2020年東京オリンピック
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第32回オリンピック競技大会 | |
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東京2020オリンピック競技大会 Jeux de la XXXIIe olympiade Games of the XXXII Olympiad | |
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開催国・都市 | ![]() |
参加国・地域数 | 202並びに難民選手団 |
参加人数 | 11,420人[1] |
競技種目数 | 非追加種目 28競技321種目 追加種目 5競技18種目 合計 33競技339種目 |
開会式 | 2021年7月23日 |
閉会式 | 2021年8月8日 |
開会宣言 | 天皇徳仁(名誉総裁) |
選手宣誓 | 山縣亮太 石川佳純 |
審判宣誓 | 加藤将門 津崎明日美 |
コーチ宣誓 | 井上康生 宇津木麗華 |
最終聖火ランナー | 大坂なおみ(国立競技場) 高橋礼華(夢の大橋) |
主競技場 | オリンピックスタジアム (国立競技場) |
夏季 | |
冬季 | |
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東京2020オリンピック競技大会 |
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[注釈 1]、英: TOKYO 2020)は、2021年(令和3年)7月23日から8月8日までの17日間、日本の東京都などで開催された第32回オリンピック競技大会[2]。
(とうきょうニーゼロニーゼロオリンピックきょうぎたいかい205の国と地域[注釈 2]から11,092人が参加し、実質19日間(開会式に先立ち男女サッカーとソフトボールの一部試合が行われた2日間を含む)に33競技339種目が行われた[3][4]。一般的には東京オリンピックや東京2020オリンピックと呼称され、 (とうきょうごりん)、TOKYO 2020などとも略称される。また、公用文では第三十二回オリンピック競技大会の表記も用いられている[5]。
概要
[編集]2013年9月の第125次IOC総会で開催都市が東京に決定した。東京での開催は1964年大会以来57年ぶり[注釈 3]2回目となり、競技は東京都の他に埼玉県、神奈川県、千葉県、茨城県、静岡県、福島県、宮城県と北海道(計9都道県)で行われた。大会組織委員会は東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(TOCOG)。大会名誉総裁は今上天皇[6]。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行を受け、本来の開催日程から1年延期して開催された[7]。大会延期により開催年は変わったが「東京2020」の名称に変更はない[7]。開催の延期は近代オリンピック史上初めてのことであり、奇数年の開催も夏冬通じて史上初となった。
参加国・地域
[編集]2020年3月12日の時点で、以下の153か国・地域の国内オリンピック委員会(NOC)が出場資格を得ている(ただし、ユニバーサリティ出場枠を通して、出場資格にかかわらず競技者を派遣することができる陸上競技および水泳競技の参加資格未取得競技者を有するのみのNOCを除く)。
- 緑は参加国、灰色は不参加国、黄色は開催都市(東京)
- 各国の参加人数
2021年開幕時点で参加する205か国・地域の各国オリンピック委員会についての
なお、ロシアは2019年に起きたドーピングの検査データ改ざん問題による排除処分を受けて、国としての出場が事実上不可能になっているため、ロシア・オリンピック委員会(ROC)として、個人資格での出場となった[9][10]。
