ペレーの毛
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ペレーの毛(ペレーのけ、ハワイ語: lauoho o Pele[1]、英: Pele's hair[2])とは、火山の爆発の際に、マグマの一部が吹き飛ばされ空中で急速冷却し髪の毛のようになったもののことを言う。非常に軽いため数キロメートル先まで風で運ばれる。ペレーの涙と同じように、火山噴出物の一つである。火山毛(かざんもう)[3]ともいう。ペレはハワイに伝わる火山の女神のことで、語源はハワイ語のlauoho o Pele(ペレの頭髪)ある[1][2][4]。
おもに玄武岩質の火山ガラスからなる褐色の細い単繊維であり、典型的なものは断面が円形に近く、直径は0.5ミリメートルより細い。長さは最大2メートルにおよぶことがある[5]。キラウエアに限らずニカラグアのマサヤ火山等でも知られる。
ペレーの毛の生成過程に似たメカニズムを用いて、人工的に玄武岩を溶融・紡糸した繊維はバサルトファイバーと呼ばれ、炭素繊維より安価でガラス繊維よりも物性・機械的性質に優れているため工業、建築などに用いられている。
脚注
[編集]- ^ a b “Nā Puke Wehewehe ʻŌlelo Hawaiʻi - lau.oho-o-Pele (Hawaiian Dictionary)”. wehewehe.org. 2022年1月23日閲覧。
- ^ a b “Definition of PELE'S HAIR” (英語). www.merriam-webster.com. 2022年1月23日閲覧。
- ^ 文部省 編『学術用語集 地学編』日本学術振興会、1984年。ISBN 4-8181-8401-2。
- ^ 片山信夫、森本良平、木村敏雄、竹内均編『新版地学辞典第2巻』古今書院、1970年。ISBN 4-7722-1267-1。
- ^ 佐々木龍男・勝井義雄・熊野純男「軽石噴火で生じた珪長質ペレーの毛」『火山 第2集』第26巻第2号、1981年、113–116頁、doi:10.18940/kazanc.26.2_113、NAID 110002991528。