度会隆輝

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度会 隆輝
横浜DeNAベイスターズ #4
2024年3月9日 横浜スタジアム
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 千葉県市川市
生年月日 (2002-10-04) 2002年10月4日(21歳)
身長
体重
183 cm
83 kg
選手情報
投球・打席 右投左打
ポジション 外野手二塁手三塁手
プロ入り 2023年 ドラフト1位
初出場 2024年3月29日
年俸 1600万円(2024年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

度会 隆輝(わたらい りゅうき、2002年10月4日 - )は、千葉県市川市出身のプロ野球選手外野手内野手)。右投左打。横浜DeNAベイスターズ所属。

父は元東京ヤクルトスワローズ内野手度会博文

2024年1月8日 dock of BAYSTARS Yokosuka
(新人合同自主トレの際にサイン会を行う度会選手)

経歴[編集]

プロ入り前[編集]

東京ヤクルトスワローズにて、ユーティリティープレイヤーとして活躍した度会博文の次男として生まれる。兄の基輝は拓殖大紅陵高中央学院大を経てJPアセット証券に所属している。

兄の影響を受けて3歳の頃から野球を始める。市川市立柏井小学校時代は東京北砂リトルに所属し、6年時にヤクルトジュニア入り[2]。市川市立下貝塚中学校時代は、佐倉シニアに所属。チームメイトに主将を務めた西川僚祐がいる[3][4]。リトルシニア全国選抜野球大会優勝、ジャイアンツカップ優勝を達成した。また、U15日本代表として、アジアチャレンジマッチに出場。最優秀選手に選出された[5]

横浜高等学校に進学。入学直後から背番号14でベンチ入りすると、1年夏の神奈川県大会では代打としての5打数5安打を含む9打数7安打を記録した。甲子園1回戦の愛知産業大学三河高等学校戦では甲子園初打席初安打を記録した。1年秋には正二塁手の座に就くも、ケガもあり翌春のセンバツは代打として出場した。以後、不祥事による平田徹の監督解任などもあり、甲子園出場はなかったが、高校通算24本塁打・公式戦通算打率.419を記録し、プロ志望届を提出するも、指名漏れ。社会人野球の名門、ENEOSに進んだ。

ENEOS入社後は、チーム事情もあり、外野手(主に右翼手)を務める。1年目からレギュラーの座を掴むと、都市対抗本戦でも本塁打を放つなど打撃の中心として活躍。神奈川ベストナインに指名打者として選出された[6]。2年目の都市対抗では、4本塁打・打率.429を記録しチームの9年ぶりの優勝に貢献。橋戸賞・若獅子賞・打撃賞の三冠に輝いた。橋戸賞と若獅子賞の同時受賞は史上3人目、野手としては初の快挙となった[7]。同年末には前述の都市対抗などでの活躍もあり、社会人ベストナイン(外野手)に選出された[8]

2023年10月26日に行われたドラフト会議において、中日ドラゴンズ横浜DeNAベイスターズ千葉ロッテマリーンズの3球団から1位指名を受けた。抽選の結果、横浜DeNAベイスターズ監督の三浦大輔が交渉権確定のクジを引き、入団交渉権を獲得した[9]。11月22日、球団カラーの青一色のスーツを身にまとって、DeNAとの仮契約を結んだ。契約金は1億円、年俸は1600万円(金額は推定)[1]。「人生でハンコを押したことがなかったので、押す喜びを知りました」と声を弾ませ、打率4割を目標に掲げた[1]。背番号は父も現役時代に着用した4[10]。仮契約後の12月3日には、横浜スタジアムと横浜DeNAベイスターズが共催する横浜スタジアム45周年イベント『YOKOHAMA STADIUM 45th DREAM MATCH』で、神奈川県内高校野球出身者によるチーム「Y45 LEGEND HEROES」の一員として試合に出場した[11]。この試合は「Y45 LEGEND HEROES」とベイスターズの歴代スター選手で構成されるチーム「BAY DREAM STARS」が対戦するイベントで、度会は当初「Y45 LEGEND HEROES」のスターティングメンバーとして出場していたが、最終回の5回には「BAY DREAM STARS」の一員としてベイスターズのユニフォームを着用して打席に立ち、自身と同じく「Y45 LEGEND HEROES」の選手として出場が発表されていた横浜高校の先輩・松坂大輔と対戦した[12]

