TGV IRIS 320

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TGV IRIS 320
TGV IRIS 320 第4530編成(2006年9月、パリ北駅)
基本情報
運用者 フランス国鉄
製造所 アルストム
種車 TGV Réseau
改造年 2006年
改造数 1編成
主要諸元
編成 10両編成(2M8T)
軌間 1,435 mm
電気方式 交流25,000V 50Hz
直流1,500V
直流3,000V
架空電車線方式
最高運転速度 320 km/h
編成重量 383 t
編成長 200,190 mm
長さ 客車 18,700 mm
2,904 mm
高さ 客車 3,420 mm
主電動機 交流同期電動機
主電動機出力 交流25,000V区間 1,100kW
駆動方式 トリポード可撓継手
編成出力 交流25,000V区間 8,800kW
直流1,500V (3,000V) 区間 3,680kW
制御方式 VVVFインバータ制御
GTOサイリスタ素子
制動装置 電磁自動空気ブレーキ発電ブレーキ
保安装置 LGV区間 TVM
SNCF在来線区間 KVB
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TGV IRIS 320 (TGVイリス320) は、フランス国鉄 (SNCF) の電気軌道総合試験車である。IRIS(イリス)はフランス語で「目」(虹彩)を意味する。

編成[編集]

SNCFではLGV区間の架線軌道検測車両として1988年Mélusine(メリュジーヌ)が導入され、営業用TGV編成に組成された上で使用されていたが、高速化に対応した高精度な保守を行う目的で高速試験車MGV (Mesure à grande Vitesse)の導入が検討され、代替車両としてTGV Réseau第4530編成を改造したIRIS 320を2006年に導入した。

年間20万kmの検測走行が可能で、SNCFのLGV区間、在来線区間に加えてベルギー国内の高速新線の検測にも対応している。LGV東ヨーロッパ線などでは320km/hでの検測走行が可能である。

編成にはカメラ20台と150個のセンサが搭載され、軌道や架線の状態、信号通信設備、トンネル区間通過時における列車への圧力状態などが測定される。測定された各種のデータは「正常」、「危険」、「緊急」に分類され不良箇所の情報は関係部署に即時に送信され、データを基にメンテナンスが施される。データとともにGPSにより列車の位置の確認も可能である。運行時には運転士2名、技術者7名が乗務する。

車体外装は登場時は写真の通りのカラーであったが、後にTGV Lyriaに似たVIGIRAIL(ヴィジレイル。フランス国鉄のインフラ整備等を行う組織)のカラーリングに変更されている。

組成[編集]

  • M+R1+R2+R3+R4+R5+R6+R7+R8+M (M - 動力車、R - 客車
  • R1 測定車
  • R2・R3 制御システム
  • R4・R5 バー、見学者用客室
  • R6・R7・R8 休息用車両(10室 10人用サロン)

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]