オフリー

ウィキペディアから無料の百科事典

オフリー(O'FREE)は、1990年代に旧・雪印乳業が発売していた箱型紙容器(ブリックパック)入り飲料の統一ブランドである。

概要[編集]

長期保存が可能なロングライフ飲料(LL)250ミリリットル製品の統一ブランド導入品として、雪印乳業が1990年3月下旬に発売を開始した飲料シリーズである[1]。紙パック飲料の統一ブランドとしては、テレビCMなどで広く知られた明治乳業「ブリック」(1977年発売開始)、森永乳業ピクニック」(1981年発売開始)から遅れ、乳業大手3社では最後発であった。「カフェ・オ・レ」などの乳飲料と、「オレンジ」などのその他飲料がラインナップされていた。

1993年9月にはデザイン会社・ビーバイスタジオのデザインで、フレーバー名を強調したパッケージに変更するとともに[2][3]、乳飲料について、甘味を抑えてより乳飲料らしさを強調するリニューアルが行われた[2]

容器はすべてブリックパックタイプで容量は250ミリリットル[1]。小売価格は消費税込100円[2]。未開封の場合、常温状態で乳飲料が製造日から60日間[2]、非乳飲料は90日間[2]保存できる「常温保存可能品」として認可されていた[1]

しかし2000年以降は「オフリー」の統一ブランド名を廃し、フレーバー名を直接商品名としてラインナップを整理縮小。「雪印カフェ・オ・レ」、「雪印イチゴ・オ・レ」(のち「雪印いちご・オ・レ」)、「雪印バナナ・オ・レ」(のち「雪印ばなな・オ・レ」)、「雪印コーヒー(ミルク入り)」、「雪印ヨーグルメット」[4]の各商品に順次リニューアルした。2003年の雪印乳業事業再編に伴う市乳・飲料事業の分割では日本ミルクコミュニティ(メグミルク)に移管され、同社のロングライフ250ミリリットル紙容器飲料製品「MEG250シリーズ」[5]に取り込まれた。

ラインナップ[編集]

乳飲料[編集]

  • カフェ・オ・レ
  • イチゴ・オ・レ - 果汁3%
  • バナナ・オ・レ - 果汁6%
  • メロン・オ・レ - 果汁6%
  • ティー・オ・レ

その他飲料[編集]

  • オレンジ - 果汁30%
  • アップル - 果汁30%
  • コーヒー - ミルク入り
  • ピーチウォーター(1992年-)[6]
  • プラムウォーター(1992年-1993年)[6]
  • グリーンバナナ(1992年-1993年)[6]
  • ヨーグルメット - 乳製品乳酸菌飲料(殺菌)
  • ブラック - 加糖
  • ストレート・ティー

その他[編集]

長崎県立長崎南高等学校長崎市)では1990年代、校内の自動販売機が雪印乳業製品のみを取り扱っていたことから、当ブランドの廃止後も、「オフリー」が紙容器入り飲料全体の総称として生徒間に定着。2015年にはこれにちなんで、自動販売機コーナーがある渡り廊下が「オフリーホール」と命名された。同校が取材協力した2018年放映の連続テレビアニメーション『色づく世界の明日から』(P.A.WORKS制作)の劇中では、紙容器入り飲料の名称として「オフリー」が用いられたほか、1993年リニューアル後の「オフリー・バナナ・オ・レ」「オフリー・イチゴ・オ・レ」「オフリー・メロン・オ・レ」の各パッケージが登場した。

出典[編集]

  1. ^ a b c 「雪印乳業、紅茶市場に参入、機能性飲料なども発売へ」 『化学工業日報』1990年2月2日付9面、 株式会社化学工業日報社
  2. ^ a b c d e 「雪印乳業、『ヨーグルト・牧場の朝』などをリニューアルして9月下旬から全国で発売」 『日本食糧新聞』1993年9月8日付、株式会社日本食糧新聞社
  3. ^ 「飲料水 パッケージキャラクター」 『Works / Charactor』、株式会社ビーバイスタジオ
  4. ^ 「さわやかに改良『ヨーグルメット』発売へ(雪印乳業)」 『日本食糧新聞』2000年5月26日付、株式会社日本食糧新聞社
  5. ^ 雪印メグミルク統合後の「LL250mlシリーズ」。2015年3月のリニューアル後は200ミリリットルに減量されている。
  6. ^ a b c 「酪農・乳業新春特別号=主要乳業各社の1992年新製品発売状況一覧」 『日本食糧新聞』1993年1月13日付、株式会社日本食糧新聞社