DeNA時代[編集]

2024年、オープン戦16試合に出場し、打率.434(53打数23安打)でオープン戦首位打者[13][注 1]、最多安打となった[14][注 2]。開幕戦となった3月29日の対広島東洋カープ戦(横浜スタジアム)では「1番・右翼手」で先発出場を果たす[注 3]と、0-3で迎えた3回裏、一死一・二塁で迎えた第2打席で相手先発の九里亜蓮から右翼席に同点3点本塁打を記録した。これは2024年の12球団第1号本塁打であり、かつプロ初安打・初本塁打・初打点であった[15]。また、球団の新人による開幕戦本塁打は、大洋時代の1960年の黒木基康以来64年ぶりである[15]。さらにカード2戦目となる30日の試合でも、黒原拓未から146km/hのストレートの頭部付近への死球を第1打席に受けるも、無死一塁の第3打席で大道温貴から右翼席に2点本塁打を記録。新人選手が開幕から2試合連続で本塁打を放ったのは史上3人目、セントラル・リーグでは史上初の快挙となった[16]。この試合では4打数4安打で初の猛打賞を達成し、連日のヒーローインタビューを受けた[17]。その後も1番・右翼手に固定されていたがやや低調になり[18][19]、4月26日の対読売ジャイアンツ(横浜スタジアム)戦の前まで14打席連続無安打で、打率2割をきりかけるほどの不振を極め、この試合で初めて1番を外れて8番での起用となった[20]。この試合で15打席ぶりの安打、12日以来となる複数安打を打ってから迎えた第4打席の二死満塁の場面、高梨雄平から満塁本塁打を放ち試合を決定づけた。これは球団初となる新人による満塁本塁打だった[21][22]

選手としての特徴[編集]

高いミート力で広角に鋭い当たりを連発する走攻守三拍子揃った左打ち外野手[23][24]。50メートル6秒0の俊足、遠投118メートルの強肩と長打力を併せ持つ[25]。守備位置は外野手を中心に、二塁手三塁手もこなす[26]。プロ入り後、打撃面では左投手や落ちる球種への対応に苦慮している[18][19][27][27]

人物[編集]

  • 中学3年生時、2017年11月25日放送のTBSテレビ炎の体育会TV』に出演。「野球ヒットTheターゲット」(トスバッティングで100秒間に15枚の的を狙う企画)で、父・博文がトスを担当する中、プロ野球選手も成し得なかった番組史上初の完全制覇を達成した[28][29]
  • 特技はカラオケ。採点機能にて100点を取った経験を持つほど歌唱力には自信がある[30]。DeNA入団直後に行われたファンフェスティバルでの新入団選手紹介では、「ウィーアー!」を熱唱し観衆を沸かせた[31]
  • DeNA入団後の登場曲は父・博文の現役時代と同じEarth, Wind & Fireの「Let's Groove」を使用している(第1・5打席)[32][33]。また応援歌は、横浜高校の先輩にして担当スカウトでもある横山道哉の応援歌の歌詞を一部変更した上で流用したものである[34][35]

詳細情報[編集]

記録[編集]

初記録

背番号[編集]

  • 4(2024年 - )

登場曲[編集]

表彰[編集]

社会人野球

  • 都市対抗野球大会 橋戸賞:1回(2022年)※若獅子賞との同時受賞は、史上3人目、野手史上初
  • 都市対抗野球大会 若獅子賞:1回(2022年)
  • 都市対抗野球大会 打撃賞:1回(2022年)
  • 都市対抗野球大会 大会優秀選手:1回(外野手部門:2022年)
  • 社会人ベストナイン:1回(外野手部門:2022年)
  • 最多本塁打賞:1回(2022年)
  • 最多打点賞:1回(2022年)

