秒 イタリアの旗 イタリア 20時間06分37秒
19 2005年 Grigory Murzin
ロシアの旗 ロシア
6時間24分15秒 日本の旗 日本 20時間34分07秒
20 2006年 Yannick Djouadi
フランスの旗 フランス
6時間38分27秒 ロシアの旗 ロシア 20時間17分23秒
21 2007年 渡邊真一
日本の旗 日本
6時間23分31秒 イタリアの旗 イタリア 19時間52分41秒
22 2008年 ジョルジオ・カルカテラ
イタリアの旗 イタリア
6時間37分41秒 イタリアの旗 イタリア 20時間57分39秒
23 2009年 宮里康和
日本の旗 日本
6時間40分44秒 日本の旗 日本 20時間31分04秒
24 2010年 中台慎二
日本の旗 日本
6時間43分44秒 日本の旗 日本 20時間32分23秒
25 2011年 ジョルジオ・カルカテラ
イタリアの旗 イタリア
6時間27分3秒2 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 20時間17分47秒
26 2012年 ジョルジオ・カルカテラ
イタリアの旗 イタリア
6時間23分20秒 イタリアの旗 イタリア 20時間06分41秒
27 2014年 マックス・キング
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
6時間27分43秒 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 20時間08分06秒
28 2015年 ジョナス・ブード
 スウェーデン
6時間22分44秒 南アフリカ共和国の旗 南アフリカ共和国 19時間51分40秒
29 2016年 山内英昭
日本の旗 日本浜松ホトニクス
6時間18分22秒  スウェーデン 19時間59分40秒
30 2018年 山内英昭
日本の旗 日本・浜松ホトニクス
6時間28分05秒 日本の旗 日本 19時間37分01秒
31 2022年 岡山春紀
日本の旗 日本コモディイイダ
6時間12分10秒 日本の旗 日本 18時間51分12秒

女子[編集]

開催日 女子個人 女子団体
1 1987年 Agnes Eberle
スイスの旗 スイス
8時間01分33秒
2 1988年 Ann Trason
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
7時間30分49秒 西ドイツの旗 西ドイツ 25時間53分27秒
3 1989年 Katharina Janicke
西ドイツの旗 西ドイツ
8時間07分41秒 フランスの旗 フランス 26時間31分54秒
4 1990年 Eleanor Adams
イギリスの旗 イギリス
7時間55分08秒 西ドイツの旗 西ドイツ 25時間32分50秒
5 1991年 Eleanor Adams
イギリスの旗 イギリス
7時間52分15秒 ドイツの旗 ドイツ 25時間41分03秒
6 1992年 Nursia Bagmanov
ロシアの旗 ロシア
7時間44分37秒 ドイツの旗 ドイツ 24時間20分05秒
7 1993年 Carolyn Hunter-Rowe
イギリスの旗 イギリス
7時間27分19秒 ロシアの旗 ロシア 22時間54分00秒
8 1994年 Valentina Shatyaeva
ロシアの旗 ロシア
7時間34分58秒 ロシアの旗 ロシア 23時間09分16秒
9 1995年 Ann Trason
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
7時間00分48秒 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 22時間28分21秒
10 1996年 Valentina Shatyaeva
ロシアの旗 ロシア
7時間33分10秒 ロシアの旗 ロシア 23時間14分49秒
11 1997年 Valentina Lyakhova
ロシアの旗 ロシア
7時間30分37秒 フランスの旗 フランス 23時間26分52秒
12 1998年 Carolyn Hunter-Rowe
イギリスの旗 イギリス
8時間16分07秒 ドイツの旗 ドイツ 26時間23分24秒
13 1999年 Anna Balošáková
スロバキアの旗 スロバキア
7時間33分02秒 フランスの旗 フランス 23時間24分05秒
14 2000年 Edit Bérces
 ハンガリー
7時間25分21秒 ドイツの旗 ドイツ 23時間29分28秒
15 2001年 Elvira Kolpakova
ロシアの旗 ロシア
7時間31分12秒 ロシアの旗 ロシア 23時間31分12秒
16 2002年 Tatiana Zhyrkova
ロシアの旗 ロシア
7時間37分06秒 ロシアの旗 ロシア 23時間13分56秒
17 2003年 Monica Casiraghi
イタリアの旗 イタリア
7時間31分12秒 イタリアの旗 イタリア 25時間52分06秒
18 2004年 Tatiana Zhyrkova
ロシアの旗 ロシア
7時間10分32秒 ロシアの旗 ロシア 23時間09分59秒
19 2005年 翔ひろ子
日本の旗 日本
7時間53分41秒 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 24時間46分39秒
20 2006年 Lizzy Hawker
イギリスの旗 イギリス
7時間28分56秒 イタリアの旗 イタリア 23時間23分43秒
21 2007年 櫻井教美
日本の旗 日本
7時間00分28秒 日本の旗 日本 22時間25分16秒
22 2008年 Tatiana Zhyrkova
ロシアの旗 ロシア
7時間23分33秒 ロシアの旗 ロシア 22時間58分46秒
23 2009年 カミ・セミック
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
7時間23分33秒 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 23時間41分10秒
24 2010年 エリー・グリーンウッド
イギリスの旗 イギリス
7時間29分05秒 イギリスの旗 イギリス 23時間16分54秒
25 2011年 マリナ・ビチュコワ
ロシアの旗 ロシア
7時間27分19秒 ロシアの旗 ロシア 23時間19分40秒
26 2012年 エイミー・スプロストン
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
7時間34分08秒 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 22時間59分03秒
27 2014年 エリー・グリーンウッド
イギリスの旗 イギリス
7時間30分48秒 イギリスの旗 イギリス 22時間56分24秒
28 2015年 カミラ・ヘロン
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
7時間08分35秒 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 22時間39分35秒
29 2016年 キルスティン・ブル
オーストラリアの旗 オーストラリア
7時間34分25秒 日本の旗 日本 23時間23分14秒
30 2018年 ニコリナ・シュスティッチ
クロアチアの旗 クロアチア
7時間20分34秒 日本の旗 日本 23時間03分50秒
31 2022年 フロリアン・ホット
フランスの旗 フランス
7時間04分03秒 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 22時間14分46秒

日本選手について[編集]

日本からは日本陸上競技連盟が派遣しており、優勝を含めメダリストや国別優勝となることも多い。

代表選考については、長らくサロマ湖100キロウルトラマラソンのみが代表選考会である。2022年大会のみ、新型コロナウイルス感染症流行によりサロマ湖が中止となったため、他の公認競技会(柴又100Kなど)において選考対象記録を満たす選手から選考された[3]

脚注[編集]

  1. ^ a b 100K国際ウルトラランナーズ協会、2022年9月3日閲覧。
  2. ^ 大会ヒストリーサロマ湖100kmウルトラマラソン実行委員会、2022年9月3日閲覧。
  3. ^ 第31回IAU100km世界選手権日本陸上競技連盟、2022年9月3日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]