龍が如くシリーズの登場人物

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龍が如くシリーズの登場人物(りゅうがごとくシリーズのとうじょうじんぶつ)では、セガゲームス(2015年3月まではセガ)のアクションアドベンチャーゲーム『龍が如く』シリーズに登場するキャラクターについて解説する。

シリーズ第1作『龍が如く』は『1』と表記する。なお、『龍が如く ONLINE』にのみ登場するキャラクターや、外伝作品『龍が如く 見参!』『龍が如く OF THE END』『龍が如く 維新!』に登場するキャラクターについては、各記事の登場人物の項を参照。

一部のキャラクターは演じる人物本人をキャプチャーし、モデリングしている[注 1]。担当声優の記載に関して、声の出演のみの場合は「声」、フェイスキャプチャーが行われている場合は「演」と表記する。

主人公

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桐生 一馬(きりゅう かずま)
声 - 黒田崇矢野島健児(少年時代)
『1』から登場した『6』までの龍が如くシリーズのメイン主人公。『7外伝』および『8』では再び主人公(の一人)となる。
春日 一番(かすが いちばん)
声 - 中谷一博優希知冴(新生児期)
『ONLINE』から登場した『7』以降のメイン主人公。
真島 吾朗(まじま ごろう)
声 - 宇垣秀成
『1』から登場したシリーズの主要人物。『8外伝』ではメイン主人公[1]、『0』や外伝作品の『OF THE END』では主人公の一人として登場する。また、本編ではないが『極2』の追加シナリオでも主人公として登場する。
澤村 遥(さわむら はるか)
声 - 釘宮理恵
『1』から登場したシリーズの主要人物。『5』では主人公の一人となる。
郷田 龍司(ごうだ りゅうじ)
声 - 岩崎征実
『2』に登場したシリーズの主要人物。『ONLINE』や外伝作品の『OF THE END』では主人公の一人となる。
秋山 駿(あきやま しゅん)
声 - 山寺宏一
『4』から登場したシリーズの主要人物。『4』・『5』の主要主人公の一人。
冴島 大河(さえじま たいが)
声 - 小山力也
『4』から登場したシリーズの主要人物。『4』・『5』の主要主人公の一人。
谷村 正義(たにむら まさよし)
演・声 - 成宮寛貴(PS3版) / 増田俊樹(PS4版以降)[注 2]
『4』の主人公の一人で、警視庁神室署生活安全課所属の刑事。29歳(2010年当時)。服装はだらしなくネクタイを巻いてシャツやスラックスの上に青いジャンパーを羽織ったラフな恰好をしている。アジア圏の人々が住まう「亜細亜街」を行動拠点としており、その影響から中国語韓国語タガログ語は現地人レベルである。仕事に関しては勤務中に競馬中継を聞いたり、雀荘に入り浸るなど勤務態度は悪く、違法風俗店から賄賂を取るなどの汚職を公然と行うことから「神室町のダニ」と蔑まれているが、その金を使って身寄りのない孤児たちの支援をしていたりその他の犯罪行為は見逃さずに取り締まることで検挙率トップに輝くなど根は心優しいかつ正義感に満ち溢れている。
本ストーリーでは触れられていないが、自身の「父親」として扱われている刑事の谷村大義とは義理の親子関係である。サブストーリーにおいて実の父親は犯罪組織を操るブリッジという人物に金で雇われたフリをしてブリッジのことを調べていた加賀祐介という日本人の刑事で、母親は父親の死後にタイに強制送還されたタイ人というハーフだったことやブリッジの人質にされることを恐れた父親の手によって養父に預けられたことが明かされた。
基本スタンスは護身術合気道であることから敵の攻撃を受け流して無効化する特殊技を持ち、固有のヒートアクションも極め技や投げ技が多い。また、一発の打撃の威力の乏しさをカバーすべくコンボからヒートアクションに繋ぐ技を持っており、それ以外にも警察官らしく手錠で相手を捕縛する技を習得する。
1985年の事件における養父である谷村大義の殉職の理由とかつて養父が接触しようとしていた冴島靖子を探しており、靖子と接触したところを柴田組の妨害で彼女を連れ去られてしまうも何とか救出し、靖子から真実を聞き出す。靖子の隠していた一億を回収後はサイの花屋を通じて葛城と接触し、葛城の狡猾な罠に嵌められるが杉内の助力により窮地を脱する。その後一億を返すために秋山の元を訪れた際に行方をくらましていた上野誠和会である三島と埠頭で接触する機会を得て裏切り者を炙り出すために敢えてその情報を流し、炙り出された杉内との戦いの末に杉内こそが養父の仇であり事件の黒幕が警視庁副総監である宗像征四郎であることを知るが、杉内は直後に上司である久井の銃撃を受けて死亡してしまい久井も最期には自身を助けるために自殺してしまう。そのことで2人の無念を晴らすために「警察官」として宗像とその護衛を相手に死闘を繰り広げ、傷つきながらも勝利して宗像の手に手錠を掛けた。事件終結後は捜査一課に配属される。
『5』ではサブストーリーで名前のみ登場しており、亜門打倒のために招集をかけられて秋山が電話するが連絡を取ることはできなかった。
『ONLINE』でも登場し、警視庁捜査一課の刑事で伊達の部下。亜細亜街の麻雀店でサボっていたところ、上司の須藤と伊達が来て神室町で強盗事件が発生し、犯人が亜細亜街へ逃げ込んだことを知らされる。土地勘のある谷村も半ば強制的に捜査に加わることになり、伊達はアパートで塾を開いている管理人のハンが怪しいと睨み、谷村と張り込む。亜細亜街の人々を友人のように思っている谷村はハンが犯人ではないと決めつけるが、普段なら塾を開いている時間になっても電気が落とされており子供の気配も感じないことに不審に感じた2人がアパートに踏み込むとハンが原付で逃走。抜け道を駆使してハンに追い付き事情を聞くと銀行強盗を自供し、子供がヤクザによって人質に取られていることが判明。直後に現れたヤクザの襲撃を受けるが返り討ちにして事件を解決に導いた。
品田 辰雄(しなだ たつお)
声 - 森川智之
『5』の主人公の一人で、性風俗分野のルポライターとして口に糊をしている元プロ野球選手。37歳(2012年当時)。服装は茶色の革ジャケットにエンジニアブーツ、白いタンクトップに青いジーンズと質素な身なりをしている。ボサボサ頭や無精髭が目立つような容姿に無頓着かつ不潔で、おまけに金銭面にだらしなくやさぐれた印象を与えるが飾らない人柄であるため錦栄町の人々からは親しまれている。仕事に関してはパソコンを使わずに手書きで原稿を執筆しており、加えて締め切りにルーズがゆえにその筆致は解読困難なほど悪筆になりがちで、出版社から原稿の内容について再確認を受けることもしばしばである。
野球選手としては神室西高校卒業後に名古屋ワイバーンズにドラフトで下位指名されてプロ入りした経歴を持つ。その後、4年間のファーム生活を経て一軍に初登録され、代打として登板した初打席でホームランを打ち一躍時の人となるかと思われたが、その試合でサインを盗んで野球賭博に関与したという嫌疑をかけられプロ野球界からの永久追放処分を受けたことで事実上の引退となった。しかし引退した現在でもかつて天才と謳われたバッティングセンスは衰えておらず、優れた視力・動体視力を持ち毎日欠かさず行っているトレーニング(素振り5000回、腕立て伏せと腹筋を各1000回)も手伝って現役時代と遜色のない実力を誇る。
戦闘では「泥臭くても、しがみついてでも、なんとかして勝つ」[3]といったコンセプトを体現したがむしゃらなスタイルで戦う。学生時代から続けてきた野球で体は鍛えられ、錦栄町ではチンピラやヤクザから身1つで己を守っている。スライディングで相手を転ばせたり投球やバッティングのモーションで殴りつけたりと野球経験者ならではの技も覚え、棒状の武器のみならずナイフや刀も巧みに使いこなす。ただしバットだけは自らの矜持により武器として装備できず、バトル中に取得しても「バットは人を殴るものじゃない」と呟き使わずにそっと地面に置いてしまう(懐に入れることも不可)。固有の絶技である「俺流 流星タックル」は胴に組み付くタックルの姿勢で敵を持ち上げながら前方に押し込んでいく強力な技であり、この後に様々な技に派生させることができるが敵によっては崩される、または振りほどかれるなど欠点もある。
自身の暮らす名古屋の繁華街「錦栄町」で仕事を終えたある日、自宅に帰るとマスクとサングラスで正体を隠した謎の男に自身の関わった野球賭博事件の裏を探る依頼を受け、渋りながらも過去の関係者に話を聞くうちに事件は思わぬ方向に進み東城会と近江連合の確執に巻き込まれていく。その後は心から信頼していた錦栄町の住民こそが自身の敵とも言える「名古屋組」の正体であることが判明し、自身の信じていたもの全てに裏切られたと絶望して錦栄町を出て行こうとするが金融屋の高杉が自分のホームランボールを拾った観客であり品田自身のことを気にかけていたことを知って思い留まる。また黒幕がワイバーンズ時代の恩師である冨士田だったことを知ると東京ギガンツの澤田との邂逅を経た上でかつて高校の同級生だった堂島大吾(前述の謎の男)の協力を得て神室町へ向かうことを決心する。その後神室町で桐生を初めとした熱い男たちに心を動かされ、大吾や遥のために立ち上がる事を決意して日本ドームにて遥の射殺を辞めて逃げようとする馬場を冴島からの伝言を伝えるため激闘の末に打ちのめす。決着後は高杉からの「借金の完済証明が出せないから戻ってこい」という一報により錦栄町の住民が本当は心の底から自身が錦栄町に帰ってくることを待っていた真実を知るや否や堪え切れずに涙した。
『ONLINE』では第二部のメインストーリーに登場し、錦栄町でホームレスとして過ごしていたところを偶然名古屋に立ち寄った龍司にサインをねだられるも野球賭博関与によって球界を追放された挙句自暴自棄になっている自身にサインを書く価値などないと思い彼から逃げ続けていた。だが自分の出た試合に八百長はなかったことや追放されてもトレーニングを欠かせていないことと風俗好きという面を見抜かれる。その後名古屋組に追われている龍司から「一つの道でてっぺんを獲るのも良いが色々な生き方をするのも悪くはない」と諭されたことに心を打たれ、彼の持ち出して来た求人誌のページに自身のサインを書き龍司と別れた後は風俗ライターの求人に応募する。キャラストーリーでは過去のエピソードで登場し、行きつけのラーメン屋の店長からツケの代わりに息子の優太に野球を教えてほしいと頼まれるも未だに過去を振り切れていない状態からバッティングセンターの打席ですら立てないほど忌避していた。その後自身の経歴を知ったチンピラに優太を人質に取られるも無事に救出し、優太の励ましから彼を正式な弟子として受け入れた。

主要人物

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桐生一馬編

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伊達 真(だて まこと)
声 - 山路和弘
『1』から登場したシリーズの主要人物。
錦山 彰(にしきやま あきら)[注 3]
声 - 中谷一博
『1』『0』の主要人物。
堂島 大吾(どうじま だいご)
声 - 徳重聡
『2』から登場したシリーズの主要人物。
澤村 由美(さわむら ゆみ) / 澤村 美月(さわむら みづき)
声 - 上坂都子(『1』)、坂本真綾(『極』)
『1』に登場した桐生や錦山と共にヒマワリで育った親友で、二人の妹的存在。34歳。二人が東城会に入った後は短大を卒業した後に独立し、神室町で立身するためにセレナでホステスとして働く。そんなある日東城会の大幹部である堂島宗兵によって拉致され、駆け付けた錦山が堂島を殺害したことで助かるがその時のショックから記憶を失って入院してしまい、直後に病院から姿を消してそのまま消息不明となる。その後ヒマワリで風間に保護されて風間の手引きで東城会で偶然神宮と出会い、彼との間に遥をもうけるが神宮に総理の娘との縁談が舞い込んだことで神宮のためを思って籍を入れずに彼の元を去ってしまう。その後は事実を恐れた神宮の障害になって遥と共に命を狙われるようになり、身を守るために風間に整形させられた上で妹である「美月」という戸籍を与えられる[注 4]。終盤ではミレニアムタワーの最上階アレスで桐生と最愛の娘である遥と再会を果たし100億を始末しようとするも神宮に見つかり、直後に桐生を庇おうとした遥をさらに庇って神宮の凶弾に倒れてしまう。最期は桐生に会うという願いが叶ったことや遥に自身と同じく逃げないで生きるように言い遺して息を引き取った。
狭山 薫(さやま かおる)
声 - 大輝ゆう(『2』『3』)、久川綾(『極2』『8』)
『2』に登場した大阪府警捜査第四課主任の警部補。25歳。男勝りで時折容赦無く暴言を吐くなど気が強い性格である一方、遥に親身に語り掛けたりする優しい面や桐生と遊びに興じたり色々と心配して助けに入るなど、子供っぽく気遣いのできる一面もある。他にも悪いことをしたり怪しい人物を見かければ警察手帳を見せながら問答無用に罪状を突き付ける正義感に溢れる面や、警察が立ち入り禁止にしている場所に警察官としての立場を使って桐生を通させたりと頼りになる面も見せている。また、女性でありながら格闘能力は高く、桐生と共闘した際は護身術を織り交ぜた格闘術を使い桐生との連携技も使用する。高等専門学校に入り、プログラミングを学んで20歳で国家公務員II種試験をパスし、人事院からの推薦を受けて卒業後は大阪府警の準キャリア(階級は巡査部長からスタート)として採用される。2006年4月には警部補に昇進と同時に四課の主任となり、暴力団に対する容赦のない取り締まり振りから「ヤクザ狩りの女」と呼ばれるようになる。その後、東城会に隠されていると思われる自分の過去の真相を探るために身辺保護として桐生と共に行動するが、事件を追う内に郷田龍司の異父妹であることや瓦次郎の実の娘であるなどの自身の出生を知ることとなり、精神的に追い詰められていくことになる。その後は桐生に対して徐々に恋愛感情を抱くようになり、龍司との戦いに終止符を打った後は桐生とキスを交わす。
『3』では冒頭にのみ登場し、近江連合との抗争終結後に警視庁に新設される部署の教育係として米国に転勤することを決意し、桐生にしばらくはそれぞれの道を進もうと別れた。その後、ロッカーやキャバクラなどコンプリートした時にメールをくれる。
『ONLINE』でも登場する。
『8』では桐生のエンディングノートに登場。桐生と別れてから17年の月日が流れ、42歳になっている。現在は大阪府警に復職し、刑事課から少年課に異動している。近江連合・東城会の大解散により元ヤクザの受け皿として大吾たちが立ち上げた警備会社がヤクザたちの後始末ならば、自分は警官として若い連中がヤクザや半グレに落ちないよう予防することが使命と捉え、少年課に希望移動した。それが桐生の死を半信半疑に捉えている一方で、桐生との繋がりを保ちたいという意思の表れでもあった。それゆえ、大変な仕事ではあるがやりがいを感じ、新しい警察官としての夢を模索中で仕事に邁進する一方でどこか桐生を想う気持ちも捨てきれず、現在も未婚を通している。そんな狭山の一途な気持ちを察して、桐生の事を伝えようとする伊達を止めに入り、伊達も意を汲んで留め置いた。
風間 譲二(かざま じょうじ)[注 3]
声 - 渡哲也
『3』に登場したCIAの構成員であり、風間新太郎の実弟。60歳。風貌は兄と瓜二つであり、初めてその顔を見た関係者はいずれも死んだはずの風間新太郎だと思い込むほどであった。桐生を前蹴りの一発で吹き飛ばすほどの喧嘩の実力を持ち、桐生をして「あんたが若かったら勝てたかどうか分からんな」と言わしめた。またラウや玉城をそれぞれ遠距離から拳銃でヘッドショットを決めて射殺するなど兄譲りの射撃の腕を持っている。戦闘では柔術と空手を使う。警察庁長官官房国際課にいたが、兄が東城会の幹部であるために職場で敬遠されたことで辞任し、後に自分のことを認めてくれる米国のCIAへと入った。その後田宮隆造と共に「ブラックマンデーの首領を捕まえる」という任務の元でリゾート開発の関係者に近づき、峯と組む當眞を殺そうとしたところを桐生に阻止されてそのまま戦うも激闘の末に敗北する。その後は當眞を殺すことは諦めて桐生に真相を教えると峯とブラックマンデーの野望を阻止するために桐生に協力し、米軍基地に頼んでジェット機で東京までの最速飛行を提供した。峯の転落後は病院の屋上にいる桐生と大吾を遥を乗せたヘリコプターで迎えに来た。
リリ / 冴島 靖子(さえじま やすこ)
演 - 小沢真珠
『4』に登場した冴島大河の妹。幼い頃に病を患った自身を治そうとする兄の大河を心の底から尊敬しており、愛していた。また、秋山のかつての恋人である絵里に容姿が酷似している。実父は近江連合に所属する極道であり、実母や他の女性に暴行を加え、さらには少年時代の冴島に3000万円を要求するなど傍若無人な人間であることが明かされている。葛城から「一億円を用意するか、ある人間を殺せば兄を助ける」という話を持ち掛けられ、兄を助けたい一心から用意できない一億の代わりに葛城に利用される形で彼の弊害となる(上野吉春襲撃事件の真相を知る)柴田組に属する構成員を口封じのため色仕掛けを用いて殺し周っていた。その後も葛城からの殺しの要求は止まらず、もう人を殺したくないという思いから秋山のスカイファイナンスに「リリ」という偽名を使って訪れ、10日以内に一億の融資の依頼をする。そのために秋山のテストに合格して一億を受け取ったが、その場で世間を騒がせていた神室町連続殺人事件の犯人であることを言い当てられ去って行った。その後、養父の死に関する重要人物として自身を探していた谷村に保護され、全てを話した後兄に会うため沖縄へ向かう。後に桐生や浜崎と出会い、冴島と行動を共にした浜崎と桐生からの情報を得て瀕死の浜崎を残し、桐生と共に神室町へと戻る。その後は神室町で秋山や谷村と共に冴島がいる賽の河原へ向かい、桐生たちと戦うことになった彼らから拳銃を託されて先に向かうが、運悪く上野誠和会の襲撃に鉢合わせてしまい葛城に冴島共々拉致されてしまう。その後、冴島と25年ぶりの再会を果たすが、直後に神室町ヒルズで葛城が苦し紛れに撃った弾から冴島を庇い、最後の力を振り絞って谷村から預かった銃で葛城を射殺する。その後彼女も力尽きて倒れ、最後は許しを請いながら息を引き取った。兄を深く愛するあまり、兄の存在自体が自分の生きる意味そのものと化しており、その純粋さ故の数々の行動について桐生からは「冷静さを失っている」「不幸だからって何をしてもいいわけじゃない」と指摘されていた。最期に葛城を射殺した事についても、殺人に手を染めた自分が無実の兄に代わって手を下す「恩返し」であった。
『5』でも冴島により言及されており、自分の極道としての生き様に影響を与えたことが語られている。
マキムラ マコト / 筱喬(シャオチャオ) / 館山 マコト(たてやま マコト)
声 - 沢城みゆき
『0』に登場した中国生まれの残留孤児二世。20歳。日中国交正常化の流れに沿い、日本の親族である牧村源三(母方の祖父)の下に身を寄せるもうまく日本に馴染めずにいた母の自殺をきっかけに家出し、兄を探すために蒼天堀で暮らしていた頃に尾田に「兄を知っている」と騙されて韓国系のマフィア組織に売り飛ばされる。その後、非合法な売春に従事させられたことが原因で心因性の視力障害を負ってしまう(ほぼ失明状態となる)。その後は李文海に助けられ、彼の営む「ほぐし快館」で整体師として技術を磨きながら生計を立てていたが、自身も知らぬ間に相続していた「カラの一坪」により近江連合や東城会に付け狙われて極道の抗争に巻き込まれていく。その後、自身を救出してくれた真島と出会い行動を共にするが、真島が佐川に追い詰められた際に世良率いる日侠連に保護され、兄の立華の使いである桐生たちに身柄を引き渡される。立華の死後は堂島組への復讐心を抱き、再会した真島から復讐を止めるように諭されながらも独断で「カラの一坪」と引き換えに三幹部の首を差し出すように堂島と取り引きに臨む。しかしその計画は失敗し、直後に老鬼に撃たれてしまう。その後は日侠連に保護され、病院に搬送された後に手術により何とか一命を取り留めた。事件終結後は視力も戻り、街でヤクザに絡まれていた時に真島に助けられるも彼が声を出さなかったために相手が真島だとは気付かなかった。その後、工事着工前のカラの一坪へ自らの足で出向き亡くなった立華に花を手向けるが、カラの一坪に埋められていた自身の手放したオルゴールが壊れた腕時計(真島が拾っていた)を発見したことと、直されていたオルゴールの音を聞いて真島だと気づき真島への感謝の言葉を述べた。
『極2』では37歳。結婚し名前が「館山マコト」に変わり、男児を出産している。過去の事件で世話になった名前も知らない恩人(真島)へ感謝の気持ちを伝えられないまま別れてしまい後悔していたが、彼と初めて出会った「ほぐし快館」で働いていればいつか再会できると信じ同店で再び整体師として働いていた。夫の仕事の都合で海外へ行くことになり、店も真島が訪れた週をもって辞めることになっていた。自身が身につけていた腕時計の思い出を語り、その思いを聞いた真島が名前も記さず過去に着けていた物と同様の腕時計バンドを彼女へのプレゼントとして店に送り、マコトは他のスタッフからそれを受け取る。その後海外へ向かう飛行機の中でそのプレゼントを開封したマコトはあの時接客した真島こそが恩人だったことに気付き、涙した。結果的に彼女は最後まで真島の名前を知ることはなかった。
『ONLINE』でも登場する。
広瀬 徹(ひろせ とおる)
演 - ビートたけし
声 - 中林俊史(少年時代)
『6』に登場した陽銘連合会直系舛添組系広瀬一家総長。普段は保険金詐欺のために病気を偽って入院しており、一家の運営もほとんど南雲たちに任せっきりにしているが、病院を抜け出しては事務所の二階でまったりするなど自由気ままに過ごしている。またフラッといなくなったりと捉えどころがなく極道組織の長らしからぬ飄々とした雰囲気の持ち主であるが、不思議な含蓄とユーモアを放っており周囲からの人望は厚い。しかし、その裏では「尾道の秘密」を守り通してきた陽銘連合会本家の古参幹部であり、会長である来栖猛(巌見兵三)から「広島で一番の腕を持つ男」と評され、遠くに離れているハン・ジュンギの頭を正確に打ち抜くほどの射撃能力を誇る。戦闘では包丁を片手にゆっくりと近づいて隙を突いて攻撃を加えるという刺客として培った老練な戦法を取り、追い詰められるとガス管に穴を空けて噴出したガスを利用した目眩ましや奇襲攻撃を仕掛けてくる。
原爆で両親を失い、14歳の頃に愚連隊を組んで暴れていたが、仲間と共に押し入った巌見造船で来栖に見込まれる形で裏社会に足を踏み入れる。その後、彼を親と呼ぶまでの信頼関係を結んだ頃に「尾道の秘密を守るために力を貸してくれ」と頼まれ、その秘密を守るために自身の兄弟分から外部の人間に至るまであらゆる人間を抹殺するようになる。その後は祭汪会から狙われていた遥を匿ったり、遥を探してやってきた桐生に協力するなどの行動を見せながらも兵三の命令で水面下で邪魔者を排除するために動き続ける。終盤では桐生と対峙する形になり、老齢を感じさせない凄まじい動きで桐生と互角に張り合うも死闘の末に敗北する。敗北後は兵三に尾道の秘密を知った南雲たちを殺すように命令されるが、実子のように大切にしていた「息子達」を殺せなかったために兵三に見逃すように懇願したところを撃たれてしまい、最後は尾道の秘密を守るために南雲や松永の父親を殺したことを詫びながら息を引き取った[注 5]
ハルト / 澤村 遥勇(さわむら はると)
『6』に登場した澤村遥と宇佐美勇太の息子。後述解説するビッグ・ロウの孫でもある。遥が広島で勇太との間に身籠った子供であり、後に広瀬の計らいで母子ともに匿われる中で産まれた。正確な年頃は不明だが、1歳未満とされている。ビッグ・ロウの後継者である息子のジミー・ロウが殺害され、後継者の枠がもう一人の息子である勇太にスライドしてきたことにより組織の掟に従って日本人との混血である自身を殺すために祭汪会から狙われることになる。しかし、巌見恒雄に寝返ろうとした達川の車に遥が轢かれて入院したことでその身柄は自身の祖父とも呼べる存在の桐生の手に渡り、自身の出生の秘密を追う桐生に連れられて尾道仁涯町に向かう。その後、様々な思惑からあらゆる組織に狙われて一時は敵の手に渡るも桐生たちの活躍で救出され、最終的には意識を取り戻した遥の手に戻り事件後はアサガオで両親と共に暮らす。
『7外伝』では4歳になっており、両親が手を焼くほどのやんちゃ盛りであることが太一と綾子の口から語られる。また大道寺エージェントの撮影した絵によって、拙いながらも文字が書けるほどに成長していることが判明する。
『8』では母親の遥と登場。しかし、後ろ姿のみで顔を晒すことはない。初登場の2016年が1歳未満であることから、『8』の2023年現在、7~8歳と推定される。遥を「お母さん」呼びし、桐生を「おじいちゃん」呼びしていることから、桐生の存在については知っている模様。秋山の呼び出しにより、神室町のニューセレナに遥と共に同行、エンディングの桐生が入院し放射線治療を受ける際、遥と共に見舞いに訪れていた。その際、「お母さん、おじいちゃんいないの?」と初めて言葉を発する場面が描かれている。
赤目(あかめ)
演 - ファーストサマーウイカ
『7外伝』に登場した蒼天堀のなんでも屋。蒼天堀の裏も表も知り尽くす影の顔役。
自分は元々、歌手を目指して蒼天堀にやって来て、裏社会とは関わりがなかったのことだが、近江連合が運営している「キャッスル」の案内人を任されている、近江連合の組員のホームレスへ囲い屋を非難している。

