フォスフォフィライト
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フォスフォフィライト(燐葉石) phosphophyllite | |
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フォスフォフィライトの結晶 | |
分類 | リン酸塩鉱物 |
化学式 | Zn2Fe2+(PO4)2・4H2O |
結晶系 | 単斜晶系 |
へき開 | 完全 |
断口 | 不平坦、貝殻状 |
モース硬度 | 3-3.5 |
光沢 | ガラス光沢 |
色 | 海緑色、薄荷色、青緑から水色、無色。産地によって差異がある。 |
条痕 | 白色 |
比重 | 3.05-3.14 |
屈折率 | 1.594-1.623 |
複屈折 | 0.02 |
蛍光 | 多彩、紫 |
プロジェクト:鉱物/Portal:地球科学 |
フォスフォフィライト(英語: phosphophyllite)とは、リン酸塩鉱物に分類される稀な鉱物の一種。Zn2Fe2+(PO4)2・4H2Oという化学組成を持ち、ペグマタイトや金属鉱床の二次鉱物として生成する。phosphophylliteという名前は、リン酸塩であること及び劈開の様子から、リンを意味する英語のphosphorusと、ギリシャ語で植物の葉を意味するphyllonという単語を合成して名付けられた。和名は燐葉石(りんようせき)[1]。コレクターによって希少性と繊細な青みがかった色が高く評価されている。フォスフォフィライトは非常に脆く壊れ易く、水色から淡い緑色のトルマリンの色合いを持つ。特に大きな結晶は極めて貴重なため加工されることはほとんど無い[2]。
主な産地
[編集]ボリビアのポトシにあるセロ・リコ銀山から採れたフォスフォフィライトは色味が強く美しかったが、1950年代末にはフォスフォフィライトが産出した鉱床は採掘が終わってしまった。上記のほか、オーストラリア、アメリカ、ドイツ、ザンビアなどで産出している。しばしば黄銅鉱やトリフィライトと結びついたものが見つかる[3]。
脚注
[編集]- ^ 近山昌「第15回国際宝石学会に出席して」『宝石学会誌』第3巻第2号、全国宝石学協会、1976年7月15日、65-66頁、NAID 110003367640。
- ^ Hall, Cally (1994). Gemstones. Great Britain: Dorling Kindersley. p. 127. ISBN 0-7513-1026-3
- ^ “The mineral phosphophyllite”. Amethyst Galleries, Inc. 2006年12月16日閲覧。
外部リンク
[編集]- Phosphophyllite - mindat.org
- Phosphophyllite - webmineral