BeSTA
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BeSTA(ベスタ、Banking application engine for STandard Architecture)は、NTTデータが開発した「次世代バンキングアプリケーション」のパッケージソフトウェア、NTTデータ標準バンキングシステム(エヌ・ティ・ティ・データひょうじゅんバンキングシステム)の略称である。
主に全国地方銀行協会加盟行向けの勘定系システム用ソフトウェアパッケージである。
概要
[編集]BeSTAを採用したシステム共同化には、NTTデータ地銀共同センター、「MEJAR」、「STELLA CUBE」、「BeSTAcloud」がある(詳細は後述)。特徴はマルチプラットフォームで、稼働するコンピュータ(ベンダー)を選ばないが、日立製作所および富士通のメインフレームで稼働している(2018年6月現在)[1]。
2006年(平成18年)9月、上位・中堅地方銀行向け国際系システムである「BeSTA-FX」も発表した。「BeSTA-FX」は、「NTTデータ地銀共同センター」の国際系システムをベースとしており、アウトソーシングサービスも提供する。BeSTAには、勘定系のほかに、営業系システムであるBeSTAlinkも開発されている[注 1]。
2018年(平成30年)7月、NTTデータがオープン基盤環境において、「BeSTA」を使用した性能面などの実現可能性確認を含む主要課題に関する技術検証を完了したと発表している[1]。
採用行
[編集]NTTデータは、2008年(平成20年)4月に足利銀行の地銀共同センターへの参加を発表した際に「BeSTA利用行は22行(予定行含む)」と発表した。この数には、日立製作所から提供されているNEXTBASE採用行は数に含めていないと考えられる。
NTTデータ地銀共同センター
[編集]MEJAR(メジャー)
[編集]Most Efficient Joint Advanced Regional banking-system(「最も効率的な先進的地方銀行共同システム」の略)。
正式名称はNTTデータ 3行共同利用システム。NTTデータ地銀共同センターと横浜銀行・北陸銀行・北海道銀行の共同開発。3行とも従前は富士通メインフレームだったこともあり、同社メインフレームで稼働[2]をはじめた。2015年(平成27年)10月には、基盤更改(第2期)[3]、2016年(平成28年)1月には、富士通メインフレームの勘定系システムを自営していた七十七銀行[4]、2019年(平成31年)1月には、浜銀と同じ持株会社の傘下に入った東日本銀行も「MEJAR」に移行した[5][6]。
なお、5行とNTTデータは、2024年(令和6年)1月に富士通メインフレームからオープンソースソフトウェアのLinux基盤の富士通サーバに移行(第3期)。ミドルウェアには、PITONを採用した。オープン基盤移行後の2030年度を目処に広島銀行が参加する予定で、同時に基盤のクラウド化などの実施も検討する(第4期)[7]。
- 横浜銀行 - 2010年1月4日稼働開始[8][9]。
- 北陸銀行 - 2011年5月6日稼働開始[10]。
- 北海道銀行 - 2011年5月6日稼働開始[10]。
- 七十七銀行 - 2016年1月4日稼働開始[11][12]。
- 東日本銀行 - 2019年1月4日稼働開始[6][13]。
- 広島銀行 - 2030年度を目処に稼働予定[7]。
STELLA CUBE(ステラキューブ)
[編集]NTTデータが1997年(平成9年)5月より運用している勘定系パッケージ・STARシリーズの一つ「スターエース(STAR-ACE)」(富士通メインフレーム)の後継システムとして、2008年(平成20年)3月に発表[14]。翌年、名称を「NTTデータ基幹系共同センター(名称:STELLA CUBE)」と発表した。
BeSTAcloud(ベスタクラウド)
[編集]フィデアホールディングスなどを対象に、新たにクラウドシステムにて開発された勘定系システム。開発発表当時、NTTデータ地銀共同センターを利用していた荘内銀行の現行内容の移行しやすさなどから、日立製作所のメインフレームで構築された。2014年(平成26年)3月17日に荘銀、5月7日北都銀行が移行した。
このほか、2016年5月2日にはあおぞら銀行[15][16]、2019年1月には、NTTデータが運用を受託するシステムバンキング九州共同センター(SBK)の勘定系が一括してBeSTAcloudに移行され[17]、新規にSBKに加盟した沖縄海邦銀行は5月に移行を完了した。
- 荘内銀行 - 2014年3月17日稼働開始[18]。
- 北都銀行 - 2014年5月7日稼働開始[18]。