当初、参加を予定していた朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は「新型コロナウイルスによる世界的な保健の危機状況から選手たちを守るため」として、大会への参加を断念することを2021年4月6日に発表した[11]。IOCは参加に向けて話し合いを模索したが、同年6月8日に不参加を事実上容認することを発表した[注釈 5][14][15]。北朝鮮が夏季五輪不参加となるのは1988年のソウルオリンピック以来である[15][16]。その他の国・地域は予定通り参加したため、IOC加盟国としては唯一の不参加国となった。大会終了後の2021年9月8日、「オリンピック憲章に違反した」として、IOCは北朝鮮に対し、2022年末までの資格停止処分を科すことを決定した。これにより、同国は同年に開催予定の北京オリンピックに参加することが事実上不可能となり[17][18]、2022年1月7日に個人資格を含む同大会への出場を断念することを正式発表した[19]。
開会式の入場行進は日本語表記による50音順で実施された。日本で過去に開催された1964年東京大会、1972年札幌大会、1998年長野大会はいずれも英語表記に基づくアルファベット順で入場行進しており、50音順での入場行進は初となる。なお、五輪発祥国のギリシャは最初、開催国の日本が最後に入場したほか、今後夏季オリンピックが開催される予定のアメリカとフランスが日本の直前に入場行進を行った[20]。
公式マスコット
[編集]東京2020オリンピックの公式マスコット・キャラクターとしてミライトワが作成されている[21]。これは、東京2020パラリンピックの同じく公式マスコットであるソメイティと一対のキャラクターとして作成されていて[22]、セットで事前の宣伝活動に登場しており、大会の気運を盛り上げている。 ミライトワという名前には、「素晴らしい未来を永遠に」 を意味した願いが込めており、伸びやかな眼差しをもって愛らしく語りかけてくるキャラクターに、未来の主人公となる子どもたちの支持が寄せられている(マスコットの最終選定は、小学生による投票をもって行われた[23][24])。
開会式
[編集]
入場の先頭は慣例によりオリンピック発祥地のギリシャ、最後部は日本、その前がホスト国に内定しているフランス(2024年パリ大会)、米国(2028年ロサンゼルス大会)で、その他の国が50音順の並びになる。今回のテレビ放送では日本人選手名のローマ字表記を「名・姓」でなく、日本語表記と同じ「姓・名」に変更することも決まっている[25]。
閉会式
[編集]実施競技
[編集]2020年東京オリンピックでは、33競技339種目が実施される[26]。うち、非追加種目が28競技321種目、開催地の組織委員会提案の追加種目は5競技18種目となっている[26]。非追加種目はオリンピック憲章で定められた上限310種目を11種目上回った。下記の情報は2017年6月現在[26]。括弧内の数字は種目数、★は東京五輪における追加種目を含む競技、並びは競技名のアルファベット順。
アーチェリー(5)(詳細)
陸上競技(48)(詳細)
バドミントン(5)(詳細)
- 野球・ソフトボール (2)★
バスケットボール(4)(詳細)
ボクシング(13)(詳細)
カヌー(16)(詳細)
自転車競技(22)(詳細)
馬術(6)(詳細)
フェンシング(12)(詳細)
ホッケー(2)(詳細)
サッカー(2)(詳細)
ゴルフ(2)(詳細)
- 体操 (18)(詳細)
ハンドボール(2)(詳細)
柔道(15)(詳細)
空手(8)(詳細)★
- 形 (2)
- 組手 (6)
近代五種(2)(詳細)
ボート(14)(詳細)
ローラースポーツ(4)(詳細)★
ラグビー(2)(詳細)
7人制ラグビー(2)
セーリング(10)(詳細)
射撃(15)(詳細)
スポーツクライミング(2)(詳細)★
サーフィン(2)(詳細)★
- 水泳 (49)
卓球(5)(詳細)
テコンドー(8)(詳細)
テニス(5)(詳細)
トライアスロン(3)(詳細)
バレーボール(4)(詳細)
ウエイトリフティング(14)(詳細)
レスリング(18)(詳細)
- フリースタイル (12)
- グレコローマン (6)
実施競技の見直し
[編集]2020年夏季五輪においては実施競技について見直しが行われた。
2013年
[編集]- 2月12日 - IOCは2012年のロンドンで実施された26競技のうち、レスリングを除く25競技を「中核競技[注釈 6]」として位置付けた。その上で、2020年夏季五輪においては「中核競技」25競技と2016年リオデジャネイロ五輪で追加される2競技を併せた27競技を実施するものとし、レスリングを実施競技から除外する勧告を行った[27]。
- 5月22日 - カナダのケベックシティで行われたIOC理事会において、フィリップ・ボビIOCスポーツ局長が2020年大会での実施競技の選考過程を発表した。
