スピン (パブリック・リレーションズ)
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誤報と偽情報 |
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スピン(英語:spin)とは、パブリック・リレーションズ(PR)において、特定の人に有利になるような、非常に偏った事件や事態の描写を意味する、通常皮肉のこもった言葉である。日本では「スピン報道」とも[1]。
従来のパブリック・リレーションズが事実の創造的な表現に頼るのに対し、「スピン」は(必ずというわけではないが)しばしば、不誠実で人を欺くような高度に操作的なかけひきを含意している。政治家はスピンについて政敵から非難されることが多い。
クリケットのスピンボール投手は、ボールを空中で曲げたり、有利な方向にバウンドさせたりするために、投球中にボールにスピンをかけることがあるが、この用語は、そのような球技から借用されたものである。
「スピン」と記者会見(特に政府記者会見)には密接な関係があるので、記者会見が行われる部屋のことをスピン・ルームと呼ぶことがある[2]。
テクニック
[編集]スピンのテクニックには、以下のようなものがある。
- 恣意的な引用、チェリー・ピッキング(自分の見解を支持する証拠を選択的に提示すること)
- 事実の選択的な援用
- 対立相手のアイディアをいち早く入手して、相手が発表する前に自分のアイディアとして発表
- 間接的な否定(論理的には否定していないが、印象としては否定的な印象を与えるような発言のこと)
- 立証されていない事実を前提とする論法
- 婉曲表現による論点のすり替えや強調
他にも、悪いニュースの公表を遅らせて、より重要もしくは良いニュースや事件の陰に隠れて目立たないようにするテクニックもある。アメリカ同時多発テロが発生した2001年9月11日にイギリスの政府広報担当者ジョー・ムーアが送信した電子メールの中で、「今日は、葬り去りたいニュースを発表するには絶好の日だ」と書いたのも、このテクニックに言及した有名な例である。この電子メールがマスコミに報じられたときに起きた騒動は、最終的に彼女を辞任に追い込んだ。
スピン・ドクター
[編集]スピンの実践に熟練した者のことを、スピン・ドクター(spin doctor)と呼ぶことがある。おそらく、「スピン・ドクター」と呼ばれることの多いイギリス人の中で最も有名なのは、1994 - 2003 年にトニー・ブレア政権の広報活動に携わり、さらに、2005年のラグビーのニュージーランド・ツアーで、ブリティッシュ・アンド・アイリッシュ・ライオンズの広報担当として論争の的となった、アリスター・キャンベルであろう。また、同じくブレア側近のピーター・マンデルソンや、ブラウン側近のチャーリー・ウェランも労働党のスピン・ドクターとして認知されている。
脚注・出典
[編集]- ^ 「スピン報道」を警戒しよう~森友学園と加計学園、共謀罪に水道法改正案=三宅雪子マネーボイス
- ^ 「スピンルーム」の本心@ヘンプステッド朝日新聞デジタル 2008年10月17日
関連項目
[編集]- アストロターフィング(人工草の根運動) - 婉曲法 - 詭弁
- 情報操作 - 偏向報道 - ダブルスピーク - プロパガンダ - やらせ - 西山事件
- 衆愚政治 - 情報公開
- 怪文書 - 悪魔の証明 - スラップ訴訟
- エドワード・バーネイズ
外部リンク
[編集]- クリスチャン・サイエンス・モニター:スピン・ルーム-政治的においしいネタを出す口のうまい寿司屋(意訳)
- アウトフォックスト:アウトフォックスト:ルパート・マードックのジャーナリズム戦争(英語)
- 今日のスピン(英語) - メディア民主主義センター
- スピンウォッチ(英語)(スピンやプロパガンダの監視組織)