北川幸比古
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北川 幸比古(きたがわ さちひこ、1930年10月10日 - 2004年12月25日[1])は、日本の児童文学作家、翻訳家、編纂家。
略歴
[編集]東京生まれ。
現在の東京都立豊多摩高等学校[2]に通い、谷川俊太郎とは同級であった[3]。
1954年に早稲田大学國文科を卒業した。児童雑誌『ぎんのすず』編集部に勤務した。
1956年頃から2年ほど的場書房という出版社を独りで経営していた[3]。的場書房からは谷川俊太郎の『絵本』(1956年)、寺山修司の第一歌集『空には本』(1958年)などを出版している[3]。
その後、児童文学の道を歩み、1960年代から児童SFを執筆し、のちに詩集の編纂を多く手掛ける。1966年ごろ、福島正実と少年文芸作家クラブを創設した。1983年、第1回新美南吉児童文学賞を受賞した。
児童文学作家の北川千代は叔母。ヨーデル歌手の北川桜は娘[4]。
著書
[編集]- 『怪談』(少年画報社、少年文庫) 1965
- 『もしもしQちゃん こわいお話』(小学館、小学二年生 1966年8月号)[5]
- 『ロケットさくら号のぼうけん』(盛光社、創作S・Fどうわ) 1967.5
- 『すばらしき超能力時代』(盛光社) 1967.3 、のち改題『すばらしい超能力時代』(旺文社文庫)
- 『ガリレオ』(国土社、子ども伝記全集) 1968
- 『宇平くんの大発明』(岩崎書店、SFえどうわ) 1968
- 『アンコールワットものがたり』(岩崎書店、おはなしノンフィクション) 1968
- 『クラウン号宇宙へ行く』(盛光社) 1968
- 『日本子ども遊撃隊』(国土社、創作子どもSF全集) 1969
- 『星のともだち』(盛光社、創作SFえほん) 1969
- 『こどもセールスマン1号』(岩崎書店、SFえどうわ) 1970
- 『とびだすエンピツ』(新日本出版社、新日本こどもの文学) 1970
- 『怪じゅう大行進』(偕成社、カラー絵ばなし) 1970
- 『101匹の恐りゅう』(偕成社、カラー絵ばなし) 1970
- 『宇宙船の記録』(岩崎書店、少年少女宇宙開発の科学) 1971
- 『おばけを探検する』(講談社、少年少女講談社文庫) 1972
- 『なぞなぞ・ゲームの本』(戸井十月絵、少年少女講談社文庫) 1972
- 『忍術のひみつ探検』(少年少女講談社文庫) 1974
- 『なんでもありまーす なぞなぞマーケット』(タツノコプロダクション出版局) 1974
- 『しんはつめいじどうちらかしき』(岩崎書店、母と子の絵本) 1974
- 『しゅくだいだしたーい なぞなぞ小学校』(タツノコプロダクション出版局) 1974.8
- 『へっぽこ変人きてれつ奇人』(少年少女講談社文庫) 1975
- 『しんはつめいじどうむだづかいき』(岩崎書店、母と子の絵本) 1975
- 『真田十勇士』(岩崎書店) 1975
- 『泣くなつちのこ』(岩崎書店) 1976.8
- 『しんはつめいじどうぽちぽちき』(岩崎書店、母と子の絵本) 1976.3
- 『怪談どくろが丘』(三省堂、三省堂らいぶらりい) 1977.10
- 『船がしずんだたすけっぺ! 』(新日本出版社、新日本おはなし文庫) 1980.11
- 『青い窓からひろがるうた』(小学館のノンフィクション童話) 1981.10
- 『テストはおすき?』(太平出版社、太平けっさく童話) 1982.3
- 『まきバス三太号 木炭自動車復原ものがたり』(岩崎書店、絵本ノンフィクション) 1982.7
- 『うみがめのたび』(草土文化) 1982.2
- 『ピアノの魔術師リスト』(音楽之友社、ジュニア音楽図書館作曲家シリーズ) 1982.6
- 『はしれハーモニカ特急』 (小学館のノンフィクション童話) 1983.2
- 『ロボットせんせいせかい一』(理論社、どうわの森のおくりもの) 1983.3
- 『海をわたったリンゴ』(岩崎書店、絵本ノンフィクション) 1983.7
- 『西郷隆盛』(さ・え・ら書房、少年少女伝記読みもの) 1983.1
- 『みどりのまきばのうた 小岩井農場ものがたり』(小学館のノンフィクション童話) 1984.2
- 『田中正造 足尾の鉱毒問題とたたかった』(さ・え・ら書房、少年少女伝記読みもの) 1984.5
- 『不思議の国の天皇陛下 日本人とは何かがわかる』(光文社、カッパ・ホームス) 1984.4
- 『たんじょうびのおくりもの』(岩崎書店、現代の創作幼年童話) 1985.12
- 『新発見平和センタクキ』(汐文社、原爆児童文学集) 1985.4
- 『ちょっぴりてんさい1年生!』(国土社、がんばれ1年生) 1985.4
- 『あかいはりのなぞ』(岩崎書店) 1985.3
