真の家庭運動推進協議会

ウィキペディアから無料の百科事典

真の家庭運動推進協議会
APTF
設立 1998年4月[1]
所在地 日本の旗 日本 東京都新宿区新宿5-13-2成約ビル4F[2]
法人番号 6700150005821
主要人物 徳野英治(「真の家庭国民運動推進全国会議」会長)[3][4]
稲森一郎(元副会長)
活動地域 日本の旗 日本
ウェブサイト APTF
テンプレートを表示

真の家庭運動推進協議会(しんのかていうんどうすいしんきょうぎかい、英語: The Association for the Promotion of True Families; APTF)は、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連団体[5][1][6][7]

概要・沿革[編集]

1998年4月、統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の文鮮明韓鶴子が提唱した理念「平和な世界は真なる家庭から」に賛同する会員の協力で設立された[1][8]。「結婚前は純潔。結婚後は貞節。家庭は愛の学校」を標語に掲げ、人々を祝福結婚にいざなう[9]

2014年4月1日、神奈川県川崎市宮前区にある統一教会の宮崎台研修センターにおいて、「真の家庭国民運動推進全国会議」の結成式が開催された。同全国会議の事務総長を務める梶栗正義が経過報告を述べ、日本統一教会会長の徳野英治は記念の辞で「家庭再建、国家再建の救国運動として展開していく」「祝福家庭がこの運動の先頭に立つ」と強調した。また、全国祝福家庭総連合会総会長の宋龍天[注 1]も挨拶をした[15]。同全国会議の会長には徳野が就任した[3]

同年7月2日、福井県で、最初の「真の家庭国民運動推進大会」が開催された。平和大使、信者の親族なども含め340人が集まった[3]。同年9月27日、真の家庭運動推進協議会の主催により、「真の父母様沖縄訪問21周年記念大会」が沖縄県宜野湾市沖縄コンベンションセンターで開催された。韓鶴子の代理として韓の五女で世界平和統一家庭連合の世界本部長の文善進が出席した[16][注 2]

日本における教団の名称変更は長い間認められていなかったが、下村博文が文部科学大臣を務めていた2015年6月2日、教団が名称変更の申請書を提出すると、文化庁は一転してこれを受理。同年8月26日付で名称変更が認証され、「世界基督教統一神霊協会」は晴れて「世界平和統一家庭連合」となった[18][19][注 3]

さらに同年10月までに、47都道府県すべてに「真の家庭国民運動推進全国会議」の支部が設立された[4]。2014年10月13日に結成された石川県会議の共同議長には、旧能都町能登町のそれぞれの教育長を務めた石井勲雄が就任した[22][23]。2015年9月に結成された熊本県会議の共同議長には元衆議院議員の岩下栄一県議が就任した。鹿児島県会議の結成大会(9月6日)、富山県会議の結成大会(9月20日)には国会議員が出席した[24][25]

同年11月8日、千代田区砂防会館で「真の家庭国民運動推進全国大会2015」が開催され、政界、学界、宗教界、教育界など各界の有識者ら約900人が参加した。筑波大学名誉教授の加藤博雄が実行委員長を、徳野英治が副実行委員長を務めた。下村博文と親交が深いNPO法人全国家庭教育支援センター(愛知県岡崎市)代表の山本チヨヱ[26][27][28]が記念講演を行い、夫婦関係の重要性を説くとともに、女性が育児の中心であるべきとの考えを示した[4][29][30][31][注 4]

2019年11月10日、元副会長の稲森一郎[36]は沖縄県宜野湾市の長田区公民館で講演会を開き、「同性婚が法制化されている国では同性愛者の数は増え続け、社会は不安定になっている。我々はそれを許すわけにはいかない。なぜならそれはサタンの戦略だからだ」と述べた[37]。統一教会の沖縄教区長の外間鎮模は「性の多様性を認める条例が家庭崩壊をもたらす」と発言した[38][注 5]

所在地[編集]

所在地は東京都新宿区新宿5-13-2成約ビル4F[2]。成約ビルの概要および主な入居団体は下記のとおり(2022年8月の時点)[41]