- 5月29日 - IOC理事会において、2月の理事会で除外されたレスリングと新たな候補競技7競技(野球・ソフトボール、空手、ローラースポーツ、スカッシュ、ウェイクボード、武術太極拳、スポーツクライミング)の計8競技から、レスリング、野球・ソフトボール、スカッシュを選出。
- 9月8日 - 開催都市決定の翌日。アルゼンチンのブエノスアイレスで開かれる第125次IOC総会において、5月29日の理事会で選出された3競技からIOC委員による投票で、追加する1競技がレスリングに決定した[28]。
2015年
[編集]- 6月22日 - 組織委員会が提案できる追加種目の1次選考結果が組織委員会東京2020種目追加検討会議から発表され、野球・ソフトボール、ボウリング、空手、ローラースポーツ、スポーツクライミング、スカッシュ、サーフィン、武術太極拳の8競技内の種目に絞られた[29]。
- 9月28日 - スカッシュ、ボウリング、武術太極拳以外の、5競技18種目のIOCへの提案が決定される。それぞれ、野球・ソフトボールは野球(男子)、ソフトボール(女子)。空手は組手3階級(男女)、形(男女)。ローラースポーツはスケートボードストリート(男女)、スケートボードパーク(男女)。スポーツクライミングはボルダリング・リード・スピード複合(男女)、サーフィンショートボード(男女)[30]。
2016年
[編集]2017年
[編集]- 6月9日 - ローザンヌでのIOC理事会で柔道男女混合団体戦、水泳男子800メートル自由形、女子1500メートル自由形、400メートル男女混合メドレーリレー、アーチェリー男女混合団体、陸上競技1600メートル男女混合リレー、バスケットボール・3x3男女、自転車マディソン(トラック)男女、BMXフリースタイル男女、フェンシング団体男女、卓球男女混合ダブルス、トライアスロン男女混合リレー、ボクシング女子2階級などの導入、アーチェリー団体男女、ボクシング男子2階級、ウエイトリフティング男子1階級などの削減があり既存28競技の種目構成が決定される[26]。
2018年
[編集]2019年
[編集]- 6月26日 - ボクシングはAIBAから国際体操連盟会長兼IOC委員の渡辺守成を座長とするIOC内の特別作業部会(タスクフォース)に主管団体を変更するが、実施される方針[31]がローザンヌでのIOC総会で承認された[32]。
2020年
[編集]- 6月 - 国際ウエイトリフティング連盟前会長のドーピング隠蔽疑惑発覚などにより、ウエイトリフティングの当大会からの除外案が浮上した[33][34]が、実施された。
開催日程
[編集]OC | 開会式 | ● | 予選 | 1 | 決勝 | EG | エキシビション | CC | 閉会式 |
2021年7月 / 8月 | 21 (水) | 22 (木) | 23 (金) | 24 (土) | 25 (日) | 26 (月) | 27 (火) | 28 (水) | 29 (木) | 30 (金) | 31 (土) | 1 (日) | 2 (月) | 3 (火) | 4 (水) | 5 (木) | 6 (金) | 7 (土) | 8 (日) | 種目数 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
![]() | OC | CC | |||||||||||||||||||
![]() | ● | 1 | 1 | 1 | ● | ● | ● | 1 | 1 | 5 | |||||||||||
![]() | 1 | 3 | 4 | 5 | 6 | 5 | 8 | 8 | 7 | 1 | 48 | ||||||||||
![]() | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 1 | 1 | 1 | 2 | 5 | ||||||||||
バスケットボール | ![]() | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 1 | 1 | 4 | ||||
![]() | ● | ● | ● | ● | 2 | ||||||||||||||||
![]() | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 2 | 1 | 1 | 1 | 4 | 4 | 13 | |||||
