ロータス・エヴォーラ

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ロータス・エヴォーラ
ボディ
乗車定員 2/4人
ボディタイプ 2ドアクーペ
駆動方式 MR
パワートレイン
エンジン 2GR-FE型 V型6気筒 3,456cc
最高出力 280PS/6,400rpm
350PS/7,000rpm(エヴォーラS)
最大トルク 35.7kg·m/4,700rpm
40.8kg·m/4,500rpm(エヴォーラS)
変速機 6速MT/6速AT(IPS)
サスペンション
ダブルウィッシュボーン式
ダブルウィッシュボーン式
車両寸法
ホイールベース 2,575mm
全長 4,370mm
4,380mm(エヴォーラS)
全幅 1,850mm[注釈 1]
全高 1,230mm
車両重量 1,390kg
その他
タイヤサイズ 前:225/40 ZR18
後:255/35 R19
最高速度 250km/h(IPS)
261km/h
277km/h(エヴォーラS)
系譜
先代 ロータス・エスプリ
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エヴォーラEvora)は、ロータス・カーズが生産・販売していた4人乗り(2+2)のスポーツカー

概要[編集]

エリーゼヨーロッパSの成功を受け、さらに上級志向のスポーツカー開発計画の噂が2007年に浮上。ロータス・イーグルという開発コード名が漏れ伝わる中、2008年7月の英国国際モーターショーで実車が公開された。

車名の頭文字を「E」とする同社の慣例にのっとり、ポルトガルの歴史ある町エヴォラ(Évora)に由来し、「エヴォーラ」と名づけられた[注釈 2]。進化(Evolution)とオーラ(Ora)との造語でEVORAになったとの説もある。

1995年に発売されたエリーゼ以来となる完全新設計であるが、2ドアのミッドシップ・スポーツカーの基本スタイルは踏襲される。

エヴォーラは2009年春に欧州で販売を開始、生産台数は年間約2,000台となる。

特徴[編集]

エリーゼ以来13年ぶりとなる完全新設計。過去の重厚長大路線での失敗を教訓に、上級志向ながらも極端な大型化、高価格化を避け、車体はエリーゼよりも一回り拡大されるに留まっている。しかし、V6エンジンの搭載や快適装備の充実により、車重はついに1tの大台を超え、1,390kgとなっている。

エリーゼやヨーロッパSに対し、乗り心地と乗降性を重視した設計となっており、内外装の高級感を向上させつつ、生粋のスポーツカーとしての雰囲気を強く押し出し、決して鈍重化、虚飾化と思わせない大きさとスタイルにまとめ上げられている。

エリーゼ系のフレーム構成を踏襲するものの、サイドシル幅を100mmから80mmへ減じ、ドア開口部を天地、前後方向ともに拡大、前席のヒップポイントを65mm高くした結果、乗降性は向上している。

車体[編集]

エリーゼやヨーロッパSと同じ2ドアのミッドシップ・スポーツカーである。

車体骨格もエリーゼなどと同様にアルミ押し出し材接着剤で組み合わせたもので、ロータスではこの手法を様々な車種向けに展開・応用できるように規格化し、VVA(Versatile Vehicle Architecture)と呼んでいる。エヴォーラはVVAを採用した最初の生産車となる。

シートは2+2の4座で、後席は子供用あるいは荷物置き程度の大きさしかない。後に後席をラゲッジスペースとした2シーターが追加された。また屋根は最初から溶接されており、取り外すことはできないが、将来的にオープン仕様が加えられる可能性があることも発表されている。

パワートレイン[編集]

パワートレインはFF用のエンジンをミッドシップ横置きする。エンジンはアルファードエスティマハリアーブレイドマスターなどにも搭載されているトヨタ自動車製3,456ccのV型6気筒エンジンである2GR-FE型を使用。ただしインテークマニホールド、エキゾーストマニホールド、ギアボックス、制御プログラムはロータス製となる。当初6速MTのみの設定となっていたが、2011年に6速ATのIPSが加わった。最高出力は280PS/6,400rpm、最大トルクは35.7kg·m/4,600rpm、最高速度は261km/h。IPSの最高速度は250km/h。

2011年にはスーパーチャージャーを装備したエヴォーラSが登場した。最高出力・トルクは350PS/7,000rpm、40.8kg·m/4,500rpm、最高速度は277km/h。大型ディフューザーを装備し、全長が4,370mmから4,380mmとなった。

競技参戦[編集]

LM-GTE仕様やグループGT4仕様が存在するほか、2015年のSUPER GTよりマザーシャシーを用いたマシンがGT300クラスにカーズ東海28から参戦する。

主なラインナップ[編集]

  • エヴォーラ - ベーシック車。2009年発売。
  • Type124[1] - 競技用ベースモデル、FIA-GT4やLM-GTE仕様のベースとなる。2009年。2010年のモントレー・ヒストリックカー・ウィークではKVレーシングテクノロジーによるGT4仕様車のデモランが行われ[2]YouTubeで公開されているプロモーション動画[3]には当時KVレーシングテクノロジーに所属していた佐藤琢磨が解説する場面もある。GTE仕様車は2011年のルマン24時間レースに出走し、22位で完走している。
  • エヴォーラS - ハイパフォーマンスモデル。2011年発表。
  • IPS - AT仕様車。2011年発表。
  • エヴォーラGTE - 2011年発表。GTE仕様車をイメージしたロードカー。中国向けに『チャイナエディション』という限定モデルが存在する[4]
  • エヴォーラGTEロータスF1チームエディション - 2012年発表。当時のロータスF1マシンをイメージした仕様、ロータスF1チームからF1に復帰したキミ・ライコネンにプレゼントされた[5]
  • エヴォーラ414Eハイブリッド - 2011年発表、2019年に販売。一台のみ制作[6]

2015年マイナーチェンジ後[編集]

  • エヴォーラ400 - ベーシック車。ベーシックモデルからスーパーチャージャー装備となる。400は、パワーユニットの最高出力が約400psであることにちなむ。
  • エヴォーラスポーツ410 - 2016年発表。ハイパフォーマンスモデル。
  • エヴォーラスポーツ410GPエディション - 2017年発表。アメリカ市場向けに5台のみ生産。いわゆるJPSカラーとなっている[7]
  • エヴォーラGT430 - 2017年発表。当時のロータスのフラッグシップとされる。60台限定。
  • エヴォーラGT410スポーツ - 2018年発表。スポーツ410の後継車。
  • エヴォーラGT430スポーツ - 2018年発表。GT430がカタログモデル化された。GT430にあったリアスポイラーが装備されない等、オプション設定は異なる。
  • エヴォーラGT4コンセプト - 2019年発表。GT430をベースとしたレース仕様のコンセプトカー。同年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにてデモランを披露している[8]
  • エヴォーラGT410 - 2020年発表。GT410スポーツのコンフォート仕様。GT410スポーツではルーバーだったエンジンフードが窓に戻されるなど日常使い向きの仕様。2020年4月時点ではGT410とGT410スポーツの2車種のみのラインナップとなる[9]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ ドアミラーを含まず
  2. ^ エボラ出血熱 = Ebola hemorrhagic fever とは無関係。

出典[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]