  • 建物名称:成約ビル
  • 所在地:東京都新宿区新宿5-13-2
  • 建物規模:地上5階
5F UPF-Japan[42]平和大使協議会
4F 真の家庭運動推進協議会、一般財団法人国際ハイウェイ財団[43]日本純潔同盟
世界平和宗教連合、孝情教育文化財団[44]宗教新聞社、統一思想研究院
3F 世界平和統一家庭連合東京同胞教会[45]
2F 世界平和教授アカデミー世界平和青年学生連合[46]平和統一聯合
アジアと日本の平和と安全を守る全国フォーラム[47]、日韓トンネル推進全国会議[注 6]
1F (セミナールーム)

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 宋龍天は1982年に李海玉と祝福結婚した(6000双)。1999年、統一協会オセアニア大陸会長に就任。2003年、統一協会ヨーロッパ大陸会長に就任。2013年1月24日、全国祝福家庭総連合会総会長に就任した[10]。教団の機関紙『世界家庭』2017年3月号に宋が約170人の幹部を前に語ったメッセージが掲載された。宋は「真の父母様は世界平和国会議員連合の創設を通して、平和世界の実現を提唱しておられます。これらの国会議員たちに真の父母様の『み言』と理念、原理を教育し、彼らが天の願われる方向で政策を推進し、救国救世基盤を創るにおいて、先頭に立つようにします」と語り、「議員教育の推進」を教団の主要活動方針の一つに掲げた[11][12][13]。2018年1月11日、総会長を退任[14]
  2. ^ 文善進は2015年から2019年まで世界平和統一家庭連合の世界会長を務めた[17]
  3. ^ 下村博文は安倍晋三銃撃事件から間もない2022年7月21日、記者団からの「名称変更の決定に大臣として関与したか」との質問に対し「全く関わってません」と断言した[20]。しかし2014年12月の衆院選において世界戦略総合研究所所長の阿部正寿、同事務局次長の小林幸司、世界日報社社長の木下義昭、同政治部長の早川一郎、世界平和女性連合の東京第六連合会の事務局長ら統一教会関係者は積極的に下村を支援しており、名称変更はこれに応じたものとする報道は少なくない[21][20]
  4. ^ NPO法人全国家庭教育支援センター代表の山本チヨヱは、2019年10月5日にホテルナゴヤキャッスルで開催された「天宙平和連合」主催の国際会議「ジャパンサミット&リーダーシップカンファレンス」にも参加しスピーチした[32][33]。この国際会議では原田義昭が日本の国会議員を代表して「韓鶴子総裁をお迎えして日本で国際指導者会議が開催されるのは今回が初めて。いかにわたくしどもにとって名誉なことか。韓鶴子総裁が指導される平和運動は日本においては過去に勝共運動として知られるようになった」と祝辞を述べている[33][34]。山本は現在、一般社団法人教育フォーラム21(名古屋市中区、2018年7月5日設立)[35]の代表理事も務めている。
  5. ^ 来賓として、宜野湾市議会から上地安之、桃原朗、山城康弘、呉屋等の4人の市議が出席[39]。議長の上地は「LGBTのお話もたくさんあります。性の多様性だとか言われております。社会は多種多様化したような時代に到来しております。だからと言って公的機関が条例を作って、それを認めるっていうことは、未来の日本国にとって、あまりにも情けない話になろうかと思います」と発言した[40][38]
  6. ^ 日韓トンネル推進全国会議は2017年11月28日に東京都千代田区の海運クラブで結成された組織[48][49]。結成大会で元衆議院議員の宇野治が会長に選出された[50][51]

出典[編集]

