エディ・ブリケル

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エディ・ブリケル
Edie Brickell
エディ・ブリケル(2011年)
基本情報
出生名 Edie Arlisa Brickell
生誕 (1966-03-10) 1966年3月10日(58歳)
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
テキサス州ダラス
ジャンル オルタナティヴ・ロックフォークロック、ジャングル・ポップ、ジャム・ロック、ネオ・サイケデリア
職業 シンガーソングライターギタリスト
担当楽器 ボーカルギター
活動期間 1985年 -
レーベル ゲフィン・レコード
共同作業者 エディ・ブリケル&ニュー・ボヘミアンズ
The Heavy Circles
The Gaddabouts
スティーヴ・マーティン
Steep Canyon Rangers
公式サイト www.ediebrickell.com

エディ・ブリケル[1]Edie Brickell1966年3月10日- )は、Billboard 200チャートの4位にランクされた1988年のアルバム『星に輪ゴムを』で広く知られるアメリカシンガーソングライターポール・サイモンと結婚している。

略歴[編集]

生い立ち[編集]

ブリケルは、テキサス州ダラスのオーククリフで、ラリー・ジーン (セラーズ)・リンデンとポール・エドワード・ブリケルの間に生まれた[2][3]。彼女は姉のローラ・ストレインと一緒に育った。彼女はダラスの「舞台芸術とビジュアルアートのためのブッカーT.ワシントン高校」[4]に通い、その後、バンドに参加して作曲に専念することを決心するまで、南メソジスト大学で学んだ。

エディ・ブリケル&ニュー・ボヘミアンズ[編集]

1985年に、ブリケルは地元のフォークロック・グループ、ニュー・ボヘミアンズに、高校時代の友達と一緒に一晩歌うため招待された。そしてリード・シンガーとしてバンドに参加することになった。バンドがレコーディング契約を結んだ後、レーベルがグループ名をエディ・ブリケル&ニュー・ボヘミアンズへと変更した。彼らの1988年のデビュー・アルバム『星に輪ゴムを』は、シングル「ホワット・アイ・アム」を含む、重要かつ商業的に成功した作品となった。続くアルバム『ゴースト・オブ・ア・ドッグ』(1990年)は、バンドの折衷的な個性を強調し、彼らの最初のレコードのポップな感性から離れようとする意図的な努力が見られた。

1990年のアルバム『ゴースト・オブ・ア・ドッグ』の後、バンドは散発的にギグを行い続け、2006年にはアルバム『Stranger Things』をリリースしている[5][6]。2018年になり、アメリカ・ツアーの日程と共に、最新アルバム『Rocket』を発表して再始動[7]。2021年にはアルバム『Hunter and the Dog Star』をリリースした[8]

ソロとしてのキャリア[編集]

ブリケルは、1989年の映画『7月4日に生まれて』でフォーク・シンガー役を担当した。彼女が歌うボブ・ディランの「はげしい雨が降る」は、映画のサウンドトラックに収録されている。彼女はまた、1990年の映画 『フラッシュバック』で、ルー・リードの「ワイルド・サイドを歩け」のカバー・ヴァージョンを歌っている。

ソロ・アーティストとして、ブリケルはアルバム『ピクチャー・パーフェクト・モーニング』(1994年)、アルバム『Volcano』(2003年)、アルバム『Edie Brickell』(2011年)をリリースしている。『ピクチャー・パーフェクト・モーニング』収録曲「グッド・タイムズ」のミュージック・ビデオは、Microsoft Windows 95 Companion CD-ROMに収録されたマルチメディア・サンプルの一部に含まれていた[9]。1992年、管楽器アンサンブル、変わったキーボード、そしてロン・セクスミスとの楽曲を集め、ニューヨークやトロント音楽プロデューサーのボブ・ワイズマンと組んで仕事したものの、それらの曲はレコード会社によって拒絶され、未発表のままとなっている。

2008年には、ポール・サイモンの息子であるハーパー・サイモン(ブリケルにとって義理の息子にあたるが、先妻の息子であり6歳差しかない)と、The Heavy Circles(ザ・ヘヴィ・サークルズ)名義で同名アルバムを発表している。

The Gaddabouts[編集]