春日一番編

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ナンバ / 難波 悠(なんば ゆう)
演 - 安田顕
薬を闇取引したことで免許を剥奪された元看護師で、伊勢佐木異人町の公園をねぐらにしているホームレス[注 6]。45歳(『8』時点)。黒の長靴にグレーのスウェット、カーキ色のフード付きパーカーに作業上着、首にはマフラーを巻き、指無しの毛糸手袋をはめボサボサ髪にサーモントタイプのめがねを掛けている。伝説の超高級ウイスキー「レジェンドモルト」のボトルを一見で判別し[注 7]、天童のプロボクサー時代の経歴や沢城が扱う武術を見抜くなど何かに付けて博識である。また、紗栄子に対して好意を寄せているような節もあり、不満を言いながらも買い出しの付き添いに行ったりしている。バトルスタイルはビニール傘などステッキ状のもので殴打するほか、アルコール度の高い酒を口に含み、吹きながらライターで火を付ける「熱気ブレス」や「クサい息」「物乞い」などホームレスとしての境遇から培った技を駆使する。本人はホームレス時代から潔癖症であることを語っているが、その割には矛盾した行動が多いためどこまで本意か定かではない。また、女性とのデートに関しては常に自然体こそが至上であるという理論を持ち、春日が紗栄子とデートすることとなった際は独自の見解でアドバイスしている。
小学生時代に読んだナイチンゲールの伝記に感銘を受けて看護師を志すが、実際は過酷な労働を強いられて理想と現実とのギャップから次第にやる気を無くし始めていき、中年に差し掛かった頃に同じ動機で看護師を志した水恵という同僚と出会う。彼女の仕事に一切手を抜かない直向きさと家庭の事情を知り、改心して仕事に真面目に取り組むようになる。その後水恵が薬の横流しに手を染めていたことを目撃しながらも事情を勘案して黙認するが、一向に犯人の目星が付かない状況に業を煮やした院長が警察に被害届を提出することを知り、水恵を庇うために自らが犯人だと名乗り出たことで病院を解雇され看護師免許も剥奪された(春日と出会った初期は前述の通り自分が汚職をしたと語っていたが、改めて友好を深めた後春日に免許剥奪に至った本当の出来事を明かしている)また、同時期に実弟の秋葉正一が異人町の偽札造りを探った果てに「コミジュルに監視されている」という報せを最後に連絡を断ったことから弟の行方を捜す手かがりを探すため伊勢佐木異人町の公園でホームレスとなり、監視するようになる。その後は撃たれて重傷を負った春日を治療し、当初は面倒に巻き込まれることを嫌ってつれない態度を見せるも食事を分けてやったり金稼ぎの方法を教えたりとなんだかんだで世話を焼き、ホームレスとしてのいろはを教える。その後も気落ちする春日に異人流ヒレ酒[注 8]を振る舞うなどどん底の春日を最初に救うきっかけを作り、彼から強く感謝されるようになったがホームレス生活の中で偶然にも春日が偽札を所持していることを知り、弟を捜す手かがりになると考えて行動を共にするようになる。その後、コミジュルアジトに潜入することに成功し、そこで偽札作りに確信を得るもソンヒによって常にアジトを窺っていたことや本当の目的を暴露され、春日たちにも知られることとなった。その後は春日たちの手助けによりその場から逃げ出すことができたが、弟を捜したい一心で偽札のことをブリーチジャパン現代表の小笠原に話してしまい、肉の壁を崩す大きな抗争のきっかけを作る。その後、小笠原やデモ隊に紛れた近江連合と共に春日たちと戦うも返り討ちに遭い、さらには偽札作りの現場も隠滅されたことで落胆してしまったところをソンヒの口から弟がコミジュルアジト地下にある居住区にて軟禁されていたことを知らされ、対面を果たした。その後は春日たちに町から出て行った方が良いと言い残し、一度は彼らの前から去っていったが、慶錦飯店にて石尾田と春日らが対峙した際には救援として駆けつけて春日たちを裏切ったことを詫びると共に再度仲間に加わらせてもらうと涙ながらに感謝した。また、再会した弟から軟禁状態にありながら世話をしてくれた女性と恋仲になった上に結婚する話まで聞かされたことでコミジュルに対しての怒りは無くなったと言い切る。
また、『7』の絆ドラマでは前述の横流しの一件で身代わりとなった水恵が病院の海外派遣制度を利用して海外へ旅立つ日が近いことを思い出し、見送りたいという願いを春日に吐露したが、春日の伝手によって異人町の新人ホステスの双葉が水恵であることや同時に家庭の事情ではなく、私欲を動機に薬の横流しをしていたこと、自身が庇ったことに味を占めて罪を重ねた挙句に逮捕の末に失職したことなどを知ることとなった。それでも春日たちを傷つけまいとあえて騙された振りをし、「海外に旅立つ看護師を演じた水恵」と偶然を装って再会を果たした。その後、春日に対して気遣いの上で動いていてくれたことに感謝を述べた。
『8』では、日雇いなど転々としていたが、派遣社員として医療器具メーカーにて検品作業の仕事に就いており、春日や足立たちとの交流も継続しつつも慎ましくも穏やかに暮らしていた。しかし、告発系動画「多々良チャンネル」により春日が告発されたのと同時期に表向きは「契約終了」という形で春日、足立共々失職。ただ、自身が失職したのは、春日が嵌められたことによるモノであり、春日や足立のことは一切責め立てするつもりもなく友情に変わりはないと語った。
春日から面倒見を託された足立が面倒を見ようと自身の会社で雇っていた元極道の佐々木が、失職後に横浜星龍会の門を叩いたとの情報がもたらされ、春日・足立と共に星龍会事務所に乗り込んだ。佐々木の安否と星龍会のごみ処理施設を目の当たりにし安堵したが、そこでかつての宿敵だった元荒川組若頭・沢城と出会う。2人で会うという春日を心配し、足立と共に平安樓まで付き添った。その後、しばらくして足立と共にハワイへ発ち、春日たちに合流する。しかし、元看護師としての目線から桐生の病状を知り、また花輪をはじめとする仲間たちからも療養するため帰国して欲しいと懇願され渋々了承した桐生に付き添う形で共に帰国する。それ以降は、春日の自宅を拠点とし、桐生の存在を聞き駆け付けたソンヒ、助力を求めた紗栄子と共に桐生と行動することとなった。さらにソンヒの招きで趙も加わり、海老名との最終決戦まで日本における桐生の活動を支えることとなる。
『8』の絆ドラマでは失職の経緯が語られている。医療器具メーカーを退職する前、仲間たちが送別会を開いてくれたが、退職理由の真意を知らず、皆、ナンバのクビを知り嘆く一方で、明日は我が身と内心不安を感じていた。そんな折、作業員時代に面倒を見ていた雅から会社ではナンバがクビになった理由が説明され、看護師時代に病院の薬を横流していたという過去が原因だと聞かされた。そのことで、春日の告発動画が原因で自身の失職に繋がったと考えていたが、果たして本当なのか疑問に感じたが、雅からの話を聞いて、その疑問が確信に変わった。それは、元々は重役秘書をやっていた雅が突然、検品作業に異動となりそれから間もなくナンバはクビになった。元々、雅は秘書をしていた重役からセクハラ被害を受け会社に訴えたが、その重役は減俸処分だけで済んだが、これ以上打つ手なしと踏み重役からの報復として異動となった。慣れない仕事でミスを連発している所をナンバに助けてもらい、偶然、それを目の当たりにした重役が彼女への嫉妬で、ナンバの過去の事例を引き出しクビにした。たまたま訪れていた伊勢佐木異人町でその重役・側近と会い、クビにされたことをネタにナンバを挑発し先に手を出させようとしたが、その場にいた桐生に思い留まらされた。シビレを切らし襲い掛かるも、桐生とナンバによって撃退、許しを請おうと土下座して謝罪した。自身がクビになったのは、過去の自身が犯した過ちが原因だったことが分かり、春日のせいにしなかったことを心から安堵し、桐生とグラスを傾けた。
向田 紗栄子(むこうだ さえこ)
声 - 上坂すみれ
伊勢佐木異人町にある野々宮がオーナーを務めるキャバクラ店の雇われママ。常にベージュのミニスカートに同色で全体縁とポケット縁、袖口が黒のジャケット、中には黒のキャミソール、金のネックレスにピンヒールの高い黒のパンプス姿をしており、髪型はボブショートヘアーで常に右耳に髪の毛を掛けている。春日に対して聞こえないほどの小声で「ありがと」というなど素直になりきれないシャイな一面や春日たちに夜食を振る舞うなど料理好きな反面、上半身裸の春日を目の前にしても「男の裸は見慣れている」とうろたえることもなく自身もバスローブ一枚の姿のままでいるなど男っぽい一面がある。春日と足立から「ツンデレだが本当は優しくて照れ隠しをしている」と茶化されたこともある。また、買い出しに行く際にはナンバや春日を誘うなど非力と見れる一面があり、ナンバからは「愛情の裏返し」だと誤解を受けることもあってナンバからは好意的を寄せられているかのような発言もあるが、自身は春日に好意を寄せているような節も見せている。以前は同店に勤めるNo.1キャバクラ嬢だったと自負しており、春日やナンバ、酒豪の足立らと酒を共にしても「寝酒程度」と豪語し、足立が「あんな酒に強い女見たことがない」と敬服するほどのかなりの上戸[注 9]であり愛煙家でもある。また、春日たちからは「サッちゃん」や「紗栄子」と呼ばれている。バトルスタイルは持っているハンドバッグによる殴打のほか、様々な美容器具を用いて敵にダメージを与えつつ追加効果を与えたり自己強化を行う。
我が強く教育熱心なところがある故に病弱かつ寝たきりの母親に頼られていたためや稼ぎが少ない父親を助けるために中学卒業後はバイトをして家計を助けていたが、「家族の家計を支えている」という信念の元で母が亡くなってからいっそうその想いが強くなり、正反対の性格であった菜乃葉に苦労することなく安定した生活を送ってもらいたいという一心で進学や就職に口出しをした挙句に双子の妹である菜乃葉の彼氏の桂川に対してまで必要以上に口出しをしてしまったことで菜乃葉の怒りを買い、またそれがきっかけで「自分より稼ぎが良い」という肩身の狭い思いをしていた父親からも反論できずにいた反動から泣き出され、自分が家族から疎まれていると気付いて7、8年前に家を飛び出す。その後、桂川が元暴走族かつ星龍会に出入りする半グレであることを知ってずっと気に掛けており、家を飛び出してからも菜乃葉とは連絡を取り合っていたが何かと理由を付けて対面は果たせずにいた。馬淵たちに殺される直前の野々宮と電話で話していたが、そこで犯人が馬淵である可能性が高いという証言を電話越しに聞いており、野々宮の死に不満を持ったことがきっかけで野々宮の葬儀で春日たちと出会う。その後、厄介者と知りつつも殺された疑いがある野々宮のことを「自殺」としてロクに調べようともしない警察に憤るのと同時に自分の非力さを嘆いていたが、春日たちに「一緒にやろう」と言われたことに喜悦してそれ以降は常に最後まで行動を共にすることになる。また、菜乃葉との問題が解決した後は連絡は取らない方が良いと思い、今後は店のキャバ嬢たちから様子をうかがって彼女のことを把握することに決めた。
また、サブストーリーでは店のキャバ嬢たちの調べで菜乃葉が桂川と会っていたことやヨリを戻そうと言い寄られていたこと、桂川の目的が菜乃葉が乙姫ランドで働いて稼いでいることを知った上で経営するコンサル会社の業績不振と言い寄って金を騙し取る[注 10]ことなどを知り、これ以上は菜乃葉が金を取られたり酷い目に遭わないように春日の助言で菜乃葉に成り済まし、「別れることと返金」を迫りに桂川の元へ春日と共に会いに行ったが桂川に拒否される。その後、桂川の日頃の行いに不満を持っていたことに加えて密かに菜乃葉に想いを寄せてきっかけがあれば助け出したいと思っていた山下が味方に加わり、結果として春日共々桂川の怒りを買って襲われたが、春日と山下の助けもあって逆に桂川を懲らしめることに成功する。その後は山下が「桂川は事業を失敗して街を出た、借りていた金は預かっている」と菜乃葉に伝えて返金したことで何とか騒動を収め、また山下のことを「とりあえず合格」と認めた。また、最後の最後まで菜乃葉の幸せを願いつつも菜乃葉に知られないように動いていたことや「自分が父親のためにソープで働いていたことは姉は知らない」という菜乃葉の気持ちを知らないということを隠し通して会わないことを決意した。
『8』では、過去に勤務していたキャバクラのオーナー・野々宮勲の後を引き継ぎ、キャバクラ・シルキークイーンのオーナー兼キャストとして働いている。『7』とは違い、落ち着いた濃淡グレー基調のチェック柄上下スーツに黒タイツ、金のネックレスにピンヒールの高い黒のパンプス姿をしており、髪型は変わらずボブショートヘアーで常に右耳に髪の毛を掛けている。半年ぶりに春日たちと会うことになり、久々の再会に酒席は大いに盛り上がった。帰り際、春日からデートの誘いを受け日を改めてそれを受けた。デートでの別れ際、突然春日からプロポーズされたが、自身が思い描いていたこととは異なり、遠回しに返答を避けてその場を後にした。春日は怒らせたものだとばかり思っていたが、その弁明をすることなくお互いに気まずい雰囲気で別れたため連絡も取れずに1年が過ぎる。その後、春日がハワイへ飛びだったことも知らずにいたある日、いつも通り自身の店でキャストとして出勤していたが、突然ナンバとソンヒがお店を訪れたところで桐生と再会した。『7』では、一切名前は明かされていなかったが、既に桐生のことは知っている素振りだった。ナンバから春日がハワイへ向かったいきさつと経緯、桐生の病気のことを知らされ、桐生に悔いの残らない時間を過ごして貰うためにナンバから協力を依頼され快諾し、それ以降は常に桐生たちと共に行動しサポートを続けた。そんな折、どうにか春日たちは茜とラニを連れて帰国し、伊勢佐木異人町のホームレス村で再会を果たした。2人で話す機会もあったが、何となく気まずい状況となり、挨拶を交わしただけでその場を後にした。その後、日本とハワイの二手に分かれることとなり、桐生たちと共にミレニアムタワーへと向かうこととなる。騒動終結後、皆でサバイバーで酒宴を開いていたが、その前に春日と2人キリになる状況の中、弁明しようとウジウジする春日に「男になれ!」と一蹴。意を決した春日より1年前の謝罪をされ、1年越しの告白を受け快諾した。しかし、期待させるような物言いの春日より何かしらのプレゼントをされるモノだと胸を高鳴らせていたが、見せられたのはハワイで春日が密かに作った「I LOVE SAEKO」と描かれたTシャツであったため[5]、一瞬にしてドン引きする結果となり、足早にその場を去った。また、自身には現在、結婚願望はなく稀に客から結婚を前提として口説かれることもあるが、双子の妹・菜乃葉の結婚を気に掛けている。ある日、お客として伊勢佐木異人町で経営コンサルを運営している社長が来店。何度目かの来店時に同伴指名を貰いそれを受けた。それ以来、自宅や店には大量のバラが届くようになり悪い気はしないが複雑な感情を抱いていた。ある日、スタッフからキャストが引き抜かれているという連絡を受けた。御法度とされるも不景気の煽りで致し方のないことだと思っていたが、自身に結婚をチラつかせていた社長が裏で一枚噛んでいるという話を聞き、居ても立っても居られず真相を確かめるためにライバル店へ向かった。そこで、ライバル店店長と社長が大学サークルの先輩・後輩という関係で、後輩であるライバル店店長が粒ぞろいのキャストが揃っている紗栄子の店からキャストを自身の店に引き抜くために、紗栄子を口説き落として結婚するという話を広めれば、紗栄子を慕うキャストからの信頼を崩すことで引き抜けられるきっかけを得られると踏み先輩である社長に頼んでいたということが発覚。下衆野郎と罵りライバル店店長やライバル店スタッフに襲われそうになるも、駆け付けた桐生と共に撃退した。社長からは、当初は後輩の言う通りに遊び半分という気持ちで受けたが、紗栄子に本気で好意を持つようになりその場で花束を手にプロポーズの言葉を受けた。しかし「くだらない長話」だと一蹴。後輩に二度と店に近づかないよう、キャストの引き抜きなどの嫌がらせをしないこと。もし同じようなことをしたら総力を挙げて徹底的に店を潰しに掛かり、異人町から追い出すことを伝えるよう言い放ち、かつ、社長にも二度と店に来ないことを言い残し桐生と共にその場を去った。騒動後、サバイバーで桐生に語ったのは、春日からのプロポーズも社長からのプロポーズも共通していたことが「損はさせない」ということであり、自身が望んでいた言葉とは違うことをこぼした。桐生からは自分が答え合わせをする立場にはないと言われつつも「限られている時間の中で苦い別れをそのままにするのはお勧めしない」と年寄りの戯言だと言われ「おじいちゃんの話を聞くのは得意」と返したが、ジジイ扱いしないで欲しいと苦笑いされ、「限りある人生を楽しむ、この一瞬に」2人でグラスを合わせた。ナンバ・ソンヒ・趙同様に、桐生の素性を知った上で常に敬称と敬語で、敬意を持って接していた。またライバル店店長を返り討ちにした姿を見て「自分の出る幕はない」と語ったり、春日に「歴戦のキャバ嬢を怒らせた」と言わしめるほど、桐生から一目置かれており、紗栄子もまた、常に敬称・敬語で話すことから桐生に対しては敬意を持って接している。キャバ嬢としての能力も買われ、エンディングノートで神室町を訪れた際、偶然見つけたフォーシャインTOKYOの新装オープンの手伝いを懇願され呼び出しに応じたが、そこへ行くと出版した本を熟読するほど憧れていた伝説のキャバ嬢として名を馳せたユキ・小雪と初対面し発狂。共に店を回せることに光栄だと懇願し桐生の協力要請を快諾した。
足立 宏一(あだち こういち)
声 - 大塚明夫
元・神奈川県警刑事。63歳(『8』時点)。グレーとカーキ2色のスニーカーに濃いベージュのチノパン、白いTシャツの上にドカジャン風の茶色いファーの付いた青い革ジャンを着ており、指無し革手袋をはめ白髪交じりのオールバック調の髪型をしている。春日が刑務所勤めを終えてから初めて出会った「仲間」でもある。
元刑事だけあって法律に詳しいが、道路交通法については部署柄なじみが無かったためかアヤフヤな部分が目立つ。また、無類の酒好きでありコンビニで購入したカップ酒を好んで飲み、行きつけの「サバイバー」のマスターに内緒で店に持ち込んで飲んだりアジトへ帰る時や一旦落ち着くたびに「一杯やろうぜ」と誘うほどであるが、「あんな酒の強い女見たことがない」と息巻くなど紗栄子の酒豪っぷりには一目置いている。白の5ドアタイプの軽自動車を所有している。常に金欠で、酒を購入する金も無い時は水を飲んで誤魔化していた。ビールも大好きだが、健康診断で尿酸値に引っかかってからは数値が下がるまで控えるようにしていたが、その結果を知る前に無職となってしまい、成果を把握することはできず、さらにその直後に春日たちが一斉にビールをおかわりし始めたため、結局ビールを飲んだ。
性格は豪快だが天然めいたところがあり、うっかり失言をしては周囲に怒られることも多い。また、警視庁組織犯罪対策第四課の刑事である伊達真とは先輩後輩の間柄であり、数少ない信用できる警察仲間とも語っており伊達のことを「まこっちゃん」と呼んでいる。女性とのデートに関しては、普段体験できない特別な1日を演出することにこだわっており、春日が紗栄子とデートすることとなった際は独自の見解でアドバイスしている。戦闘では柔道や力技を活かした逮捕術を用いる他、敵を挑発して怒り状態にさせて自分だけに攻撃するように仕向けることができる。
20年前に担当していた事件の真犯人を巡り、当時の神奈川県警本部長だった堀ノ内に楯突いたことで免許センター職員へ理不尽な左遷を受けてしまう。その後、堀ノ内への復讐の機会を窺っていた時に荒川から堀ノ内へ賄賂が流れていたことを突き止め、荒川組組員だった春日に協力依頼するために春日の出所時に出迎える形で出会ったが、春日と荒川を会わせるために神室町の平安樓神室町支店に忍び込もうとしたことがバレてしまう。その後は建造物侵入や傷害、公務執行妨害で逮捕と送検はされなかったものの懲戒免職を受けて定年間近で無職になってしまい、さらに春日が撃たれて行方不明になり一旦はぐれてしまう。
その後、春日が伊勢佐木異人町で一命をとりとめて難波と共に住所を得た頃、渡してあったスマホのGPS[注 11]から春日の居場所を探し当てて合流し、以降は再び堀ノ内への復讐のために行動を共にすることとなる。その後、戦いが終わった後は沢城丈が荒川組本部に残したデータにより近江連合が堀ノ内へ送った賄賂を暴くことに成功しており、堀ノ内を呼び出して連行し勝利宣言を突き付けた。
また、サブストーリーでは20年前の事件において誤認逮捕をして釈放させてやることができずに獄中で自殺してしまった久住への遺憾の念と罪滅ぼしから施設に送られた久住の息子である隆史に送金していることや本名を名乗っては「父親を誤認逮捕した刑事」と疎まれて受け取りを拒否されると思って「社会貢献が趣味の資産家・山田」という偽名で送金していること、弁護士を目指して司法試験に合格するまで送金しようと決めていたことが判明し、そんな中で「高級外車に傷を付けてしまい修理費100万円が必要で用立てて欲しい」という手紙を受け取るが春日の助言により詐欺だと睨んだ。その後、隆史と車の所有者である長谷川とサバイバーで会う約束をしたが、話があやふやだったために詐欺だと見抜き、異人町の牛丼屋で春日と食事中に偶然居合わせた隆史と長谷川の2人がグルで金を巻き上げようとしていたことを知るに至る。その後、長谷川に襲われるが返り討ちにした。そして現れた「本物の隆史」と会い、隆史だと思い込んでいた男は隆史と共に弁護士を目指して勉強していたルームメイトの康介であることや康介が司法試験を諦めてチンピラ連中と付き合うようになったこと、隆史に成り済まして仲間から詐欺話を持ちかけられて足立から金を騙し取るためにやっていたことを知る。その後、隆史から山田が自身であることは以前から気付いていたことや司法試験に合格したことを聞かされ、さらには何より最後まで父親の冤罪を信じて釈放を訴えて動いてくれていたことを感謝された。
『8』では63歳。『7』と同様の井出立ちだが、会社時はグレーのチェック柄スーツ上下に、ノーネクタイ、淡いブルーのYシャツ。ハワイではヤシの木が描かれた白いTシャツにチノパンという姿。横浜・伊勢佐木異人町において「足立調査代行㈱」を立ち上げ代表として活動している。主に防犯に特化しており、自社を足掛かりとして調査・警備・それらについてのコンサルを一手に引き受けるグループ企業にすることを目標に日夜勤しんでいる。ある日、銀行から一方的に融資打ち切りの連絡が入り、立ち行かなくなったため会社を畳むことになってしまった。ちょうど同じ頃、春日とナンバも一方的にクビを切られ失職。告発系動画「多々良チャンネル」において、「ハマの英雄」として名を馳せていた春日に関するガセ動画が配信されそれらが影響したモノだと推測し、春日から土下座で謝罪されたが、足立もナンバも春日が悪いとは微塵も思っておらず、むしろこういう逆境は慣れていると鼻で笑った。そんな折、4年前の近江連合・東城会大解散により社会復帰できずに苦しんでいた大量の元ヤクザたちが、こぞって横浜星龍会の門をくぐり極道に復帰しているという情報を掴み、その中に春日の紹介で自社で雇用を約束していた、元横浜樋渡会の佐々木の姿も確認され、真相を確かめるために春日・ナンバと共に星龍会事務所に乗り込んだ。佐々木の安否と星龍会のごみ処理施設を目の当たりにし一度は安堵したが、そこでかつての宿敵だった元荒川組若頭・沢城と出会う。2人で会うという春日を心配して、ナンバと共に平安樓まで同行。沢城からの話で春日が実母・茜に会うため、ハワイへと出発する際、ナンバと共に見送った。その後、トラブルに見舞われがちな春日の安否を心配し、ナンバと共にハワイへ出発。ちょうどガンジョーに乗り込み、山井一派との争いで桐生を人質に捕られ応援を必要としていた春日・トミザワ・千歳たちと合流した。ナンバが同行する形で桐生が療養のため帰国することになったが、自身は引き続き春日たちをサポートするためハワイに残り常に行動を共にした。その後は帰国するものの、最終決戦を直前にして再度二手に分かれることとなり、春日、トミザワ、千歳、ハン・ジュンギと共に再びハワイへ渡りネレ島に上陸。度重なる乱闘の果てにブライスを打ち倒し、警察に身柄を引き渡した。
なお、ハワイへ降り立った後、春日たちとの行動と並行するようにハワイへ移住した知り合いの行方も追っていた。現役警察官だった頃に担当した事件の被害者の娘であり、ナイトストリートで宝石販売店を経営していると突き止め会いに行ったが、当時の事件のことで嫌悪感を抱かれてしまい門前払いされてしまった。しかし、怪しい動きをする一味が客を装い店内にいることを確認。どうにか未然に防ぐためにもそのことを伝えたいと思い、意を決して春日と共に再び店を訪れたところで怪しいと睨んだ一味と遭遇。慌てて店内を確認した所、予感は的中し宝石が強奪された後だった。春日が一味の足止めに掛かり、強奪が明るみに出たところで襲撃されたが共に返り討ちにした。過去の事件を未然に防げなかったことを改めて詫び、また強奪を防げたことで、双方、わだかまりは無くなった。
鎌滝 えり(かまたき えり)
一番製菓の社長。経営者としての腕前は高いが、想定外のことに対面すると動揺してしまうなどメンタルが弱いところがある。戦闘では事務用品を武器にさながら忍者の如き身のこなしで戦い、攻撃範囲の広い技や状態異常を付加する効果を持つ技を多く持つが、自身は気絶に弱いといった弱点を抱えている。
亡き父の跡を継いで会社を切り盛りしていたところを宝生の口車に乗って会社の財産の大半を騙し取られてしまい、それでも会社を存続させようと奮闘するが、倒産寸前にまで追い込まれて巻き返しができず、さらには相談相手だった野々宮までも殺害されたことを春日たちから聞いてしまい、強いショックを受けて倒れてしまう。その後、春日たちの助けで目を覚ました後は店を畳もうとしたが、自身に同情した春日とニックが会社の立て直しに協力すると申し出たことで自身は秘書として春日をサポートする立場に回り、春日たちと共に一番製菓を立て直していく中でかつて自身を陥れた張本人である宝生と対面する。最終的には宝生を倒して横浜最大の企業の座を勝ち取った。その後は改めて自身の店を救ってくれた春日に感謝し、一番ホールディングスを世界一の企業にするために経営を続けて欲しいと懇願した。また、春日に助けられた恩返しをするために春日たちの戦いに参加する決意を固める。『8』では一番製菓の社長に就任し世界中を飛び回っていることが明かされた。
荒川 真斗(あらかわ まさと) / 青木 遼(あおき りょう)
声 - 鳥海浩輔[6]
『7』に登場する荒川真澄の一人息子。生後間もなく重い低体温症を患ったことにより車椅子の使用を余儀なくされており、春日一番は真斗の世話係をしていた。春日をこき使ったり、荒川組の組長である父親を見下すなど極道の存在を嫌悪しているものの、拳銃や日本では使用が禁じられている薬物を常に所持していたり、父の金を托みに遊びで常軌を逸した散財を行うなど自身の思想とは矛盾している行為を行なっている。
2000年の大晦日に行きつけのキャバクラで後に警視総監となる堀ノ内とひと悶着を起こすが、この直後に自身が想いを寄せていたキャバ嬢の夢乃が陰では堀ノ内を慕いながら真斗をこき下ろしていた様子を目撃する。それで自暴自棄になって街を彷徨っていた時に絡んできた東城会系直系坂木組組員の鈴森を射殺してしまうが、これは父の真澄が手を回して春日に身代わりを頼んだことで真斗自身は難を逃れた。
その後については対外的(出所後の春日含む)には病状の悪化で死亡したとされていたが、実は死亡していたのではなく、留学先のアメリカで肺の移植手術を受けて持病を完治させている。同時に「ヤクザの息子」としての立場が自身の足かせとなることを厭い、荒川組の力と金を使って引きこもりの青年「青木遼」の戸籍を買って別人になりすまし、元の「荒川真斗」は死亡したという噂を流していた。
「青木遼」となってからは裏社会との太いパイプを持ち、金銭的に恵まれながらも幾多の挫折を味わった経験から「表の力」すなわち人気を渇望し始め、表では清廉潔白な人物を装いながらも、裏ではわずかでも自身にとって不確定要素となる者を始末したり、身内を平気で手駒にして利用するなど手段を選ばない性格になっていく。この性格は権力を手にするにつれてエスカレートしていき、荒川や春日からは「一度どん底に落ちなければ破滅してしまう」と危惧されていた。