カヌー | ![]() | ● | 1 | 1 | ● | 1 | 1 | 16 | |||||||||||||
![]() | ● | 4 | ● | 4 | ● | 4 | |||||||||||||||
自転車競技 | ![]() | 1 | 1 | 2 | 22 | ||||||||||||||||
![]() | 1 | 2 | 1 | 2 | 2 | 1 | 3 | ||||||||||||||
![]() | ● | 2 | ● | 2 | |||||||||||||||||
![]() | 1 | 1 | |||||||||||||||||||
![]() | ● | ● | 1 | 1 | ● | ● | ● | 2 | ● | 1 | ● | 1 | 6 | ||||||||
![]() | 2 | 2 | 2 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 12 | |||||||||||
![]() | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 1 | 1 | 2 | ||||||
![]() | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 1 | 1 | 2 | |||||||
![]() | ● | ● | ● | 1 | ● | ● | ● | 1 | 2 | ||||||||||||
体操 | ![]() | ● | ● | 1 | 1 | 1 | 1 | 4 | 3 | 3 | EG | 18 | |||||||||
![]() | ● | 1 | 1 | ||||||||||||||||||
![]() | 1 | 1 | |||||||||||||||||||
![]() | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 1 | 1 | 2 | ||||
![]() | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 1 | 15 | ||||||||||||
![]() | 3 | 3 | 2 | 8 | |||||||||||||||||
![]() | ● | 1 | 1 | 2 | |||||||||||||||||
![]() | ● | ● | ● | 6 | 4 | 4 | 14 | ||||||||||||||
![]() | ![]() | ● | ● | 1 | ● | ● | 1 | 2 | |||||||||||||
![]() | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 2 | 2 | 4 | 2 | 10 | ||||||||||
![]() | 2 | 2 | 2 | 2 | ● | 2 | 1 | 2 | ● | 2 | 15 | ||||||||||
![]() | ![]() | 1 | 1 | 1 | 1 | 4 | |||||||||||||||
野球ソフトボール | ![]() | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 1 | 1 | |||||||||
![]() | ● | ● | ● | ● | ● | 1 | 1 | ||||||||||||||
![]() | ● | ● | 1 | 1 | 2 | ||||||||||||||||
![]() | ● | ● | 2 | 2 | |||||||||||||||||
水泳 | ![]() | 1 | 1 | 1 | 1 | ● | ● | 1 | ● | 1 | ● | 1 | ● | 1 | 8 | ||||||
![]() | ● | 4 | 4 | 4 | 5 | 5 | 4 | 4 | 5 | 35 | |||||||||||
![]() | 1 | 1 | 2 | ||||||||||||||||||
![]() | ● | ● | 1 | ● | 1 | 2 | |||||||||||||||
![]() | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 1 | 1 | 2 | ||||
