アニマ・アニムス

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アニマ・アニムス
(ANIMA・ANIMUS)
山下久美子スタジオ・アルバム
リリース
ジャンル ロック
ニュー・ウェイヴ
レーベル 日本コロムビア
プロデュース 三野明洋
福岡智彦
HIROKAZU SAKURAI
チャート最高順位
山下久美子 アルバム 年表
SWEETS LOVE BALLAD COLLECTION
1983年
アニマ・アニムス
(ANIMA・ANIMUS)
1984年
and Sophia's back
1985年
『アニマ・アニムス
(ANIMA・ANIMUS)』収録のシングル
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アニマ・アニムス』(ANIMA・ANIMUS)は、山下久美子の7thスタジオ・アルバムで、1984年5月21日日本コロムビアから発売された。

概要[編集]

前作から約9か月ぶりのスタジオ・アルバム。

制作[編集]

山下のディレクターだった福岡智彦は、当時、サンプリングミュージックシーケンサーを使用したコンピュータプログラミングなどの技術が急速に進化し、音楽の創り方が大きく変化していくのを感じたうえで、どこか気負いもしていたという[1]。また、山下も「赤道小町ドキッ』路線でずっといくのは難しい」と感じていたといい、「その路線を維持していくには、ずっと細野晴臣さんにお願いしないと難しいなと。なかなか『赤道小町ドキッ』は超えられないんですよ。それでちょっと反骨精神がでちゃって」と語っている[2]

そこで、レコーディングエンジニアに飯泉俊之、アレンジャーベーシスト後藤次利をそれぞれ起用し、アルバム制作を始めた。福岡はアレンジャーの後藤に「思い切りやってください」と伝えた結果「ほんとに思い切り振り切った、まるで実験のようなレコーディングが始まった」と語っている[1]

このアルバムを売り出す際、当時としてはかなり前衛的なサウンドだったためか、日本コロムビアの宣伝担当(当時)だった渡部洋二郎から「おまえ、こんな売りにくい音作ってどうするつもりだ。この野郎!」と言われたという[1]。実際に、初めてこのアルバムを聴いたファンは「あまり聞いたことのない音楽」「リズムも複雑で、ライブでもどうやってノッていいのかわからない」など困惑し[3]、山下曰く「それまで振り向かなかった人が振り向くとかね。逆にそれまでずっと見てくれていた人が離れるとか。そういう色んな面白い現象がありました」とのちにMusicVoiceのインタビューで語るなど[2]賛否両論が巻き起こり[4]、山下も「申し訳ないなと思いながら、やってましたけどね」と語っている[2]。のちに、福岡は「今聴いてもなかなかカッコいいと思います。今聴いたほうがカッコいい、と言うほうがいいのかもしれません」と評価し[1]、山下も「20年くらい早かったアルバム」と語っている[2]

アルバムジャケット[編集]

当時、日本コロムビアの宣伝担当だった渡部洋二郎が「こうなったらオレが企画を作るしかないだろう」と立ち上がり、小説家放送作家景山民夫に演出を依頼し、ミクロネシア連邦ポンペイ島プロモーションビデオの撮影と同時に、アルバムのジャケットの撮影も行った[1]。プロモーションビデオは、1984年6月21日に『黄金伝説』というタイトルで発売された。

収録曲[編集]

SIDE A[編集]

LPレコード[5]
全編曲: 後藤次利
#タイトル作詞作曲時間
1.アニマ・アニムス銀色夏生大沢誉志幸大沢誉志幸
2.そばにいたいよ銀色夏生原田真二
3.SEEK松尾由紀夫後藤次利
4.DOWNTOWN SUNDOWN神沢礼江後藤次利
5.NEW YEAR'S EVE麻生圭子大沢誉志幸
合計時間:

SIDE B[編集]

LPレコード[5]
全編曲: 後藤次利。
#タイトル作詞作曲時間
1.モーニング・ベルならしてよ銀色夏生藤木俊平
2.GIMME LOVEKumikoNOBODY
3.誰かがわたしを呼んでいる神沢礼江後藤次利
4.5・6・7・8 DANCE!麻生圭子NOBODY
5.HELLO! ストレンジャーKumiko岡本朗
合計時間:

楽曲解説[編集]

SIDE A[編集]

  1. アニマ・アニムス
  2. そばにいたいよ
  3. SEEK
  4. DOWNTOWN SUNDOWN
    • シングル「モーニング・ベルならしてよ」のB面曲。
  5. NEW YEAR'S EVE
    • このアルバムのリリース後、ディレクターの福岡智彦が、ユーリズミックスのアルバム『タッチ』を聴いていたときに、収録曲である「ライト・バイ・ユア・サイド英語版」と酷似していることに気づいたという[6]。福岡は、このことに対し「ほとんどそのまんまですから、アレンジャーとしてどうかとも思いますが、それを許してしまった私がダメでしょう」とした上で、「とてもいい仕事をしてくれたと思っていますし、自分にとってとても刺激的なレコーディングでした。だからこそ、このことが悔しいし、今になっても、忘れようとして忘れられない古傷なのです」と語っている[6]

SIDE B[編集]

  1. モーニング・ベルならしてよ
    • 先行シングル。
  2. GIMME LOVE
  3. 誰かがわたしを呼んでいる
  4. 5・6・7・8 DANCE!
  5. HELLO! ストレンジャー

参加ミュージシャン[編集]

関連項目[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

出典[編集]

外部リンク[編集]