原摂祐

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原 摂祐
生誕 1885年
日本の旗 日本 岐阜県
死没 1962年
日本の旗 日本
国籍 日本の旗 日本
研究分野 菌学植物病理学昆虫学
研究機関 東京大学、岐阜農学校
主な業績 『日本産菌類目録』の改訂、多数の菌類の新種記載
主な受賞歴 日本植物病理学会賞(1955年)[1]
プロジェクト:人物伝
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原 摂祐(はら かねすけ、1885年~1962年)は、日本の菌類学者・植物病理学者・昆虫学者。

略歴[編集]

岐阜県恵那郡川上村(現在の中津川市川上)の生まれ[1]

岐阜農学校、名和昆虫研究所を経て東京大学助手に就任。1881年から1921年までは同大学で昆虫学の講義を担当した[1]。 その後1930年、岐阜県の農薬会社に就職した[1]

1927年に、白井光太郎が出版した日本最初の菌類目録である『日本産菌類目録』を改訂し、さらに1954年には、再度改訂した目録を自費出版し、約7,300種の菌類目録を発行した[2]。これは2010年勝本謙によって『日本産菌類集覧』が発行されるまで、最も多くの日本産菌類を網羅した目録であった。

1962年に死去。

人物[編集]

原は独学で英語ドイツ語フランス語イタリア語ラテン語を習得していた[3]南方熊楠はそのような原の才能を認め、研究を支援しようと助力していた[3]。しかし原は南方に「小生よりもまだ世の中のことに疎い人」と評されるほどの世間知らずであったために、十分な資金援助を受けることができなかったとされている[3]

著書[編集]

  • 『果樹病害論』(1916年、日本柑橘会)
  • 『実用作物病理学』(1925年、養賢堂
  • 『実験活用病虫害宝典』(1926年、養賢堂) - 1949、1950年に増補改訂版が出版。
  • 白井光太郎原摂祐改訂『日本産菌類目録』(1927年、養賢堂)
  • 『日本害菌学』(1936年、養賢堂)[4]
  • 『病虫害防除便覧―作物衛生十二ケ月』(1949年、東京農業大学出版部)
  • 『日本産菌類目録』(1954年、日本菌類学会

脚注[編集]

  1. ^ a b c d 武田享(1994)「昆虫関係の貴重な図鑑・書籍一今西文庫及び原文庫を中心として一」岐阜大学附属図書館報 12 3-4
  2. ^ 細矢剛(2011)「日本の菌類分類学の歴史・現状・展望」日本分類学会連合ニュースレター 19 2-3
  3. ^ a b c 南方熊楠「履歴書 39 専門家の弊害」(『南方熊楠コレクション〈第4巻〉動と不動のコスモロジー』所収)
  4. ^ 草野俊助(1936)「日本害菌學 原攝祐氏著, 菊判布装, 358頁, 挿圖197(圖版 1), 定價3圓80錢, 昭和11年9月10日, 養賢堂發行」日本植物病理學會報 6(3), 288

関連項目[編集]

  • 岐阜大学 - 附属図書館に原の蔵書を収めた原文庫がある。