![]() | ● | ● | 1 | ● | ● | 1 | 1 | ● | ● | ● | ● | 1 | 1 | 5 | |||||||
![]() | 2 | 2 | 2 | 2 | 8 | ||||||||||||||||
![]() | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 1 | 1 | 3 | 5 | |||||||||||
![]() | 1 | 1 | 1 | 3 | |||||||||||||||||
バレーボール | ![]() | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 1 | 1 | 4 | ||||
![]() | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 1 | 1 | |||||
![]() | 1 | 2 | 1 | 2 | 1 | 2 | 1 | 2 | 1 | 1 | 14 | ||||||||||
![]() | ● | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 18 | |||||||||||||
決勝数 | 11 | 18 | 21 | 22 | 23 | 17 | 21 | 21 | 25 | 20 | 26 | 17 | 27 | 23 | 34 | 13 | 339 | ||||
累計 | 11 | 29 | 50 | 72 | 95 | 112 | 133 | 154 | 179 | 199 | 225 | 242 | 269 | 292 | 326 | 339 | |||||
2020年開催時の計画 7月 / 8月 | 22 (水) | 23 (木) | 24 (金) | 25 (土) | 26 (日) | 27 (月) | 28 (火) | 29 (水) | 30 (木) | 31 (金) | 1 (土) | 2 (日) | 3 (月) | 4 (火) | 5 (水) | 6 (木) | 7 (金) | 8 (土) | 9 (日) | 種目数 | |
2021年7月 / 8月 | 21 (水) | 22 (木) | 23 (金) | 24 (土) | 25 (日) | 26 (月) | 27 (火) | 28 (水) | 29 (木) | 30 (金) | 31 (土) | 1 (日) | 2 (月) | 3 (火) | 4 (水) | 5 (木) | 6 (金) | 7 (土) | 8 (日) |
国・地域別メダル獲得数
[編集]順 | 国・地域 | 金 | 銀 | 銅 | 計 |
---|---|---|---|---|---|
1 | ![]() | 39 | 41 | 33 | 113 |
2 | ![]() | 38 | 32 | 18 | 88 |
3 | ![]() | 27 | 14 | 17 | 58 |
4 | ![]() | 22 | 21 | 22 | 65 |
5 | ![]() | 20 | 28 | 23 | 71 |
6 | ![]() | 17 | 7 | 22 | 46 |
7 | ![]() | 10 | 12 | 14 | 36 |
8 | ![]() | 10 | 12 | 11 | 33 |
9 | ![]() | 10 | 11 | 16 | 37 |
10 | ![]() | 10 | 10 | 20 | 40 |
11位以降 | 別表参照 | 137 | 150 | 206 | 493 |
合計 (93か国と地域) | 340 | 338 | 402 | 1080 |
※閉会時点。
※金メダル獲得数順に掲載[35]。
事故
[編集]自転車競技のBMXレーシングにおいて、オランダのニック・キンマンが練習中、コースを横断したスタッフに衝突して転倒し[36]、膝蓋骨を損傷した。なお、本番のレースには鎮痛剤を使用して参加し、金メダルを獲得した。
放送事業者
[編集]アメリカ国内ではNBCがソチオリンピックから今大会までの4大会分の放映権を43億3000万ドルで獲得した[37]。
ヨーロッパではディスカバリー・コミュニケーションズが平昌オリンピックからパリオリンピックまで、本大会を含む4大会分の欧州向け放映権を13億ユーロで獲得した[38][39]。
