ジャーマン・シェパード・ドッグ
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別名 |
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愛称 |
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原産地 | ドイツ | |||||||||||||||||||||||||||
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イヌ (Canis lupus familiaris) |
ジャーマン・シェパード(ドイツ語: Deutscher Schäferhund 英: German Shepherd Dog)は、ドイツ原産の犬種。「ドイツの牧羊犬」という意味であり、元来はドイツで牧羊犬として従事していた。日本国内ではドイツシェパード犬、シェパード犬、シェパードと呼称されることも多い。
この犬種は知的で忠誠心と服従心に富み、エネルギッシュで訓練を好む性格から種々な作業犬として訓練され、災害救助犬・軍用犬・警備犬・警察犬・麻薬探知犬など特殊訓練を必要とする作業犬として世界中で活用されている。また補助犬(盲導犬)としても活躍している。飼育下における平均寿命は10-14年。
歴史[編集]
マックス・フォン・シュテファニッツ騎兵大尉がヘクトール・リンクスラインという優れたオス犬を入手、ホーラント・グラフラートと名付け、ドイツシェパード犬の犬籍第1号となった。ホーラントは現存するすべてのシェパード犬の祖先である。全身神経の塊のような犬であったと伝えられている。
1914年、ドイツ軍は牧羊犬として用いられていたシェパードを軍用犬として使用開始した[1]。
体型[編集]
中型で頑健な体に強靭な筋力を持っている。顔つきは精悍で鋭い。体毛はダブルコートの短毛である。以前は長毛の個体は除去されていたが現在は別の犬籍簿で管理され展覧会の出陳も可能である。毛色は多種あるが、一般的なものはブラック&タン、セーブル(ウルフ)、オールブラックで色素が濃厚でなければならない。白色は認められない(ホワイト・スイス・シェパード・ドッグという別犬種である)。またブルー等色素異常の個体も認められない。これらはシェパードと名乗っていてもドイツシェパード犬とは無関係である。ホワイトシェパード、オールドジャーマンシェパード、シャイロシェパードなどシェパード犬を基礎に作出されたり類似の血液から構成されたとされる他犬種からはいずれも「訓練性能はシェパード犬と同等」との声が聞かれるが証明されたことはない。
本種の犬種標準に基づく体格は以下の通り。
- 体高:牡:60〜65cm 牝:55〜60cm 体長は、体高より約10〜17%長い。
性格[編集]
正しい訓育と訓練を経たシェパード犬は使役犬としてまた一般家庭における家庭犬としてもっとも優れたパートナーとなる。
軍用犬や警察犬として世界中で最も多く使用され、家庭犬としての人気も高い。飼育頭数が多いため咬傷事故の報告もあるがその多くは不適切な飼養環境や取り扱いによるものである。
飼育上の注意[編集]
運動が必須の犬種である。自由運動のほか引き運動を1日2回1時間程度行うのが望ましいが、運動については各個体の状態や特性に合わせて柔軟に行うべきである。賢い犬種であり運動に次いで服従訓練を行うことで精神的満足感を与えることも重要である。
危険犬種(特定犬)としての扱い[編集]
一部自治体では、人に危害を加える恐れがある犬種として「特定犬」に指定されている。
ジャーマン・シェパード以外に特定犬として指定されている犬種として、土佐闘犬、秋田犬、紀州犬、ドーベルマン、グレートデーン、セント・バーナード、アメリカン・スタッフォードシャー・テリア(アメリカン・ピット・ブル・テリア)がある。
参考[編集]
- 1899年ドイツで軍人マックス・フォン・シュテファニッツが初登録している[注釈 1]。
- German Shepherd Dog は、ドイツ語の Deutscher Schäferhund(ドイチャー・シェーファーフント) を逐語訳したものである。さらに日本語に訳すとなると「ドイツ牧羊犬」である。中国語表示は「徳國牧羊犬」(徳國=ドイツ)。ドイツにはこの他にも牧羊犬種が存在するので、混乱が起こることがある。
- 第一次世界大戦時、ドイツ軍において伝令、弾薬運搬、陣地警備の軍用犬として使われていた。この犬の能力に感心したイギリスとアメリカの兵士が、家庭に連れて帰りペットとしたことが作業犬として人気を得ることとなる。イギリスでは大戦後の反独感情からAlsatian (アルサシアン、アルザス種の意)と呼ばれ、今でもイギリス、アイルランド、英連邦各国一部ではAlsatianの別名に拘泥する人々がいる。
- 日本では、第二次世界大戦以前から千葉県を中心に繁殖、供給されており、一般にもなじみ深い犬種であった。戦後の飼育ブームの中でも着目され、1950年時点の子犬の取引価格は1頭15000円から30000円と極めて高価なものであったが、飼育数は東京都内だけでも560頭を数えた[3]。現在も各警察において警察犬・警備犬として、自衛隊においては警備犬としてポピュラーな犬種である。
メディアに登場した有名なジャーマン・シェパード・ドッグ[編集]
メディアに登場した有名な本種個体を以下に挙げる。
- ジョン・F・ケネディが飼っていたクリッパー(Clipper)
- フランクリン・D・ルーズベルトが飼っていたメイジャー(Major:少佐の意)
- アドルフ・ヒトラーが飼っていたブロンディ(Blondi)
- ストロングハート - 1920年代の犬の映画に数多く出演したジャーマン・シェパード・ドッグ
- リンチンチン - 1920年代の犬の映画に数多く出演したジャーマン・シェパード・ドッグ。その子や孫も同名を継いで映画に出演した。
- ジョー・バイデンが飼っているチャンプとメイジャー(Champ and Major)
- テレビドラマ
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- 名犬リンチンチン
- 名犬ロンドン物語
- 刑事犬カール - カール号を演じたのは、クラッフォー・オブ・ツカサドール(通称ジル)
- REX〜ウィーン警察シェパード犬刑事〜
- テレビアニメ
ギャラリー[編集]
- 雄(左)と雌(右)のシェパード
- 顔のクローズアップ
- 海上自衛隊で警備犬として活躍するブラックのシェパード
脚注[編集]
出典[編集]
- ^ 下川耿史 家庭総合研究会 編『明治・大正家庭史年表:1868-1925』河出書房新社、2000年、399頁。ISBN 4-309-22361-3。
- ^ “『"ジャーマン・シェパード・ドッグの歴史"と"マックス・フォン・シュテファニッツ"に関する資料』” (PDF) (英語). 2020年1月30日閲覧。
- ^ 「玩具にされてはかなワン」『日本経済新聞』昭和25年9月5日 3面
注釈[編集]
文献[編集]
- Hank Whittemore and Caroline Hebard 『災害救助犬が行く』新潮社、1998年、ISBN 4-10-210711-8
- グレーフェ・彧子『ドイツの犬はなぜ幸せか:犬の権利、人の義務』中央公論社、2000年、ISBN 4-12-203700-X
- 志摩 不二雄『軍犬ローマ号と共に:ビルマ狼兵団 一兵士の戦い』光人社、2006年、ISBN 4-7698-2511-0