「表の力」の象徴として東京都知事となる遠大な計画を立て[注 12]、手始めに帰国後に留学中に知り合った小笠原肇と共にブリーチジャパンを創設。若年層の支持を得つつメディアにも積極的に出演し、その人気を全国的なものにしていく。2010年の参議院議員選挙に民自党公認候補として初出馬・初当選を果たした後は2017年に東京都知事選挙にも立候補し、当選。そして当選してすぐに「神室町3K作戦」[注 13]を実施し東城会を壊滅させ、政治家としての人気を不動のものにした。東城会を壊滅させた神室町には「神室町の治安維持」の名目で警察にも手を回しつつ近江連合を呼び込み、自身の手足のように使っていた。
ここまで上り詰めてもまだ自分に屈しない権力者として民自党幹事長である荻久保を残していたが、荻久保の弱みが伊勢佐木異人町にあると睨んで警察、近江連合、ブリーチジャパンという手駒を使ってコミジュルのアジトを襲撃、荻久保の生命線である偽札事業を壊滅させることに成功。一気に力を失った荻久保の代わりに若さでも現職都知事との兼任としても異例の民自党幹事長に就任、民自党をも影響下に置く。
最後に残る障害として春日たちとその協力者である星野龍平、ひいては父親の真澄をも一掃するため、近江連合と東城会の同時解散によって浮足立つ近江連合残党に「東京近江連合」代表の椅子をちらつかせることで石尾田や沢城、天童に外部からミラーフェイスといった面々を刺客として差し向けるが、これらはことごとく失敗し、石尾田・ミラーフェイスを捨て駒にしたビルごとの爆破さえも生き延びられる。さらには衆院選の民自党立候補者への応援演説に乱入してきた春日に「沢城に真澄の殺害を依頼した音声データが荒川組事務所に残っている」というブラフを流され看過できなくなり、天童らを差し向けて荒川組事務所を探させる。
天童に荒川組事務所を探させている頃では自らが幹事長を務める民自党の衆院選での選挙結果の速報会見に臨んでいたが、その席でニック・尾形による「青木遼に逮捕状」という偽のニュース[注 14]や自身が「荒川真斗」であることを暴露されたことで動揺し、荒川組事務所に自身も乗り込む。
事務所に到着した時点では天童の足元に春日たちが倒れ伏している状況であり、天童から「音声データは存在しなかった」と聞かされたために春日たちの殺害・死体の処理をその場で命じてしまう。しかしこれは春日および離反していたミラーフェイスによる芝居であり、このシーンを物陰に隠れていたハン・ジュンギと紗栄子に録画されネット拡散されてしまう。逆上して春日たちと対決するが護衛を全て倒されて逃走し、追いかけてきた春日に単身決闘を挑むも死闘の末に敗北する。その後、駆けつけてきた警官に取り囲まれるが銃を奪い警官の一人を人質に取ってなおも逃走し、新宿駅のコインロッカー前まで逃げ延びる。
コインロッカー前まで追ってきた春日には堀之内と夢乃にまつわる顛末を自嘲気味に吐露し、拳銃で自殺を図ろうとするが春日の必死の説得に思い留まって自首を決める。しかしその直後に自身が騙して唆してきた久米に刺されて致命傷を負い、今わの際に春日に対し「お前は生きろよ、イチ」と告げ、「どん底からやり直すか、いいもんだよな」と春日の望んだ未来を肯定し息を引き取った。
『8』では沢城の回想にて星野の殺害予告を把握し別の人物に星野の殺害を依頼し沢城にその身代わりになるように指示したことが明かされた。
三田村 英二(みたむら えいじ)
演 - 成田凌
春日がハワイに向かう途中で出会ったフリーのエンジニア。足が不自由で車椅子を利用している。星龍会解散と同時に移行が発表されたNPO法人ブリーチジャパン副代表。
呼称は「三田村」、春日の仲間たちからは「英二」と呼ばれていたが、春日は一貫して最後まで「エイちゃん」と呼んでいた。
当初は春日に協力しながら同行し、トミザワに襲われた春日の無実を証明するなどしていたが、大道寺一派のセーフハウスから密かにドレイトに連絡しようとしたところを千歳に阻止され、三田村は海老名の指示により、春日たちに近づき仲間のふりをして内通することと海老名の名代としてパレカナとの交渉に当たるためにハワイに送られたこと。春日の心情に付け入れ信用を得るため、生まれつき体が弱く車椅子が手放せなかった荒川真斗の付き人をしていたことを事前に調べ、リドカインという局部麻酔を使用し自ら下半身を麻痺させ車椅子で行動することで荒川真斗と同じ境遇を作り出していたことを千歳が暴露した。結果的に常に春日の行動は海老名らに逐一報告され、一方の春日も一連の行動が暴露された後も半信半疑になるほど三田村に対して信用と好意を持っていた。
前職は元東都新聞政治部記者。記者当時、警視総監と荒川組の癒着を追うため日夜取材を続けていたが、当時の荒川組にとって目障りな存在になるほどの優秀な記者として名を馳せていた。しかし、それが荒川組にとって障害になると分かるや否や、偶然を装い、荒川組の息のかかった人間を夜道を運転中の三田村の車に飛び込ませ、人身事故を引き起こさせた。荒川組の仕業だと主張するも決定的な証拠もなく、幸い軽傷と軽度の過失ということで罰金刑で済まされたが、そのことが発端で失職。失意の中で、ヤクザ根絶を目標に掲げ、ヤクザに自身の人生をメチャクチャにされ復讐を誓う自身の思惑と一致することから、当時、青木遼が立ち上げ全国に勢力を拡大しつつあったブリーチジャパンの活動に参加することになる。青木に目を掛けられるほど目まぐるしい活躍を見せ、東京支部長にまで上り詰めた。
ブリーチジャパン解体後、近江連合・東城会の大解散後に、「元暴5年条項」に苦しめられながらも社会復帰を目指す元ヤクザたちをさらに追い詰めるため、同じくヤクザにより人生を翻弄され完全根絶を目指す海老名に同調。沢城の殺害容疑の真相を調べ上げることで海老名の信用を得、彼の謳う第二次大解散を担う一旦として呼びかけに誘われる形で結託。その後、千歳が運営する「多々良チャンネル」に目を付け、徹底的に千歳の素性などを調べ上げた上で、自身の取材を基に描いた台本と演出を提供する名目で近づき、千歳と共に成功者の数々の不正を暴く告発系動画を次々と配信し。いつしか観覧者と支持を増やして行き他メディアも無視できない存在にまでなった。しかし、それは本来の目的でもある「ヤクザ根絶」を達成するための地盤作りでしかなく、ある時を境に台本の演出が変わり始めたことに千歳は違和感を感じパートナー解消を申し出てきたが、海老名の名をチラつかせ千歳の出自を暴くと脅して渡してきた台本こそが、春日が標的にされた動画のモノで、自身の秘密が家に知られることや相談できる相手もいない千歳にとって三田村の命令に従うしかなかったが、花輪やウォンを死に追いやったこと、茜やラニにも危険因子を与えてしまったことを悔やみながらも、身を挺してラニを守ろうとする茜の姿に改心した千歳に裏切られる格好となった。
千歳による暴露の直後、セーフハウスにバラクーダ構成員が踏み込んできた際に助け出され、第5地区付近にあるクラブ・ギルティに潜伏。しかし、密かにGPSを入れられ、居場所を特定していた千歳によって春日たちに居所を知られることになり、バラクーダ構成員を嗾けるも撃退された。混乱の中で、催涙ガスを利用しラニを連れて再び逃亡、ドワイトと合流しラニを引き渡した。ドワイトと結託し、ブライスにより洗脳され送り込まれていたバラクーダ・ガンジョー・山井一派の構成員たちに春日たちを追い詰めさせるも再び撃退され、遠隔操作により現場を見ていたが、春日たちがその襲撃を乗り越える様に返す言葉もなく配信を切り、消息を絶った。
その後、国家プロジェクトとして動き出した核廃棄物処理の一環で、「社会復帰プログラム」としてハワイへ移送された元星龍会構成員と共に、ブリーチジャパン副代表としてブライスと対面。春日たちがブライス暗躍阻止のためネレ島へ上陸し、ブライスらを退けた後、千歳によるネレ島からのゲリラ配信によるずさんな放射性廃棄物管理と多々良チャンネルの真意も暴露されたことがきっかけに立場が逆転。動画観覧者や嵌められたヤクザたちから突け狙われるようになり、負傷を抱えながらも逃走。一抹の不安と恐怖を覚えながら、神室町の雑居ビル一室に身を潜めていた。そこへ突如、春日が現れ「逃げ切れるわけがない。手を貸すから出頭しよう」という申し出を突っぱねるも、それでも自らを陥れ酷い目に合わせた自分に優しく接し、ハワイで過ごした楽しかった時間を共有したことで、それでも「友達」だと接する春日の態度に屈服し、「罪を償って出てきたら、また一緒にハワイへ行こう。いつまでも待ってる」という春日の言葉を信じ、自らがやってきたことを心底悔やみ出頭を決意した。また局部麻酔により下半身不随を装っていたが、負傷して本当に歩行困難になった境遇を皮肉だと感じながら、春日の手を借りて、動画を撮ろうとする野次馬たちの囲みを切り抜け、新神室署へ出頭した。
エリック・トミザワ
演 - 井口理King Gnu
ハワイ在住の父親が日本人、母親がアメリカ人の日系人のタクシー運転手。紫色のアロハシャツにデニムのハーフパンツ、サンダル、銀縁眼鏡に無精ひげ、両耳にピアスという井出立ち。涅槃岸に潜入する際はタキシードに身を包み、慣れぬ格好に違和感を感じ続けていた。春日も当初は「トミザワ」と呼んでいたが、第5地区攻略後、千歳と行動を共にする頃から、千歳と共に「トミー」と呼ばれている。山井一派を離脱し、春日たちと行動を共にするようになってからは、山井からは「トミザワ君」と呼ばれている。
母親探しのためハワイを訪れた春日一番をタクシーに乗せたが、タクシー運転手というのは仮の姿で、ギャングチーム山井一派の手下の1人。山井一派の資金源にもなっているため、本来はタクシー運転手を装い、観光客からの金品強奪が目的であり当初は山井もトミザワもハワイ裏社会が茜の身柄確保に奔走していることは知らず、本来の目的である観光客からの金品強奪のターゲットが、偶然ハワイを訪れた春日だった。春日を乗せ、指定された場所へ向かう途中の町外れでタクシーを暴走させ、死角に入り込んだ際、春日に銃を突きつけ金とスマホを差し出すよう要求。しかし、多くの修羅場を潜り抜けてきた春日からは、本気で発砲する覚悟はないと見破られあっさりと銃を取り上げられ撃退される。封筒を返すよう言い寄るも、クランクションを鳴らすことで、巡回中の警官の気を引き封筒を飲み込んでしまう。おまけに春日をタクシー強盗だと言い張り警官に取り押さえさせようとしたが、その場に現れた三田村の機転により一部始終を保存していたカメラを見せることで春日の無実を証明。その場から逃げ出した。その後、三田村の家にいた春日の居所を突き止め、タクシーを押収されたお礼参りに山井と共に現れたが、失態を理由に山井から暴行を受け鎖骨を骨折しその場で気絶した。その後、茜のことを嗅ぎつけた山井一派が茜の家を訪れたところで春日と再会。再び、銃口を向けるが、打つ覚悟がないことは桐生からも見て取れた。その隙に春日に逃げるよう促すが、春日の説得により銃口を下ろし、山井に向かって発砲。春日たちと共に山井一派を退け、その場から逃げ追うせた。
山井一派からの離脱後は、ローマンに撃たれそうになった時に庇うなど、当初は常に他人に尽くす姿勢や考え方、それらの行動に疑問を呈することもあったが、徐々に春日の人となりに惹かれ、常に春日たちと行動を共にすることになる。戦闘はもちろん、ハワイ出身タクシー運転手という利点から、交友関係も広い上にハワイの内情や地理に詳しく、現地人との英語での会話、また動画編集の手伝いをするレベルのIT知識も持ち、春日たちの行動や言動に対して愚痴を言うことも多いが、否定することはなく渋々了承するなど、常に春日たちの行動をサポートした。春日たちが茜とラニを連れて日本へ帰国しようとした際、一度も行ったことがない父の祖国日本へ行くことを躊躇ったが、春日たちの説得により同行した。
来日後は、横浜・伊勢佐木異人町で療養のため先に帰国していた桐生たちと合流し、紗栄子、ソンヒ、趙と初対面。その後の行動も共にした。最後の戦いで、ハワイと日本二手に分かれることになり、春日、足立、千歳、ハン・ジュンギと共に、大道寺一派が用意したプライベートジェットで再びハワイへと向かう。
騒動が終結後、再び来日し、横浜・伊勢佐木異人町のサバイバーで春日、桐生を除く面々との会話の中で、パレカナ教祖に就任する決意を固めたラニと、ラニを支えるためハワイへ帰る茜に同行する形で、自身も過去にパレカナのフードバンクに世話になった恩を返すため、ラニと茜を支えるためにハワイへ帰国することになった。またドワイトを騙していたことや自身の素性を隠しながら同行していた千歳に対して不信感を拭えなかったが、動画編集の手伝いを渋々了承するなど、最後には和解し信頼がおける仲間として接するようになった。
かつては普通にタクシー運転手としてまじめに働き、マリーという意中の女性との生活や、マリーのお腹に宿した我が子との対面を楽しみに、慎ましいながらも順風満帆に暮らしていたが、10年前の2012年10月7日に不動産会社社長が乗ったタクシーが襲われ、現金が盗まれるというタクシー強盗事件が発生した。事件後、逮捕状を手にトミザワの家を訪れた警官によって、事件の首謀者として逮捕された。事実無根だと訴えるも、弁護士を雇えるほどの金もなく、ごねて15年、素直に認めて5年服役するかしか選択肢がなく、結果的に5年服役することになった。収監後、1度だけマリーが訪ねてきたが、ストレスにより、やつれ肌はボロボロ、お腹の子は流産してしまい精神的なダメージは相当だとうかがえる姿だった。それ以降マリーの面会は無く、服役後、自宅へ行くと彼女の私物が全てなくなっており消息も分からずにいた。しかし、マリーとの再会を諦めきれず、彼女の友人関係を当たったところ、ビーチでマリーらしき人物の目撃情報を掴んだ。それから間もなく、偶然、ビーチで彼女の姿を見つけ探りを入れたところ、一度、ハワイを離れたこと、また年上の近藤という海洋学専門の大学教授と恋仲になっていることを知る。近藤がどういう人間なのかを知るため、偶然を装い、近藤と接触、一杯奢るという名目で話をするチャンスを得た。会話の中で、自身はトーマスという偽名を使い、マリーの名前は出さず、偶然、同じ大学出身という呈で会話を進めるうちに、彼女の話にまで繋げて聞き出すことに成功。一見、ノー天気そうに見えるが目立った粗もなく近藤の人となりがうかがえ知ることになったが、近日中に2人でハワイを離れることも知る。自身も諦めがつくと高を括っていたが、別日に、春日とリボルバーで談話中、偶然、店の前を通り掛かり、トミザワの姿を見つけた近藤が入ってきて、先日のお礼に一杯奢らせて欲しいと懇願してきた。店に居づらくなり一度店を出ようとしたところで、近藤が歩行者と接触、謝りを入れてこないことに腹を立てケンカ沙汰寸前で、春日とトミザワが静止し撃退。ケンカ沙汰になれば勝敗にかかわらず恋人を悲しませることになると忠告し、もう関りを持つつもりはないと連絡先も教えず、その場を後にしようとしたが、実はその一連の流れは近藤がトミザワを試すために仕組んだモノだと知る。近藤は既にトミザワと会う以前に、トミザワの存在と境遇、山井一派に身を寄せていたことや過去の恋仲など全てを知っていた。それはマリーがハワイを離れるには心残りがあること、それがトミザワの存在であることから、全てを知った上で、一度はギャングに身を寄せていたトミザワの人となりを確かめるために危険を承知の上で行ったことだった。ケンカ沙汰になった際、恋人を悲しませるようなことはしないで欲しいと言ったことで、トミザワを立派な人だと賞賛し、一連の行動を見せるために連れてきたマリーと対面させた。マリーと会えたことで双方、心残りが消え、お互いの幸せを願い別れた。また、自身の身の上話を親身に聞いてくれた春日に謝意を伝え、リボルバーで一番高い酒を奢り、春日との絆がより一層深まるきっかけともなった。
不二宮 千歳(ふじのみや ちとせ)
声 - 伊波杏樹
『8』に登場する日本人留学生。旧財閥系の名家・不二宮家の令嬢にして不二宮グループの後継者。ハイネックのショート丈へそ出しの黒いシャツに黒のスウェット生地のようなズボンに白いスニーカー、首には2本のチェーンネックレスに左耳にはピアスが7つ、髪型はセミロングヘアをアップにし左サイドを編み込んだものだが、三田村との決別後は髪を切りショートヘアとなった。状況によって、胸元が大きく空いたミニ丈ドレスにピンヒール、白のブラウスに黒のパンツ、黒のパンプスに眼鏡、白のポロシャツにスラックスという井出立ち。帰国した際には、スカジャンのような黒の上着を羽織っている。一見派手な見た目とは裏腹に丁寧な言葉遣いや身振りから上流階級の人間であることが見て取られ、ドワイトもそれを見抜いて利用しようとしていた。春日や難波からは「チーちゃん」、そのほかのメンバーからは「千歳」と呼ばれており、時折、「不二宮家の令嬢」とも言われた。名家の令嬢ということもあり、もしもの時に備え全ての護身術を身に付けていたため、ある程度の修羅場を潜り抜けられる自負があった。
自身の家柄や規則、何より人目を気にして「家族愛」を強調しようとする父親に嫌気がさし、密かに告発系動画「多々良チャンネル」を開設、動画内で告発を促す「多々良ひそか」として活動していたが、観覧者も少なく本人も気晴らし程度でやっていた。そんな中、グループ傘下の不二宮海運が引き起こしたタンカー沈没事故の原因が、過積載で引き起こされたことを隠蔽しようとする父親の行動に不満を抱く。偶然見つけた隠蔽指示の文書をメディアに送り付けたが相手にされず、やけくそ半分で動画内で暴露。しかし、元々観覧数が少なく普段とは違う内容で毛嫌いされ観覧者も離れてしまい、事故も季節外れの台風のせいという自然災害により引き起こされた事故として扱われた。
そこへ元東都新聞記者でヤクザに人生を翻弄された三田村英二が、効果的に告発を煽る演出と台本をもって現れ協力を求めてきた。三田村の協力の下、言われた通りの動画を配信すると見事にそれが的中し、それ以降、成功者の「裏の真実」を暴くことで、徐々に観覧登録者数も増え、本人も真実を暴くということに優越感も覚えていた。一躍、他メディアも無視できない存在にまでなったが、その流れでタンカー沈没事故の隠蔽を指示された幹部が物的証拠を持って現れ動画内で公開。薄々、勘づいており、千歳の行動を無視することができなくなった父親の言いつけでほとぼりが冷めるまでハワイに身を潜めることになった。
ハワイに滞在していた際、茜の家でハウスキーパーとしてアルバイトをしており、当初は、消息を絶った茜から未払いのバイト代を摂取するため、茜の自宅を訪れていたが、偶然、母親探しとして訪れた春日一番と出くわした。警察沙汰になり、自身の身元がバレ、家に連絡されることを恐れるがあまり、春日に薬を入れた大量の強い酒を飲ませた上で全裸でビーチに放り出し、春日のパスポートと引き換えにバラクーダに助けを乞うため第5地区に逃げ込んだ。バラクーダ総帥ドワイト・メンデスの命により、ドワイトの下より逃亡したと見せかけ、同じく茜の所在を探るため、桐生、トミザワと共に第5地区に乗り込んできた春日たちとバラクーダアジト内で再会。当初は任務を遂行しようとするも、春日たちと行動する方が自分にとって理に叶っていると考え、ドワイトを裏切り、それ以降は行動を共にすることになる。ハワイの高級ホテル「涅槃岸」をアジトとするマフィア・ガンジョーが茜の情報を掴んでいると知り、ガンジョーの上層部や総帥ウォン・トーに会うため涅槃岸のカジノに潜り込もうとするも門前払いされたが、自身の不二宮家という立場を利用して潜入することに成功しウォン・トーとの接触に成功。結果的に真の黒幕がパレカナ代表ブライス・フェアチャイルドだということを知ることになる。ガンジョーの内紛だと勘違いし、ガンジョー壊滅を目論む山井の奇襲から逃れる形で一度は退散。山井に捕えられた桐生も助け出しウォン・トーの証言によりナイトスクエアでの目撃情報を頼りに茜とラニの行方を追っていたが、山井を慕うキヨと山井の協力により2人の保護に成功し、共に大道寺一派セーフハウスへ行った。しかし、海老名と結託し、バラクーダを背後に持つ三田村が2人の確保を連絡しようとしていた所を阻止。自分が脅されていたとはいえ三田村と共謀していたことを打ち明けことで、三田村の協力者だということが春日たちに知れ渡る。やがて、非力ながらも単身でラニを守ろうとする茜の姿に心を打たれ改心。バラクーダ襲撃の騒動の中、罪を償う意味も込めて山井一派アジトより拳銃を奪いバラクーダに連れ去られたラニと三田村の行方を追った。密かに三田村のバッグにGPSを仕込んでおり、第5地区にあるクラブ・ギルティに居ることを突き止め春日に知らせた。春日たちもラニ救出と三田村の行方を追って店にやってきた所で、店員に紛れ込む形で三田村に近づき、とっさの状況で拳銃を突き付けた。バラクーダ構成員に右腕を切られるも春日たちと共に撃退。一時、三田村たちを追い詰めラニを救出する寸前でバラクーダ構成員に強打され気を失うと同時に催涙ガスで逃げられた。
その後、茜の家でハウスキーパーをしていた理由が、三田村の命令により春日と接触するためであり、第5地区に逃げ込んでいたのも、三田村と共謀していたバラクーダとの接点があったからであることが判明する。また、春日たちと行動を共にしつつ、常に現状を報告していたことや春日を刑務所に入れるために全裸で放り出したことも含め、自身に置かれた身の丈を全て打ち明け謝罪した。しかし、春日からは荒川の遺灰が入ったペンダントだけは取らずにいたことを逆に感謝され、2人を救い出すために手を貸して欲しいと懇願され改めて行動を共にすることになる。
春日たちと日本に帰国し、最後の対決のためハワイへ渡る前夜、私利私欲のために不正を働いてまで海老名やブライスに協力する父親に非を訴えるため密かに奮闘。ハワイへ旅立つ直前に父親と2人きりで酒を飲む機会があったが、お互い気まずい雰囲気になり仕事の話ばかりだった。
ハワイ・ネレ島にてブライスを春日たちと共に撃退した直後、突然「多々良チャンネル」のゲリラ配信を始め、無造作に管理されている核廃棄物の現状を生配信しブライスの裏商売を日の下にさらすことで悪事は世界中に知れ渡った。さらには不二宮グループ会長である父親を出演させ現状を目の当たりにさせたことで、核廃棄物処理の運搬工作に不二宮グループの関連会社が加わっていた不正を全て暴き謝罪、退陣させることで、ブライスが最後の頼りとしていた「各国のケツモチ」の力をそぐことに成功。ブライスの野望は打ち砕かれるきっかけとなった。その直後、「多々良ひそか」が不二宮千歳であることを自らが出演することを公表し、社会復帰しようとしていた極道たちに対し理不尽な動画配信をして追い込んでいたことを謝罪した。
全ての騒動が終結後、春日たちと共に帰国。自ら不正を暴き退陣に追い込んだ父親の跡を継ぎ、グループ立て直しのため不二宮グループ会長に就任することを決意した。なお、春日が密かに想いを寄せている女性が紗栄子であることも見抜いていた。
多々良 ひそか(たたら ひそか)
チャンネル登録者数500万の動画配信者兼インフルエンサー。動画スタイルはいわゆる告発・暴露系とよばれるものと素顔を見せずアバターを使って出演するバーチャルYouTuberを組み合わせたもので、不二宮千歳が声優を担当していた[注 15]。春日に関するデマを流し再びどん底に落とし込んだ原因であり、ナンバと足立もその配信で職を失うことになった。また近江連合・東城会大解散後に元ヤクザの受け皿として堂島大吾・渡瀬勝らが中心となって設立された、警備会社も設立時の一連の裏取引を暴露され会社は廃業。堂島・真島・冴島も田舎の漁師町で身を隠すような生活を強いられることになった。暴露された当事者たちは「ガセ情報」ではなく「真実の情報」であったことから、全く反論もできずにいた。海老名と沢城による桐生生存の真実、星龍会解散とブリーチジャパン移行など要所要所でストーリーのキーマンとなる。
岸田 茜(きしだ あかね)
声 - 榊原良子
『8』に登場する荒川真澄が愛した女性であり、春日一番の実母。
『7』では若かりし頃の荒川真澄との関係を語られるのみで、回想シーンにおいて荒川との電話のやり取りでの声のみの登場だった。
氷川興産構成員だった若かりし荒川真澄と恋人関係にあった当時、お腹にはのちに春日一番とされる子を身籠っていた。荒川本人も茜と結ばれることを望んでいたが、荒川を高く評価し後継者にと望む氷川興産組長から、娘・氷川百合子との縁談を持ち掛けられた。しかし、荒川本人にその気はなかったが、氷川組長の意に反することもできず、密かに百合子とも関係を持っていた。ある日、茜との関係を認めてもらうため、無理を承知で縁談を断ったが、そのことで氷川組長の逆鱗に触れ、荒川と共に氷川興産から追われる身となった。追っ手から逃れる中で、当時、勤務していたソープランド桃源郷の一室で出産するが、捕まることを恐れ、生み落としてすぐ赤ん坊と共に逃亡。逃れる中で赤ん坊だけは助けたい一心で、喫茶アルプスに潜伏していた荒川に連絡し、神室町のコインロッカーで赤ん坊を引き渡す約束をした。赤ん坊をコインロッカーに入れた後、さらに逃亡を重ねる中で赤ん坊のその後を気にするも、迫りくる氷川興産構成員や氷川興産が放った殺し屋から逃れるため、意を決してフィリピン行きの貨物船に乗り込み密航を図った。
縁あって、自らの出身地でもあるハワイに渡り、ホノルルシティの海が見える郊外に居を構え、宗教団体・パレカナが運営する養護施設で施設長として働いていた。そこへ、当時荒川組と親交関係にあった、フィリピンマフィアからハワイでの目撃情報が荒川の下に届き、真意を確認するため沢城が現地に飛んだ。沢城が対面し、紛れもなく茜本人であることは確認されたが、自分は死んだものだとして欲しいと懇願し、荒川には「茜は氷川興産が放った刺客によって殺された」と沢城から伝えられた。しかし、里心が付き帰国して荒川と対面しようものなら、赤ん坊の取り違えにより、自身の非が明るみに出ること、また混乱を招く恐れがあることを危惧した沢城は密に連絡を取っていたが、荒川が極道大解散の混乱でこの世を去ることになり、荒川は最期まで茜の生存を知ることはなかった。また幾度かの手紙のやり取りで、コインロッカーに置き去りにした赤ん坊が、無事に生き永らえ桃源郷店長・春日次郎の手によって保護され、名前が春日一番であること、中学生時代の荒廃振りや荒川組の一員として身を寄せていること、18年服役して出所後の騒動のことも知り、わがままだと知りつつも会いたいという申し出を手紙で懇願していた。
ある日、残業をしていた深夜に小さな女の子が茜を訪ねてきたが、それがパレカナ正統後継者の証でもあるペンダントと前教祖が書いたとされる遺言状を持った実孫娘のラニだった。しかし、現教祖のブライス・フェアチャイルドの真っ当な振舞いから、にわかに本物の遺言状なのか疑問を持ち、ブライスに連絡を取ってしまう。急なこととはいえ真夜中だというのにすぐ向かうと返答したことで違和感を覚え、ラニとの対面でペンダントと遺言状を目にするや否や、ラニに銃口を突き付け殺そうとした。しかし、一瞬の隙を突いてラニを連れて逃げ出し、ナイトスクエアでタトゥーショップを経営するキヨの所に身を寄せていた。
その後、春日が自分を探してハワイを訪れていることを知り、40年ぶりに出会うことになった。その後、春日とその仲間たちに無事に保護され、春日と山井の協力の下、大道寺一派セーフハウスに身を潜めるも、三田村の裏切りにより、自身は負傷。ラニもバラクーダに拉致された。
その後、ラニは春日たちにより無事に助け出され、山井の協力の下、ラニと共に40年ぶりに日本へと帰国した。帰国直前、春日とゆっくり話す時間が与えられ、そこで沢城の手紙により、置き去りにされてからの生い立ちを全て知らされ、荒川と春日を残し、単身で逃げてしまったことを詫びたが、逆に春日からは「生んでくれてありがとう」と礼を言われ涙した。またその際、春日から荒川真澄の遺灰が入ったネックレスを受け取り、さらに涙を流して喜んだ。
日本に帰国後、横浜・伊勢佐木異人町のホームレス村でラニと共に匿われていたが、全ての騒動が終結後、ミリラニ家の正統後継者であるラニがパレカナ次期教祖に就くことを決意し、ラニを支えるため再び、ラニと共にハワイへと帰って行った。養護施設スタッフ曰く、40年という長期に渡り施設長を務めていたことで、自身が育てた子供は100人を超え「ハワイ一の子だくさん」と言われており、また養護施設やフードバンク以外にも街中の見回り活動なども積極的に行うことで、住民たちからの信頼も厚く茜の人脈によりフードバンクで提供できる食べ物も集まっていた。さらには茜を慕う子供も数多くおり、茜の影響でパレカナに入信する子も多くいた。春日からは「母ちゃん」「お母さん」と直接呼ばれた節はなく、常に「茜さん」と呼ばれていたが、砂浜で語った際に一度だけ、「一番」と呼んだ。なお、荒川と百合子との関係や、2人との間に子供がいたという事実を知らされる描写は描かれていない。

