核磁子

ウィキペディアから無料の百科事典

核磁子
nuclear magneton
記号 μN
5.0507837393(16)×10−27 J T−1 [1]
相対標準不確かさ 3.1×10−10
テンプレートを表示

核磁子(かくじし、: nuclear magneton、記号 )は核子が持つ磁気モーメント物理定数。まれに電子がもつ磁気モーメントであるのボーア磁子に対して核ボーア磁子ともよばれる。

国際単位系(SI)における値は

である(2022CODATA推奨値[1])。

国際量体系(ISQ)において、核磁子は

で表される。 ここで e電気素量ħプランク定数mp は陽子の質量である。 なお、ガウス単位系では電流と磁気の関係付け方が異なるため、光速度 c の因子が入って

で表される。

核子のなかで、陽子は電子と同じスピンと電気素量をもつフェルミオンである。しかし陽子の質量は電子の約1840倍あるため、核磁子の磁気モーメントは電子のボーア磁子のおよそ1840分の1である。 単純に考えると、核磁子の値は陽子の磁気モーメント とほぼ等しいはずである。また中性子は電荷をもたないため、磁気モーメント はゼロであるはずである。しかし実際の陽子、中性子のの磁気モーメントは核磁子 に比べて

であり単純な理論値とは大きく異なっている。これは異常磁気モーメントとよばれ、陽子や中性子が内部に電荷を持ったクォークからなる複合粒子であることに起因すると考えられている。

脚注

[編集]

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]