- 『自由くんの宇宙せんそう』(岩崎書店、あたらしいSF童話) 1985.4
- 『貝がらをひろった 詩集』(らくだ出版、子どもの詩の花束) 1986.11
- 『おてつだいロボットおはなしつき』(教育画劇、スピカのおはなしえほん) 1986.8
- 『おばけのびんづめ』(教育画劇、スピカの幼年どうわ) 1986.11
- 『なぞなぞ・おはなしランド』(童心社、フォア文庫) 1988.11
- 『ファーブルの虫たち』1 - 4(熊田千佳慕絵、創育) 1988 - 1989
- 『おばけはどこにいる?』(童心社、小学生ブックス) 1989.7
- 『とびだすエンピツ 前進座青少年劇場公演』(前進座宣伝部) 1990.1
- 『小さなかわいい遊園地 花やしきとごらくや 山田貞一』(小峰書店、いきいき人間ノンフィクション) 1991.1
- 『水族館のクジラ博士 海獣の友だち 中島将行』(小峰書店、いきいき人間ノンフィクション) 1993.9
- 『明治維新をしかけた男 - 坂本竜馬』(岩崎書店、伝記・人間にまなぼう) 1993.4
- 『だれにもすかれるあいさつことばの事典』(小峰書店、てのり文庫) 1994.4
編纂・共著
[編集]- 「北川千代児童文学全集」(鳥越信, 古田足日共編、講談社) 1967
- 「日本のふるさと・こどもの民話」全24巻(都市と生活社) 1982
- 『キチキチバッタとハタオリバッタ かがくよみもの2ねんせい』(加古里子共著、日本標準) 1982.4
- 『かわいい子にはちょっとぼうけん 人のからだ・親子・友だちのことわざ童話集』(関英雄共編著、国土社、ことわざ童話館) 1992.12
- 『ねこの手もかりたいケイおばさん 動物・自然・勝負のことわざ童話集』(関英雄共編著、国土社) 1992.12
- 『どんぐりトリオの背くらべ 男の子と女の子・勉強・かしこくなることわざ童話集』(関英雄共編著、国土社) 1993.2
- 『鬼のいぬまの火の用心 ふしぎ・数字・なぞと推理のことわざ童話集』(関英雄共編著、国土社) 1993.3
- 『井戸の中のコンピューター 鳥/虫/魚・人の心・植物のことわざ童話集』(関英雄共編著、国土社) 1993.3
- 『とらぬたぬきのペア旅行 わらい・お金・地域のことわざ童話集』(関英雄共編著、国土社) 1993.4
- 『犬もあるけば夢しばい 新いろはことわざ童話集』(関英雄共編著、国土社) 1993.4
- 『だ人が人を好きになると 教室の恋愛四行詩』(大倉雅恵編、PHP研究所) 1995.12
- 『でんでんむしのかなしみ いのちのかなしみ・詩童話集』(大倉雅恵共編、日本短波放送) 1999.6
翻訳・再話
[編集]- 『超能力者の世界 超自然の謎』(フランク・エドワーズ、早川書房) 1966、のち角川文庫
- 『火星の秘密兵器』(E・R・バローズ、講談社) 1967 - 火星シリーズ
- 『謎の四十面相』(ハンショー、ポプラ社、ジュニア世界ミステリー) 1968
- 『宇宙大作戦』(ブリッシュ、集英社、ジュニア版世界のSF) 1969
- 『隊長ブーリバ』(ニコライ=ゴーゴリ、講談社、世界の名作) 1983.8
- 『レンズマンの子どもたち』(E=E=スミス、講談社、青い鳥文庫) 1984.8
- 『ふしぎなふえのね』(カプアーナ、世界文化社、おはなしえみっく) 1986
- 『おやゆびひめ』(アンデルセン原作、青山みるく絵、国土社、こども世界名作) 1986.12 ISBN 978-4337011052
- 『三じゅうし』(デュマ、国土社、こどもせかい名作) 1988.1
- 『海底旅行』(ベルヌ、ポプラ社、こども世界名作童話) 1988.5
作詞
[編集]- 「みんななかよし」(作曲:桑原研郎、歌:東京放送児童合唱団) - NHK教育テレビ『みんななかよし』オープニングテーマ
- 「ワンダースリー」(作曲:宇野誠一郎、歌:ボーカル・ショップ) - フジテレビ『W3(ワンダースリー)』オープニングテーマ
参考
[編集]- 『日本近代文学大辞典』
出典・脚注
[編集]- ^ 森忠明 (2005年12月1日). “さようならサッちゃん”. えくてびあん. 2020年12月22日閲覧。
- ^ 1940年の開校から東京の都制施行、学制改革を挟んで1950年までの間にたびたび改称しており、北川はその時期に在校していた。
- ^ a b c 内堀弘 (2011年10月8日). “的場書房のこと - たった二年間の活動ながら、戦後詩歌出版の出発点の一角を担った”. 図書新聞. 2016年7月11日閲覧。
- ^ 田中伸子. “和光人 卒業生インタビュー Vol.15 北川 桜(ヨーデラー)”. 和光学園. 2016年7月11日閲覧。
- ^ 小学館 (1966-09). 小学二年生. 東京: 小学館