極道組織

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東城会

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近江連合

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跡部組

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『1』に登場した浅草の極道組織で、京香の実家。仁義を重んじており、組長をはじめとして昔気質の性格をした者が多い。

跡部 京三(あとべ きょうぞう)
跡部組組長で京香の父親。組の金を持ち出した京香を追うように組員たちに命令した一方で、娘に肩身の狭い思いをさせてきたことに負い目を感じていた。タカシと京香を部下に追いつめさせるが、これは2人を試すためであり(桐生曰く「組長の描いた絵図」)、最後はタカシと京香の独り立ちを花屋と共に見守り、京香を送り出す後押しをしてくれた桐生に感謝し、花屋を通じて謝礼の品を渡した。また、サブストーリーでは子供の頃の京香から妻をほったらかしにしていた当てつけで益子焼の夫婦茶碗を送り付けられていたことが判明する。
『2』ではタカシとの生活に苦労している京香に送金をしていることが判明し、『1』では顔の下半分しか見えていなかった自身の素顔も明らかになる。京香に「いつでも戻ってきてもいい」と進言したが、タカシに対する頑な思いを見て考えを改めた。
浅井(あさい)
声 - 勝矢秀人(『1』)、池田ヒトシ(『極』)
跡部組若頭。『極』にて名前が判明する。戦闘ではドスを使用し、『極』では主人公たちに似たドス捌きで戦う。組長の命令でデボラへ逃げ込んだタカシを追いつめたが、乱入してきた桐生に叩きのめされる。その後、タカシの中途半端さを指摘したが、タカシの「今は半端者だが頑張って京香を絶対に幸せにする」という決意表明を見て、組長からの伝言が書かれた手紙を読み上げた。
イチ / 吉川 一郎太(よしかわ いちろうた)
サブストーリーに登場した跡部組構成員。タカシのお目付け役として神室町を訪れたが、街に不慣れなせいか捜索もままならない最中に桐生と出会い、桐生にタカシと京香の捜索を依頼して組長から預かった夫婦茶碗をタカシに渡してくれるように頼んだ。その後、桐生から茶碗を渡してきたことと神室町を出ることを聞いたこと、京香の指輪とタカシからの強いメッセージを受けて[注 16]、協力してくれた桐生に感謝し神室町を「話に聞いていたよりもよっぽど人情のある街」と評した後に去って行った。

琉道一家

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『3』に登場した沖縄の極道組織。琉球街南のアーケード付近に事務所を構え、現地を愛する義理人情に篤い超地域密着型組織のために地元の人からとても慕われている。またアサガオがある住宅街は縄張り、かつ法律上正式に所有している土地であり、仲介人を介して居住者に又貸しして賃貸料を得ている。『8』では名前のみ登場。近江連合・東城会の大解散に続き、横浜星龍会が指揮を執り地方組織の解体を目指す第二次大解散に協力を促す組織の1つとして明かされた。

