Super A'Can

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Funtech Super A'can
メーカー 聯華電子(UMC)
敦煌科技(Funtech)
種別 据置型ゲーム機
世代 第4世代
発売日 中華民国の旗 1995年7月
CPU モトローラMC68000
モステクノロジーMOS 6502
対応メディア ロムカセット
対応ストレージ バッテリーバックアップ[1]
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Super A'Can(スーパー エーキャン)は、台湾1995年民国84年)7月に発売された16ビットゲーム機

概要[編集]

台湾の大手半導体メーカー聯華電子股份有限公司(UMC)の子会社であった敦煌科技Funtech Entertainment)から発売された。当時の台湾で絶大な人気を博していた任天堂の超級任天堂(台湾版スーパーファミコン)に酷似した外観をしている。

台湾発のゲームコンソールとして、台湾の幾つかの大手ソフトハウスの支持を得たが、関心を示したほとんどの台湾の中小ソフトハウスにとっては初期コストが過大であったためにそれ以上の支持は得られず、台湾以外の地域のソフトハウスはどこも関心を示さなかったため、ソフトが揃わなかった。また、A'Canのチップセットは超級任天堂のチップセットと同じファブで生産されていたため、超級任天堂用チップの製造を止めないよう任天堂からファブに圧力がかかり、ハードの生産が遅れた。

超級任天堂のグラフィック性能とメガドライブのCPU性能を有した、最強の16ビット機を自称していた。事実、同世代のハードの中では最高の性能を有してはいたが、折悪しくもA'Canがリリースされた1995年、3D機能を搭載した次世代機である新力電脳娯楽(SCE)のPlayStationが台湾に上陸する。開発キットの出来が悪かったにもかかわらず、敦煌科技はサードパーティに可能な限り早くソフトをリリースするように圧力をかけた結果、リリースされたソフトはすべて出来の悪いゲームとなってしまった。そのリリースされたソフトの中には『ボンバーマンシリーズ』や『ファイナルファンタジーシリーズ』といった有名メーカータイトルのゲームシステムそのものを真似したソフトまでもが存在している。

最終的に、敦煌科技は600万ドルの赤字を出して倒産した。聯華電子本体にも影響を及ぼし、2000年までその負債がのしかかった。

ハードウェア[編集]

仕様[編集]

CPU[編集]

  • メインプロセッサ : MC68000 at 10.74MHz
  • セカンダリプロセッサ : MOS 6502 at 3.58MHz

聯華電子製カスタムチップ[編集]

  • メインチップ : UM6618 - 背景 & アニメーション
  • セカンダリチップ : UM6619 - BGM & オーディオ

メモリ[編集]

  • クロック : 10.6 MHz
  • メインRAM: 64 KB
  • セカンダリRAM: 32 KB
  • VRAM : 128KB
  • DMA : 8チャネル

グラフィック[編集]

  • 解像度 : 640x480、32768色中256色
  • キャラクタ : 256x256、256色
  • 背景 : 最大4枚、キャラクタの透過・回転・拡大縮小・モザイク機能をサポート

サウンド[編集]

  • 16トラック、ステレオ、PCM

I/O[編集]

  • コントロールパッド : フロント部分に9-pin D-sub x2(メガドライブのコントロールパッドと同じ形だが互換性は無い[2]
  • RCA端子

周辺機器接続端子が無いが、メガドライブのスーパー32Xのような周辺機器の発売を予定していたらしい。

ソフトウェア[編集]

全部で12本のゲームが確認されている。

  • [F-001]福爾摩沙大對決 ACT 鉅?科技有限公司
  • [F-002]三國志 ACT 2P 熊?軟體股?有限公司 : 1993年にDOS用ソフトとしてリリースされた『武将争霸』の移植。欧米でも『Sango Fighter』としてリリースされており、知名度があった。
  • [F-003]邪惡之子 RPG 敦煌科技股?有限公司 : スクウェアファイナルファンタジーに極めて良く似たシステムのRPG。
  • [F-004]音速飛龍 ACT 鉅?科技有限公司
  • [F-005]超級中華職棒聯盟 SPG 2P 全?科技有限公司
  • [F-006]?遊記 ACT 敦煌科技股?有限公司
  • [F-007]超級光明戰史 RPG 精訊資訊有限公司
  • [F-008]非洲探險大富翁 TBG 熊?軟體股?有限公司
  • [F-009]賭霸 TBG 熊?軟體股?有限公司
  • [F-010]魔棒撞球 SPG 敦煌科技股?有限公司
  • [F-011]爆爆動物園 ETC 2P 敦煌科技股?有限公司 : ハドソンからリリースされた『ボンバーマン』とゲームシステムがほぼ同じのゲーム。
  • [F-012]叛星

圖形加速器[編集]

発売予定の圖形加速器に関する情報がSuper A'canの外箱裏面に記載されている。ちなみに外観はスーパー32Xに酷似している。

拡張グラフィック[編集]

  • 背景 : 最大10枚
  • キャラクタ : 最大640枚
  • テクスチャマッピングとシャドウマッピングをサポート

拡張システム性能[編集]

  • DSP : 28MHz(14Mps)
  • VRAM : 256KByte

3D性能[編集]

  • 三角ポリゴン: 225万頂点(75万ポリゴン)

拡張サウンド[編集]

  • ステレオADPCM

脚注[編集]

  1. ^ 8bit~32bitくらいのあいだのげぇむ Super A'can カートリッジ電池交換
  2. ^ Super A’can – SamplingLife -模倣人生-

関連項目[編集]

  • Gamate - 台湾のBit Corporationが1990年に発売した携帯ゲーム機。ハードの生産を担当していたのがUMCであり、Bit Corporationが1992年に倒産した後はFuntechが引き取って販売していた。

外部リンク[編集]