湯円
湯円(繁体字:湯圓、簡体字:汤圆、拼音: タンユェン)は、中国の伝統的な小吃のひとつで、もち米を丸めて作り、冬至や春節の風物詩的な食品である。
概要
[編集]湯円は中国の伝統的な小吃のひとつで、もち米を丸めて作り、冬至や春節の風物詩的な食品である[1]。呉語では「湯糰」、莆仙語では「丸囝」、台湾語では「圓仔」(îⁿ-á)、客家語では「圓粄」と呼ぶ。通常は紅白の二色で、餡はゴマとアズキで作る甘いもの(甜湯圓)と肉で作る塩辛いもの(鹹湯圓、簡体字では咸汤圆)がある。
中国の華北地方・東北地方では、湯円と似た「元宵」(ユェンシャオ)が作られて、春節または元宵節に食される。これは湯円に似ているが、湯円は手でこねて作るのに対し、元宵は丸い餡を白玉粉の入ったざるに入れ、ざるごと揺らして作ったものである。また、日本でも湯円、元宵と似た「白玉」が作られていて、広く食される。
各地における違い
[編集]江南
[編集]呉語では湯糰といい、寧波のものが特に知られている。白玉粉、ゴマ、ラード・砂糖・粉末黒ゴマを合わせた餡を合わせて作る。色は白く、粘らないものが有名である[2]。現在、寧波の近隣ではこの製法が多く取り入れられている。缸鴨狗などの店が知られている[2]。
四川
[編集]四川地域では湯圓と称される。毎年、春節の時期に食べられている。特に旧暦の元日と15日の両日を象徴する食べ物である。湯円は甘いものと塩辛いものがある。甘いものは黒砂糖やブラウンシュガーを使い、落花生、クルミ、ゴマ、バラなどを加える。塩辛いものは外見を扇形にし、肉、葱、生姜などで餡を作る。
福州
[編集]湯圓又は𥻵と称する。作り方は元宵と湯円の間にあたり、もち米で作った粉を湿らせてこねて作る。餡は無く、魚を煮たものを入れる。食べるときに小麦粉、黒ゴマ、砂糖、落花生粉などをまぶす。冬至の朝、湯円と福橘を祖先にお供えし、その後、一家全員で朝食として食べる。
台湾
[編集]比較すると小さく、餡も入っていない。通常、黒砂糖と水を加えて煮るか、野菜と肉類などの材料を煮て鹹湯円を作る。
中国北部
[編集]中国北部では、湯円と似たものが「元宵」(ユェンシャオ)と呼ばれている。これは元宵節(旧暦正月の15日目)に食される習慣である。[3]
日本
[編集]日本では、似た製法で「白玉」が作られている。一説には鎌倉時代に中国の渡来僧が「湯円」をもたらしたと言われる[4][信頼性要検証]。
脚注
[編集]- ^ 圓仔(湯圓) - 台灣大百科全書
- ^ a b “浙东明珠,宁波汤圆”. 中华网浙江 (2014年6月11日). 2014年12月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年7月27日閲覧。
- ^ 元宵節に食べるもち米団子 「湯圓」と「元宵」の違いとは?(元宵節に食べるもち米団子 「湯圓」と「元宵」の違いとは?(人民網日本語版、2015年03月05日09:48)
- ^ 白玉粉の歴史