ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜

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ヘルプ
〜心がつなぐストーリー〜
The Help
映画のロゴ
監督 テイト・テイラー
脚本 テイト・テイラー
原作 キャスリン・ストケット
ヘルプ 心がつなぐストーリー
製作 クリス・コロンバス
マイケル・バーナサン
ブランソン・グリーン
製作総指揮 モハメド・カーラフ
ネイト・バークス
ジェニファー・ブラム
L・ディーン・ジョーンズ・Jr
ジョン・ノリス
マーク・ラドクリフ
ジェフ・スコール
テイト・テイラー
出演者 エマ・ストーン
ヴィオラ・デイヴィス
ブライス・ダラス・ハワード
オクタヴィア・スペンサー
ジェシカ・チャステイン
シシー・スペイセク
マイク・ヴォーゲル
アリソン・ジャネイ
音楽 トーマス・ニューマン
主題歌 メアリー・J. ブライジ
The Living Proof
撮影 スティーヴン・ゴールドブラット
編集 ヒューズ・ウィンボーン
製作会社 タッチストーン・ピクチャーズ
ドリームワークス
リライアンス・エンターテインメント
パーティシパント・メディア
Imagenation[1]
1492ピクチャーズ
配給 ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ
公開 アメリカ合衆国の旗 2011年8月10日
日本の旗 2012年3月31日
上映時間 146分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $25,000,000[2][3]
興行収入 $211,608,112[3]
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ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜』(原題: The Help)は、キャスリン・ストケットの小説『ヘルプ 心がつなぐストーリー』を原作とした2011年のドラマ映画である。1960年代の公民権運動を背景とし、ミシシッピ州ジャクソンに住む若い白人女性のスキーターと2人の黒人のメイドの関係を描く。出演はエマ・ストーンヴィオラ・デイヴィスオクタヴィア・スペンサーブライス・ダラス・ハワードジェシカ・チャステインシシー・スペイセクマイク・ヴォーゲルアリソン・ジャネイ、監督・脚本はテイト・テイラーである。評論家に高評価され、商業的にも製作費2500万ドルに対し、興行収入は1億7500万ドルを超える成功作となった。

あらすじ[編集]

1960年代前半。大学を卒業したユージニア(愛称スキーター)はライターを志し、故郷のミシシッピ州ジャクソンに戻った。故郷の友人たちは皆、結婚、出産をしており、家事や育児を黒人メイドたちに任せきった気楽な生活を送っている。友人の一人ヒリーは、病気がうつると信じ込んでメイドのトイレを屋外に作るべきだと主張する。スキーターは友人たちの黒人メイドに対する態度に嫌悪感を覚える。また、自らも黒人メイド、コンスタンティンに育てられたスキーターは、大好きなコンスタンティンが退職し何も告げずにシカゴへ去っていることに疑念を抱くが、母は取り合わない。

スキーターは、ローカル新聞の家庭欄で家事の相談に代役で回答することになり、友人エリザベスのメイド、エイビリーンに手伝ってもらうことにする。エイビリーンは優秀だった一人息子を不幸な事故で亡くして以来、子守り相手の子供以外には心を開かない。一人のライターとして黒人メイドたちの真実を著す責任を感じたスキーターは、エイビリーンを熱心に説得、密かに取材を始めるが、その他のメイドたちは報復を恐れて固く口を閉ざしてしまう。

そんな折、ヒリーのメイド、ミニーは、ヒリーの家のトイレを使ったことで解雇される。怒ったミニーがスキーターの取材に参加することになった。また、ヒリーが雇った新しいメイド、ユール・メイが拾った指輪を質に入れて逮捕されたことに憤慨したメイドたちもまた、自らの経験を語り始めた。

キャスト[編集]

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製作[編集]

2009年12月、『バラエティ』誌は、クリス・コロンバスマイケル・バーナサン、マーク・ラドクリフが彼らの製作会社の1492ピクチャーズで『ヘルプ 心がつなぐストーリー』を映画化すると報じた。ハービンガー・プロダクションズのブランソン・グリーンも共同製作する。監督・脚本はストケットの幼馴染で、原作本の発売前に映画化権を買ったテイト・テイラーが担当する[4]