以下は、現在[いつ?]までに確定した放送事業者である。
- アジア22カ国1 – 電通[40]
オーストラリア – セブン・ネットワーク[41]
オーストリア – ORF[42]
ブラジル – Grupo Globo[43]
カナダ – CBC、Sportsnet、TSN[44][45]
中国 – CCTV[46]、快手[47]
クロアチア – HRT[48]
チェコ – ČT[49][50]
欧州連合2 – ディスカバリー・コミュニケーションズ、ユーロスポーツ[51]
フィンランド – Yle[52]
フランス – フランス・テレビジョン、Canal+[53][54]
ハンガリー – MTVA[55]
アイルランド – RTÉ[56]
日本 – ジャパンコンソーシアム[57]、J:COM[58]、グリーンチャンネル3[59]
- MENA – beIN Sports[60]
オランダ – NOS[61]
ニュージーランド – スカイ・テレビジョン[62]
朝鮮民主主義人民共和国 – SBS(朝鮮中央テレビ4)[63][64]
- オセアニア5 – スカイ・テレビジョン[62]
韓国 – SBS[63]
スイス – SRG SSR[65]
イギリス – BBC、ユーロスポーツ[66][67]
アメリカ – NBC[68]
香港 – 香港政府[69]
- ^1 – 22カ国の放送事業者に販売する権利。
- ^2 – フランスを除く。
- ^3 – 馬術競技のみ。
- ^4 – 大会終了後に放送。
- ^5 – クック諸島、フィジー、キリバス、マーシャル諸島、ミクロネシア、ナウル、ニウエ、パラオ、サモア、ソロモン諸島、トンガ、ツバル、バヌアツにおける権利。
東京国際展示場が報道陣向けのプレスセンターとして使用される。
スポンサー
[編集]一業種1社を原則とするが、国際オリンピック委員会 (IOC) と協議して特例で2社共存したスポンサー[70]や、複数で共存したスポンサー[71][72]もある。
位置づけ | 企業 |
---|---|
ワールドワイド オリンピックパートナー | |
ゴールドパートナー | |
オフィシャルパートナー |
|
オフィシャルサポーター |
批判と論争
[編集]![]() | この節には、過剰に詳細な記述が含まれているおそれがあります。百科事典に相応しくない内容の増大は歓迎されません。 |

開幕前
[編集]- 2018年12月10日、フランス金融犯罪当局は、日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恆和会長に対し、2013年にアフリカの国際オリンピック委員会(IOC)委員から、2020年のオリンピック開催地をイスタンブールやマドリードではなく、東京に支持する票を得るためのスキームに関する調査を開始した[125] [126]。2020年3月、電通顧問の高橋治之が、東京のオリンピック招致を支持してもらうために、IOC委員にカメラや時計などの贈り物をしたことを認めた[127]。
- 2012年から「戦犯旗」問題を喚起する韓国は、旭日旗が日本の帝国主義の過去の象徴であり、ハーケンクロイツが「ヨーロッパ人に第二次世界大戦の悪夢を思い出させる」ように、韓国の人々に「歴史的な傷と痛み」を想起させた[128] [129]として、2020年夏季オリンピックでの旭日旗の使用禁止を国際オリンピック委員会(IOC)に要請した[130]。真珠湾攻撃を含む太平洋地域の多くの国に対する攻撃ないし侵略戦争に使用されたとして、オリンピックなどの国際的なスポーツイベントでの旭日旗の使用は韓国のいわゆる告げ口外交やVANKの活動により再三再四論議が喚起されている[131]。
2020五輪大会期間最終日の8月8日、大韓体育会李起興会長は記者会見で、IOCからオリンピック憲章50条をもって旭日旗の使用を禁止する旨の決定を書面で受け取ったと述べたが、すぐに虚偽であることが判明した。IOCは禁止にしていない旨の文書を改めて大韓体育会に伝えた[132]。
- 2020年に入り、韓国のVANKが、放射能汚染を連想させる白い防護服を着た聖火ランナーを描いた五輪ポスターを作成した。この種の印象悪化を狙った反日プロパガンダをIOCが強く非難する事態となった[133]。
- 韓国とロシアの政府関係者は、大会公式ウェブサイトに掲載された聖火リレーの地図で紛争中の竹島(1952年以降、日本側の見解では韓国が実効支配)と千島列島(1945年以降、日本側の見解ではソ連・ロシアが実効支配)が日本の一部であると描かれていることを問題視した[134]。
