スダッチャー

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SUDA51'S SDATCHER(スダゴーイチズ・スダッチャー)は、コナミデジタルエンタテインメント小島秀夫公式ブログ”HIDEOBLOG”で配信しているWebラジオ”ヒデラジ”の300回放送記念として企画・配信されているラジオドラマ及びそのドラマCD。全7話

概要[編集]

本作は”ヒデラジ”第296回放送内で放送通算300回記念[1]として”スナッチャー”を基にしたラジオドラマを放送することが発表された[2]

脚本は小島と親交が深い須田剛一、音楽はサイレントヒルで音楽を手がけた山岡晃、イラスト・キャラクターデザインはスナッチャーでもキャラクターデザインを手がけたヨシオカサトシ、演出は村田周陽が務める[2]

その後”ヒデラジ”第300回の放送からACT1の放送が開始し[3]、ACT6まで放送されたが、”ヒデラジ”第305回の放送内で最終話であるACT7の放送を諸事情により休止することが発表された[4]が、2012年1月放送予定の”ヒデラジ”第308回でACT7の放送をすることが発表された[5]。本作のドラマCD2011年12月14日に発売することが発表された[4]

尚、本作は前述の通り”スナッチャー”を基にして作ったもので、”スナッチャー”に登場した登場人物、用語、場所等が登場するが、”スナッチャー”との関連性は一切ない[6]

また、2回以上の視聴が推奨されている[2]

あらすじ[編集]

2038年神戸、「ネオ・コウベ・シティ」。そこでひとりの男がバーに向かって車を走らせる。男の名は、ジャン・ジャック・ギブスン。彼にはある目的があった。しかし、そのバーに入った瞬間から、彼の運命の歯車は回り出しているのだった…。

登場人物[編集]

ジャン・ジャック・ギブスン
声 - 大塚明夫
本作の主人公でベテランの科学捜査官。職務に忠実で決して躊躇はしないが、プライベートでは妻のアリスとの間にトラブルを抱えておりそのことで目を曇らせている。カトリーヌという名前の娘がいる。
リトルジョン
声 - 小島秀夫
2足歩行型のナビゲーターロボットでジャックの相棒。
クリスティアン・ゲンズブール
声 - 大塚芳忠
通称クリス。ネオ・コウベの麻薬市場における実力者だが、その正体は政府諜報機関「RUG HUNT」の潜入捜査官。ジャックの元同僚。ジャックとのブラックジャックの勝負に一度も勝ったことがない。
スティーボ
声 - 柳原哲也
クリスの相棒。やたら喋りながらモバイル端末で写真を撮る癖がある。ネオ・コウベ・シティ港に入港した不審船を調べるためにクリスに同行していた。がすぐに逃げ出す。
ドミニク・ブラックヘッド
声 - 杉田智和
政府諜報機関「RUG HUNT」のエージェント。事態の収束を図るため、クリスの身柄をジャックに要求する。
ロビン・グッドマン
声 - 子安武人
政府諜報機関「RUG HUNT」のエージェント。何らかの任務を遂行しているが、その内容は不明。
アリス・ギブスン
声 - 井上喜久子
ジャックの妻。何らかのトラブルが原因で現在失踪している。ジャックによると、唾液の酸が強くキスをすると相手の唇が荒れてしまうという。
リサ・ニールセン
声 - 菊池由美
ダイナー「ワルシャワ」のウェイトレス。かつてはネオ・コウベ一帯の売りを仕切るバイヤーだったが、ジャックが後見人になったことで足を洗っている。スリーサイズはB88・W56・H86。
トイレの男(フレディ・ニールセン)
声 - 須田剛一
ダイナー「ワルシャワ」のトイレにいたリサの夫。クリスと何かを話していた。
ハリー・ベンソン
政府諜報機関「RUG HUNT」のエンジニアでジャックとは古い友人。ジャックとロビンの会話の中に登場。

用語[編集]

RUG HUNT(ラグ・ハント)
政府直属の諜報機関。工作員は複数の秘密保持契約を結んだ後に偽名で任務に就く。人を殺す際は銃を2発撃って仕留めるのが鉄則となっている。
バイオロイド
物語の40年前にロシア(旧ソ連)でカラエフ博士によって発表された論文を元にソ連崩壊後、ウドムルト共和国にあるポドルフスキー社によって作られた新種の生物のようなもの。人間を殺害後殺害した人物にすり替わる、紫外線に弱い、頭部にブラスターを撃ちこまれると停止するという点でスナッチャーと共通しているが、バイオロイドとなったクリスが「バイオロイドの完全体がスナッチャー」だと発言していることからスナッチャーとは別物であると考えられる。
スナッチャー
ゼロ・コンタクト計画
バイオロイド達が実行しようとしている謎の計画。
ダイナー「ワルシャワ」
ネオ・コウベにあるレストランでリサ・ニールセンがウェイトレスとして働いている。店内では鶏の泣き声が聞こえることから中華料理店であると思われるが、何故かトアルコトラジャコーヒーが提供されている。ここのカニチャーハンはジャックの大好物。

