渡辺利夫 (経済学者)
渡辺 利夫 わたなべ としお | |
---|---|
生誕 | 1939年6月22日(85歳) 日本山梨県甲府市 |
研究機関 | 拓殖大学 |
出身校 | 慶應義塾大学(学士・修士・博士) |
主な受賞歴 | 吉野作造賞 大平正芳記念賞 アジア・太平洋賞 開高健賞 正論大賞 |
プロジェクト:人物伝 |
渡辺 利夫(わたなべ としお、1939年6月22日[1] - )は、日本の経済学者。学位は、経済学博士。東京工業大学名誉教授、拓殖大学顧問、公益財団法人オイスカ会長。日本李登輝友の会会長。一般社団法人高齢者活躍支援協議会会長。専門は開発経済学と現在アジア経済論[1]。山梨県甲府市生まれ[2]。
学歴
[編集]- 1957年 山梨県立甲府第一高等学校を卒業
- 1963年 慶應義塾大学経済学部卒業
- 1967年 同大学院経済学研究科修士課程
- 1970年 同大学院経済学研究科博士後期課程満期取得退学
- 1980年 経済学博士(慶應義塾大学)(学位論文『開発経済学研究 : 輸出と国民経済形成』)[3]
研究歴
[編集]- 1975年 筑波大学助教授
- 1985年 同教授
- 1988年 東京工業大学工学部教授
- 2000年 同大学定年退官、東京工業大学名誉教授。拓殖大学国際開発学部教授、同学部長。
- 2004年4月 拓殖大学大学院国際協力学研究科委員長
- 2005年4月 拓殖大学学長
- 2008年3月 拓殖大学教授職退任(学長留任)
- 2011年12月 第18代拓殖大学総長(拓殖大学学長を兼任)
- 2013年3月 拓殖大学学長退任(拓殖大学総長専任)
- 2015年12月 拓殖大学学事顧問就任、総長退任
- 2021年1月 拓殖大学顧問
受賞歴
[編集]- 1985年 吉野作造賞(『成長のアジア 停滞のアジア』)
- 1986年 第3回大平正芳記念賞(『開発経済学―経済学と現代アジア』)
- 1989年 アジア・太平洋賞・大賞(『西太平洋の時代』)
- 1996年 第5回開高健賞・正賞(『神経症の時代―わが内なる森田正馬』)
- 2006年外務大臣表彰
- 2011年 第27回正論大賞
- 2021年 瑞宝中綬章[4][5]
著書
[編集]単著
[編集]- 『低開発国経済援助論』(アジア経済研究所 1969年)
- 『マレーシアの所得分配構造』(アジア経済研究所 1975年)
- 『開発経済学研究――輸出と国民経済形成』(東洋経済新報社 1978年)
- 『アジア中進国の挑戦――「追い上げ」の実態と日本の課題』(日本経済新聞社[日経新書] 1979年)
- 『現代韓国経済分析――開発経済学と現代アジア』(勁草書房 1982年)
- 『成長のアジア 停滞のアジア』(東洋経済新報社 1985年/講談社学術文庫 2002年)
- 『韓国―ヴェンチャー・キャピタリズム』(講談社現代新書 1986年)
- 『韓国経済入門』(ちくま学芸文庫 1996年)
- 『開発経済学――経済学と現代アジア』(日本評論社 1986年)
- 『西太平洋の時代――アジア新産業国家の政治経済学』(文藝春秋 1989年)
- 『アジア経済をどう捉えるか』(日本放送出版協会[NHKブックス] 1989年)
- 『アジア新潮流――西太平洋のダイナミズムと社会主義』(中公新書 1990年)
- 『転換するアジア』(弘文堂 1991年)
- Asia, its Growth and Agony, (University of Hawaii Press, 1992年).
