ゼロウィング

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ゼロウィング
ジャンル 横スクロールシューティング
対応機種 アーケード (AC)
メガドライブ (MD)
PCエンジンCD-ROM² (PCE)
開発元 東亜プラン
発売元 日本 東亜プラン、ナムコ
アメリカ合衆国 ウィリアムス
音楽 上村建也
富沢敏明
弓削雅稔
人数 1 - 2人(交互プレイ、同時プレイ両バージョン有)
メディア 業務用基板(1.34メガバイト
稼働時期 AC
日本の旗 1989年9月
アメリカ合衆国の旗 1989年
欧州連合の旗 1989年
MD
日本の旗 1991年5月30日
欧州連合の旗 1992年4月
PCE
日本の旗 1992年9月18日
デバイス 8方向レバー
2ボタン
CPU MC68000 (@ 10 MHz)
Z80 (@ 3.5 MHz)
サウンド YM3812 (@ 3.5 MHz)
ディスプレイ ラスタースキャン
横モニター
320×240ピクセル
60.00Hz
パレット2048色
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ゼロウィング』(Zero Wing)は、1989年東亜プランが開発・稼働したアーケード用横スクロールシューティングゲームである。

概要

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宇宙海賊「CATS」を倒すために自機「ZIG-01」が8つの防衛基地に向かうという内容。難易度においては、自機を追尾する弾が多い(特にボス戦)ため、総じて高めである。また、周回を重ねる毎に加速度的に敵弾の速度が上がり、さらには敵の放つ扇弾の隙間を埋める強化(3WAYが5WAYになるなど)まで成されるため東亜プランのシューティング中でも屈指の難易度を誇る。

日本国外版は2人同時プレイが可能である。その場で復活することや、2プレイヤー側の自機の形が違う。日本国内でも極少数であるが出荷されている。

後にメガドライブPCエンジンCD-ROM²向けに移植された。日本国外で発売されたメガドライブ版の冒頭ストーリーデモに出てくる台詞「All your base are belong to us」(日本語版の台詞「君達の基地は、全てCATSがいただいた。」の誤訳)は、アジア語話者による英語の誤用を意味するEngrishの代表例となり、インターネット・ミームとして日本国外で拡散された(詳細は当該記事参照)。

システム

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ステージ
全8ステージ。ステージ最後のボスを破壊するとステージクリアとなり次のステージへと進む。ステージ内には中ボスクラスの巨大な敵も存在する。ステージ表記は「AREA」であり、ステージ1を4画面分まで進んだ例では「AREA1-4」と表記される。いわゆるループゲームであり、AREA8クリア後は2周目が始まる。
戻り復活方式。ミスすると特定の場面からの再スタートとなる。コンティニュープレイ可能。
プリソナービーム
ショットやボムなどの攻撃手段のほかに、プリソナービームを発射する。このビームを一部の敵やアイテムに当てると捕獲できる。
捕獲した敵は自機の前方にくっつき、敵からの攻撃を防いだり、前方に飛ばしたりすることができる。捕獲した敵がある程度大きい場合、自機が地面に引っ張られてしまう。
オプション
一番初めにパワーアップするとオプションが自機の上下につき、ショットを発射する。敵からの弾も防ぐことができるが、当たり判定は小さい。

アイテム

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アイテムキャリーを破壊すると出現する。アイテムの出現する順番はある程度決まっている。武器アイテムは3種類あり、装備中と同じ武器のアイテムを取得するとパワーアップする(3段階)。

バルカン(赤)
斜め上下方向に発射する。自機の初期装備。
レーザー(青)
前方に長いレーザーを発射。耐久力の高い敵以外に対して貫通能力がある。
ホーミング(緑)
敵を追尾する。画面上に発射できる弾数が多い。
スピードアップ
4段階で自機のスピードが速くなる。
ボンバー
自機の前方に付き、発射できる。また3発まで敵弾を防ぐことができ、3発を被弾すると自動的に発射する。
スペシャル・パワーアップ
ショットが最強状態の時にランダムで出現。オプションとショットの当り判定が大きくなる。