名嘉原 茂(なかはら しげる)
声 - 泉谷しげる
琉道一家組長[注 17]で、名嘉原興業の社長。60歳。刺青はハイビスカスシーサー(獅子)[4]。義理人情に篤く、沖縄を誰よりも愛している。土地買収の件で桐生と揉めて啖呵を切ったが、アサガオの土地買収による玉城組からの脅迫をきっかけに桐生の男気に惚れたことで和解して兄弟盃を結ぶようになる。一年後はCIAの介入によって再び土地買収の件を迫られて拒否したために権利書を奪われた挙句リチャードソンに銃撃されたが、手術で一命を取り留める。その後はアサガオを破壊した玉城によって闘技場へと拉致されて闘牛に襲われそうになるが、駆けつけた咲を目にしたことで力を振り絞って闘牛を投げ飛ばした。その後、力也を失った際には己の無力さを嘆くようになる。
島袋 力也(しまぶくろ りきや)
声 - 藤原竜也
琉道一家若頭で、沖縄と仁義を愛する熱い男。25歳。自身が「沖縄の魂」と称するほどにハブには思い入れがあり、素手の喧嘩を得意とする意味で「ステゴロのハブ」を自称し、背中にもシュロの葉を巻いたハブの刺青が彫られている[4]。また、確かな喧嘩の実力やチンピラをひと睨みで追い返すほどの極道としての凄みも持つ一方で、地元の人と気さくに喋ったり太一を立ち直らせるために覆面レスラー「リッキーマスク」を演じるなど地元の人やアサガオの子供たちからも慕われている。戦闘では素早い攻撃を軸に飛び膝蹴りやハンマーパンチを織り交ぜてくる。初めは桐生を敵視していたが決闘に敗れた後に和解して兄貴と呼び慕うようになり、名嘉原が撃たれて以降は真相を突き止めるために桐生に付き従って神室町で行動を共にするようになる。その後沖縄に戻り、そこで玉城に誘拐された名嘉原を救うために桐生の後を追って闘牛場へ駆けつけたが桐生を庇って玉城に撃たれてしまい、最後は涙する桐生の腕の中で「峯に負けないで」と言い遺して息を引き取った。
背中のハブの刺青には目に色が入っていない。これは当時の彫師が仕上げ前に亡くなり、沖縄の魂を理解し、自分の背中を任せられる他人が見つからなかったためである。桐生と親交を深めた後、神室町を訪れた際に町全体に魅力を感じ、「この町にいる彫師なら沖縄の魂を理解してくれるかもしれない」と考えるようになる。その後のサブストーリーで桐生に龍神会館にいる二代目歌彫を紹介して貰い、刺青自体は評価されるものの、力也自身の人となりを知らないがために手を加えることを断られる。不満たらたらで会館を出た直後、堅気に絡んでいたチンピラを桐生と共に撃退し、その親分格として刺青を見せびらかしながら威張っていた室戸をひと睨みで退散させる。その一部始終を見ていた歌彫の問いかけに「自分の刺青は相手を脅すためではなく、沖縄を背負うために入れた」、「あんな奴(室戸)は殴る価値も無い。自分が認めた相手としかケンカしないのが俺の流儀だ」と正直に答えたところ、認められてハブの刺青を仕上げて貰う。
新垣 幹夫(あらがき みきお)
声 - 宮川大輔
力也や名嘉原に憧れて極道の世界に足を踏み入れた琉道一家若衆。髪は金髪で、少々太めの体格をしており、まだ新人なためにミスが目立つところもあって特に食費では琉道一家の家計を困らせている。また、琉球街に実の父親がいるために地元住民からも「幹夫ちゃん」と呼ばれたりとどこか憎めないような愛嬌を持ち、また大工を目指していた時期があったためにアサガオに来たマメ用の犬小屋を作ったこともある。協力闘技では戦うことが可能で、戦闘では相撲で戦う。力也が敗れた後は彼と同様に桐生と和解し、以後は桐生のことを叔父貴と呼ぶようになる。その後、強引に土地買収をしようとする峯と玉城組からアサガオを守ろうとしたが、玉城組の構成員が破壊しようとする犬小屋を守ろうとして重傷を負ってしまう(犬小屋も後に破壊された)。その後のエピローグでは一命を取り留め、無事に退院した後に再び犬小屋を作る。
咲(さき)
声 - 庄司宇芽香
名嘉原の養女。12歳。スケッチブックを用いた意思疎通を行うが、年齢に似合わぬ卓越した画力を持っている。両親から虐待を受けた挙句に母に捨てられ、さらには父が首を吊って自殺する光景を目撃した経験から心因性失声症となるが、後に名嘉原銃撃事件の襲撃者を目撃した際は犯人の似顔絵を桐生に渡し、また実父のように慕っている名嘉原の似顔絵を玉城や実の母に誘拐されて桐生に救われた後に渡す。その後、闘牛に襲われる名嘉原の窮地に声を発して以降は会話ができるようになり、アサガオの子供たちとも打ち解ける。

上野誠和会

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『4』に登場した25年前には東城会と権力争いをしていた極道組織。東京都下の郊外に拠点を持ち、冴島による襲撃事件から東城会と「親戚」としての関係および神室町不可侵の盟約も同時に結ぶが、組織の小ささから月毎に「寄付」という形で東城会に上納金を支払っており、親戚団体というよりは傘下組織的な扱いをされている。物語後半には事実上のトップである葛城の死と谷村や桐生との衝突により壊滅状態に陥る。

上野 吉春(うえの よしはる)
声 - 矢田耕司
上野誠和会総長。25年前に出所直後に立ち寄ったラーメン屋にて冴島の襲撃を受けて組員18人を殺害されるも負傷はせずにこの事件を契機に東城会と和解し、また事件の際に自分の身を挺して庇ってくれた葛城を若頭に昇格させる。その後、高齢のために組の指揮を全て葛城に任せた上で自身は病床に伏せることとなる。
葛城 勲(かつらぎ いさお)
声 - 立木文彦
上野誠和会若頭で、25年前の襲撃事件における数少ない生き残り。47歳。狡猾かつ用心深い性格で、目的のためには自ら傷を負うリスクなども含め、手段を選ばないが、その反面、味方に対しては隙を見せやすく、容易に裏をかかれてしまったり、自分が立てた計略に狂いが生じたり、自らが窮地に追いやられると、露骨に動搖を見せるなど詰めが甘く策士と呼ぶにはやや杜撰な一面もある。冴島を助けようとしていた靖子を唆して自身の直属の殺し屋に仕立て上げたり、自身と接触した谷村を罠に嵌めるなどしていた他、自らの出世のために柴田と共謀して25年前の襲撃事件を裏で仕組んだ[注 18]が、杉内と宗像の力によりその事実は隠蔽される。その後は上野誠和会の若頭補佐である伊原が金村興業若頭である新井に殺害されたことを東城会会長である堂島大吾に訴え、和解の条件として新井の首もしくは建設中の神室町ヒルズの経営権を要求するが、手を組んでいた宗像の介入で失敗した。その後、宗像に対して優位に立つために賽の河原で冴島と靖子を拉致し、二人の身柄と秋山から奪った1000億と引き換えに極秘ファイルを取引しようとするが、城戸に撃たれて極秘ファイルを強奪される。しかし万一に備え防弾チョッキを着込んでおり、それを見抜いた冴島を隙を突いて銃撃するが靖子が必死に庇ったことで失敗し、皮肉にも冴島を陥れた25年前の襲撃事件と類似した状況となった中で瀕死の状態の靖子に谷村から預かった拳銃を向けられて怖気づき、命乞いをするも覚悟を決めた彼女に頭を撃ち抜かれて絶命する。
伊原 勝(いはら まさる)
声 - 藤本たかひろ
上野誠和会若頭補佐[注 19]。戦闘ではキックボクシングを使う。葛城の指示で三島と共に神室町内のキャバクラである「エルナード」で暴れていたところを秋山に一蹴されて逃亡し、その後は仲介に入った新井によって射殺される。
三島 豊(みしま ゆたか)
声 - 金光祥浩
上野誠和会構成員で、伊原の弟分。エルナードで秋山に喧嘩を吹っかけるもあっさり気絶させられ、伊原に連れられて逃亡する。伊原の死体を発見後は上野誠和会本部へ駆け込むが、偶然にも隣室で葛城の電話を聞いてしまい、電話の内容から自らの命が危険と察知して長い間は隠れ過ごすようになる。その後事件の一連を語ることを条件に身柄を確保してほしいと谷村に強く願望したが、直後に葛城と繋がっていた杉内に射殺された。

山笠組

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『5』に登場した福岡の永洲街を治める組。永洲街の北側に本部を構えており、構成員は傘下組織も含めてジャージを着用していることが多い。『8』では名前のみ登場。近江連合・東城会の大解散に続き、横浜星龍会が指揮を執り地方組織の解体を目指す第二次大解散に協力を促す組織の1つとして明かされた。

斑目 忠(まだらめ ただし)
声 - 内海賢二
山笠組組長。常に冷静に戦力の分析や極道が抱える現状を理解しており、プライドを捨てて盃交渉にやってきた堂島大吾を敬って受け入れようとするなど抗争ではなく対話による解決もあると考えている。また、古い極道らしく礼儀作法を重んじ、若くも礼節を弁えている大吾の姿勢に共感を覚え、全国規模の東城会や近江連合に比べて所詮は一地方の勢力に過ぎない山笠組であることを自覚している。東城会との盃交渉の際は青山と話を進めていた。彼の殺意を見抜くも騙し討ちに遭って重傷を負うが一命を取り留める。その後は病室に桐生を呼び出し、全面戦争を避けるために山笠組の解散を宣言すると同時にその書状を桐生に手渡すが解散してもらいたくない桐生によって八幡の前で破り捨てられる。その後、神室町から黒澤一派を追い出すために八幡組一同を引き連れて駆け付ける。
石橋(いしばし)&三原(みはら)
山笠組構成員の二人。どちらも黒めのジャージを着用している。戦闘では石橋はプロレス、三原はパンチ技をメインに戦う。オリビエのケツモチを行なっており、東城会が永洲街に来訪して店の監視のために飲んでいたが、東城会との五分盃の件で荒れていたことから注意しに来た中嶋に手を挙げたことで桐生に叩きのめされた。

八幡組

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『5』に登場した組。永洲街の中心部付近にあるビルを拠点としている。

八幡(やはた)
声 - 浜田賢二
山笠組若頭で、直参八幡組総長。赤ジャージを着て永洲街を闊歩し、街の風紀を守っているが、血気盛んな性格で、考えるよりも先に手が出る性質である。また、斑目を担ぎあげることを一義に置いているために東城会のような巨大な組織に対しても強い態度を崩さず、巨漢にスキンヘッド、頭の大きい傷跡が見る者を威圧するが、義理人情に厚い一面を持つ。戦闘ではボクシングが主体だが、パンチだけではなく蹴り技や頭突きも使用する。青山の策略によって斑目襲撃の実行犯を桐生と誤認し、拳を交えるも敗北した。その後解散宣言の書状を目の前で破った桐生にまたも勝負するも再度敗北し、桐生に恩義を感じるようになる。また東城会に対して激しい復讐心を抱き、全面戦争も辞さない構えでいたが桐生の男気を知って山笠組の命運を彼に託すと桐生が言葉通りたった一人で東城会を倒すのを見届け、その実力に驚愕した。その後は神室町から黒澤一派を追い出すために八幡組を連れて駆け付け、黒澤の野望を阻止する。

北方組

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『5』に登場した組で、札幌の月見野で「雪まつり」を中心とした地元のお祭りを仕切るテキ屋の元締め。一方で、裏では非合法である裏カジノの経営も行っている。『8』では名前のみ登場。近江連合・東城会の大解散に続き、横浜星龍会が指揮を執り地方組織の解体を目指す第二次大解散に協力を促す組織の1つとして明かされた。

北方 大蔵(きたかた たいぞう)
声 - 塩屋浩三
北方組三代目組長。地域密着型の極道として知られており、それ故にみかじめを一切取らない。堂島大吾の代理で札幌を訪れた真島吾朗から五分盃を交わしたいとの話を受けるが、その会談の最中に起こった真島吾朗死亡事件の容疑者として冴島から疑われる。その後は冴島に真実を語る前に馬場に狙撃されて意識不明の重体に陥るが一命を取り留め、終盤では黒澤一派を追い出すために渡瀬の招集を受けて北方組一同を率いて神室町に駆けつける。
『ONLINE』では、イカ焼きの屋台の主人をしており、無一文の郷田に店番をさせる一方で、月見野進出を狙う八和田組の動きを牽制する。その後、郷田に用心棒を依頼するが、街に嫌がらせをする組員に対して、郷田が半殺しにしたことで、進出のきっかけを与えてしまう。翌日、総出で攻めてきた八和田組に対し、数で劣るも郷田の参戦で返り討ちにした。実は郷田の父と知り合いで、破門状が届いていたことを郷田に伝え、郷田と同時期に来たと思われる不審者の情報と共に落ち着くまで月見野に留まるよう促すが断られている。

陽銘連合会

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『6』に登場した東城会、近江連合に次ぐ日本裏社会No.3の座に位置する広島の名門極道組織。巌見造船を始めとする巌見グループをフロント企業としており、広島一帯を支配するほどの力を持ち合わせている。また他のどの組織からも中立を貫いており、近江連合とも過去に何度か抗争をしている。『8』でも登場。近江連合・東城会の大解散に続き、横浜星龍会が指揮を執り地方組織の解体を目指す第二次大解散に協力を促す組織の1つとして明かされた。

巌見 兵三(いわみ へいぞう) / 来栖 猛(くるす たける)
声 - 津嘉山正種
巌見造船の創設者であり、また「来栖猛」の渡世名で陽銘連合会の初代会長も務めている。世界的規模の造船会社を一代で築き上げた敏腕経営者であり、100歳近い高齢を感じさせない威厳を放っている。巌見造船の実権は息子である恒雄・陽銘連合会の実権は若頭の小清水に委ねているがその存在感はいまだ健在であり、国政にも影響力を持つとされている。大道寺稔から課せられた「尾道の秘密」を守るために陽銘連合会という組織を旗揚げし、さらにはその秘密を部分的に子分である広瀬徹に打ち明けた上で直属の刺客として秘密を守るための口封じを命じるようになる。桐生と対面した際には恒雄への牽制を目的に東城会と五分の盃を交わすために桐生に見届け人になるように頼むも断られる。その後は尾道の秘密が隠された現場に姿を現して直後に秘密を知った桐生および南雲たちの始末を広瀬に命じてそれを拒否されたために広瀬を殺害するが、自身も尾道の秘密を桐生らに暴かれたために大道寺から見限られた上に彼から一連の制裁として殺害の依頼を受けた恒雄の裏切りに遭い最後は恒雄と通じていた小清水によって銃殺された[注 20]

小清水組

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小清水 寛治(こしみず かんじ)
声 - 谷田歩
『6』に登場した陽銘連合会若頭で、直系小清水組組長。高齢の会長に代わって現在の陽銘連合会の実質を握っているとされており、陽銘連合会の後継者と目されている。また若頭まで昇りつめるだけの頭脳と度量を持っているが根本は武闘派であるために強者との死闘を渇望している。戦闘では主にドスを使用し、ドスによる鋭い攻撃や腰だめにドスを構えての突進といった攻撃の他、最終決戦では防御を崩すほどの重い打撃を武器に素手でも戦う。大道寺と巌見恒雄と菅井と裏で繋がっているために彼らに従って動いており、大道寺と恒雄の意向を受けて会長である来栖猛(巌見兵三)の殺害(親殺し)も行うが、次第に使われることに嫌気が差すようになり、巌見恒雄と菅井の命令で捕らえた笠原清美を射殺しようとした際には彼女のために自らの命を投げ打った染谷の行動に同情して敢えて空砲で彼女を助け、清美が殺されたと誤認させて彼女を密かに匿う。その後最終決戦ではその真実を明かすことなく、大勢の手下と共に桐生や南雲を相手に戦うも激闘の末に敗北する。事件後は清美を解放し、さらには恒雄の逮捕されたが、兵三の殺害(嘱託殺人)で逮捕されることなく、陽銘連合会の二代目会長に就任する。

舛添組

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舛添 耕治(ますぞえ こうじ)
声 - 高木渉
『6』に登場した陽銘連合会直系舛添組組長だが、実は祭汪会の構成員である。極道然とした厳めしい容姿と粗暴な振る舞いをしており、カタギだけでなく部下からも恐れられている。戦闘では中国武術らしき技を駆使する他、必ず部下を連れて対峙し部下を巻き込んでの攻撃や倒れた部下に発破を掛けて起こすことで戦線復帰させるといった戦法を取る。達川と同様に黒孩子だった時に祭汪会に救われており、構成員となった後はロウの密命を受けて彼の息子である宇佐美勇太を幼少の頃から監視し続けて彼が陽銘連合会に所属した時には自身も達川と共に監視のために陽銘連合会に入るが後に澤村遥が勇太の子供を妊娠したことを知るとロウの命を受けて出産を阻止するために達川と共に遥に対して子供を墜ろすように迫る。その後は広瀬によって遥が匿われてしまったために取り逃がしてしまい、後に遥がハルトを出産したことを知ると遥を取り逃がしてしまったこともあってそれをロウに報告することもできず結局は隠し通そうとしたがロウのもう一人の息子であるジミー・ロウが殺されたことをきっかけに祭汪会が勇太の身辺を探るようになってしまい、それによって「いつか事実を知られるのではないか」と焦るようになる。その後はいざこざの末に己の身分を桐生たちに明かした以降は祭汪会の構成員として行動するが後に遥の件もあって裏切ろうとした達川が祭汪会に全てを露見された後で粛清された様をエドから直接聞かされてそれにより「いつかは自分も達川の二の舞になるかもしれない」と怖気づき、広瀬に対して「会長に自分を匿ってもらえるように口利きする」という条件で桐生たちに全てを明かす。その後ジングォン派の構成員が襲撃してきたことでその場から逃げ出すが、襲撃前に桐生らの前で全てを明かしたことで用済みとなり最後は海岸まで逃げたところで広瀬によって射殺された。
広瀬一家
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『6』に登場した、広瀬徹が仕切る舛添組系の末端である四次組織。尾道仁涯町の寂れたスナック街を縄張りとしている構成人数5人ほどの弱小組織だが、組織内の規律のようなものは一切なく組員たちはいずれも家族のように接し合っており、信頼関係は厚い。 『8』では桐生のエンディングノートとして登場。伊達や松永や田頭の口頭説明となるが、広瀬一家は広島での抗争後、政治的な力と広瀬徹の功績もあり、四次団体から本家直系に格上げされ広島でも名の通った組となっており、田頭と松永も本家幹部として出世したことが語られた。なお、南雲がカシラと呼ばれてることから、広瀬亡き後、広瀬一家総長は空席のままとなっている様子だが、正式な組員は若頭の南雲、松永、田頭の3名のみで南雲が中心となって活動を継続している。なお、『6』で桐生らと存在を明らかにした超大和型戦艦は未だ現存してる描写がある。

南雲 剛(なぐも つよし)
演 - 宮迫博之
広瀬一家若頭。良くも悪くも感情豊かな義理人情に篤い性格で、ヤクザでありながら惚れた弱みで笠原清美からみかじめを取らないなど実利よりも情を優先しがちな面がある。また清美を助けに行く際に正体がバレないように被った覆面をうっかり脱いで正体を晒してしまったり、神室町を訪れた時には桐生たちの目を盗んでこっそりソープに行くなどの粗忽な部分が目立つため一家の若衆から極道としてはあまり尊敬こそされていないが根底では彼らのことを大切に思っており、その憎めない人柄も相まって友人としては慕われている。若頭という肩書きに恥じぬ強さも秘めており、東城会やジングォン派、祭汪会といった名だたる極道やマフィアの構成員を複数人以上同時に相手にして軽く叩きのめしたりと確かな喧嘩の実力も持っている。戦闘では右の拳骨を高く掲げた構えを取り、大振りながらも勢いを乗せた打撃、とりわけ頭突きを得意としておりドロップキックやフライングクロスチョップといったプロレス技も繰り出す。当初は広島を訪れた桐生を恋敵であると決めつけて一方的に目の敵にし、街中や草野球の試合[注 21]などの事ある毎に突っかかっていたが清美の店からみかじめを取らない一件で舛添から責め立てられた際に連れ去られて暴行を受けていたところを桐生に救われ、その際にどれだけ痛めつけられようともシノギよりも清美を守るという信念を曲げなかった姿を見た桐生からその侠気を認められ、自身も考えを改めて桐生を兄貴と呼び慕うようになる。その後は遥の事故の真相を追うために桐生と行動を共にして桐生の片腕としてジングォン派や祭汪会、小清水や菅井といった強敵を相手に奮闘し、終盤には桐生からも「兄弟」として認められる。事件終結後は広瀬一家の建て直しに奔走する一方で清美の元夫の染谷から清美と娘のヒロミを託されたことで尾道仁涯町にヒロミを迎え入れて二人を守っていくことを誓う。
『8』では、松永や田頭の口頭説明のみで登場はしてないが、広瀬亡き後の一家を若頭として組織を切り盛りしており、2人に任せて自身は尾道に残っていることが明かされている。
宇佐美 勇太(うさみ ゆうた)
演 - 藤原竜也
広瀬一家若衆。当初の桐生やハン・ジュンギ、ビッグ・ロウといった敵視した人間には向こう見ずに突っかかっていくなど少々血の気が多く、無鉄砲な性格であるが一方では桐生とのいざこざから野球の試合に遅れそうになった南雲を咎めようとしたり過去には広島を訪れた遥を守るために彼女に付け狙うルポライターを撃退したりと真面目さや優しさも持ち合わせている。幼馴染の達川に誘われるまま何となくヤクザになり、遥や桐生と出会うまでは夢も持てず広瀬一家のみがまともな居場所だった。戦闘ではバックハンドブローや回し蹴りなど回転の勢いを利用した強力なラッシュを繰り出し、桐生のラッシュを振り払うほどの威力を持つ。桐生が広島を訪れた時には南雲に付き合わされる形で度々対峙していたが、いざこざを経て南雲と同様に彼を兄貴と呼ぶようになる。遥の事故の真相を追う桐生と行動を共にするが、後に自身がビッグ・ロウの息子(同時にジミー・ロウの弟)でハルトが自身と遥との間にできた子であること、自身の血筋が原因でハルトが狙われていることが判明し、遥やハルトを守るために祭汪会の本部に火を放ってビッグ・ロウを道連れに死のうとしたところを助けに入った桐生に親子共々助けられる。その後父親と和解には至らなかったが、自身を取り巻く環境の全てを受け入れ桐生や広瀬一家の仲間と共にハルトを巡る事件に終止符を打ち、事件後は広瀬一家をやめ、沖縄に移住しアサガオで遥やハルトと共に暮らす。
『8』では桐生のエンディングノートとして登場。ただし当人の姿はなく、田頭の「勇太は沖縄で幸せにやっている」と語られたのみ。
松永 孝明(まつなが たかあき)
声 - ドロンズ石本
広瀬一家若衆で、勇太や直人の兄貴分。見た目の厳つさに似合わず、勇太がハルトの父親であることが発覚した際に場の空気を読まずに不謹慎な失言をして南雲に殴られるなどのマイペースな性格だが、極道として筋を通す信念と男気を持っており、弟分たちからは慕われている。また、店に戦艦大和の模型を飾るほどの模型や船が好きだったりブス専という一面を持つが、それが災いしてシノギとして店長を任されている「モレノ」というスナックでは従業員は順子という不細工な女性一人のみで、客足はあまり良くない。戦闘では背筋を伸ばしたガードの低い構えから肘打ちや膝蹴りを中心とした近い間合いでの攻撃を仕掛けてくる。当初は桐生を目の敵にし、南雲が彼を兄貴と呼び慕うようになっても尚も桐生を認められずにいたが小清水に捕まった際に助けられ、さらには桐生の素性を初めて知ったことで彼を兄貴として認めるようになる。その後南雲や勇太、田頭と同様に桐生と行動を共にし、時には共闘したりと彼に協力し続けて最終決戦にも参戦する。
『8』では桐生のエンディングノートとして登場。星龍会が進めている第二次大解散の会合に招かれる形で、星龍会の視察を兼ねて田頭と共に横浜・伊勢佐木異人町にやってきた。しかし、招きに応じたとは言えゲスト扱いされることもなく、飲みに行った店ではキャストを当てが得てもらえず、挙句には威勢の良いのは広島弁だけ、田舎モンは帰れと言われた事でブチギレ、ケンカ沙汰寸前のところで桐生が割って入ったが、予想外の行動に伊達は「キ、キリュ」まで言いかけたところで「鬼龍院」と逸らした。桐生も「伊達の後輩・鬼龍院」として立ち振る舞い撃退。その後は、スナック街のハーバー・ライトで4人で飲み直した。松永・田頭と会う前、自身のせいで小さいながらも慎ましくやっていた広瀬一家に転がり込んだことで、広瀬徹を死なせてしまった事、騒動に巻き込んだ上、自身は尻拭いもせず、抗争で死んだことになってしまった事で煙たがられると危惧していた。確かに桐生の死によって、様々なことがうやむやになったまま、警察も事の全てを桐生一馬の死で分からずじまいという事でそれ以上の捜査はせず、大道寺一派も命拾いしたが、逆にそれがきっかけで陽銘連合会上層部から目を掛けてもらえる存在になり、直系に格上げされた事で、田頭と共に本家幹部に格上げされた。結果的に桐生と出会えた事で自身たちにとっても広瀬一家にとっても良い方向に向いたと聞き安心した。しかし、一方で広島抗争での桐生との戦いから極道としての血が滾った感触が忘れられず虚しさを感じているとも語った。ちなみに本家幹部としての立ち位置で広島代表として懇願されて来たことから、かなり上層部の幹部とも言える。
田頭 直人(たがしら なおと)
声 - 細谷佳正
広瀬一家若衆。若頭の南雲よりシノギに真摯な松永を慕っており、天然ボケ気味な松永を支えるために頻繁に行動を共にしている。また一家の構成員としては唯一ネットやSNSに通じており、博識かつ気の回る性格をしている。戦闘では柔道のように襟を守る構えを取り、大振りなパンチや足払い、巴投げといった技を用いる。桐生と協力関係を築いてからはその博識ぶりをいかんなく発揮してナビゲーターのような活躍をしたり、桐生と行動を共にするようにもなって度々共闘する。
『8』では桐生のエンディングノートとして登場。松永と共に本家幹部として昇進し、星龍会が進めている第二次大解散の会合に招かれる形で、星龍会の視察を兼ねて松永と共に横浜・伊勢佐木異人町にやってきた。キャバクラでの星龍会構成員との争い後、伊達や桐生らとスナック街のハーバー・ライトで4人で飲み直した際に、広島での抗争後の一連を話した。田頭の話から、本家直系に格上げされても、広瀬一家の正式な組員は南雲、松永、田頭の3人のみ。宇佐美は沖縄で幸せに暮らしていると語られた。陽銘連合会の力は衰えておらず、星龍会の誘いには乗らずに広島で一本独鈷でやっていくと決意し、横浜でヤクザ顔負けの刑事と桐生に劣らない男と出会えたことを土産話に、松永と共に広島へ帰って行った。