2010年、ドラムのスティーヴ・ガッド、リード・ボーカルとギターのエディ・ブリケル、ベースとギターのアンディ・フェアウェザー・ロウ、ベースとギターのピノ・パラディーノからなる新しいバンド、The Gaddabouts(ザ・ガッダバウツ)の創設メンバーとなった。アルバム『The Gaddabouts』では、ダン・ブロック、ロニー・キューバー、ジョーイ・デフランセスコ、ギル・ゴールドスタイン、そしてマーカス・ロハスをフィーチャーしている[10]。2011年、ブリケルは、Tamar Halpern監督の映画『Jeremy Fink and Meaning of Life』のタイトルトラック「The Meaning of Life」を書いた。2012年にもアルバム『Look Out Now!』を発表している。

スティーヴ・マーティン・アンド・エディ・ブリケル[編集]

アルバム『Love Has Come for You』が、2013年4月23日にリリースされた。このアルバムは、俳優にしてバンジョー奏者としても知られるスティーヴ・マーティンとのコラボレーションであった[11]。2013年4月に、作品を宣伝して演奏するために、ふたりとも『ザ・ビュー』や『レイト・ショー・ウィズ・デイヴィッド・レターマン』などのトークショーに出演した[12][13][14][15]

2013年5月から、彼女は北アメリカ各地で、スティーヴ・マーティンとSteep Canyon Rangersと一緒にツアーを行った[16]

2016年、ブリケルとマーティンのふたりで音楽、歌詞、物語を書いたミュージカル『ブライト・スター (Bright Star)』がブロードウェイのCort Theatreで始まった[17]

2017年、ブリケルとマーティンは、Bernard MacMahonの監督による受賞歴のあるドキュメンタリー映画 『The American Epic Sessions』に出演。彼らは1920年代につくられた最初の電気録音システムを生かして「The Coo Coo Bird」という伝統的なイギリスのフォーク・ソング[18]を録音した[19]。これはサウンドトラック『Music from The American Epic Sessions』に収録されている。

私生活[編集]

ブリケルは、1992年5月30日にシンガーソングライターポール・サイモンと結婚した[20]。ブリケルは1988年11月5日にNBCの『サタデー・ナイト・ライブ』で演奏していたとき、サイモンがカメラマンの前に立っているのに気づいた。「クラブで何百回も演奏してきた曲をパフォーマンスしていたのに、彼を見てしまったら、曲の動きも何も忘れてしまったの。私たちは子供たちにその時のテープを見せることができるわ。そして言うの。これが初めてお互いに目と目を合わせた時だって」。ブリケルとサイモンには、エイドリアン、ルル、ガブリエルという3人の子供がいる[21]。2014年4月、ふたりは国内における治安紊乱行為の容疑で逮捕されたが、いかなる結果も出されずに裁判所により釈放された[22][23][24]

ディスコグラフィ[編集]

ソロ・アルバム[編集]

  • 『ピクチャー・パーフェクト・モーニング』 - Picture Perfect Morning (1994年)
  • Volcano (2003年)
  • Edie Brickell (2011年)

ソロ・シングル[編集]

  • 「グッド・タイムズ」 - "Good Times" (1994年)

エディ・ブリケル&ニュー・ボヘミアンズ[編集]

  • 星に輪ゴムを』 - Shooting Rubberbands at the Stars (1988年)
  • 『ゴースト・オブ・ア・ドッグ』 - Ghost of a Dog (1990年)
  • The Live Montauk Sessions (1999年) ※ライブ・アルバム
  • The Ultimate Collection (2002年) ※コンピレーション・アルバム(エディのソロ、ザ・スリップ等の楽曲を含む)
  • Stranger Things (2006年)
  • Rocket (2018年)
  • Hunter and the Dog Star (2021年)

The Heavy Circles[編集]

  • The Heavy Circles (2008年)

The Gaddabouts[編集]

  • The Gaddabouts (2011年)
  • Look Out Now! (2012年)

スティーヴ・マーティン・アンド・エディ・ブリケル[編集]

  • Love Has Come for You (2013年)
  • LIVE: Steve Martin and Steep Canyon Rangers featuring Edie Brickell (2014年)
  • So Familiar (2015年)[25]
  • Bright Star (2016年) ※ミュージカルのサウンドトラック

脚注[編集]