2010年3月、最初のキャスティング・ニュースとして、エマ・ストーンがスキーター・フェランになると報じられた[5]。その後、エイビリーン役にヴィオラ・デイヴィス、ヒリー・ホルブルック役にブライス・ダラス・ハワード、スキーターの母のシャーロット役にアリソン・ジャネイ、スキーターのボーイフレンドのスチュワート・ウィットワース役にクリス・ローウェルが決まった[6][7][8]レスリー・ジョーダンは架空のローカル新聞『ジャクソン・ジャーナル』の編集者として登場する[9]マイク・ヴォーゲルはジョニー・フット、オクタヴィア・スペンサーがミニーを演じる。ストケットとテイラーの長年の友人であるスペンサーは小説のミニーにインスパイアされており、オーディオブック版の声優も務めている[10][11]

撮影は2010年7月から10月まで行われた。1960年代のジャクソンを描くためにミシシッピ州グリーンウッドが選ばれ、プロデューサーのブランソン・グリーンはそこで映画の「95%」を撮ることを期待していると述べた。映画の一部は、本物のジャクソンだけでなく、クラークスデールとグリーンヴィルでも撮られた[12]

公開[編集]

興行収入[編集]

2011年10月23日時点で北アメリカで1億6569万2836ドル、その他の国々で960万ドル、世界全体で1億7529万2836ドルの興行収入となっている[3]

北アメリカでは2011年8月10日水曜に公開初日を迎え、約554万ドルを売り上げた。翌木曜日には21%下落の433万ドルを売り上げ、2日累計で約990万ドルとなった[13]。公開所週末3日間では約2600万ドルを売り上げ、同じく公開初週の『猿の惑星: 創世記』に次いで2位となった[14]。しかしながらその次の週末では下落率を23%に抑えた約2000万ドルを売り上げ、前週1位だった『猿の惑星: 創世記』や新たに公開された『スパイキッズ4D:ワールドタイム・ミッション』、『コナン・ザ・バーバリアン』、『フライトナイト/恐怖の夜』、『ワン・デイ 23年のラブストーリー』を抑えて1位にランクアップした[15]。3週目は27%落とした1450万ドルを売り上げ、新たに公開された『コロンビアーナ』、『ダーク・フェアリー』、『我が家のおバカで愛しいアニキ』を抑えて連続1位となった[16]。公開21日目には累計興行収入1億ドルを突破した。2011年8月公開作品で1億ドルを超えた作品は本作で2本目である[17]。4週目の週末(レイバー・デー前の3日間)も1位となり、2010年の『インセプション』以来となる3週連続1位を成し遂げた[18][19]。3日間集計では前週比で0.4%上昇した1460万ドルを売り上げ、新たに公開された『ペイド・バック』、『アポロ18』、『シャーク・ナイト』を破った[20]。レイバー・デーを含む4日間では1990万ドルを売り上げ[21]、歴代のレイバー・デー作品では4位となった[22]。2011年9月時点で、Box Office Mojo集計による歴代の夏公開のドラマ映画作品で7位となっている[23]。本作は最終的に25日間1位を維持し、35日連続1位となった『シックス・センス』(1999年夏末公開)以来となる記録となった[24]

評価[編集]

評論家からは概ね好感触を得た。Rotten Tomatoesでは169個のレビューで73%がフレッシュであった[25]。また、Metacriticでは39個のレビューで62点となった[26]CinemaScoreによる観客調査ではA+となった[2]

ホームメディア[編集]

2011年12月6日に北米でDVDBlu-rayが発売された。

参考文献[編集]

