ニクロム
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ニクロム(Nichrome)はニッケルとクロムを中心とした合金。電気抵抗が大きいため、発熱素子として、電気ストーブなどによく使われる。
「ニクロム線」は、電熱線の代名詞ともなっている。後発で、多くの特性でより優れた 鉄・クロム・アルミニウム合金のカンタル(登録商標、Kanthal)に電熱線の主役が移ったが、カンタルが一般に知られていないため、カンタル線もニクロム線と呼ばれることがある。
名称 | 成分 |
---|---|
ニクロム(III,V) クロメルB | 80Ni-20Cr |
85Ni-15Cr | |
ニクロムI クロメルC | 60Ni-12Cr-26Fe |
66Ni-22Cr-10Fe-2Mn | |
カンタル(A,D) | 23Cr-69Fe-6Al |
ニクロムは米国ドライバーハリス社の登録商標であった。Nichromeと表記される。 1905年、技師のアルバート・マーシュによって開発された。
ニッケルを80 %含んだものをニクロム80と言い、NCH-1相当である。また、ニッケルを60 %含んだものをニクロム60と言い、NCH-2相当である。その他に40 %、20 %等が有る。
鉄クロム合金に比べ勝る主な特性として耐酸化雰囲気特性、耐クリープ性が挙げられる。
なお、「ニクロム」の1文字目がカタカナの「ニ」であるのに対して、「二クロム酸カリウム」などの場合は、1文字目が漢字の「二」となっている。
関連項目
[編集]- 電熱
- 電熱器
- 暖房
- グロープラグ
- ロードヒーティング
- 石英管
- 電子たばこ
- 平賀譲 海軍軍人、工学者。「平賀不譲(ゆずらず)」と皮肉られたほど頑固な性格で議論が衝突すると相手が誰であれ怒鳴りつけたことから(すぐに赤熱するという意味で)「ニクロム線」とも渾名された
外部リンク
[編集]- 電熱線 理科ねっとわーく(一般公開版) - ウェイバックマシン(2017年10月3日アーカイブ分) - 文部科学省 国立教育政策研究所