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 新人での達成は2014年の井上晴哉以来、史上2人目[13]
  2. ^ 新人での達成は2019年の木浪聖也以来、史上2人目[14]
  3. ^ 新人の開幕1番打者は、球団では2009年の松本啓二朗以来[15]

出典[編集]

  1. ^ a b c DeNAドラフト1位・度会が仮契約 目標は「イチロー流で打率4割」!」『Sponichi Annex』2023年11月22日。2023年11月22日閲覧
  2. ^ 元ヤクルトの父を持つ度会隆輝はドラフト指名漏れから3年 「走攻守ではるかに成長してやる」の有言実行で猛アピール」『web Sportiva』2023年7月26日。2024年2月4日閲覧
  3. ^ 佐倉・西川僚祐主将「悔しいです」全国制覇ならず」『日刊スポーツ』2017年8月8日。2023年10月20日閲覧
  4. ^ 高校通算55本塁打のスラッガーが高卒3年目で戦力外、今年のドラフト上位候補とは中学時代のチームメート」『高校野球ドットコム』2023年10月4日。2023年10月20日閲覧
  5. ^ U-15 アジアチャレンジマッチ2017 試合・大会詳細」『野球日本代表 侍ジャパンオフィシャルサイト』。2022年8月5日閲覧
  6. ^ 社会人野球ベストナイン ENEOS、東芝から4人ずつ受賞 /神奈川」『毎日新聞 地方版』2021年12月22日。2023年10月20日閲覧(Paid subscription required要購読契約)
  7. ^ 都市対抗3冠王は天真爛漫19歳 元ヤクルト度会Jr.が見せた“スターの資質”」Full-Count、2022年7月30日。2022年8月5日閲覧
  8. ^ 社会人野球のベストナイン、表彰選手を発表」サンケイスポーツ、2022年12月6日。2022年12月6日閲覧
  9. ^ 【ドラフト】ENEOS・度会隆輝「うれし過ぎて涙と鼻水が出ました」 DeNAが1位で交渉権」『サンケイスポーツ』産経デジタル、2023年10月26日。2023年10月26日閲覧
  10. ^ 【DeNA】新入団選手記者発表会で背番号発表 ドラ1度会隆輝は父博文さんと同じ「4」に決定」『日刊スポーツ』2023年11月24日。2023年12月2日閲覧
  11. ^ 12/3(日)開催『YOKOHAMA STADIUM 45th DREAM MATCH』 2023年 ドラフト1位 度会隆輝選手が電撃参戦!!」横浜DeNAベイスターズ、2023年11月27日。2024年3月29日閲覧
  12. ^ 【DeNA】松坂大輔氏がリリーフ登板 ドラフト1位・度会隆輝を左飛に抑える」『スポーツ報知』報知新聞社、2023年12月3日、1面。2024年4月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年4月14日閲覧
  13. ^ a b 【DeNA】度会隆輝が“初タイトル”オープン戦首位打者確定 新人では14年ロッテ井上以来」日刊スポーツ、2024年3月24日。2024年3月24日閲覧
  14. ^ a b DeNA・度会隆輝「今後の財産」OP戦4割3分4厘新人首位打者 ロッテ・井上以来10年ぶり 番長明言「開幕1番」」スポーツ報知、2024年3月25日。2024年3月25日閲覧
  15. ^ a b c d e f DeNAドラ1・度会 衝撃12球団開幕1号!同点3ラン 球団64年ぶり新人開幕戦本塁打 場内どよめき」『スポニチ Sponichi Annex』2024年3月29日。2024年3月29日閲覧
  16. ^ DeNAドラ1・度会が開幕から2戦連発の2号2ラン セ初、43年ぶり3人目の快挙 頭部死球乗り越え」『Sponichi Annex』2024年3月30日。2024年3月30日閲覧