  1. ^ a b c APTF北福岡. “クリスマスファミリーフェスティバルin北九州”. 北九州芸術劇場. 2022年10月5日閲覧。
  2. ^ a b APTFの情報”. 国税庁法人番号公表サイト. 2022年11月2日閲覧。
  3. ^ a b c 全国に先駆け福井県で「真の家庭国民運動推進大会」開催”. 世界平和統一家庭連合 (2014年7月2日). 2022年10月5日閲覧。
  4. ^ a b c 『VISION2020』第66号(2015年11月15日号)”. 世界平和統一家庭連合. 2022年10月5日閲覧。
  5. ^ 旧統一教会イベント、京都市施設が複数会場に 市長は2日の会見で貸与否定”. 京都新聞 (2022年8月11日). 2022年10月5日閲覧。
  6. ^ “クリスマスパーティー2012″のお知らせ”. 世界平和統一家庭連合 宇都宮家庭教会. 2022年10月5日閲覧。
  7. ^ 第19回冬の大讃美・原理大復興会”. 札幌市民ホール. 2022年10月18日閲覧。
  8. ^ APTFとは”. APTF. 2022年9月16日閲覧。
  9. ^ 統一教会の“純潔”推進団体が正体隠して合同結婚ポケットティッシュ配り”. やや日刊カルト新聞 (2014年7月12日). 2022年10月5日閲覧。
  10. ^ 「全国祝福家庭総連合会総会長 離就任式」を開催”. 世界平和統一家庭連合 (2013年1月24日). 2022年10月19日閲覧。
  11. ^ 『世界家庭』 2017年3月(天暦1月)号が納品されました!”. 光言社 (2017年2月24日). 2022年10月19日閲覧。
  12. ^ 「国会議員を教育」旧統一教会の“目的”が機関誌に… 教団関連イベント出席の議員ら続々「名誉職的な意味合い」”. TBS NEWS DIG. TBSテレビ (2022年7月29日). 2022年10月20日閲覧。
  13. ^ 旧統一協会「議員を教育」 機関紙で主張 自民と組織的関係”. しんぶん赤旗 (2022年8月4日). 2022年10月18日閲覧。
  14. ^ 「宋総会長離任 徳野会長・李副会長就任式」を開催”. 世界平和統一家庭連合 (2018年1月18日). 2022年10月19日閲覧。
  15. ^ 「真の家庭国民運動推進全国会議 結成式」を開催”. 世界平和統一家庭連合 (2014年4月2日). 2022年10月5日閲覧。
  16. ^ 『VISION2020』第38号(2014年9月28日号)”. 世界平和統一家庭連合. 2022年10月5日閲覧。
  17. ^ 旧統一教会 韓鶴子総裁の高齢化で上がる“跡目争い”の火種…息子たちが続々追放で後継者は孫か直属秘書か”. Smart FLASH. 光文社. 2022年10月5日閲覧。
  18. ^ "統一教会が名称変更 「世界平和統一家庭連合」に". 産経新聞. 2015-9-1. 2015-9-1時点のオリジナルよりアーカイブ。2022-7-12閲覧 {{cite web}}: |date=|archivedate=の日付が不正です。 (説明)
  19. ^ "当法人名が「世界平和統一家庭連合」に改称されました". 世界平和統一家庭連合. 31 August 2015. 2022年7月21日閲覧
  20. ^ a b 旧統一教会の名称変更「全く関わっていない」下村元文科大臣”. TBS (2022年7月21日). 2022年7月26日閲覧。
  21. ^ 「週刊文春」編集部 (2022年7月27日). “《“支援者名簿”入手》統一教会“名称変更”時の文科大臣・下村博文氏を関連団体幹部5名が支援”. 文春オンライン. 2022年7月27日閲覧。
  22. ^ 家庭再建こそ真の救国運動 「真の家庭国民運動推進石川県会議」が結成”. 平和大使協議会 (2014年10月28日). 2016年11月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年1月26日閲覧。
  23. ^ 『広報のと』2005年6月号”. 能登町. 2023年1月26日閲覧。
  24. ^ 「敬天愛人」の精神で鹿児島から日本創生を 真の家庭国民運動推進鹿児島県会議結成”. 平和大使協議会 (2015年9月15日). 2016年11月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年1月26日閲覧。
  25. ^ 家庭再建を通じた国家再生をめざして 真の家庭国民運動推進富山県会議”. 平和大使協議会 (2015年9月25日). 2016年11月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年1月26日閲覧。
  26. ^ 自民党岡崎支部総会での講演&お田植えまつり”. 下村博文 公式WEB (2022年6月7日). 2022年10月5日閲覧。
  27. ^ 下村博文 Facebook 2020年9月12日”. 2022年12月12日閲覧。
  28. ^ 山本チヨヱ Facebook 2013年1月7日”. 2022年12月12日閲覧。