横浜星龍会

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『7』に登場する東城会にも近江連合にも属することなく、横浜・伊勢佐木異人町に存在する唯一の極道組織。同じく異人町を拠点とする中国マフィア・横浜流氓、韓国マフィア・コミジュルと共に「異人三」と呼ばれている組織の一つでもある。戦後間もない頃、異人町の闇市の仕切りがきっかけで興った組織であり、異人三の中でも一番の古参組織となる。『8』では解散した東城会、近江連合の元組員らを取り込んで勢力を大幅に拡大化。東城会本部跡地を購入して、横浜星龍会東京支部にしている。

星野 龍平(ほしの りゅうへい)
声 - 金尾哲夫
横浜星龍会会長。義理人情やメンツを重視しており、昔気質の任侠道をひたすらに貫いている。初代星龍会幹部だった頃に次期組長に座るだろうという先代からの命により偽札運搬の失態を犯した荒川真澄の父親である荒川斗司雄を射殺したが、一人息子だった荒川真澄のその後を気に掛けた。その後、機を見ては横浜で父の仇を調査していた荒川についに突き止められ、平安樓で会食に招待されたことで覚悟を決めて暗殺の経緯と偽札ビジネスについて洗いざらい荒川に話したが、荒川は自身を殺すことなく立ち去ったことで命拾いし、荒川に対しての恩義を示すため1984年に裏面が刷られていない特注の偽札に「恩威並行を忘れず」と記して荒川組を立ち上げたばかりの荒川の元に届けた。当初は春日たちに対してあまり良くは思ってはいなかったが、春日が持っていた偽札と春日の育ての親が荒川真澄だと知ると、春日が「荒川真澄の身内の人間」であってよほどの事態が起きているという荒川からのメッセージだと悟り、春日が異人町に来たことと出会ったことは偶然ではなく必然だとも語った。その後横浜中華街・平安樓本店での異人三トップとの会合で春日たちに対して「横浜流氓の刺客より先にナンバを捕まえろ」と進言したり、青木の計画を阻止しようと春日に神奈川2区からの衆議院議員選挙立候補を促したり、荒川真澄殺害の報復を考える春日に対して武器や構成員の派遣を進言するなどその後の春日たちに助言や手助けをするようになったが、春日たちのそれまでの行動に憤りを覚えた青木の命令で、星龍会本部に近江連合構成員らと共に襲撃に乗り込んできた沢城丈に射殺されたとされるが、『8』では別のヒットマンだと明かされた。
高部 守(たかべ まもる)
声 - 遠藤大智
横浜星龍会本家若頭。眼鏡でオールバックの髪型に黒い革製手袋(かつて戸塚に指を詰めさせられたため)をしており、一見冷静な雰囲気を漂わせるが戸塚の不正による「陽だまりの城」閉鎖時に菜乃葉の父の次の入居先が見つかるまで無料で入居させる判断をしたり、横浜流氓参謀・馬淵の陰謀により星龍会構成員が銃殺されたことに怒り震えて敵討ちのために会長の了解も取らずに独断で星龍会構成員らと共にトラックで横浜流氓アジトへ向かうなど生真面目で熱い一面も持っており、故に星龍会内部の反発沈静化の際に春日からは「あの人が星野会長の側にいれば安心だ」と一目置かれている。また介護施設「陽だまりの城」総支配人を務めており、戸塚とは兄弟分という関係にある。戦闘では日本刀を使用し、組員を回復させる戦法も取る。横浜流氓アジトに乗り込んだ際に馬淵の罠に嵌まり、抗争を起こそうとしているのを止めに入った春日たちと戦う事になるも敗れ、馬淵の証拠を持ってくるよう言い寄られた横浜流氓総帥である趙の判断で預かりの身となる。その後は馬淵のクーデターにより解放されたが、星龍会内部でも反発が起きたため沈静化に奮闘した。その後星野会長殺害のため本部に乗り込んできた沢城や近江連合構成員らの襲撃に遭い、撃たれて重傷を負うが殺害されそうになる星野を気遣って春日たちに託した。またそれ以降も春日たちに情報や助言を与えたり、春日が選挙に出馬することになった際は選挙カーとして使えるワゴンや拡声器を自ら調達してきて運んできたりと春日たちを支えるようになった。
『8』では横浜星龍会会長に就任している。2021年に組員の拳銃所持の使用者責任で逮捕されて以降、刑務所に収監されている。近江連合・東城会の大解散後、星龍会でも多くの組員が足を洗うことを望み高部もそれらの希望を積極的に受け入れたが、元暴5年条項により社会復帰は難しいとされたため、星龍会フロント企業の名目で、ごみ処理施設を開設し、元ヤクザ達の職場として提供している。一般的に出るゴミではなく、各国現職トップの不倫や裏金等に関するモノや学者にとっては価値のある物であっても、他組織にとっては破壊すべき負の遺産等、表向きにはできない「ゴミ」を厳重に保管、要請によっては物理的処理を施すなど、当人たちにとっては「表向きには出来ない物」を「安全に管理・処理」すると言う施設。対価に値する相応の金額で引き取ることで報酬を得られ、且つ元ヤクザ達に職場も与えられることになり、相乗効果は計り知れない。大解散後、行き場を無くし、且つ極道としてしか生きられない連中がこぞって地方組織への盃を求めてきており、その一番の旗頭が星龍会だった。高部はまずは安定した職場を確保することで、社会復帰の足掛かりとし、改めて地方組織も一つとなって改めて解散を行う「第二次大解散」を目指して動いていた。しかし、海老名の策略により刑務所内で刺され、意識不明の重体となる。生死は明かされていないが、逮捕された経緯は、星龍会の実権を握ろうと目論む海老名により、匿名の内部告発という事で通報された事による。
戸塚 大和(とつか やまと)
声 - 高岡瓶々
横浜星龍会本家本部長兼直系龍戸睦会会長で、介護施設「陽だまりの城」の理事長。「陽だまりの城」のシノギ自体は星野会長も知るところの星龍会の立派なシノギだが、裏で星野や高部に無断でエクセレントコースに入居している老人たちの家族に、難しい手術だと触れ込み実態を伏せたまま高額な手術費を騙し取った挙げ句、最上階のエクセレントルームで薬[注 22]を投与して安楽死させた上に死亡届は出さずに年金や医療保険を騙し取る形で不正受給ビジネスを行っていた。菜乃葉が同様の手口で騙され[注 23]支払いに苦悩していたことから、乙姫ランド店員である菜乃葉の裏引き疑惑を探っていた春日らにより不正ビジネスを知られ、それを暴露されたことで星野と高部にも知られてしまう。その後は「世界が受けない仕事を請け負っており、家族や本人が安楽死を望んでるのならそれも止む得ないこと」と嘯いて言い放ったが、結局は本部に乗り込まれた失態など含めて星野や高部の怒りを買い、高部に「二度と敷居を跨げないよう」と絶縁を示唆され躾と称して連れて行かれた。その後春日たちに復讐しようと探していた際に出入りしているスナック街での目撃情報を頼りに浜子に言い寄っていた所で遭遇し、仲間らと共に春日たちを襲撃したがまとめて返り討ちにされた。
海老名 正孝(えびな まさたか)
演 - 長谷川博己
『8』に登場する横浜星龍会本家若頭で元警察庁のエリート官僚。刺青は無間地獄獄卒。母は氷川興産組長の娘・氷川百合子、父親は氷川組長の意向で一緒になるはずだった荒川真澄。中学生の頃までは氷川性を名乗っていたが母親が亡くなった後に養子に出され海老名性に改名。海老名を身籠っていた頃、荒川には当時、岸田茜と言う意中の女性がおり、その女性との事が発端となり、祖父である氷川が荒川によって殺害され、組は壊滅に追いつめられる。しかし、元組長の娘という事で組員たちも目を掛けてくれると思っていたが、他の組に離散し、百合子が妊娠していたという事実も荒川は知らされていなかったため、母に救いの手を差し伸べるものは誰もおらず天涯孤独で育ててくれた。しかし母が亡くなった事で、祖父に利用され、父に裏切られ、「家族」と言われた組員たちからも見放された報いを自分が返すしかないと「ヤクザ絶滅」を心に誓った。
本心は可能ならば1人ずつでも殺していきたい願望を持ちつつも、全てのヤクザ全滅は困難だと悟り、警察官僚になることでそれらを目指したが、大解散抗争の中で最大の殺害目的であった実父・荒川が死んだことで気落ちする日々を過ごした。そんな時にふと考えたのが、散り散りになった元ヤクザ達を再び集めて根絶のきっかけにしようと、あえて極道の道に入ることを決意し、近江連合・東城会に次ぐ勢力を持った星龍会の盃を受けた。春日達と初対面の時点で、会長の高部が服役中のため、実質星龍会の舵を取っている。高部が第二次大解散に向けて元ヤクザ達のための職場作りの地盤固めをしている際、ハワイでごみ処理施設を運営しているパレカナの存在を知り代表のブライスと接触。ノウハウを学び、横浜の横浜流氓が使用していた倉庫を買い取り星龍会のシノギにした。しかし、会長の高部が逮捕された事で実質の舵取りを担ってはいたが第二次大解散を推し進める中で、近江連合・東城会に次ぐ地方団体の名の知れた星龍会と言えど、自身の知名度も低いため、周りに受け入れ難い事実に直面していた。そんな時、自身と同じくヤクザに翻弄され、同じ思いを抱いていた三田村英二と出会い、三田村の情報により先代会長が沢城ではなく荒川真斗が放った殺し屋によって殺害された事を知る。大解散による抗争で一躍名が知れた元荒川組若頭・沢城丈を利用しようと、沢城の先代会長殺しの濡れ衣を晴らしたことで出所させることに成功、星龍会へと招き入れパートナーとした。またシノギの一件以来、ブライスとはビジネスパートナーとしての絆を深めて行った。
近江連合・東城会を追われた元ヤクザ達を一時しのぎとして組員に迎え入れ、星龍会の勢力が拡大し、廃墟となっていた元東城会本部を買い取り東京支部とした。しかしそれは、表向きには死んだことになっている桐生を招き入れることで、海老名・沢城と会ったという規定事実を作り出すために仕組まれたことだった。桐生と面会した所を三田村の助力により隠し撮りしており、既に三田村と協力関係にあった告発系動画「多々良チャンネル」を通して、その時の様子や海老名の命で春日に密かに近づいていた三田村が撮影していた、ハワイで桐生と春日が会った場面等、桐生生存の決定的な証拠と「東城会再結成を目指している」と言う偽情報を流すことによって世論の目を引き、同時に自分たちが推し進めている第二次大解散の正統性を主張した。直前には密かに手下に高部の殺害を依頼。殺害までは至らなかったものの、高部が意識不明の重体となり、海老名は実質的なトップの地位を手に入れ、その上で第二次大解散の手始めとして、ハワイの核廃棄物処理場にて元ヤクザ達の再雇用の確保を主張し星龍会解散を宣言し、同時にNPO法人ブリーチジャパン再結成を大々的に発表した。表向きには極道組織では国を利用することができず、国と対等に渡り合うためにNPO法人とすることだったが、真意はブライスが裏で核廃棄処理を請け負っていることを三田村を通して知り、誰もが処理を受けたがらない核廃棄物処理、それらを運搬する不二宮海運、核廃棄物処理場にて元ヤクザ再雇用と自身が目指すヤクザ完全撲滅を実現させる地盤が整いつつあった。その手始めに沢城を暴行し瀕死の重傷を負わせることで身動きを封じ、若頭・楢崎を刺殺し、その後、ミレニアムタワーに桐生たちをおびき出した。
一連の真相を全てさらけ出し、桐生たちとの死闘の末に敗北。倒れ込んだ後、「誰かがやらなければならなかった核廃棄物処理、自分がやってきたことは国の権力者達が望んだことでもあり、元ヤクザを再利用するという未来に変わりはない。自分をここで殺すか殺さないかをこの場で決断しなければ、『ヤクザ再利用』か『ヤクザ完全撲滅』か。光と闇の狭間にある状況に変化はない」と説いた。しかし、海老名の思いを全て知った上で桐生から「どんなクズでも生きる事でしかやり直す方法はない。白でも黒でもない灰色の道を行くことで、生きて罪を償うチャンスを欲しい。そのためには元ヤクザを殺さず、自分も死なずに罪を償って欲しい。」との懇願と心からの謝罪を申し入れた直後、桐生が覆いかぶさるように気を失っって、海老名は何も言えずに聞き入ったが、ブライスが春日達によって撃退され、不二宮海運を要する不二宮グループ会長・不二宮和成の離脱によって、真相が明かされようとしていることも知る描写がない。
海老名と春日は異母兄弟に当たり、堂島大吾たちが調べたことで春日と同い歳と判明しているが、春日は氷川興産からの逃亡中に生まれたことは『7』にて描かれているが、海老名の出生については描かれていないため、どちらが兄か弟かについての真相は語られていない。ただし海老名が語った、「荒川が氷川興産襲撃時に妊娠していた」との事から、海老名の方が若干、春日よりも後に生を受けたと推測される。
会田(あいだ)、笠山(かさやま)、菊川(きくがわ)
横浜星龍会の組員で戸塚の手下[注 24]。三人揃えば無敵と自称している。特に笠山はナンバと足立を窓から中庭を挟んだ向こうの建物まで投げ飛ばすほどの膂力を持つ。戦闘では会田はスタンガン、笠山は徒手空拳、菊川は日本刀を用いる。本部に乗り込んできた春日たちを戸塚の指示で始末しようと、それぞれ手下を率いて(笠山のみ単独)戦う。後に会長室前に集結し再度対決するが敗れた。
楢崎 雅史(ならさき まさふみ)
声 - 平林 剛
『8』に登場した横浜星龍会若頭補佐。会長の高部の不在により実質的に組の舵取りをしている海老名の側近。元東城会本部にて、桐生たちの案内を請け負った。ガタイが良く、鈍重なガトリングガンを軽々と扱うなど怪力で戦闘では身の丈以上の大太刀を振るう。当初は穏やかな丁寧語で接するが、桐生達にケンカ腰に近い挑発するかのような発言をし桐生の癇に障る。「多々良チャンネル」により桐生生存と東城会復興という偽情報が流され、真相を探るべくライブ配信だと思い込んだ桐生たちが再び元東城会本部を訪れた際に、「東城会復活を企てる桐生」と組員たちを煽り襲わせた。本部内に入ってきたところで桐生たちと直接対峙したが、撃退された。星龍会解散とNPO法人ブリーチジャパン移行の発表直後、東京支部の幹部室で海老名によって用済みになり刺殺され、遺体は東城会本部と共に燃やされた。

横浜樋渡会

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『8』に登場する横浜・伊勢佐木異人町を拠点にしていた極道組織。近江連合・東城会大解散に伴い2023年11月に解散した。室井興産と言う廃品回収を担うフロント企業も持っていた[7]

佐々木 真哉(ささき しんや)
元構成員でフロント企業の室井興産に勤めていた。樋渡会の解散により室井興産も倒産。失職したことに伴い、職を探してハローワークみさきを訪れ春日が対応した。裏で金を渡せば元極道に仕事を回してくれるという噂を聞きつけ訪れたが門前払いされた。仕事終わりの春日を待ち伏せし、改めて懇願したが、根も葉もない噂だと一蹴された挙句、一方的に金を押し付けて強引に迫った。しかし、近江連合・東城会の大解散により、元暴5年条項に苦しめられながらも必死に社会復帰を目指している連中もいる中で金で解決しようとする姿を咎められ襲撃に出たが返り討ちにされた。渡した金が風に吹かれ川に落ちたが躊躇なく春日が飛び込み拾い上げた。若干、グレーに近いが元ヤクザに仕事を回しているのは事実だと認めるも、過去にスマホを代替え契約した際に渡された代金であり、それが捻じ曲がって流された噂に過ぎなかったと判明した。その上で必死に金を集める春日の姿を見て自分の甘さと情けなさを知り改心。改めて春日に職の斡旋を懇願し快諾された。翌日、髪型も服装も一新に改め、「賞罰」として前科も記載した履歴書を手に再びみさきを訪れた。たとえ前科を隠して仕事を得たとしても、いずれバレたら周りに迷惑をかけるかもしれないと嘘偽りのない理由を聞かされ、春日も称賛。足立調査代行の万引き調査を進められた。前科で窃盗をやっていた経験から万引きに関する高い知識とスキルを持っており、足立の依頼した仕事を見事やり遂げ、即戦力になると正式採用が決まった。さらに、施設警備業務検定の資格習得まで薦めてくる春日に感謝し、真っ当に生きるためのスタートを切る。しかし一年後、多々良チャンネルにより春日の裏ハロワのガセ動画が流されてしまい、それによって足立の会社が銀行からの融資を打ち切られ廃業となり、職を失ってしまう。そんな時、横浜星龍会が元極道の受け皿にっていると聞きつけ、盃をもらうつもりで門をくぐる。そんな佐々木を心配して春日達が探しに来るが、星龍会のフロント企業が行う廃棄物処理の仕事に勤しんでいた。

海外組織

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蛇華

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『1』から登場した中国に本部を置いて横浜を取り仕切っている中国系マフィア組織。『3』で劉の死により日本支部はほぼ壊滅したが、『4』ではその残党が活動していることが判明し、『6』では再進出をしていることも明らかになるが、新たに日本に進出してきた同じ中国マフィアの祭汪会の勢いに飲まれたために以前に比べると遥かに弱体化している。過去には、『7』で登場する、同じ勢力を持つ中国マフィア「横浜流氓」と横浜中華街の覇権争いをしていたことが語られている。

劉 家龍(ラウ・カーロン)
声 - 龍澤慎一(『1』『3』)、森川竜太(『極』)、後藤ヒロキ(『ONLINE』)
蛇華の日本支部総統で、中華料理屋「翠蓮楼」のオーナー。48歳。中国武術の達人であり、戦闘では素手の格闘に加えて大刀柳葉刀の二刀流、鏢や鉄の鉤爪といった多彩な武器を使いこなす。1993年には偽造パスポートの代金値下げのために桐生に薬入りの祝杯を飲ませて威嚇のために凄惨な拷問にかけた上でなぶり殺しにしようとしたが、風間が単身で救出しに来たために失敗に終わる。その後2005年には100億円を手に入れるために嶋野と組むが100億を入手した際の取り分が予想未満だったことに腹を立てて遥を神室町のギャングを利用して捕らえ、さらには手に入れたペンダントを「ケチな男」の嶋野ではなく錦山に売る。その後は遥を使って神宮を強請ることで大金を入手しようと画策するが、遥を救出しに乗り込んできた桐生に倒される。
『3』では51歳。浜崎と協力しており、部下と共に神室町へ侵攻して力也を拉致することで桐生を誘き寄せたが桐生との戦いに敗北する。その後部下に命じて力也を殺そうとするも風間譲二に襲撃されて失敗し、最後は自身も頭を撃たれて死亡した。
『ONLINE』では過去のエピソードで登場し、100億円事件の終結直後に蛇華本部から100億円入手に失敗した責任を追及されて日本支部総統の座を追われる危機に立たされるが、後釜としてやってきたリー・ロンツァンを打倒することで総統の座を守りきると改めて桐生への復讐を誓った。
『7』で登場する「周家龍(チャウ・カーロン)」とは容姿が酷似している[注 25]
イェンロン
『2』のサブストーリーに登場した蛇華の構成員で、白蓮師の元弟子。自身の拳法の腕前はラウ以上と自負している。戦闘では『2』ではラウ、『極2』ではブルース海老沼に似た格闘スタイルで戦う。白蓮師を始末して蓮家拳法(『極2』では劉家拳法)の看板を奪うために刺客を差し向けるがいずれも桐生の介入により失敗し、最終的には自ら白蓮師の元へ赴き、桐生の素性を暴露した上で襲い掛かるも返り討ちにされる。その後、二度と白蓮師には関わないことを誓って退却した。
孫(ソン)
『6』のサブストーリーに登場した覆面で顔を隠した蛇華の構成員。名を挙げてラウ亡き後の蛇華日本支部を牛耳ることを目論むなど野心を持つ反面、相手の力量を把握せず周りの状況を確認しないなどといった分析力の低さと視野の狭い一面が目立ち、その見通しの甘さを桐生から「小利口なだけの小者」と酷評された。戦闘ではブルース海老沼に似た格闘スタイルで戦う。神室町でモニタージャックや爆破テロといった祭汪会に対するプロパガンダを引き起こした後は桐生を誘き出し、本国から呼び寄せた精鋭部隊と共に桐生に襲い掛かるもまとめて返り討ちにされる。その後、自分に止めを刺さない桐生に対し負け惜しみを吐くも、直後に組織への裏切りが露見してしまい、今まで見下していた姜から制裁を受けることに絶望した。
姜(ジャン)
『6』のサブストーリーに登場した黄色いジャージを着た蛇華の構成員で、孫の部下。孫からは「ボンクラ」と見下されている。戦闘では李に似た格闘スタイルで戦う。孫の命令で爆破テロを引き起こすもその様子を住人に目撃されて目撃情報から自身の居場所を突き止められた桐生に対し口封じを行うも失敗し、逃げ出したところを追い詰められる。その後桐生に自分たちの現状と爆破テロを起こした理由[注 26]を吐露したが、桐生に「祭汪会に手を出すのはやめておけ」と諭される。その後は桐生に勝つことはできないと悟り、祭汪会から手を引くことを考えたために組織の裏切り者として孫に殺されそうになるが、桐生に助けられる。その後去って行く桐生に対し、「神室町に桐生がいる限り祭汪会もいずれ手を引かされる。だから我々もその時までは引きさがってやる」と言い残した。

