ロバート・ヘレニウス

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ロバート・ヘレニウス
基本情報
本名 ロバート・ヘレニウス
通称 The Nordic Nightmare(北欧の悪夢)
階級 ヘビー級
身長 200cm
リーチ 201cm
国籍  フィンランド
誕生日 (1984-01-02) 1984年1月2日(40歳)
出身地  スウェーデンストックホルム
スタイル オーソドックス
プロボクシング戦績
総試合数 37
勝ち 32
KO勝ち 21
敗け 5
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ロバート・ヘレニウスRobert Helenius、男性、1984年1月2日 - )は、フィンランドプロボクサースウェーデンストックホルム出身。

来歴[編集]

アマチュア時代[編集]

2000年、ヨーロッパの士官候補生選手権の17歳以下部門に出場し銅メダルを獲得[1]

2001年サラエボで行われたヨーロッパジュニア選手権で銅メダルを獲得[2]

2004年アテネオリンピック予選に出場するが1回戦で敗退[3]

2005年中華人民共和国綿陽市で開催された2005年世界ボクシング選手権大会にスーパーヘビー級(91kg超)で出場。1回戦でデビット・プライスを破るも、2回戦でルスタム・サイドブに敗れた [4]

2006年ブルガリアプロヴディフで開催されたヨーロッパアマチュアボクシング選手権スーパーヘビー級(91kg超)で出場。初戦から準決勝まですべてTKO勝利で勝ち上がるが、決勝で6年前の士官候補生選手権の準決勝でも敗れているイスラム・ティムリジエブに敗れ銀メダルを獲得[5]

アマチュアのプロリーグで戦っていた時にドイツのボクシングプロモーターザウアーラント・イベントと契約を交わした。

2008年北京オリンピックヨーロッパ予選にスーパーヘビー級(91kg超)で出場するが敗退した[6][7]

アマチュア時代の戦績は144戦105勝51勝がKO勝利38敗1分。

プロ時代[編集]

2008年5月17日、ドイツのバイロイトのオバーフランケンハーレでデビューをしたヘレニウスは初回TKO勝ち。

2010年8月21日、ドイツのエアフルトのメッセハーレでEBUヨーロッパ連合ヘビー級王座決定戦をグレゴリー・トニーと行い3回、4回、5回と6回の計4度のダウンを奪い6回39秒TKO勝ちで王座獲得に成功した。

2010年11月27日、フィンランドのヘルシンキハートウォールアリーナでアッティラ・レビンと対戦し、2回1分20秒TKO勝ちでEBU王座初防衛とWBOインターコンチネンタルヘビー級王座獲得に成功した。

2011年4月2日、ドイツのハレ (ザーレ)で元WBC世界ヘビー級王者サミュエル・ピーターとWBAインターコンチネンタルヘビー級王座決定戦で対戦し9回に2度ダウンを奪い9回1分50秒KO勝ち。WBOインターコンチネンタル王座初防衛とWBAインターコンチネンタル王座を獲得した。

2011年8月27日、ドイツのエアフルトで元WBO世界ヘビー級王者セルゲイ・リャコビッチと対戦し8回にダウンを奪い最後は一気に畳みかけてレフェリーストップ。9回19秒TKO勝ちでWBAインターコンチネンタル王座の初防衛とWBOインターコンチネンタル王座2度目の防衛に成功した。この勝利でWBO世界ヘビー級ランキング1位、WBA同級ランキング3位へ浮上した。

2011年12月3日、フィンランドのヘルシンキでデレック・チゾラと対戦し12回2-1(2者が115-113、113-115)の僅差判定勝ちでWBAインターコンチネンタル王座2度目、WBOインターコンチネンタル王座3度目、EBU王座2度目の防衛に成功した。しかしこの判定は大きな物議を醸し批判を集めた。アメリカ向けの解説席に座っていたフレディ・ローチは本当に酷い判定であると批判[8]リングマガジンは試合の数日後に発表した独自のランキングで、判定は不当なものでジャッジからの贈り物であるとして試合に勝利したにもかかわらずヘレニウスのランキングを下げて発表した[9]。ヘレニウスは試合後、試合6週間前のジョギング中に転倒し右肩を損傷していたことを明かし[10]、右拳の骨折も見つかった。

2012年3月31日、試合予定だったが右肩の回復が思わしくなかったことで、手術を受けるため試合をキャンセルした[11]

2012年11月10日、1年ぶりの復帰戦、ヘルシンキのアイス・アリーナでシャーマン・ウィリアムスと対戦し10回3-0の判定勝ち。

2013年3月23日、ドイツのマクデブルクマイケル・スプロットと対戦し10回3-0の判定勝ち。ヘレニウスは試合中に右手首を骨折した。

2014年5月3日、ウィルフリード・ザウアーラントのザウアーラント・イベントとの対立と自身の怪我のため試合を行うことができなかったが約1年ぶりの復帰戦をドイツで行う予定であった[12]、しかし理由不明ながら消滅した。