- 『社会主義市場経済の中国』(講談社現代新書 1994年)
- 『新世紀アジアの構想』(ちくま新書 1995年)
- 『神経症の時代――わが内なる森田正馬』(TBSブリタニカ 1996年/学陽書房[学陽文庫] 1999年/文藝春秋[文春学藝ライブラリー] 2016年)
- 『種田山頭火の死生――ほろほろほろびゆく』(文春新書 1998年)
- 『アジア経済の構図を読む』(日本放送出版協会[NHKライブラリー]1998年)
- 『中国経済は成功するか』(ちくま新書 1998年)
- 『現代アジアを読む――テキストでたどる錯綜のアジア』(PHP新書 1999年)
- 『開発経済学入門』(東洋経済新報社 2001年)
- 『私のなかのアジア』(中央公論新社 2004年)
- 『新脱亜論』(文春新書 2008年)
- 『決定版 脱亜論』(育鵬社(扶桑社) 2017年)
- 『人間ドックが「病気」を生む 「健康」に縛られない生き方』(光文社 2009年)
- 『君、國を捨つるなかれ 『坂の上の雲』の時代に学ぶ』(海竜社 2010年)
- 『国家覚醒-身捨つるほどの祖国はありや』(海竜社 2013年)
- 『アジアを救った近代日本史講義 戦前のグローバリズムと拓殖大学』(PHP新書 2013年)
- 『放哉と山頭火 死を生きる』(ちくま文庫 2015年)
- 『士魂 福澤諭吉の真実』(海竜社 2016年)
- 『死生観の時代-超高齢社会をどう生きるか』(海竜社 2018年)
- 『台湾を築いた明治の日本人』(産経新聞出版 2020年/産経NF文庫 2021年)
- 『後藤新平の台湾―人類もまた生物の一つなり』(中央公論新社[中公選書]2021年)
共著
[編集]- (梶原弘和)『アジア水平分業の時代』(日本貿易振興会 1983年)
- (深川由起子)『5年後の韓国――日本を追う成長国家の近未来』(PHP研究所 1988年)
- 鄭励志『激動中国の90年代を読む――西太平洋時代の旗手となれるか』(NTT出版 1990年)
- (草野厚)『日本のODAをどうするか』(日本放送出版協会 1991年)
- (原田和明)『激動する米・ソ・アジアの'92年を読む』(徳間書店 1991年)
- (梶原弘和・高中公男)『アジア相互依存の時代――展開するリージョナル・ネットワーク』(有斐閣 1991年)
- (青木健)『アジア新経済地図の読み方――その活力の源泉と日本の課題』(PHP研究所 1991年)
- 足立文彦『図説アジア経済』(日本評論社 1992年)
- (白砂堤津耶)『図説中国経済――世界のなかの中国』(日本評論社 1993年)
- (小島朋之)『毛沢東と鄧小平』(NTT出版 1994年)
- (長谷川慶太郎)『幻想の超大国・中国――五点五年保存版』(徳間書店 1995年)
- 金昌男『韓国経済発展論』(勁草書房 1996年)
- (渡辺弘子)『文章の磨き方』(東洋経済新報社 1997年)
- (小島朋之・杜進・高原明生)『毛沢東、鄧小平そして江沢民』(東洋経済新報社 1999年)
- (香西泰・中村達也)『エコノミストが読む時代を拓く101冊』(日本評論社 2000年)
- (岡崎久彦・江畑謙介・中嶋嶺雄・小島朋之)『「台湾問題」の先にある日本の危機――緊急提言 田中真紀子外相に捧ぐ』(ビジネス社 2001年)
- (岩崎育夫)『海の中国』(弘文堂 2001年)
- 三浦有史『ODA (政府開発援助)――日本に何ができるか』(中公新書 2003年)
- 岡崎久彦『中国は歴史に復讐される 繁栄か、崩壊か-赤い資本主義の全シナリオ』(育鵬社 2008年)
- 三浦朱門『日本の活路 どうするどうなる 気鋭対論』(海竜社 2009年)
編著
[編集]- 『アジア諸国経済発展の機構と構造』(アジア経済研究所 1985年)
- 『もっと知りたいNIES』(弘文堂 1990年)
- 『概説韓国経済』(有斐閣 1990年)
- 『もっと知りたいASEAN』(弘文堂 1991年)
- 『西太平洋新時代と日本――アジアの発展が日米関係をどう変えるか』(ジャパンタイムズ 1991年)
- 『中国の経済改革と新発展メカニズム』(東洋経済新報社 1991年)
- 『北東アジアの新動態――NIESが中国を変える』(日本貿易振興会 1992年)
- 『局地経済圏の時代――ぬりかわるアジア経済地図』(サイマル出版会 1992年)
- 『アジアはこう変わる――渡辺利夫の最新「闘論」事典』(徳間書店 1993年)
- 『両岸経済交流と台湾』(日本貿易振興会 1993年)
- 『華南経済――中国改革・開放の最前線』(勁草書房 1993年)
- 『華人経済ネットワーク――中国に向かうアジア・アジアに向かう中国』(実業之日本社 1994年)
- 『アジア経済読本』(東洋経済新報社 1994年)