スタッフ[編集]

関連CD[編集]

SUDA 51'S SDATCHER -INSPIRED by "SNATCHER"-[編集]

2011年12月14日発売。ディスクは2枚組(GFCA-295~GFCA-296)。1枚目には本作のラジオドラマ、2枚目にはサウンドトラックが収録されている。ラジオドラマはWebラジオよりも音質が向上したものとなっている。尚、最終話のACT7は"ヒデラジ"本編では発売時点では未放送であったため、本ディスクが先行公開という形となっている。初回限定版はスナッチャーをイメージした特製スリープケース仕様。また、コナミスタイルでは通常版の他にオリジナルのクリアファイルとポストカードがセットになったコンプリートセットが限定発売となった。

収録曲

DRAMA DISC[編集]

  1. ACT1 OPENING
  2. ACT1
  3. ACT2 OPENING
  4. ACT2
  5. ACT3 OPENING
  6. ACT3
  7. ACT4 OPENING
  8. ACT4
  9. ACT5 OPENING
  10. ACT5
  11. ACT6 OPENING
  12. ACT6
  13. ACT7 OPENING
  14. ACT7
  15. END CREDITS[7]

SOUNDTRACK DISC[編集]

※作曲は全て山岡晃

  1. Undercover
  2. Sdatcher (Main Titles)
  3. Counterfeit
  4. A Man And The World
  5. Rug Hunt
  6. Trap
  7. Old Friend
  8. Zero Contact
  9. Bioroid
  10. Negotiate
  11. Suspicious Vessel
  12. Head Shot
  13. Bodies
  14. Drowse
  15. Red Eyes
  16. Ultraviolet
  17. Cargo Owner
  18. Top Of The Tower
  19. Undead Souls
  20. Gibson
  21. Chris Knows
  22. Creeping Silence (Ver.51)
  23. Diner Warsaw
  24. Farewell
  25. End Titles

トリビア[編集]

  • 元々は須田と小島、さらに志倉千代丸の3人でアドベンチャーゲームを開発するという名目で始まったもので、須田がヒデラジに初めてゲスト出演した第31回(2006年3月6日)から構想が練られていた[8]。リサ・ニールセンのキャラクター説明にスリーサイズが記載されているのはその名残である。また、『SUDA 51'S SDATCHER -INSPIRED by "SNATCHER"-』のブックレットにはヨシオカによって描かれたダイナー・ワルシャワの外観のドット絵が掲載されている。
  • イラスト・キャラクターデザインを行うにあたり、ヨシオカは最初スナッチャーをイメージしたイラストを描いたのだが、小島に「スナッチャーとは違う」とダメ出しされたことで描き直したという[8]。尚、スティーボは若いころのビル・マーレイを、リトル・ジョンは小島本人をモチーフにして描いたという[8]。しかし、スティーボのイラストがあまりにもポリスノーツの登場人物であるジョン・石田に酷似していたため、小島からは「イシダ」と呼ばれていた[8]

出典・脚注[編集]

  1. ^ ヒデラジのみのカウント。ヒデラジZ等の放送を含めると300回を超えている。
  2. ^ a b c HIDEOBLOG”. ヒデラジ 第296回放送内にて. 2011年12月9日閲覧。
  3. ^ " HIDEOBLOG”. ヒデラジ 第300回. 2011年12月9日閲覧。
  4. ^ a b HIDEOBLOG”. ヒデラジ 第305回放送内にて. 2011年12月9日閲覧。
  5. ^ 小島秀夫のヒデラジ…「お便りSP」収録のお知らせ”. 2012年1月17日閲覧。
  6. ^ 本作のエンドクレジットでも言及されている。
  7. ^ エンドクレジット後にヒデラジ298回、299回放送時のトークの抜粋音声が収録されている。
  8. ^ a b c d HIDEOBLOG”. ヒデラジ 第298回放送内にて. 2011年12月9日閲覧。

関連項目[編集]

  • スナッチャー - 1988年にコナミ(現・コナミデジタルエンタテインメント)から発売されたアドベンチャーゲームで、本作の企画・プロデュースを行っている小島秀夫監督作品。本作はスナッチャーを基にして作られたもののため、スナッチャーに関係する用語や場所等が登場するが、エンドクレジットで本作とスナッチャーとは一切関連性はないことが言及されている。
  • メタルギアソリッド3 - 2004年にコナミコンピュータエンタテインメントジャパン(現・コナミデジタルエンタテインメント)から発売されたステルスゲームで本作の企画・プロデュースを行っている小島秀夫監督作品。本作ACT1でジャックがMGS3のOP曲『Snake Eater』の口笛を吹いていた。リトル・ジョンに曲について尋ねられた際、「ゼロ年代の名曲」だと答えていた。

外部リンク[編集]