真拳(ジングォン)派

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『2』に登場した、1980年代当時に神室町で大きな勢力を誇っていた韓国マフィア。その時期に敵対していた東城会系の中堅であった堂島組に壊滅させられたが、後に組織の実態を掴みかねていた警察が街の治安回復のために堂島組の襲撃を事実上黙認して壊滅を任せた形を取ったことが別所によって明かされている。日本にいた36人のうちの金大津、池頻敏朴会宗の三人は生き残っており、大津と頻敏は後々に復讐活動を行うが、最終的には生き残りおよび本国の構成員のほとんどが桐生や狭山らの活躍で倒された。『6』では新たなボスとなったハン・ジュンギの辣腕と巌見造船からの支援によって組織を再興させると同時に全盛期に近い勢力まで巻き返しに成功しており、神室町に再進出していたが、後に全戦力を投入する形で向かった尾道で桐生や広瀬一家との抗争に敗れ、最終的にはハンの死によって日本国内の勢力は完全に壊滅した。『7』では、数々の抗争・壊滅で生き残った残党「はぐれジングォン派」が、横浜・伊勢佐木異人町に流れ着き、そこで横浜星龍会や横浜流氓と渡り合うために、新たな組織「コミジュル」を結成している。『ONLINE』では第二部のメインストーリーに登場し、組織再結成の鍵となる龍司に目を付けるが、その途中から鷹山に鞍替えして近江連合を乗っ取る計画を立てるも最終的には失敗した。

ボス
回想に登場。1980年当時の神室町における真拳派のボスで、鄭秀淵の夫であり、郷田龍司の実父でもある。東城会の組員などを殺したために真拳派の始末を命じられた風間と嶋野を相手に戦い、直後に抹殺を拒んだ風間から和解を申し出されるも風間が危機に瀕したと思い込んだ桐生が乱入し、桐生に銃を向けた瞬間に風間に撃たれる。その後この一連の出来事を風間の謀略と信じたまま直後に駆けつけた瓦に子供を頼むと告げて息絶えた。
津村(つむら)
真拳派の構成員。津村という名字は日本名で、本名は不明である。戦闘では『2』ではムエタイ、『極2』では李に似た格闘スタイルで戦う。利害の一致により手を組んだ郷田龍司の命で風間組事務所爆破を請け負い、また花屋のアジトに潜り込んでスパイとして暗躍し、倉橋が花屋のアジトに乗り込んだ時には桐生に発砲しようとしたが薫に阻止されて手を撃たれる。その後は寺田と共に現れて桐生を亡き者にせんと襲い掛かるも敗れた。
康 珍羽(ガン・ジンウ)
声 - 桐本琢也
真拳派の構成員。整形手術によって一輝と入れ替わり、ユウヤをも欺く。その後桐生や伊達、瓦を誘き寄せ、さらには監禁していた一輝を含めた4人を殺し合いに見せかけて始末しようと目論んだところを直接対面した瓦に見抜かれ、それでも瓦と一輝に重傷を負わせるも銃声を聞きつけた薫に撃たれて絶命する。
金(キム)&崔(チェ)
真拳派の構成員の二人。戦闘では連携技を得意とし、金は『2』ではパンチ技を主体とした攻撃、『極2』ではベースタイプの渋澤に似た格闘スタイルで戦い、崔は『2』ではムエタイ、『極2』では久瀬に似た格闘スタイルで戦う。康を助けるために柄本病院に乗り込み、運ばれたのは康ではなく一輝だったことで立ち去ろうとするがその際に止めに入った薫を殴り飛ばしたことで桐生の怒りを買い、二人まとめて叩きのめされる。その後瓦に脅されて自分たちの正体を白状した。
沈(シム)
真拳派の構成員。『極2』にて名前が判明する。村井曰く「本国の精鋭部隊」であり、組織に従順で無関係の人間を躊躇いもなく殺害するなどの冷酷さを持つ。戦闘では『2』では素早い動きと投げナイフを中心とした戦法を使い、『極2』では曹に似たナイフ捌きで戦う。ミレニアムタワー爆破や郷田仁の誘拐に加担しており、組織の掟に背いた村井を始末するために桂馬を襲撃するも桐生と狭山によって叩きのめされ、直後に指輪に仕込まれた毒薬を飲んで自害した。
黒装束の男
真拳派特有の黒装束を身にまとった名もなき真拳派の構成員。戦闘では主に足技が武器で木箱を蹴って飛び道具にしたり、『極2』ではリチャードソンに似た格闘スタイルで戦う他、刃が飛び出す靴を装着したりと多彩な攻撃方法を持つ。構成員の中でもかなりの実力者であり、天野ビルや高速道路(トレーラー上)、神室町ヒルズ(エレベーター内)と各場所の最後の刺客として桐生と戦うがいずれも敗北する。
韓 俊基(ハン・ジュンギ)
声 - 中村悠一、イ・ジウン(『7』の韓国語[8]
『6』に登場した真拳派の当代のボスで、スターダストの現オーナー。銀色に染めた髪が目立つ整った容姿をしており、普段はスマートな振る舞いを崩さないが時には制裁として部下の顔を熱した網に押し付けて大火傷を負わせたり桐生に自らと戦う気を起こさせるために代理で勝負を仕掛けてきた勇太を半ば見せしめのように甚振り倒すなどマフィアのボスらしい残忍性や嗜虐性[注 27]を見せるが、勇太を人質に取ろうとした構成員を咎めたり自身を打ち負かした桐生の勝利を称えたりと本人曰く「スポーツマンシップにのっとるのが好き」と称するとおり、何事においても自らの損得にかかわらず公明正大な態度で応じる。
また経営者としての腕もあり、巌見造船を後ろ盾とした豊富な資金力で神室町の風俗店を手当たり次第に買い取った後スターダストを普通のホストクラブの裏で「おさわり系ホストクラブ」を営業する店へと様変わりさせる[注 28]などして勢力を拡大させている。戦闘ではもっぱら拳による打撃のみを駆使するボクシングのようなスタイルを取る。亜細亜街の大火事後に巌見恒雄と結託し、前述の資金力を得る代わりとして彼の計画の手助けをしてきたが後に恒雄の命を受けて達川が遥からハルトを奪う場面を見届け、そこで遥の事故を目撃することとなる。その後達川の情報を求めてスターダストを訪れた桐生たちに自分との戦いに勝てば情報を教えると提示し、最初に戦いを挑んできた勇太を叩きのめすが次に戦いを挑んできた桐生に敗れ、直後に達川に関する情報を伝える。その後は恒雄の命令でハルトを奪うために桐生と広瀬一家の前に構成員と共に現れ、自身が桐生の相手を引き受けている間に構成員を使ってハルトを奪うことに成功する。その後造船所で桐生と広瀬一家を待ち受け、自身のところまで辿り着いた桐生に全ての真相を明かして彼と殺し合い[注 29]をするも激闘の末に敗北する。敗北後はジングォン派の撤退を告げた上で桐生に尾道の秘密に関する情報を伝えるが、最後は密かに桐生の後をつけていた広瀬に口封じのために射殺された。
『7』で登場するキム・ヨンスは身代わりの影武者であり、『6』のハン・ジュンギとは別人である。ただしヨンスの意思もあり、そのことを知る人物は春日らごく僅かである。

コミジュル

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『7』に登場した韓国系マフィア。その正体は1980年代に壊滅に追いやられた真拳派の残党「はぐれジングォン派」が流れ着いた先の伊勢佐木異人町で、荻久保豊によって居住地と偽札製造の仕事を与えられて出来た組織である。厳密にはコミジュルは組織ではなく異人町のコリアン街一帯を指す語であり、韓国語で「蜘蛛の巣」の意。その名が示す通り蜘蛛の巣のごとく、スナック街エリアからアジトに引き込んだ大量の電線から電力を盗んでいるが行政は彼らに介入出来ない模様。偽札作りの秘密が漏れないよう、異人町の全てを監視するため、町の至る所にカメラを設置し、アジト中心部にあるモニター室で全ての情報を逐一取り入れているため、自家発電だけでは賄いきれず盗電していた。同じ異人三の横浜星龍会や横浜流氓より歴史は浅く、組織規模も大きくはないため、抗争が起きても力で勝つことはできない。そのため一方の組織の人間がもう一方の組織のシマに手出しをすれば、その主犯となった者の個人情報から交友関係まで即座にその情報を調べ上げ、それを敵対組織に渡すことで火種を消し去り新たな火種の抑制にも繋げる、2つの大きな組織の狭間を取り持つ情報機関というバランサー的位置にいる。『8』では、異人三解体後、趙から引き継いだ横浜流氓と共闘する形で活動しており、引き続きソンヒがコミジュルと横浜流氓の総帥を兼務している。伊勢佐木異人町の住人たちと挨拶を交わしたり、街の店で飲食をするなど表の住民たちとも友好的な関係になっている。

ソンヒ
声 - 武田華
「コミジュル」を束ねる女総帥。年齢不明。上下黒革のジャケットとミニスカートに黒革の手袋、胸元が大きく開いた紫柄のキャミソール、蜘蛛の巣を象ったシルバーのネックレスと右手首にブレスレット、ピンヒールの高い黒のパンプスというスタイル。まだ幼少だった1980年代、母親に連れられて横浜・伊勢佐木異人町に流れついた。馬淵が野々宮を殺した証拠を探す春日たちの前に正体を伏して現れ、アジトへと導き一度姿を消した。春日らがコミジュル構成員らを撃退しモニター室まで辿り着くと再び姿を見せ、自分がコミジュル総帥・ソンヒであることを明かした[注 30]。組織を探っていたナンバを問いただし連れ出そうとするところを春日たちに阻止され、春日たちを捕らえるために構成員に招集を掛けた。しかしハン・ジュンギをはじめとする構成員も突破されてしまい、異人三の均衡崩壊や偽札作りが明るみに出ることを恐れて偽札作りの真実と異人三の均衡の秘密を説くため、春日たちを横浜中華街の「平安樓本店」に招いた。その後、馬淵のクーデターにより偽札作りが明るみとなり、その証拠を押さえるためブリーチジャパンデモ隊に扮した近江連合とナンバによってアジトを襲撃されたが、その際コミジュルの偽札製造設備、および荻久保に繋がる証拠の焼却処分を決断し、趙から知らせを受け駆けつけた春日たちに時間稼ぎをしてくれるよう頭を下げ懇願した。春日たちの協力を得て時間稼ぎは成功し、ハンや構成員らと共に証拠隠滅を遂げる。襲撃沈静後、意気消沈するナンバに対し、弟は生きていることを告げ弟ともども解放した。その後はアジトで捕らえたブリーチジャパン代表・小笠原肇を尋問に掛けるためホームレス街へと連れ出す際、ハンと共に同行した。尋問の最中、星龍会会長・星野からの連絡により趙を助け出すため、春日から共闘を依頼され同行を申し出るが、襲撃で不安に陥った構成員やシステム復旧作業の陣頭指揮を執るってほしいとハンに懇願され思い留まる。代わりとして春日たちに連絡係も兼ねてハンに同行するよう伝えアジトへ戻った。またこの一件で荻久保への義理を果たせたことに対して春日らに感謝の念を抱き、以降は直接あるいはハンを通して敵側の最新情報を伝えるなど協力するようになった。女性でありながら健啖家のようで、趙が作った大量の料理を前にして「ぜんぜん平気」と言うほど。またネズミやゴキブリが苦手で、足立がコミジュル内で見かけたことをハンに伝えたところ「彼女が見つける前に駆除しないと横浜が火の海になってしまう」とジョークを言った。
『8』ではコミジュル総帥 兼 横浜流氓総帥として横浜・伊勢佐木異人町の裏の顔として君臨している。桐生が療養のため、ナンバと共に帰国し春日の自宅に身を寄せていた所に、マッコリを手土産に現れた。堂島の龍という伝説の極道であり、裏社会では自分よりも格上だという事を重んじ、一貫して桐生さんと敬称で呼び一目置いており、組織トップである自分と対等に会話してくれる者がいないため、桐生との会話を内心楽しんでいる。桐生の置かれた現状を知り、コミジュル最大の武器でもある情報を駆使し、戦闘はもちろんの事、桐生にとって必要な情報提供も含め沢城と個別でコンタクトを取ったり、時に悔いの残らないよう出会いや行動にも同行、また趙やハン・ジュンギにも助力要請し仲間に引き入れるなど、常に桐生をサポートしナンバ・紗栄子・趙と共に行動している。同時にハワイでの情報も逐一調べ上げ、ネレ島とハワイ本島を結ぶ荷物輸送船の情報を掴み、情報提供と春日達をサポートするため、ハン・ジュンギをハワイへ行かせるなど、春日達の行動もサポートしている。春日達が帰国し合流したことで一堂に会し、その後は最終決戦に臨むため二手に分かれ、ソンヒは桐生らと共にミレニアムタワーへ向かい、そこで、堂島大吾・真島吾朗・冴島大河とも合流。共に行く手を阻む星龍会構成員達を次々と倒し、海老名との最終決戦に勝利した。桐生からの誘いは一切断らず、むしろ桐生との酒をより美味しいと感じ、共に過ごす時間を最優先したり、桐生の言う事に理解を示すなど、心から敬意をもって接してることが分かる。未だ、コミジュルと横浜流氓の共闘に異を唱える者がおり内紛が起き来つつあった。それはソンヒも承知しており、頭を抱えることになっていたが、ある日、コミジュルの縄張りで放火による火災が発生。表向きには目撃情報はなく犯人が誰なのか見当がついていないとの事だったが、密かにコミジュル上層部の人間より、横浜流氓構成員が犯人だとの報告を受けた。しかしそれに違和感を感じ、すぐにデマ情報だと分かったが、それをデマだともせずソンヒに連絡してきた事を問題視していた。真犯人は前身でもあるジングォン派として東城会との抗争を潜り抜けて来たコミジュル最古参幹部のソハンチョルだと判明。反旗を翻し総帥の座を奪い取るために横浜流氓の店を襲撃したところに手下たちと共に駆け付けたが撃退された。当人も「誇り高かった戦士」と認識し英雄だと一目置いていた存在であったが、抜け殻に成り下がった下衆だと蔑み一人で立ち向かおうとするも、残った部下と称して仮面を被った桐生が現れ反撃し返り討ちにした。桐生は部下の仮面を被ったままその場を後にしたが、何事もなかったようにサバイバーで合流。シラを切る桐生とマスターに乗る形で自身もシラを切り通した。ハン・ジュンギ曰く、日陰者の自分たちは表の世界でやっている春日達と接触してはいけないと思い、酒宴などの誘いも一切断って会おうとはしなかった。平和な異人町に安堵感と同時に空虚感に苛まれながら過ごしていたが、そんな折、密かに動向を追っていた春日達の行動から桐生の帰国を知り、ハン・ジュンギに断りもなく行動を共にしている事で、久々に緊張の最前線に表立って居られることに嬉しさを感じていた。また情報源の一つとしてホームレス村も利用しており、特に村長に対する信用は高く報酬も高く支払うなど一目置いている。
ハン・ジュンギ/キム・ヨンス
声 - 中村悠一
「コミジュル」の参謀で、かつて『6』で登場した韓国系マフィア「真拳(ジングォン)派」のボスであるハン・ジュンギの影武者であった男。33歳。モッズコートカーゴパンツ、ミリタリーブーツを全て黒で統一した装いとシルバーアッシュに染めた髪が特徴。
冷静沈着に物事を見極めて判断し、感情を表に出すこともほとんど無い。また相手の言動や気持ちに直接反論せず尊重しながら伝え、どんな相手であろうと常に敬語で話すなど紳士的な面も持ち合わせている。敵対者と見なした者には慇懃無礼で皮肉屋な面を露わにするも、反対に味方として信用を置いた者には後述のユーモラスな面や気さくな面を覗かせる。また、ソンヒからは「それは彼次第だ」と判断を委ねられたり、自分の代わりに「頼りになる男だ」と同行させていたりと全幅の信頼を寄せられている。定期的にソンヒと連絡を取り合っているらしく、彼女からの情報を春日たちに伝える役目も担っている。また、本名が「キム・ヨンス」であることが語られている。戦闘では本物のハン・ジュンギ同様、ボクシングを主体としながらもメリケンサックを装着して戦う他、二挺拳銃による射撃や刃物、薬品といった武器を使用した攻撃も駆使する。
1980年代に起こった東城会との抗争に幾度も敗れたことで任務を果たせず本国への帰還も許されず居場所を無くした「はぐれジングォン派」の子として生まれたため、一般の在日コミュニティからも受け入れられず「マフィア崩れの半端者」として父どもども爪弾きにされて酒に逃避した父親からも暴行を受けるなど苦しい少年期を過ごしていた。しかしある日ハンに取り入ろうとした父親の手により眠っている間に「本物のハン・ジュンギ」そっくりに顔を変えられ、「影武者」として立てられてしまう[注 31]。その後は困惑されながらもハンから影武者として受け入れられ、振る舞いを覚えさせるための一環として常に彼の側に置かれるようになり、「居ることが許される場所」という実感を初めて得ながら、本来は主従関係にありながらも長い時間を経てハンと双子の兄弟のような関係を築き上げた[注 32]。その後、ジングォン派が広島の極道組織との抗争となった際にはハンと行動を起こし、影武者として神室町の敵対組織に睨みを利かせる役目を担うも、その最中にハンが死亡したことで組織は事実上の壊滅状態になってしまい、ハンの死が露見する前に報復を恐れて僅かに残っていた構成員と共に神室町から逃げ出した。その後は在日コミュニティに駆け込むものの、マフィアの一員であることを理由に拒まれたことで逆上して騒ぎを起こし、通報されて現場に駆けつけた警察官に逮捕されてしまう。しかし、その警察官の正体はコミジュル[注 33]の構成員であったことから難を逃れる。その後、伊勢佐木異人町に連れてこられた後はソンヒの口から「本物のハン・ジュンギ」が広島の極道組織に雇われた殺し屋[注 34]に銃殺されたことを聞かされ、さらにはその殺し屋も殺されて仇を討つ機会も無くしたことで抜け殻のように失意の中に陥ってしまう。その際にソンヒから励まされ、いつしか「兄と慕う本物のハン・ジュンギに代わる姉」として忠誠を誓って慕うようになる。その後、馬淵に捕らえられて監禁されていた春日たちを助けるが、後に「お手並み拝見」と称しながら部下に命は取らないように厳命し、春日たちに襲撃を掛けるように命じた。その後はソンヒの命で構成員らと共にナンバを連れ出そうとするも春日たちに阻止された上に返り討ちにされてしまい、それでも逃走したナンバを捕まえるためにコミジュル構成員らに探し出すように命令した。また、馬淵によるクーデターでアジトが襲撃を受けた際は春日たちが時間稼ぎをする間にソンヒと共に証拠隠滅に奔走した。その後、捕らえたブリーチジャパンの代表である小笠原肇を尋問に掛けるためにホームレス街へと連れ出し、ソンヒや春日たちと共に同行した。その後は共闘を願い出た春日の意向を聞かされて共に行動しようとするソンヒに対して不安に駆られる構成員やシステム復旧の陣頭指揮を執るためにアジトに戻って欲しいと懇願して聞き入れられたが、代わりに春日たちと共に行動するようにとの命を受け、それ以降は最後まで春日たちと行動を共にすることになり、彼らのアジトで寝食を共にするまでの仲になる。
また、サブストーリーでは伊勢佐木異人町に来てからジングォン派の残党たちに命を狙われていることをコミジュルの情報網で知ったが、敢えてその誘いに乗るように残党たちの追跡に乗る形で対面し、ボスの名を騙る影武者およびジングォン派を乗っ取るつもりでいると思い込んだ残党たちに襲われたところを春日と共闘して返り討ちにした。その後、散り散りになった残党たちをコミジュルに迎え入れたかったことや居場所が掴めないために向こう側から自分に接触してくるようにするために敢えて今も「ハン・ジュンギ」と名乗り続けていたこと、そして顔も変えずにいたことを打ち明け、最終的には自身の想いを知った残党たちと和解してコミジュルに迎え入れることに成功した。また、一人では太刀打ちするのは困難なために密かに後を付けていた春日に協力を求めたことを機に春日の実力も認めるようになる。
風貌から口調まで本物のハンと瓜二つだが、「体脂肪率5%を維持する」という目標を達成したことを自慢げに語ったり、胡瓜のたたきに合う飲み物としてブランデーを注文した春日を凄まじい剣幕で問い詰めたり、紗栄子のケーキを盗み食いした足立とのやり取りに便乗して「自分にもケーキを奢れ」とボケるなど、本物のハン・ジュンギでは表さなかったようなユーモラスな場面を垣間見せる。
『8』でもコミジュル参謀として登場。伊勢佐木異人町では前作同様の格好だが、ハワイで春日達と合流してからは、「暑苦しそうで目立つ」とのことから、上着は脱いで黒のTシャツになっている。先に桐生と合流したソンヒからの連絡を受け、趙と共にサバイバーで桐生・ナンバ・紗栄子・ソンヒと合流。使用者責任の罪で逮捕されている高部が海老名の策略ではないかと推測した上で、真意を確かめる為、星龍会倉庫へ向かおうとする桐生達に趙が同行しようとするも、組織トップのソンヒと趙が軽はずみに行動すると下の者に顔向けできないと阻止したが呆気なく返され、盛り上がる他の連中を横目で呆れる視線を送った。その間、ソンヒは密かに春日達の動向を探るよう命を下しており、ブライスのアジトであるネレ島の所在と物資輸送船の存在情報を掴む。それらを手土産に春日達をサポートするよう言われ、単身、ハワイへ渡り、春日達と合流[9]。共にバラクーダ構成員やドワイトとの襲撃を交わしラニの移送を阻止した。ラニを奪還後、山井と茜と合流。山井の助力により、茜とラニを引き連れ春日達と共に日本へ帰国し、伊勢佐木異人町のホームレス村で桐生達と再び合流した。最終決戦に臨む為、二手に分かれることになり、春日・足立・トミザワ・千歳と共に再びハワイへ渡り、ネレ島に上陸。核廃棄物が保管されている地下までブライスを追い詰めた。真相を明かしてもなお、「ネレ神」を引き合いに悪あがきする姿に「これ以上話しても無駄。ぶん殴って黙らせましょう」と珍しく憤りの感情を露にし、春日達と共に返り討ちにした。コミジュル情報網の広さを改めて感心した春日。かつて神室町を追われた元ジングォン派は伊勢佐木異人町だけではなく、世界中に散り散りになっており、特にハワイには能力が高く地域情報に長けた元ジングォン派が多く存在し、彼らよりもたらされた。自分は日陰者であるという意識が高く、春日達の行動に迷惑にならぬよう一定の距離を取って行動していたが、それについては春日も察知していた。しかし、平和な日々の中で空虚感を感じることも多かったが、今回の事が発端で春日達と久々に接することが出来た事に嬉しさも感じていた。と同時に、桐生が異人町に現れたことで自身と同じ境遇だったソンヒが久々の緊張の最前線にいて生き生きしている姿を垣間見ることが出来、嬉しさ半面、軽率な行動に出ている事に嫌悪感も感じている。普段、ソンヒに対して否定的な言動や姿勢を見せない事から、春日から珍しがられるが、異人町から遠方でハワイの広大な環境で感じる解放感から思わず口に出てしまったと語った。春日のプロポーズ失敗まで知っており、情報を共有しているソンヒや趙も知っていたことに春日は愕然とする。ソンヒが桐生の行動に付き添っている上、自身もハワイへ発たなければならず、2人不在のコミジュル・横浜流氓の組織運営を、自身とソンヒが期待を寄せて目を掛けていたヨナに任せハワイへ来た。しかし、些細な判断も出来ず頻繁に連絡して来る上、責任放棄してハワイまて追ってきたヨナを渋々迎えに行くが、ビーチ付近でチンピラに絡まれていた。が、ハン・ジュンギの気を引こうと自作自演しているのが見え見えで呆れてしゃがみ込んだが、真意を知らない春日が息巻いて助け出そうと渋々手を貸し撃退。ハワイへ行くと一方的に連絡しただけでヨナを置いて旅立ってしまった事を咎め泣きつかれてしまったが、無断で持ち場を離れてしまった責任を追及。しかし、自身もハンからされた事をそのまま部下にしてきたと追及された上、実は自分もソンヒに無断でハワイに来ていたことを暴露されてしまい言い返せなくなってしまった。春日に「さすがにヤバいだろ」と追及されたが、「ヤバくなんてありませんもん!!」と動揺を隠せなかった。ソンヒと趙も自分の断りなく桐生に同行しており、一切を任されている自身の一存も筋が通ると言い張った。何より、ハワイへ来た本当の理由は組織運営という地味な仕事を押し付けられたのは不公平と感じ事であった。ヨナを10年早いと苦し紛れに叱責したが、直後にヨナを追ってギフンさえもハワイへ来たと知り、呆れ果ててギフンと共に2人を日本へ返しソンヒに連絡。しかし、ソンヒは既に全てを承知しており、既に構成員達には表向きにはソンヒの命令という事にしているので、ハワイでの活動遂行に専念するようクギを打たれたが、改めて「女王・ソンヒ」の凄さを噛み締めていた。一連の事で春日からはコミジュルの行く末を心配された。
コミジュル幹部。浜子行きつけの店を襲撃した際、春日とナンバに撃退され失敗した松尾を椅子に縛り付け、ボウガンで殺害した。これに過剰な制裁として苦言を呈したソンヒと対立してコミジュルを去り、別の組織に鞍替えした。ブリーチジャパン横浜支部に向かう春日たちを独断で始末するべく姿を現すが、あっけなく返り討ちにされる。
ウタマル
演 - 宇多丸RHYMESTER
『8』に登場するコミジュル幹部。ソンヒによく暴行される。横浜ダンジョンの受付を担当する。
実は横浜ダンジョンそのものが彼がクーデターを起こすための戦力を集めた場だったが、ソンヒたちに察知されたことで受付を担当していた。最深部に到達した桐生達の前に姿を現し、改めてクーデターを起こすため襲い掛かってくる。
敗北後はコミジュルの掟に従いソンヒに粛清されそうになるが、桐生達からは目の前で殺されるのは寝覚めが悪いことや腕磨きという目的の役には立ったことから助命を嘆願されたため厳重注意と説教で済まされ、以後も受付と最深部ボスを兼任する。また、ドンドコ島に宿泊客として招待可能になる。
ソ・ハンチョル
『8』に登場する元ジングォン派構成員で現コミジュル最古参幹部。コミジュルと横浜流氓の馴れ合いに不満を持ち、密かに自身の部下にコミジュル縄張り内で放火を促し、不満を持つ横浜流氓構成員が火をつけたというデマ情報をソンヒに伝えた。そうする事で両組織の内紛の溝を深め両組織トップのソンヒを糾弾し総帥から引きずり落とすことで、コミジュルの乗っ取りを図る。しかし、自身の行動がお粗末だった為、すぐにソンヒに見破られた。しかし、突如、自身に同調する仲間らと横浜流氓の店を襲い反旗を翻す行動に出た。ソンヒが部下からの連絡を受け、手下と共に現場へ急行したが撃退した。ソンヒ一人で反撃しようとした直前に、仮面を被った桐生が「ソンヒの残った部下」として加勢に加わり返り討ちにされた。撃退された後、ソンヒに許しを請い命乞いをしたが、横浜流氓の店を襲ったことから後始末は全て横浜流氓に任せると告げられ「命の保証はしない」と告げられ項垂れた。東城会全盛期時代の抗争を口にしてることから、1980年代の全盛期時代の元ジングォン派だったことがうかがえる。桐生からは時代に乗り遅れた「おじさんの発想」だと嘲笑われた。
ヨナ
『8』に登場するコミジュルの若き幹部。黒革製のミニ丈ワンピースに身を包み、腰には黒ベルトを付けている。30歳にも満たない若さでありながらソンヒやハン・ジュンギからも期待を寄せられているほど信頼を得ており、今後の組織運営のためにも学ばせる絶好の機会と捉え、2人が不在のコミジュル運営を任されている。いつもはソンヒやハンの命に従い行動を取るが、トップ不在で自身が判断する立場となってからは些細な事でも決められず、常にハンに判断を仰ぐため連絡している。ハンはヨナの成長の為、あえて世話は焼かないと突き放しているが、本人はそんなことも露知らず。好意を持つハンを追ってハワイへと来た。ナンパに見せ掛け、ハンの気を引こうとチンピラたちを巻き込み自作自演を演じたが、簡単に解決できる力を持つことは知っていたため見破れていた。しかし、真意を知らない春日が助けに入りチンピラを撃退。「ハワイへ行くので後は頼む」とメールで一方的に連絡を受けただけで不在となってしまったため混乱と寂しさから意を決してハワイまで追ってきたモノの現場放棄の責任を問われた。自身もハンと同様の方法でギフンに後を託して来たと告げ、何よりハンもソンヒに無断でハワイへ来たことを暴露したことでそれ以上言い返されなかったが、10年早いと叱責を受けた。しかし自身に好意を寄せるギフンもハワイへ来てしまったため、ハンによりギフンと共に日本に帰国させられた。ハン曰く「美人」、春日も「べっぴんさん」と言うほどの美貌を兼ね備えており、一貫してハン・ジュンギの事を「ハン様」と呼んでいる。
ギフン
『8』に登場するコミジュルの若き幹部。名前が語られたのみで姿はなかった。ヨナに好意を寄せており彼女の言う事には忠実なのを理由に一方的に不在の組織運営を押し付けられた。ハン・ジュンギからは「仕事は出来るので適任」と一定の評価は受けつつも、ヨナ曰く「甘ったれ」とのこと。ヨナを追って自身もハワイへ来たが、ハンによりヨナと共に日本へ帰国させられた。