- オリンピックスタジアム建設に使われたマレーシアやインドネシア国内の森林や熱帯雨林の違法伐採や強制伐採が問題となり、住民や環境団体から懸念や抗議の声があがっていた[135] [136] [137] [138] [139] [140]。
- これを受け、IOCは人権侵害への抗議や表彰台でのひざまずきなど五輪での抗議活動を禁止するガイドラインを選手委員会に諮った結果、禁止を維持することを決定した[141][142]。後にIOCは試合開始前や選手紹介などの一部に限り、抗議運動を容認する方向に緩和したため、大会ではイギリスやアメリカ、日本などの女子サッカーチームが試合前に片ひざをついて人種差別に抗議した[143][144]。
- 2021年2月、東京オリンピック委員会の森喜朗会長が性差別発言で国内外の批判を浴びて辞任した[145] [146]。続く橋本聖子会長のこれまでの行為にも批判が集まり[147]、ある告発に対して「反省しているし、気をつけなければならないと思っている」とコメントするに至った[148]。5月には、日本政府の内閣官房参与である高橋洋一教授が、日本の新型コロナウィルス (COVID-19) パンデミックについて「さざ波」として冗談を交えてツイートしたことが反感を買い、辞任した[149] [150]。
- 佐野研二郎による当初の東京オリンピックのロゴは盗用疑惑が浮上したため、撤回して差し替えられた[151] [152]。ベルギーのデザイナーのオリビエ・ドゥビエ氏は自分のデザインが盗用されたと主張して訴訟を起こしたが、訴訟費用がかさむことを理由に訴訟を取り下げている[153]。さらに舛添要一都知事時代に採用された五輪ボランティアの制服(ユニフォーム)がネット上で不評だったため、小池百合子都知事が問題視し、新調された[154]。
- 2021年7月9日、開催に反対する東京都と長野県の住民ら4人が開催強行により新型コロナウイルスの感染が拡大し生存権が侵害されるとして、東京都知事と大会組織委員会会長を相手に開催差し止めを求める仮処分申し立てを行った[155][156][157][158]。これに対して、東京地方裁判所は同月15日付けで、「開催により、個人の生命や健康が侵害される具体的な危険が生じる恐れは認められない」との判断を示し、同申し立てを却下した[159][160]。この決定に対して、原告の1人は「東京で感染者が増えている現実から目を背けたもので、怒りを覚える」とコメントした[159]。
開幕後
[編集]- 大会の公式サイトには、国・地域別のメダル獲得ランキングが掲載されているが、このランキングはオリンピック憲章が定めている「IOCと組織委員会は国ごとの世界ランキングを作成してはならない」などの文言に抵触するとして、元JOC職員の春日良一や日本オリンピック・アカデミー(JOA)の有志がランキングの再考や削除を求めている[161][162]。
- 韓国選手団は選手村で反日横断幕を掲げ、IOCから警告相当のイエローカードを受けた。その後も掲揚された垂れ幕には、悪意ある反日メッセージが込められていたと様々な憶測や推察を呼んでいる[166][167]。
- 8月6日の「広島原爆の日」に選手や大会関係者に黙祷の呼びかけをするよう、広島県や広島県原爆被害者団体協議会が要請していたが、IOCは応じない方針を明らかにした。同月8日の閉会式では、歴史の痛ましい出来事や様々な理由で亡くなった人たちに思いを馳せるプログラムが盛り込まれているという[168][169]。
開・閉会式
[編集]開・閉会式の演出担当者に問題発言が相次いで発覚し世論の反発を招き、本番直前になって辞任や解任となる事態が続出している。
- 2021年3月、開会式と閉会式のクリエイティブ・ディレクターを務めた佐々木宏がタレントの渡辺直美の容姿を卑下するような発言をしたことが問題化し、クリエイティブ・ディレクターを辞任した[170] [171]。
- 開催直前となった7月15日、開・閉会式のクリエイティブチームのメンバーとして発表された小山田圭吾が音楽雑誌「ROCKIN'ON JAPAN」1994年1月号および「Quick Japan」1995年8月号で受けたインタビュー記事を切り貼りした匿名ブログや、それを引用したツイートや新聞記事内容が問題視され、「多様性と調和」を基本理念とする東京オリンピックの精神に反するとして世論の批判が高まり、加藤勝信内閣官房長官も同月19日の記者会見で苦言を呈し、組織委員会に適切な対応を求めるなど波紋が広がった[172][173][174]。最終的に小山田が19日に組織委員会へ辞意を伝え、組織委員会も辞任を了承した[175][176]。
