jaguar hard pain

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jaguar hard pain
THE YELLOW MONKEYスタジオ・アルバム
リリース
ジャンル ロック
時間
レーベル TRIAD / 日本コロムビア
プロデュース 吉井和哉
宗清裕之
チャート最高順位
THE YELLOW MONKEY アルバム 年表
EXPERIENCE MOVIE/未公開のエクスペリエンス・ムービー
1993年
jaguar hard pain 
1994年
smile
1995年
『jaguar hard pain』収録のシングル
  1. 悲しきASIAN BOY
    リリース: 1994年2月21日
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jaguar hard pain』(ジャガー・ハード・ペイン)は日本のロックバンドTHE YELLOW MONKEYの3枚目のオリジナル・アルバム1994年3月1日日本コロムビア・TRIADレーベルよりリリースされた。

2000年8月19日に廉価盤、2013年12月4日に、リマスターBlu-spec CD2にて再発売。

解説[編集]

THE YELLOW MONKEY初のコンセプト・アルバム

「ジャガーが死ぬ以前に祖国に残してきた恋人マリーの魂を見てしまったため、肉体が滅んだことにも気付かず、魂だけが時を超え50年後の1994年にタイムスリップしてしまい、時代のズレを感じながらも恋人マリーを探す」というストーリー。また、ジャケットにはそのことを断片的に表す「1944-1994」の文字が入れられている。

ジャガーとは1944年に戦死した若者のことであり、肉体は死んでも魂だけは永遠に生きている人間の象徴である。名前はあがた森魚のアルバム『バンドネオンのジャガー』から付けられた。吉井はライブでもジャガーになりきるため、この時期に髪を坊主にしている。

前作『EXPERIENCE MOVIE/未公開のエクスペリエンス・ムービー』の「シルクスカーフに帽子のマダム」の主人公はジャガーの恋人であるマリーである。

吉井は本作をデヴィッド・ボウイのアルバム『ジギー・スターダスト』に影響されて作っており、「俺らなりのジギー・スターダスト」と語り[1]、更に「男性受けを狙った」と語っている[2]

ジャケット写真のエメラルドは、前作『EXPERIENCE MOVIE/未公開のエクスペリエンス・ムービー』でマリーに扮した吉井が付けている指輪がモチーフとなっている[3]

初回盤は初回限定プレスでカートン・ケースに納められてリリースされた。

収録曲[編集]

CD
全作詞: 吉井和哉、全編曲: THE YELLOW MONKEY。
#タイトル作詞作曲時間
1.「SECOND CRY」吉井和哉吉井和哉
2.「FINE FINE FINE」吉井和哉吉井和哉
3.「A HENな飴玉」吉井和哉吉井和哉
4.「ROCK STAR」吉井和哉吉井和哉
5.「薔薇娼婦麗奈」吉井和哉吉井和哉
6.「街の灯」吉井和哉菊地英昭・吉井和哉
7.「RED LIGHT」吉井和哉吉井和哉
8.「セルリアの丘」吉井和哉吉井和哉
9.悲しきASIAN BOY吉井和哉吉井和哉
10.「赤裸々GO! GO! GO!」吉井和哉吉井和哉
11.「遥かな世界」吉井和哉吉井和哉
12.「MERRY X'MAS」吉井和哉吉井和哉
合計時間:

楽曲解説[編集]

  1. SECOND CRY
    ジャガーが「今」の世に降り立つ場面を歌っている。歌詞カードに記載はされていないが、ラストのサビの部分に「シルクスカーフに帽子のマダム」の冒頭の部分[* 1]が重ねられている。
  2. FINE FINE FINE
  3. A HENな飴玉
    タイトルは麻薬の阿片と掛けている[4]
  4. ROCK STAR
    後に『SO ALIVE』にライブバージョンが収録された。当時TV神奈川の音楽番組のテーマ曲に使われていた[4]
  5. 薔薇娼婦麗奈
  6. 街の灯
  7. RED LIGHT
    アルバムを制作する前からライブで披露されていた曲[4]。劇団女優の伴美奈子の唄から曲が始まる。タイトルは赤線を意味しており、売春をテーマとしている[2]。歌詞中の「VAGINA」という単語がスタッフに問題視されたものの、反対を押し切って使用された[5]
    なおこの曲は2000年のSPRING TOUR以降(吉井和哉ソロを除く)演奏されなかったが2016年12月28日の「メカラウロコ27」にて16年ぶりに披露された。
  8. セルリアの丘
    曲中のピアノは吉井が影響を受けたモーガン・フィッシャーが演奏している[1]。「セルリア」とは架空の丘の名前である[4]
    またこの曲は「メカラウロコ9」以降演奏されなかったが、前曲と同様2016年12月28日に行われた「メカラウロコ27」にて18年ぶりに披露された。
  9. 悲しきASIAN BOY
    3rdシングル。
  10. 赤裸々GO! GO! GO!
    3rdシングル「悲しきASIAN BOY」カップリング。当初、「異常者」と言う歌詞は「気狂い」となる予定であったが、事務所の意向により修正された[2]
  11. 遥かな世界
    リリース当初、吉井は「『MERRY X'MAS』を補完する曲であり、大した曲ではない」という印象を持っていたが、6thアルバム『SICKS』のレコーディングでイギリスへ行った際にアルバムを聴き返し、再評価したという[6]
  12. MERRY X'MAS
    曲中で「あなた」、「君」と二人称が変わり、ライブでは吉井がジャガーとマリーの二役を演じていた。1998年に行われた「メカラ ウロコ・9」ではマリーに女装して演奏された。曲中のピアノは「セルリアの丘」同様、モーガン・フィッシャーが演奏している。
    歌詞中の「I Shall Return」はダグラス・マッカーサーが戦地を撤退する際に残した言葉である。「私は必ず戻ってくる」の意で、通常の用法では「I will return」であるが、貴族など高貴な身分の者が意志を強調する際に「Shall」を用いることがある。

参加ミュージシャン[編集]

THE YELLOW MONKEY
その他の参加ミュージシャン

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 「ジャガーはライフルであの世行き」という歌詞

出典[編集]

  1. ^ a b 吉井和哉のおセンチ日記
  2. ^ a b c ROCKIN'ON JAPAN 1994年3月号
  3. ^ SWITCH 2019 VOL.37. (2019) 
  4. ^ a b c d TRIAD COMPLETE BOX ブックレット
  5. ^ 「吉井和哉自伝 失われた愛を求めて」(ロッキング・オン
  6. ^ 「ブリッジ97年4月号」

外部リンク[編集]