  29. ^ 結婚と家庭の価値と絆を日本中に 真の家庭国民運動推進全国大会に900人が参加”. 平和大使協議会 (2015年11月12日). 2016年11月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年10月7日閲覧。
  30. ^ 「真の家庭国民運動推進全国大会2015」” (2015年11月7日). 2022年10月5日閲覧。
  31. ^ NPO法人全国家庭教育支援センター”. おかざき市民活動情報ひろば. 岡崎市役所. 2022年10月5日閲覧。
  32. ^ Japan Summit and Leadership Conference Convened in Nagoya” (英語). Universal Peace Federation (2019年10月5日). 2022年12月5日閲覧。
  33. ^ a b 鈴木エイト (2019年10月17日). “<政界宗教汚染~安倍政権と問題教団の歪な共存関係・第9回> “統一教会”の国際会議に自民党国会議員大量出席、清和会会長が来賓として講演”. ハーバー・ビジネス・オンライン. 扶桑社. 2022年11月22日閲覧。
  34. ^ 現代ビジネス編集部 (2022年7月14日). “【独自】○○容疑者が「3年前、殺すつもりで火炎瓶を持って向かった」統一教会・名古屋4万人イベントの内部写真《来日した韓鶴子総裁と、礼賛した有名政治家たち》”. 現代ビジネス. 講談社. 2022年7月16日閲覧。
  35. ^ 一般社団法人教育フォーラム21の情報”. 国税庁 法人番号公表サイト. 2022年12月5日閲覧。
  36. ^ 稲森一郎 APTF副会長をお迎えしての研修会”. 世界平和統一家庭連合渋谷家庭教会 (2014年10月9日). 2022年11月7日閲覧。
  37. ^ Rurika Imahashi and Alice French (2022年9月7日). “Strings pulled: Dissecting Japan's Unification Church problem”. NIKKEI Asia. 2022年11月7日閲覧。
  38. ^ a b 鈴木エイト (2019年11月27日). “<政界宗教汚染~安倍政権と問題教団の歪な共存関係・第24回> 沖縄地元市議を取り込む統一教会。台湾での「祝福式」参加議員も”. ハーバー・ビジネス・オンライン. 扶桑社. 2019年12月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年7月19日閲覧。
  39. ^ 性の多様性条例を否決 宜野湾市議ら、旧統一教会の影響「ない」 集会出席者が取材に語ったこと 沖縄”. 琉球新報 (2022年9月3日). 2022年11月24日閲覧。
  40. ^ 「議員にメリットなければあそこにいく必要ない」旧統一教会と県内政治家の繋がり次々と ”. TBS NEWS DIG. TBSテレビ (2022年8月19日). 2022年11月22日閲覧。
  41. ^ 成約ビル”. TOKYOカオスエリアコレクション(TCC2) (2022年8月2日). 2022年9月16日閲覧。
  42. ^ UPF-Japanの情報”. 国税庁法人番号公表サイト. 2022年11月2日閲覧。
  43. ^ 財団概要”. 日韓トンネルプロジェクトを推進する国際ハイウェイ財団. 2022年7月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年9月16日閲覧。
  44. ^ 一般財団法人孝情教育文化財団の企業情報(東京都新宿区)”. 全国法人情報データベース. 2022年10月18日閲覧。
  45. ^ アクセス”. 世界平和統一家庭連合 東京同胞家庭教会. 2022年9月16日閲覧。
  46. ^ 世界平和青年学生連合の情報”. 国税庁法人番号公表サイト. 2022年11月2日閲覧。
  47. ^ アジアと日本の平和と安全を守る全国フォーラム”. 2022年9月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年10月10日閲覧。
  48. ^ 日韓トンネル推進全国会議結成大会”. 日韓トンネル推進全国会議 (2017年11月28日). 2022年7月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年10月10日閲覧。
  49. ^ 日韓の絆強めるトンネル建設を国家プロジェクトに”. 平和大使協議会 (2017年11月29日). 2021年2月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年7月26日閲覧。
  50. ^ 団体概要”. 日韓トンネル推進全国会議. 2021年12月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年10月12日閲覧。
  51. ^ 平和統一聯合 (2020年1月17日). “世界潮流「日韓トンネルについて」佐藤博文理事長との対談”. YouTube. 2022年10月10日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]