  1. ^ メーカー表記は「エディ・ブリケル」だが、発音をベースとした「エディ・ブリッケル」「イーディ・ブリックウェル」といった表記も存在する。
  2. ^ Paul Simon profile, paul-simon.info; accessed March 17, 2016.
  3. ^ Profile, familysearch.org; accessed March 17, 2016.
  4. ^ “Dallas performing, visual arts school set for Taste of the Arts”. The Dallas Morning News. (2008年2月16日). http://www.dallasnews.com/sharedcontent/dws/news/localnews/stories/DN-ocfocus_16met.ART.West.Edition1.45648b9.html 2008年5月1日閲覧。 
  5. ^ David Dye (2006年9月7日). “Edie Brickell & New Bohemians: Starting Over”. World Cafe. NPR. 2008年2月10日閲覧。
  6. ^ “Edie Brickell & New Bohemians join Erwin Center Harvey benefit lineup | Austin Music Source”. http://music.blog.austin360.com/2017/09/19/edie-brickell-new-bohemians-to-play-austin-for-the-first-time-in-17-years/ 2018年9月20日閲覧。 
  7. ^ Strowe, Jeff (2018年9月14日). “Music News: Iggy Azalea and Edie Brickell Highlight the New List of Shows”. Dallas Observer. https://www.dallasobserver.com/music/dallas-concert-announcements-iggy-azalea-tori-kelly-and-more-11139842 2018年9月20日閲覧。 
  8. ^ Edie Brickell & New Bohemians Master Mood with 'Hunter and the Dog Star' (Album Review)”. glidemagazine.com. Glide Magazine (2021年2月18日). 2021年2月22日閲覧。
  9. ^ MANES, STEPHEN (1995年8月1日). “PERSONAL COMPUTERS; Personal Computers: What Is Windows 95 Really Like?”. New York Times. https://query.nytimes.com/gst/fullpage.html?res=990CE5DB1631F932A3575BC0A963958260&sec=&spon=&pagewanted=3 2008年10月24日閲覧。 
  10. ^ The Band”. The Gaddabouts. 2013年4月28日閲覧。
  11. ^ Thompson, Stephen (2013年4月14日). “First Listen: Steve Martin And Edie Brickell, 'Love Has Come For You'”. NPR. https://www.npr.org/2013/04/14/176585791/first-listen-steve-martin-and-edie-brickell-love-has-come-for-you 2013年4月18日閲覧。 
  12. ^ “Steve Martin and Edie Brickell's 'Love Has Come For You': Collaboration A Perfect Blend of Traditional, Modern”. Huffingtonpost.com. (2013年4月22日). http://www.huffingtonpost.com/2013/04/22/steve-martin-and-edie-brickell-love-has-come-for-you_n_3131704.html 2013年4月28日閲覧。 
  13. ^ The Late Show Video – Steve Martin & Edie Brickell”. CBS.com (2013年4月24日). 2013年4月28日閲覧。
  14. ^ April 24, 2013 - The View TV”. Beta.abc.go.com. 2013年4月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年4月28日閲覧。
  15. ^ Itzkoff, Dave (2013年4月19日). “Something Old-Time, Something New: Steve Martin and Edie Brickell's 'Love Has Come For You'”. The New York Times: p. AR20. https://www.nytimes.com/2013/04/21/arts/music/steve-martin-and-edie-brickells-love-has-come-for-you.html?_r=0 
  16. ^ Steve Martin and The Steep Canyon Rangers featuring Edie Brickell Announce North American Tour”. SteveMartin.com. 2013年5月27日閲覧。
  17. ^ The Bright Star Team”. Brightstarmusical.com. 2016年3月16日閲覧。
  18. ^ The Cuckoo / The Coo Coo Bird (Roud 413; G/D 6:1157; Henry H479)” (英語). mainlynorfolk.info. 2018年2月27日閲覧。
  19. ^ “American Epic: The Collection & The Soundtrack Out May 12th | Legacy Recordings” (英語). Legacy Recordings. (2017年4月28日). https://www.legacyrecordings.com/2017/04/28/american-epic-collection-american-epic-soundtrack-may-12th/ 2018年2月27日閲覧。 
  20. ^ Dixon, Ken (2007年4月26日). “Music Hall of Fame Proposed for State”. Connecticut Post (Bridgeport, CT). Article ID 5761094 (fee required) 
  21. ^ Celebrity Daddies 2010”. Today. msnbc.com. 2011年1月3日閲覧。
  22. ^ https://www.rollingstone.com/music/music-news/paul-simon-edie-brickell-arrested-for-disorderly-conduct-88273/
  23. ^ https://people.com/music/new-book-reveals-the-fight-that-landed-paul-simon-and-wife-edie-brickell-in-court/
  24. ^ 大ゲンカ騒動のポール・サイモン&エディ・ブリッケル夫妻、告訴取り下げられる」ビルボードジャパン2014年6月18日
  25. ^ Edwards, Fred (2015年8月20日). “Steve Martin & Edie Brickell Announce Second Album 'So Familiar'”. Billboard. 2015年9月16日閲覧。

外部リンク[編集]