隠し要素

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ピピル星人
ある場所に隠れている。プリソナービームで捕獲すると10000点ボーナスが入る。捕獲する前に数発ショットを当てると出現しない。
1upアイテム・10upアイテム
最強状態にてアイテムを取得した場合、ボーナス5000点が出現するが、その場合ランダムで変更する(1プレイ中に各1回ずつ)。
ワープ
1周目5面のある場所に入ると8面へワープする。

移植版

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No. タイトル 発売日 対応機種 開発元 発売元 メディア 型式 売上本数 備考
1 ゼロウイング 日本 199105301991年5月30日
ヨーロッパ 1992041992年4月
メガドライブ 東亜プラン 東亜プラン 8メガビットロムカセット[1] 日本 T-40023
ヨーロッパ 1138-50
-
2 ゼロウイング 日本 199209181992年9月18日
PCエンジンCD-ROM² 東亜プラン ナグザット CD-ROM NXCD1003 -
3 セガ メガドライブ for
Nintendo Switch Online
INT 2022年7月1日
[2][3][4][5]

Nintendo Switch 任天堂
エムツー
任天堂 ダウンロード
ニンテンドーeショップ
- - メガドライブ版の移植
4 Zero Wing INT 2023年2月14日
Windows Bitwave Games Bitwave Games ダウンロード
SteamGOG.com
2011900 - アーケード版の移植
5 ゼロファイアー 日本 2023年7月20日
[6][7]

Nintendo Switch
PlayStation 4
エムツー エムツー ゲームカード
BD-ROM
ダウンロード
- アーケード版、メガドライブ版、CD-ROM²版の移植
メガドライブ版
  • 海外版の冒頭ストーリーデモに出てくる台詞「All your base are belong to us」は、Engrishの代表例であるという。2001年から2002年に掛けて、インターネット・ミームとして海外で拡散され、FLASH動画などが制作された。この件に関して、ゲーム本『メガドライブ大全』(2004年太田出版)では、「『君たちの基地は、すべて我々がいただいた』と言いたかったらしいが、英文法の間違いが玉突き事故、「『"base"(基地)の複数形は"bases"だろ』『"belong"は自動詞なのでbe+受け身にならない』『そもそも受け身なら"belonged"だろ』」、「外人さんはFlashムービーを作って笑えるおちょくりをした。そんなわけで、『和製ゲームのバカ英語』ランキング一位に君臨している」と記されている[8]
PCエンジン版
  • アーケード版には無かったオリジナルステージとアニメ絵調のビジュアルシーンが新たに追加されている[9]

評価

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評価
レビュー結果
媒体結果
Computer and Video Games93%(MD)[10]
ファミ通28/40点(MD)[11]
21/40点(PCE)[12]
Games-X92%(MD)[13]
Joystick86%(MD)[14]
Mean Machines91%(MD)[15]
MegaTech82%(MD)[16]
Sega Force86%(MD)[17]
Sega Power10/10点(MD)[18]
HonestGamers4/10点(MD)[19]
メガドライブFAN19.70/30点(MD)[1]
月刊PCエンジン78/100点(PCE)
マル勝PCエンジン25/40点(PCE)
PC Engine FAN19.72/30点(PCE)[20]
(総合351位)
アーケード版

1991年に刊行されたゲーメストムック『ザ・ベストゲーム』内の「ビデオゲームフルリスト」の紹介文では、「プリゾナービームが装備されたのが特徴。横シューの中では珍しく、ホーミングレーザーが一番使えた」と評されている[21]

メガドライブ版

ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では合計28点(満40点)[11]、『メガドライブFAN』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通り19.70点(満30点)となっている[1]。同雑誌1993年7月号特別付録の「メガドライブ&ゲームギア オールカタログ'93」では、「自機に、プリゾナービームという敵を捕獲する武器が装備されているのが特徴」と紹介されている[1]

項目 キャラクタ 音楽 操作性 熱中度 お買得度 オリジナリティ 総合
得点 3.24 3.32 3.42 3.26 3.12 3.34 19.70
PCエンジン版

ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では5・5・6・5の合計21点(満40点)[12]、『月刊PCエンジン』では80・75・80・80・75の平均78点(満100点)、『マル勝PCエンジン』では7・6・7・5の合計25点(満40点)、『PC Engine FAN』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通り19.72点(満30点)となっている[20]。また、この得点はPCエンジン全ソフトの中で351位(485本中、1993年時点)となっている[20]

項目 キャラクタ 音楽 操作性 熱中度 お買得度 オリジナリティ 総合
得点 3.09 3.55 3.45 3.45 3.09 3.09 19.72

脚注

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  1. ^ a b c d 「7月号特別付録 メガドライブ&ゲームギア オールカタログ'93」『メガドライブFAN』第5巻第7号、徳間書店、1993年7月15日、60頁。 
  2. ^ 【7月1日追加】『セガ メガドライブ for Nintendo Switch Online』追加タイトルが配信開始。” (日本語). 任天堂 (2022年7月1日). 2022年7月2日閲覧。
  3. ^ “セガ メガドライブ for Nintendo Switch Online”に新作が追加。『コミックスゾーン』『重装機兵レイノス』『ゼロウィング』『ロックマンメガワールド』の4タイトル” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA (2022年7月1日). 2022年7月2日閲覧。
  4. ^ Gueed (2022年7月1日). “「コミックスゾーン」「重装機兵レイノス」「ゼロウィング」「ロックマンメガワールド」がセガ メガドライブ for Nintendo Switch Onlineに登場” (日本語). 4Gamer.net. Aetas. 2022年7月2日閲覧。
  5. ^ 福山幸司 (2022年7月1日). “『ロックマンメガワールド』『コミックスゾーン』『重装機兵レイノス』『ゼロウィング』が「セガ メガドライブ for Nintendo Switch Online」で配信開始” (日本語). 電ファミニコゲーマー. Mare. 2022年7月2日閲覧。
  6. ^ 早苗月 ハンバーグ食べ男 (2023年4月13日). “「怒首領蜂大往生 臨廻転生」のタイトルロゴが明らかに。「ゼロファイアー」は7月20日の発売で,DLCには「ホラーストーリー」も”. 4Gamer.net. Aetas. 2023年7月24日閲覧。
  7. ^ 早苗月 ハンバーグ食べ男 (2023年5月18日). “「怒首領蜂大往生 臨廻転生」エレメントドールのイラストが公開に。「ゼロファイアー」にはAYBABTUで知られる欧州版Zero Wingなどを収録”. 4Gamer.net. Aetas. 2023年7月24日閲覧。
  8. ^ 「Chapter 03 1990年」『メガドライブ大全(企画・編集:CONTINUE)』太田出版、2004年9月29日、76頁。ISBN 9784872338805 
  9. ^ 毎日コミュニケーションズ「金田一技彦監修 広技苑 2000年秋 20世紀最終保存版」参照[要ページ番号]
  10. ^ Computer and Video Games, issue 117, pages 60-62
  11. ^ a b ゼロウィング まとめ [メガドライブ]”. ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2015年12月6日閲覧。
  12. ^ a b ゼロウィング まとめ [PCエンジン]”. ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2015年12月6日閲覧。
  13. ^ Games-X, issue 9
  14. ^ Joystick, issue 18, page 182
  15. ^ Mean Machines, issue 10, pages 74-76
  16. ^ MegaTech, issue 5, pages 32-35
  17. ^ Sega Force, issue 7, pages 70-71
  18. ^ Sega Power, issue 23, page 55
  19. ^ Nov 23, 2010 (2010年11月23日). “HonestGamers: Zero Wing”. HonestGamers. 2010年11月27日閲覧。
  20. ^ a b c 「10月号特別付録 PCエンジンオールカタログ'93」『PC Engine FAN』第6巻第10号、徳間書店、1993年10月1日、81頁。 
  21. ^ 「ビデオゲーム フルリスト」『ザ・ベストゲーム 月刊ゲーメスト7月号増刊』第6巻第7号、新声社、1991年7月1日、175 - 216頁、雑誌03660-7。 

外部リンク

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