2015年3月18日、ヘレニウスが復帰戦を発表するが、これに対しザウアーランド・イベントは法的措置を取り、裁判所もヘレニウスはザウアーラント・イベントの契約下にあるとザウアーラント支持の判断を下した[13][14]

2015年3月21日、2年ぶりの試合をエストニアで行い1回TKO勝利で復帰戦を飾った。

2016年4月2日、ヘルシンキでWBC世界ヘビー級13位のヨハン・デュオパとWBCヘビー級シルバー王座決定戦で対戦し、4回と6回にダウンを奪われ、プロ初黒星となる6回KO負けを喫した[15]

2017年10月28日、イギリスのカーディフディリアン・ホワイトと対戦し、12回判定負けを喫した。

2020年3月7日、アメリカのバークレイズ・センターアダム・コウナッキとWBA世界ヘビー級挑戦者決定戦で対戦し、4回TKO勝ちを収めた[16]

2021年10月9日、1年7か月ぶりの試合をラスベガスのT-モバイル・アリーナでアダム・コウナッキとダイレクトリマッチで再戦し、6回TKO勝ちで返り討ちにした。

2022年10月、アメリカのバークレイズ・センターでデオンテイ・ワイルダーとWBC世界ヘビー級挑戦者決定戦を行い、へレニウスがプレッシャーをかけ、コーナーに追い詰めた所でカウンターで軽く見えた右の一撃を顔面に受けダウン。そのまま1ラウンドKO負けを喫した。

2023年8月12日、ヘレニウスは1週間前にフィンランドで試合を行ったばかりだったが、イギリスのO2アリーナでアンソニー・ジョシュアと対戦し、7回KO負けを喫した。

2023年8月25日、VADAによってアンソニー・ジョシュアとの試合前日に行われていたドーピング検査で、ヘレニウスから禁止薬物の陽性反応が検出されたことが発表された[17]

獲得タイトル[編集]

  • EBUヨーロッパ連合ヘビー級王座
  • WBOインターコンチネンタルヘビー級王座
  • WBAインターコンチネンタルヘビー級王座
  • WBA世界ヘビー級ゴールド王座

脚注[編集]

  1. ^ 5.European Cadet Championships - Athens, Greece - July 12-17 2000”. Amateur.Boxing.Strefa.pl. 2014年3月18日閲覧。
  2. ^ 17.European Junior Championships - Sarajevo,Bosnia & Herzegovina - September 24-29 2001”. Amateur.Boxing.Strefa.pl. 2014年3月18日閲覧。
  3. ^ 55.Strandja Memorial (olympic qualifier) Plovdiv, Bulgaria March 30 - April 4, 2004”. Amateur.Boxing.Strefa.pl. 2014年3月18日閲覧。
  4. ^ 13.World Championships Mianyang, China November 13-20, 2005”. Amateur.Boxing.Strefa.pl. 2014年1月5日閲覧。
  5. ^ 36.European Championships - Plovdiv, Bulgaria - July 14-23 2006”. Amateur.Boxing.Strefa.pl. 2014年3月18日閲覧。
  6. ^ European Olympic Qualifications - Pescara, Italy - February 25-March 1 2008”. Amateur.Boxing.Strefa.pl. 2014年3月18日閲覧。
  7. ^ European Olympic Qualifications - Athens, Greece - April 7-12 2008”. Amateur.Boxing.Strefa.pl. 2014年3月18日閲覧。
  8. ^ Chisora exposes Helenius”. Boxing.News.24 (2011年12月5日). 2014年3月18日閲覧。
  9. ^ Ring Ratings Update: Sorting out the bantamweights”. RingTV (2011年12月6日). 2014年3月18日閲覧。
  10. ^ Helenius badly injured his right shoulder six weeks before Chisora bout; will undergo surgery on Thursday”. Boxing.News24 (2012年1月16日). 2014年7月1日閲覧。
  11. ^ Robert Helenius to have surgery”. ESPN.com (2012年1月14日). 2014年7月1日閲覧。
  12. ^ Robert Helenius To Return on May 3 in Berlin?”. BoxingScene.com (2014年3月20日). 2014年3月18日閲覧。
  13. ^ Sauerland Event issues warning to Helenius”. Fight.News (2015年2月13日). 2015年2月26日閲覧。
  14. ^ Judge Rules Helenius Still Under Contract With Sauerland”. Boxing Scene.com (2015年3月18日). 2015年3月19日閲覧。
  15. ^ ジョニゴンが節目の60勝、フエンテス初回KO勝ち Boxing News(ボクシングニュース) 2016年4月3日
  16. ^ Breaking down Robert Helenius' major upset of Adam Kownacki”. Boxing Scene.com (2020年3月7日). 2020年3月11日閲覧。
  17. ^ Robert Helenius Tests Positive For Banned Substance in VADA Test”. Boxing Scene.com (2023年8月25日). 2023年9月17日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]