  1. ^ Siegel, Tatiana. "Pic Finds Financial 'Help'." Variety. June 17, 2010.
  2. ^ a b Kaufman, Amy (2011年8月11日). “Movie Projector: 'Apes' likely to swing higher than 'The Help'”. Los Angeles Times. https://latimesblogs.latimes.com/entertainmentnewsbuzz/2011/08/movie-projector-the-help-30-minutes-or-less-final-destination-glee.html 2011年8月14日閲覧。 
  3. ^ a b c The Help”. Box Office Mojo. Amazon.com. 2012年4月5日閲覧。
  4. ^ Fleming, Michael (2009年12月15日). “Chris Columbus fast-tracks 'Help'”. Variety. https://variety.com/article/VR1118012807.html?categoryid=1238&cs=1 2010年1月24日閲覧。 
  5. ^ Sampson, Mike (2010年3月23日). “Emma Stone looks to Dreamworks for 'Help'”. JoBlo.com. https://www.joblo.com/index.php?id=31384 2010年3月23日閲覧。 
  6. ^ Rich, Katey (2010年4月15日). “Viola Davis In Talks To Join Emma Stone In The Help”. Cinema Blend. https://www.cinemablend.com/new/Viola-Davis-In-Talks-To-Join-Emma-Stone-In-The-Help-18112.html 2010年5月26日閲覧。 
  7. ^ Fleming, Mike (2010年4月27日). “Bryce Dallas Howard Lands 'The Help'”. Deadline New York. https://deadline.com/2010/04/bryce-dallas-howard-lands-the-help-35957/ 2010年5月26日閲覧。 
  8. ^ Kit, Zorianna (2010年5月20日). “Chris Lowell eyes 'The Help'”. Hollywood Reporter. オリジナルの2010年5月22日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20100522174225/http://www.hollywoodreporter.com/hr/content_display/news/e3i6bdd9c879228ff5186e11a822cc02ac2 2010年5月26日閲覧。 
  9. ^ Pierce, Susan (2010年7月24日). “'The Help' is coming”. Chattanooga Times Free-Press. https://www.timesfreepress.com/news/life/entertainment/story/2010/jul/24/help-coming/24313/ 2010年7月26日閲覧。 
  10. ^ Sperling, Nicole (2010年5月17日). “Octavia Spencer nabs key role in 'The Help'”. Entertainment Weekly. オリジナルの2010年5月21日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20100521065804/http://hollywoodinsider.ew.com/2010/05/17/octavia-spencer-lands-supporting-role-in-the-help/ 2010年5月26日閲覧。 
  11. ^ Sperling, Nicole (2010年7月13日). “'The Help' exclusive: Allison Janney joins the cast”. Entertainment Weekly. https://ewinsidetv.wordpress.com/2010/07/13/the-help-exclusive-allison-janney-joins-the-cast/ 2010年7月23日閲覧。 
  12. ^ Moser, Christopher (2010年7月9日). “Lights, camera, Clarksdale!”. Clarksdale Press Register. https://www.pressregister.com/articles/2010/07/09/news/doc4c3643ced90b3142876199.txt 2010年7月23日閲覧。 
  13. ^ ‘The Help’ Bags Solid $9.9M in Two Days”. Box Office Mojo. Amazon.com (2011年8月11日). 2011年10月23日閲覧。
  14. ^ Weekend Report: 'Apes' Cling to Top Spot, 'Help' Cleans Up”. Box Office Mojo. Amazon.com (2011年8月15日). 2011年10月23日閲覧。
  15. ^ Weekend Report: 'The Help' Reigns Over Gutless 'Conan,' 'Fright Night'”. Box Office Mojo. Amazon.com (2011年8月22日). 2011年10月23日閲覧。
  16. ^ Weekend Report: No Downgrade for Hurricane 'Help'”. Box Office Mojo. Amazon.com (2011年8月29日). 2011年10月23日閲覧。
  17. ^ Gray, Brandon (2011年9月2日). “August Box Office Rises and Falls”. Box Office Mojo (Amazon.com). https://www.boxofficemojo.com/article/ed1484522500/ 2011年9月4日閲覧。 
  18. ^ McClintock, Pamela (2011年9月4日). “Box Office Report: ‘Apollo 18’ and ‘Shark Night’ Still in a Dead Heat”. The Hollywood Reporter. https://www.hollywoodreporter.com/news/box-office-report-apollo-18-231112 2011年9月4日閲覧。 
  19. ^ Weekend Report: 'The Help' Works It Over Labor Day”. Box Office Mojo. Amazon.com (2011年9月6日). 2011年10月23日閲覧。
  20. ^ September 2-4, 2011 Weekend”. Box Office Mojo. Amazon.com. 2011年9月4日閲覧。
  21. ^ September 2-5, 2011”. Box Office Mojo. Amazon.com. 2011年9月4日閲覧。
  22. ^ TOP 4-DAY LABOR DAY WEEKENDS”. Box Office Mojo. Amazon.com. 2011年9月4日閲覧。
  23. ^ Drama - Summer”. Box Office Mojo. Amazon.com. 2011年9月4日閲覧。
  24. ^ Subers, Ray (2011年9月9日). “'Help' Posts Longest Daily No. 1 Run Since 'Sixth Sense'”. Box Office Mojo (Amazon.com). https://www.boxofficemojo.com/article/ed595330052/ 2011年9月4日閲覧。 
  25. ^ The Help – Rotten Tomatoes”. Rotten Tomatoes (2011年10月23日). 2011年10月23日閲覧。
  26. ^ The Help Reviews, Ratings, Credits, and More at Metacritic”. Metacritic. 2011年8月29日閲覧。

外部リンク[編集]