Java Architecture for XML Binding

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Java Architecture for XML BindingJAXB)は、JavaクラスXMLで表現可能にする仕様である。JAXBには主に2つの機能がある。すなわち、JavaのオブジェクトをXMLにシリアライズすることと、逆にXMLからJavaオブジェクトにデシリアライズすることである。言い換えれば、JAXBはメモリ上のデータをXML形式に変換して保存することができ、そのためにプログラム内の各クラスにXMLロード/セーブルーチンを実装する必要がない。

JAXBは仕様が複雑で頻繁に変更される場合に特に便利である。その場合、Javaの定義の変更に合わせてXML Schemaの定義を更新することは、時間もかかるしバグを作りこみやすい作業となる。

JAXBはJakarta EEAPIの一種であり、Java Web Services Development Pack (JWSDP) の一部でもある。WSITの基盤の一部にもなっている。JAXBはJava 1.6にも含まれている。

JAXB 1.0は、Java Community ProcessのJSR 31において2003年に開発された。続いて2006年、JAXB 2.0がJSR 222において開発され、2017年9月にMaintenance Release 3がリリースされている[1]リファレンス実装はjava.netにCDDLライセンスで公開されている。

利用[編集]

"xjc" ツールは、XML Schemaや他のスキーマファイル形式(Java 1.6では、RELAX NG、XML DTD が実験的にサポートされている)をクラス表現に変換するのに使われる。クラス群は、javax.xml.bind.annotation.* の名前空間(例えば@XmlRootElementや@XmlElement)からアノテーションを使ってマークアップされる。XMLリストシーケンスは、java.util.Listの属性を使って表現される。マーシャルとアンマーシャルを行うコードはJAXBContextのインスタンスを通して生成される。

さらに、JAXBには "schemagen" ツールがある。これは基本的に "xjc" の逆を行うもので、アノテーション付きのクラス群のコードからXML Schemaを生成する。

データ型の既定バインディング[編集]

Javaのデータ型の種類はXML Schemaのものより豊富である。以下の表はJAXBにおいて、XMLのデータ型をどのようにJavaのデータ型にマッピングしているかを示したものである。

XML Schema型 Javaデータ型
xsd:string java.lang.String
xsd:integer java.math.BigInteger
xsd:int int
xsd:long long
xsd:short short
xsd:decimal java.math.BigDecimal
xsd:float float
xsd:double double
xsd:boolean boolean
xsd:byte byte
xsd:QName javax.xml.namespace.QName
xsd:dateTime javax.xml.datatype.XMLGregorianCalendar
xsd:base64Binary byte[]
xsd:hexBinary byte[]
xsd:unsignedInt long
xsd:unsignedShort int
xsd:unsignedByte short
xsd:time javax.xml.datatype.XMLGregorianCalendar
xsd:date javax.xml.datatype.XMLGregorianCalendar
xsd:g javax.xml.datatype.XMLGregorianCalendar
xsd:anySimpleType java.lang.Object
xsd:anySimpleType java.lang.String
xsd:duration javax.xml.datatype.Duration
xsd:NOTATION javax.xml.namespace.QName

脚注[編集]

関連項目[編集]

参考文献[編集]

外部リンク[編集]