  17. ^ 【DeNA】度会隆輝「本当に幸せな気持ち」サイクル安打ならずも“4の4” 2試合連続HRで連日の衝撃」『日テレNEWS NNN』2024年3月30日。2024年3月30日閲覧
  18. ^ a b 町田利衣「開幕2戦連発→9戦打率.135…急失速のDeNAドラ1度会 「芯を持て」名伯楽が送る“金言”」『Full-Count』2024年4月12日。2024年4月27日閲覧
  19. ^ a b DeNAのドラ1ルーキー・度会隆輝が4月打率.156と急失速のわけ 左投手に打率.105と大苦戦」『SPAIA』2024年4月11日。2024年4月27日閲覧
  20. ^ 【DeNA】ドラ1度会隆輝がプロ入り後初めて1番を外れる 「8番右翼」巨人戦スタメン」『日刊スポーツ』2024年4月26日。2024年4月27日閲覧
  21. ^ 内藤菜月「目を潤ませ「いろんな感情が…」DeNA・度会隆輝が球団新人初の満弾…14打席無安打で初8番降格も復活猛打」『スポーツ報知』2024年4月26日。2024年4月27日閲覧
  22. ^ 【DeNA】度会隆輝が衝撃満塁弾!球団史上初の新人グランドスラム 初「8番右翼」先発で」『日刊スポーツ』2024年4月26日。2024年4月27日閲覧
  23. ^ 【ドラフト】DeNA・1位 度会隆輝(ENEOS) 社会人NO.1ヒッター/プロ野球ドラフト会議」週刊ベースボールONLINE、2023年10月26日。2023年11月28日閲覧
  24. ^ <DeNA編>2023年ドラフト指名選手、スカウト注目のポイントは? 球団コメントを公開」ベースボールチャンネル、2023年10月27日。2023年11月28日閲覧
  25. ^ 【DeNA】ENEOS・度会隆輝をドラフト1位浮上 三浦監督も高評価「非常にいい打者」」スポーツ報知、2023年10月19日。2023年11月28日閲覧
  26. ^ 【ドラフト】父は元ヤクルト戦士・ENEOS度会隆輝はDeNA1位指名 3年前指名漏れ雪辱果たす」スポーツ報知、2023年10月26日。2023年11月28日閲覧
  27. ^ a b 番記者のちょっといい話 DeNAのD1位・度会隆輝「くよくよしていても仕方がない」」『サンスポ』2024年4月13日。2024年4月14日閲覧
  28. ^ 炎の体育会TV 2017/11/25(土)18:55 の放送内容」『TVでた蔵』。2022年9月18日閲覧
  29. ^ 塚沢健太郎「横浜高ドラフト候補の父・ヤクルト度会氏が激白!「最後にやらせてあげたかった」」『zakzak』2020年5月21日。2022年9月18日閲覧
  30. ^ 町田利衣「坂本九の名曲でカラオケ100点 DeNAドラ1の意外な特技…溢れ出るサービス精神」『Full-Count』2022年11月3日。2023年12月2日閲覧
  31. ^ DeNAドラフト1位・度会隆輝、いきなりファンフェスで熱唱「歌手デビューしたくなりました」」『サンケイスポーツ』2022年11月25日。2023年12月2日閲覧
  32. ^ DeNAドラ1度会がハマスタ初試合で躍動!第1打席にしぶとい内野安打&二盗、五回には勝ち越し適時二塁打」『デイリースポーツ online』2024年3月12日。2024年3月11日閲覧
  33. ^ a b c d Players横浜DeNAベイスターズ」『横浜DeNAベイスターズ オフィシャルホームページ』。2024年3月31日閲覧
  34. ^ 【お知らせ】選手別応援歌の追加について」『ベイスターズ応援日記@全国星覇会(横浜DeNAベイスターズ私設応援団)』2024年3月20日。2024年3月23日閲覧
  35. ^ 2024年新応援歌特設ページ 全国星覇会 2024年3月20日付。
  36. ^ a b c 【DeNA】ドラ1度会のプロ初安打はド派手な同点3ラン 12球団1号アーチ」『スポーツ報知』2024年3月29日。2024年3月29日閲覧

関連項目[編集]

外部リンク[編集]