隠し通路

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バチカンローマにあるサンタンジェロ城をつなぐ秘密通路 パセット・ディ・ボルゴ

隠し通路(英語:Secret passage、hidden passages、secret tunnels)とは、秘密の通路秘密通路とも呼ばれるもので、余人に知られることなく作られた通路である。隠し部屋への入り口、脱出、人目を避け人や物を行き来させるのに使用された。このような通路は、国家元首、裕福な者、犯罪者、身を隠す事情がある人間によって作られた。

このような通路の入り口は、可動式本棚や暖炉、隠し扉、カーペットなどによって巧妙に隠されている。中世の城は設計段階で組み入れられており、水源ともつながって長期的な籠城を可能にした。

伝統的なアラブの家屋には、本棚や窓台や壁にBab irr と呼ばれる脱出用の隠し扉が設置されていた。この名前はアデン(現在のイエメンにある都市)の防壁にある国の防衛上の緊急時にのみ開けられる6つの門の一つから来ている。

著名な秘密通路[編集]

近代
日本
  • 熊本城の抜け穴 - 水抜き用の水路とも言われる[4]
  • 上田城の真田井戸[5] - 城外へ通じる抜け穴だとする伝説がある[6]
  • 妙立寺 - 金沢城につながるといわれる井戸、隠し階段など多くの仕掛けを持つことから「忍者寺」とも呼ばれる。
  • 東京ディズニーシーのマゼランズというレストランでは、本棚に隠された通路の先で、秘密の部屋での食事が提供されている。
ドイツ
歴史的または考古学的に、多くても12の秘密の通路が知られている[7]Sigmaringen Castle英語版ディルスベルク城英語版プレッドヤマ城英語版の洞窟などがあるが、いくつかは天然の洞窟であったり、鉱山の穴であったり、水路であったりする。また部分的に崩落して、どことつながっていたか不明である場合もある。
近代では、ゼンフテンベルク要塞ドイツ語版[8]などがある。
フランス
架空、都市伝説

ギャラリー[編集]

隠し通路の先にある施設[編集]

宗教
流派や宗教間で、たびたび迫害などが行われたことから、隠れる場所が作られた。

脚注[編集]

  1. ^ Ancient tunnels discovered underneath Mexican city of Puebla”. Daily Telegraph (2015年9月5日). 2019年3月12日閲覧。
  2. ^ Decker, Frank (2013) Brooklyn's Plymouth Church in the Civil War Era, The History Press. ISBN 978-1609498108
  3. ^ 高級ホテルの地下に、最高指導者の脱出トンネルが 作りや塗装に見えた、かつての緊張:朝日新聞GLOBE+”. 朝日新聞GLOBE+. 2023年3月19日閲覧。
  4. ^ 城 著:香川元太郎、出版:学研プラス p.211
  5. ^ 訪ねてみたい日本のお城(KKロングセラーズ) 著者: 城めぐりの達人倶楽部
  6. ^ 城ガールが巡る日本の名城~真田氏の居城・上田城(6・前)”. NETIB-NEWS (2016年4月27日). 2018年10月29日閲覧。
  7. ^ Joachim Zeune: Ritterburgen. Bauwerk, Herrschaft, Kultur. C. H. Beck, München 2015, ISBN 978-3-406-66091-7, S. 127.
  8. ^ 12 Burgen in Brandenburg: Zeitreise hinter historischen Mauern” (ドイツ語). de:tip (Zeitschrift). 2018年10月29日閲覧。
  9. ^ 5分でわかるカタリ派の城”. jp.france.fr. 2022年11月14日閲覧。
  10. ^ Hyrieus”. Encyclopedia Mythica. 2018年10月29日閲覧。
  11. ^ ヒュリエウスとは”. コトバンク. 2018年10月29日閲覧。
  12. ^ “On Some Campuses, Students Get To Class With Underground Tunnels And Skywalks” (英語). HUFFPOST. (2015年1月27日). https://www.huffpost.com/entry/tunnels-skywalks-campus_n_6547918 
  13. ^ “カッパドキアに新たな地下都市、過去最大と推定”. ナショナルジオグラフィック. (2015年3月31日). https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/033000022/ 

関連項目[編集]