- あおぞら銀行 - 2016年5月2日稼働開始[19][20]。
- システムバンキング九州共同センター - 2019年1月4日稼働開始[21](沖縄海邦銀行は、5月7日稼働開始[22])。
その他形態
[編集]NEXTBASE
[編集]労働金庫勘定系システム(アール・ワンシステム)
[編集]全国の労働金庫が共同運用している勘定系システム(ユニティシステム)は、従来は富士通メインフレームで稼働していた。
2014年1月5日、日立製作所メインフレームで構築し、BeSTAのアーキテクチャに労金の特有機能をカスタマイズした版である、アール・ワンシステムの稼働を始めた[23]。
関連事項
[編集]脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b “金融勘定系システムのオープン基盤提供に向け本格始動”. 株式会社NTTデータ. (2018年7月20日) 2019年1月30日閲覧。
- ^ “NTTデータ地銀共同センターと横浜銀行、北陸銀行、北海道銀行との共同開発に関する合意について”. 株式会社NTTデータ (2007年3月23日). 2019年1月30日閲覧。
- ^ “広島銀行とのシステム共同利用および詳細検討に関する基本合意について” (PDF). 北陸銀行. 2023年12月29日閲覧。
- ^ “4行とのシステム共同利用に関する基本契約締結について”. 株式会社NTTデータ (2012年5月11日). 2019年1月30日閲覧。
- ^ “基幹システム 東日本銀も利用 ほくほくFG”. 日本経済新聞. (2019年1月4日) 2019年1月30日閲覧。
- ^ a b “5行とのシステム共同利用に関する基本契約締結について”. NTTデータ. 2023年12月29日閲覧。
- ^ a b “広島銀行とMEJARの共同利用の検討に関する基本合意を締結”. NTTデータ (2022年11月11日). 2019年1月30日閲覧。
- ^ “横浜銀行、北陸銀行、北海道銀行との次期システム共同利用の基本契約締結について”. NTTデータ. 2023年12月29日閲覧。
- ^ “横浜銀行が勘定系を刷新、共同利用型の新システムを全面稼働”. ITpro (日経コンピュータ). (2010年1月4日)
- ^ a b “北陸銀、北海道銀、鹿児島銀が勘定系システムを刷新”. ITpro (日経コンピュータ). (2011年5月10日)
- ^ “4行とのシステム共同利用に関する基本契約締結について”. NTTデータ. 2023年12月29日閲覧。
- ^ “システム共同利用についての基本契約に関するお知らせ” (PDF). 株式会社七十七銀行 (2012年5月11日). 2014年10月27日閲覧。
- ^ “システム移行に伴う年末年始のATM休止について”. www.higashi-nipponbank.co.jp. 東日本銀行. 2023年12月29日閲覧。
- ^ 神奈川銀行、但馬銀行、東京都民銀行、東北銀行、富山銀行、長野銀行が「NTTデータ次期共同センター」の採用を決定 NTTデータ・ニュースリリース
- ^ “システム移行に関する重要なお知らせ”. 株式会社あおぞら銀行. 2016年1月8日閲覧。
- ^ “あおぞら銀行がNTTデータの勘定系クラウド導入決定、「3度目の正直」なるか”. 日経コンピュータ. (2013年8月1日) 2014年10月27日閲覧。
- ^ “事業組合システムバンキング九州共同センターへ「BeSTAcloudR」を提供開始”. 株式会社NTTデータ. (2019年1月4日) 2019年1月30日閲覧。
- ^ a b “金融機関向け基幹系サービス「BeSTAcloud®」 フィデアグループ(荘内銀行・北都銀行)への本格提供を開始”. NTTデータ | Trusted Global Innovator. 2023年12月31日閲覧。
- ^ “新システムの稼働開始について”. あおぞら銀行. 2023年12月31日閲覧。
- ^ “あおぞら銀行へ基幹系システム「BeSTAcloud®」提供開始”. NTTデータ | Trusted Global Innovator. 2023年12月31日閲覧。
- ^ “事業組合システムバンキング九州共同センターへ「BeSTAcloud®」を提供開始”. NTTデータ | Trusted Global Innovator. 2023年12月31日閲覧。
- ^ “沖縄海邦銀行へ「BeSTAcloud®」を提供開始”. NTTデータ | Trusted Global Innovator. 2023年12月31日閲覧。
- ^ “2018 ディスクロージャー”. 労働金庫連合会. (2018年) 2019年1月30日閲覧。