- さらに開会式前日の22日、開・閉会式のショーディレクターを務める小林賢太郎(元ラーメンズ)の1998年販売のビデオに収録されたユダヤ人に対するホロコーストを揶揄したとみられるコントの動画が拡散、一部識者から指摘を受けたうえ、アメリカのユダヤ人国際人権団体であるサイモン・ウィーゼンタール・センターが「反ユダヤ主義の発言」として非難する声明を公式サイトで表明する事態となり[177][178]、同日午後までに組織委員会は小林をショーディレクターから解任した[179]。
- また、組織委員会主催の文化プログラムのアートワークショップへ参加する予定だった絵本作家ののぶみは、過去の教師への虐めを著書で記していたことがSNSなどで批判が相次いだため、7月20日まで組織委員会に出演を辞退を申し出、了承された[180]。
- また後日明らかになったこととして、開会式の演劇に出演予定であった俳優の竹中直人が、過去にリリースした視覚障害者を揶揄するようなビデオ作品が批判を浴びていたことから、直前になって出演を辞退したことが報道され、組織委員会も事実を認めている[181]。
開会式は「葬式のようだ」などと否定的なニュアンスがネット上で見られた一方、海外メディアでは概ね好評であるとも報じられたが、以下のような指摘もある[182]。
- 前述のように直前で上位のスタッフが交代するトラブルがあったことから、準備不足が指摘されている[183]。
- 天皇が開会宣言を始めた際、菅首相や小池都知事は着席したままであり、促されてから立ち上がったことがSNSなどで不敬であると批判された[184]。後に組織委員会はIOCのトーマス・バッハ会長が天皇に開会宣言を求める発言をしたため、起立を促す場内アナウンスを入れることが出来なかったとし、謝罪した[185]。
- 橋本会長とバッハ会長によるスピーチは2人で9分の予定だったが、実際は20分かかり聖火台への点火など後のスケジュールが遅延した[186]。
- 評論家のさやわかの話によれば、開会式の入場行進に多数の日本のゲーム音楽が使用されたが、世界的にメジャーとはいえない作品が多く、世界的に有名でありリオデジャネイロオリンピックの閉会式で安倍晋三元総理大臣が扮したマリオブラザーズが使われていないことや、日本のゲーム音楽であるという説明が不足しているため、ゲームファン以外には意図が伝わらないなど、個々の要素は良かったが多様性と調和という理念とのつながりが感じられなかったと指摘している[183]。→詳細は「2020年東京オリンピックの開会式 § トラブル」を参照
新型コロナウイルス感染症
[編集]「安全安心の五輪」を実施するために選手・五輪関係者については隔離し外部と遮断する「バブル方式」をもって運営され、感染対策の指針「プレイブック」に従うことが義務化されているが[187]様々な綻びが指摘されている[188]。
- 成田空港を中心とした入国時の動線の問題[189]
- メディア関係者のコンビニなどへの特例外出許可、選手村内でのフードデリバリーサービスの利用許可など、ルールの例外の設定[190]
- 選手村内の感染対策への不安から生じた一部選手団の選手村の利用拒否[191]
- トーマス・バッハIOC会長の広島訪問[192]や迎賓館赤坂離宮での歓迎行事[193]の実施といったIOC首脳陣などへのあからさまな特例扱い
- 海外記者のレストラン利用、屋外での飲酒[194]など
- 組織委員会から送られたルール違反を警告するメールに対し、「敵意を持たれている印象を受けた」と記者会見で質問する海外記者[195]。
- 一部選手の観光や買い物などプライベートな理由による必要用務先以外への外出[196][197]
スポンサー・テレビ局配慮
[編集]競泳決勝などの一部競技が日本時間の午前中に開催されるなどイレギュラー対応が取られた。これは、IOCに対して多額の放映権料を支払っており、時差の関係でアメリカではゴールデンタイムとなる夜間での生中継を希望していた同国の大手テレビ局NBCの意向といわれており、後述の酷暑による開催時間を変更する競技が相次ぎ、選手やコラムニストから批判が出る遠因となった[198][199][200