- 『華人経済の世紀――躍進中国の主役たち』(プレジデント社 1994年)
- 『北朝鮮の現状を読む』(日本貿易振興会 1997年)
- 『国際開発学と人間――「アジア」の専門家の学問ばなし』(三五館 1998年)
- 『国際開発学(1)アジア国際協力の方位』(東洋経済新報社 2000年)
- 『国際開発学(2)アジア地域研究の現在』(東洋経済新報社 2000年)
- 『アジア・ルネッサンスの時代――渡辺利夫のアジア塾』(学陽書房 2000年)
- 『アジアの経済的達成』(東洋経済新報社 2001年)
- 『国際開発学入門』(弘文堂 2001年)
- 『中国の躍進アジアの応戦――中国脅威論を超えて』(東洋経済新報社 2002年)
- 『ジレンマのなかの中国経済』(東洋経済新報社 2003年)
- 『図説現代中国――環境問題から日中関係まで』(PHP研究所 2003年)
- 『東アジア市場統合への道――FTAへの課題と挑戦』(勁草書房 2004年)
- 『東アジア経済連携の時代』(東洋経済新報社 2004年)
- 『日本の東アジア戦略――共同体への期待と不安』(東洋経済新報社 2005年)
共編
[編集]- 朴宇煕『韓国の経済発展』文眞堂 1983年)
- 堀侑『開発経済学――文献と解題』(アジア経済研究所 1983年)
- (西村明)『環黄海経済圏――東アジアの未来を探る』(九州大学出版会 1991年)
- (玉城素)『北朝鮮――崩落か、サバイバルか』(サイマル出版会 1993年)
- (今井理之)『概説華人経済』(有斐閣 1994年)
- (向山英彦)『中国に向かうアジア アジアに向かう中国』(東洋経済新報社 2001年)
- 佐々木郷里『開発経済学事典』(弘文堂 2004年)
- (寺島実郎・朱建栄)『大中華圏――その実像と虚像』(岩波書店 2004年)
- 後藤一美・大野泉『シリーズ国際開発(4)日本の国際開発協力』(日本評論社 2005年)
- (竹内宏・村松岐夫)『徹底検証東アジア』(勁草書房 2006年)
- (朝元照雄)『台湾経済入門』(勁草書房 2007年)
- (趙利済、カーター・J・エッカート)『朴正煕の時代』(東京大学出版会 2009年)
- (朝元照雄)『台湾経済読本』(勁草書房 2010年)
- 『後藤新平の発想力』奥田進一共編著(成文堂 2011年、新版2015年)
訳書
[編集]- R・F・マイクセル『低開発国援助の経済学』(勁草書房 1971年)
- H・ミント『低開発国の経済理論』木村修三共訳(東洋経済新報社 1973年)改題「開発途上国の経済学」
- W・エルカン『開発経済学』(文眞堂 1976年)
- ゴー・ケンスウィ『シンガポールの経済発展を語る』共訳(井村文化事業社 1983年)
- エズラ・F・ヴォーゲル『アジア四小龍――いかにして今日を築いたか』(中公新書 1993年)
- ジェラルド・M・マイヤー『開発経済学概論』徳原悟共訳(岩波書店 2006年)
論文
[編集]- 「膨張する中国とどう向き合うか」『世界平和研究』(2012年夏季号、194号)
役職
[編集]- 財団法人国際開発センター理事
- 財団法人住友財団監事
- 公益財団法人日本国際フォーラム評議員[6]、政策委員[7]
- 財団法人松下政経塾理事
- 社団法人企業研究会参与
- 東アジア総合研究所理事長
- 財団法人社会経済生産性本部評議員
- 日本教育再生機構代表委員
- 教科書改善の会世話人
- 公益財団法人オイスカ会長
- 国家基本問題研究所理事
- 日本李登輝友の会会長[8]2016年3月20日就任
- 土光杯全日本学生弁論大会審査委員長[9]
脚注
[編集]- ^ a b デジタル版 日本人名大辞典+Plus『渡辺利夫』 - コトバンク
- ^ “【正論 新春対談】 渡辺利夫氏 明治人を育んだ幕藩体制「明治150年、覚醒始まる」 新保祐司氏 強い民族に歴史回想の力「海道東征」はモーセ (7/7ページ)”. 産経ニュース . 産経新聞社 (2018年1月3日). 2019年5月24日閲覧。
- ^ “思い出すこと─新会長に就任して 渡辺 利夫(本会会長)”. 日本李登輝友の会 (2016年6月1日). 2020年6月7日閲覧。
- ^ 『官報』号外第250号、令和3年11月4日
- ^ “令和3年秋の叙勲 瑞宝中綬章受章者” (PDF). 内閣府. p. 24 (2021年11月). 2023年2月17日閲覧。
- ^ “評議員、役員等”. 日本国際フォーラム. 2014年2月25日閲覧。
- ^ “委員”. 日本国際フォーラム. 2014年2月25日閲覧。
- ^ 本会会長に渡辺利夫・前拓殖大学総長が就任
- ^ 土光杯2021 産経新聞社
外部リンク
[編集]- 拓殖大学
- ホームページ「渡辺利夫の思想空間」
- 渡辺利夫-産経ニュース