ケープペンギン

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ケープペンギン
ケープペンギン Spheniscus demersus
保全状況評価[1][2]
ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: ペンギン目 Sphenisciformes
: ペンギン科 Spheniscidae
: ケープペンギン属 Spheniscus
: ケープペンギン S. demersus
学名
Spheniscus demersus
L., 1758
和名
ケープペンギン
アフリカペンギン[3]
ジャッカスペンギン[4]
英名
African penguin
ケープペンギンの生息図

ケープペンギン(学名:Spheniscus demersus)は、ケープペンギン属に属するペンギン。別名はアフリカンペンギンアフリカペンギン[3]ジャッカスペンギン[4]足黒ペンギン[5]。体長は約70cmと中型である。

名称・特徴

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  • ケープ地方に生息するため、「ケープペンギン」と命名された。
  • アフリカで唯一見ることができるため、「アフリカンペンギン」と呼ばれることも多い。
  • 胸のラインが1本で細く、同時に顔の白い部分が多いという点が、ケープペンギン属の中でケープペンギンを見分けるめやすとなる[6]
  • ロバに似た鳴き声を持つため、オスのロバ(: jackass)を意味する「ジャッカスペンギン」と呼ばれ、フンボルトペンギンマゼランペンギンも同様にジャッカスペンギンと呼ばれることがある[6]

分布

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ナミビア共和国南アフリカ共和国[2]

生態

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  • 寒流のベンゲラ海流が影響を与える、ナミビア南部から南アフリカ沿岸部を繁殖地とする[5]
  • 巣の密度はそれほど高くなく、トンネルを掘ったり、地表面に巣を作るほか、海岸に近い林に小枝を用いて巣をもうける。
  • 成鳥は、定住性が強い[5]
  • 産卵は一年中行われるが、2〜5月、11〜12月がピーク[5]。1巣の卵数は2個。抱卵期間は38〜41日間。ヒナの孵化後40日間は親に守られている。いずれも、雌雄がともに行う[5]クレイシはまばらで、ヒナは孵化70〜100日後に巣立つ[5]。孵化最初の一年は海で過ごし、その後、換羽のために繁殖地に戻ってくる。

環境汚染

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沈没した船舶から流れ出る石油や原油の海洋汚染により、20世紀に入ってから何十万羽ものケープペンギンが死んだ。また、繁殖地の破壊、エサとなる魚の乱獲、人間により持ち込まれた生物による被害なども、ケープペンギンの生存を脅かしている。

ギャラリー

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脚注

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  1. ^ Appendices I, II and III(valid from 26 November 2019) <https://cites.org/eng>(downroad 03/05/2020)
  2. ^ a b BirdLife International. 2018. Spheniscus demersus. The IUCN Red List of Threatened Species 2018: e.T22697810A132604504. doi:10.2305/IUCN.UK.2018-2.RLTS.T22697810A132604504.en, Downloaded on 04 May 2020.
  3. ^ a b アフリカペンギン、生態系の「わな」で餓死か AFP
  4. ^ a b 海岸にうようよ、愛くるしい仕草を間近で観察。南アフリカのケープペンギン THE PAGE公式ホームページ
  5. ^ a b c d e f 藤原幸一『ペンギンガイドブック』阪急コミュニケーションズ、2002年、112-116頁。ISBN 4484024152 
  6. ^ a b ケープペンギン:ペンギンライブラリー ホシザキ株式会社

外部リンク

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