ブラックマンデー

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『3』に登場した世界的に暗躍する武器密売組織。1987年に起きた世界大恐慌「ブラックマンデー」の黒幕(作中の設定)であり、組織名は通称。構成員のほとんどをCIAに潜り込ませており、首領であるリチャードソンも一員として暗躍する。

アンドレ・リチャードソン
声 - チャールズ・グラバー
CIAの情報網をもってしても名前しか判明していない正体不明のブラックマンデーの首領で、大吾や名嘉原を撃った張本人。表向きは風間譲二と同僚のCIA諜報員として共に行動していたが、物語ラストで峯の言葉によってその素性が明らかとなった。51歳。戦闘では鋭い足技を中心とした素早い攻撃の他、最終決戦では二丁拳銃と散弾銃を用いて巧みに使い分けながら戦う。神室町に構成員を引き連れて桐生に襲い掛かるも敗北した。その後東都医大病院で二度も桐生に襲い掛かるも再び敗北した。その後は屋上で用済みとなった峯と桐生を殺そうとしたが直後に意識を取り戻した大吾に撃たれて負傷し、その隙を突いた峯に羽交い絞めにされて彼と共に飛び降りの道連れとなって死亡したと思われていた。
『ONLINE』では過去のエピソードで登場し、神室町到着後に部下たちと一時別れてその間に神室町での観光を楽しんでいた。実は寿司やカラオケを好む親日家だった。

祭汪会

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『6』に登場した香港マフィア。多くの黒孩子を日本に匿った上で戸籍を与えるという「ヒューマン・ロンダリング」と呼べる活動を陽銘連合会と結託の上で行っており、そうして日本に渡った黒孩子たちを組織の様々な指示に従わせている。また、組織の幹部を血縁者で固めるという文字通りの「血の掟」が存在しており、背いた者や脅かした者は女子供や、例え総帥であろうとも残忍な手口で粛清される。

ビッグ・ロウ
声 - 森田順平
祭汪会の総帥。組織の掟に従い、残忍かつ容赦の無い行動を取りながらも、一方では相手を殺せばまた自身の命を狙う者が増えてしまうと見なして不用意に手を出さない冷静な面や、曲がりなりにも我が子のことを気にかけようとする親としての情も持ち合わせている。陽銘連合会の会長の座を狙う巌見恒雄によって息子であるジミー・ロウ共々利用され、その過程で東城会と結託して亜細亜街の大火事を起こすが、大火事の後は恒雄から用済みと見なされ、さらにはジミーを殺されてしまう。その後は恒雄に恨みを抱くようになり、ジミーの敵討ちのために神室町への進出を本格的に開始したが、後にもう一人の息子である勇太が己の出生に秘められた真実を知り、自身もろとも道連れにするために起こした火事に飲まれそうになったところを桐生に助け出される。脱出した後は桐生と勇太に広瀬の正体を伝え、勇太とハルトには手を出さないことを約束する。最後は祭汪会の掟を守れなかったことでまもなく始末されることを悟り「二度と姿を見せることは無い」と言い残し、桐生に尾道の秘密に近づくヒントになる暗号の画像が納められたSDカードと勇太のことを託して神室町から去っていった。
エド
声 - 間宮康弘
祭汪会の幹部で、巨漢にスキンヘッド、サングラスがトレードマークのビッグ・ロウの親戚。饒舌かつ嫌味たらしい性格であり、組織にとっての殺害対象を敢えて痛めつけて殺すというサディスティックな嗜癖を持ち、実際に手打ちのために来た東城会の構成員や裏切った達川を残忍な手口で殺している。戦闘ではカランビットと呼ばれる鎌状のナイフと拳法を使いこなし、その巨体からは想像もつかない身のこなしで相手を追い詰める。桐生たちと何度も対峙するが後に勇太が決死の覚悟で起こした火事に巻き込まれ、桐生に逃げるように言い捨てられて最終的には亜細亜街から逃亡した。
『6』の先行体験版での名前は「チャン」であった。
『ONLINE』では過去のストーリーで登場する。祭汪会が神室町に本格的に進出する前の準備段階として亜細亜街一帯の土地の地上げを行っていたが、それを掴んだ谷村や伊達、亜細亜街の住人によって阻止され、一時撤退することになった。
ジミー・ロウ
声 - クリストファー・シュウ
ビッグ・ロウの実子(同時に宇佐美勇太の兄)で、祭汪会の筆頭後継者。父親に認められたいという功名心を巌見恒雄につけ込まれ、日本不可侵という方針を無視して亜細亜街の火事に加担する。その後恒雄から父親共々用済みと見なされ、最後は恒雄と結託していたハン・ジュンギおよびジングォン派によって殺害された[注 35]
達川 修(たつかわ おさむ)
元広瀬一家の構成員にして、その実態は祭汪会の構成員。黒孩子として中国に生まれ、後に祭汪会に拾われる。ロウの密命を受けて舛添耕治と共に宇佐美勇太を監視し続け、勇太が陽銘連合会に所属した時には舛添と共に監視役として陽銘連合会に入る。後に勇太の子供を妊娠した澤村遥を取り逃がしたという事実を祭汪会に知られることを恐れ、最終手段として遥からハルトを奪った上でハルトを巌見恒雄に売りつけて彼に寝返ることを画策する。ハルトを奪おうとした際には遥の抵抗に遭ったことで失敗し、直後に逃げた遥を車で追おうとしたが横から来たトラックにハンドルを取られたことで彼女を誤って轢いてしまう。その後は裏切ったことが祭汪会に露見し、エドによって恋人を殺すように脅されて殺害したが直後に自身も喉を掻き切られた上に心臓をめった刺しにされるという無惨な手口で殺された。

横浜流氓(はんぴんりゅうまん)

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『7』に登場した横浜・伊勢佐木異人町にある「慶錦飯店」を拠点にしている武闘派の中国マフィア。戦後間もない頃に横浜中華街の主導権を握るために二つの組織が争っており、その争いに敗れた組織が伊勢佐木異人町に流れ着いたことが横浜流氓の原型となったが、その頃の異人町は初代横浜星龍会が牛耳っていたために星龍会との間で抗争が起き、多くの犠牲者が出た。その後、異人町で勢力を拡大していき、当代総帥である趙の父親が先代総帥だった10年ほど前には中華街を拠点にしていた同じ中国マフィアの「蛇華」とも争うほどの力を持つようになる。その後は馬淵のクーデターによりほぼ壊滅状態になったが、趙が総帥の座をコミジュルの総帥であるソンヒに明け渡したことで趙を含めた僅かに残った構成員たちはソンヒの預かりの身となる。『8』でも組織は存続しており、金さえ払えばどんな仕事でも引き受ける白仮面等もいる。

趙 天佑(ちょう てんゆう)
声 - 岡本信彦
横浜流氓(ハンピンリュウマン)の若き総帥。「慶錦飯店」をアジトとしているが、そことは別に「佑天飯店」と言う中華料理店のオーナーも兼任しており、そこで趣味でもある料理の腕も振るっている。ラウンドフレームのサングラス、両耳に金色リングタイプのピアスに金のネックレスに、黒のブーツに黒革のハーフパンツ、中には黒タイツ、黒下地に金色柄のシャツに、黒革のジャケットというスタイルをしている。
気さくでありながらも本心が読めず、飄々とした食えない言動をしているが、本気になった時は相手に対して声を潜める。その反面欠点も多く、自分を良く思わない野心家の馬淵に手を焼いており、それでも仲間だと信じている自分が甘いとさえ評している。また、言動や行動とは裏腹に馬淵のクーデターで横浜流氓に混乱が起きているにもかかわらずにコミジュルを案じて春日たちに助っ人に行って欲しいと懇願したことから荻久保への恩義や仲間を思うなど信じる者への忠義心に熱い一面も見せていた。父親が先代総帥だった故に後を引き継ぐことが決まっていたものの、自身は世襲制は合理的ではないと否定的な見方をしている。また、幼少時は勉強もスポーツも万能な上、悪知恵も働きケンカも相当強かったと自負しているが、何事にも「やる気」は無く、「器用貧乏の性」と自らを分析している。青龍刀の扱いと料理の腕は基本を大事にし、凝った事をせずに素材の味を引き出す超一流の手腕を持ち、特に手料理に関しては星野やソンヒ、春日らに振る舞うこともある。また、コーヒー好きであり、モカを最も好む。戦闘では中国武術の華麗な刀術と体術を駆使し、能力値低下や状態異常を付与する攻撃技を豊富に持つ。
「蛇華」が日本組織との抗争に敗れた末に壊滅して撤退した頃に総帥就任には乗り気ではなかったが、父親から当代総帥を引き継ぎ、同時に異人三の偽札についても知らされる。その後、異人町を手に入れようと躍起になる若い構成員を押さえつけようと弱腰を見せないように振る舞うが、そんな振る舞いが向上心旺盛な馬淵の反感を買って煽るきっかけとなってしまう。それでも馬淵を高く評価して信じていたことや内輪揉めを良く思わなかったこと、何よりも組織の未来を潰すことになるということから馬淵を消そうと動き出した先代総帥や古参幹部たちに生涯で一度きり土下座をして頼み込むことで阻止した。その後は一時的に馬淵に捕まり、拷問を受けて死の淵を彷徨うが、荒川から春日への伝言を伝えるように命を受けた安村の独断により助け出され、春日たちと合流した。その後、最後まで行動を共にするようになり、総帥を降りたことで「慶錦飯店」には住めないと春日たちのアジトで寝食を共にするようにもなる[注 36]。横浜流氓の総帥時代は好戦的で危険な人物である態度を隠さなかったが、春日たちと行動を共にするようになってからは普段の言動に陽気さが増し、ちょっとした意地悪を仕掛けてからかったり、仲間たちの言動に冷静なツッコミを入れたりしている。また、自分の所に残った構成員たちやその家族の生活と居場所を案じていたが、コミジュルの総帥であるソンヒに懇願したことでソンヒの預かりとなったため安堵する。
また、サブストーリーでは異人町に戻ってきた馬淵の誘いに乗り、春日と共に対面したが自分の気持ちも知らずに春日の忠告にも耳を貸さずに更なる野心を持ち続けて自分の首を取ろうとする馬淵にようやく愛想を尽かし、襲いかかってきた馬淵と手下たちを春日と共に返り討ちにした(この時、春日に「キャラ変わるかもしれないけどみんなにはオフレコで」と断った上で普段の態度から一変し、感情に身を任せた怒声をあげた)。その後は再び異人町を離れるように最終通告をし、それでも尚も抵抗を続ける馬淵に対して「馬淵を殺したくない」という本心を汲み逃していることやどれだけ自分を嫌っていても馬淵が腐っていても仲間であること、仲間を殺したくはないし死んで欲しくはないという本心をソンヒに代弁して貰うが自身は「後はおまえ次第だ」と生涯最後の別れを言い残し最後には膝から崩れ落ちる馬淵を見ることなくその場を去った。
『8』では、横浜流氓元総帥として登場。『7』と同じ井出立ち。ソンヒと常に繋がっていることから彼女を支える立場にあるが、本人は「カタギ」だと思っている。「佑天飯店」のオーナーは継続中で、毎日、腕を振るっている。しかし一方で、彼を慕う元部下達も大勢おり、特に側近として従えていた四天王と自称する4人からの信頼は厚く、趙の現状を良しと思わず組織再生と総帥復帰を懇願しつつ未だに神輿に担がれているが、横浜流氓の一員であることは健在[10]である。桐生が療養のため帰国し、伊勢佐木異人町の春日の自宅に身を寄せていたが、ソンヒが訪ねて行き状況を把握。その後、真相究明のため星龍会のごみ処理施設へ乗り込もうとした際に、ソンヒから連絡を受け、ハン・ジュンギと共にサバイバーにて桐生達と再会。そこで、春日がハワイへ向かったいきさつと経緯、桐生の病状や置かれている現状を全て理解した上で、主にサバイバーや春日の自宅を拠点として常に桐生達と共に行動しサポートした。幾多の修羅場を潜り抜けたところで、茜とラニを連れて帰国した春日達とも合流し伊勢佐木異人町のホームレス村で再会を果たした。その後、最終決戦として日本とハワイ二手に分かれることとなり、桐生達と共にミレニアムタワーへ。堂島大吾・真島吾朗・冴島大河の加勢もあり、星龍会構成員達を退け海老名と対峙し、見事、撃退した。一連の騒動終結後、サバイバーで仲間たちとの酒宴の席で、春日と紗栄子の行動に注視していたが、春日の予想外の行動に呆れ果てた。桐生の過去と「鈴木太一」の偽名を使い活動していることは承知であり、会話はタメ口ではあるが、桐生さんと敬称を使って呼んでいる。桐生とサシ飲みする際、「緊張する」と口にしてることから、他の仲間たち同様に桐生には敬意を持って接している。過去の騒動で横浜流氓から大量の裏切り者が出たことで組織存続の危機に直面。土台から生まれ変わらなければならないと判断しその責任を取る形で総帥を降りたが、それは自身にとって一番のケジメであり後悔は一切ないと語った。その上で、ソンヒの統率力を認め組織存亡を託したが、それにより多くの者が救われ組織も継続できたことで、彼女の苦労を労いソンヒに対しては感謝しかないと語った。ある日、グルメ系ブログにて自身がオーナーを務める中華料理店の評価が掲載されており、謂れのないマイナス評価を毎日のように投稿され頭を悩ませていた。料理にはプライドを持って接しており、店は古いが清潔第一に心掛けて営業していたためデマ情報に憤りを感じていた。古くからの常連客が多く、目に見えて売り上げには影響を受けておらず、桐生からのアドバイスで無視を決め込もうともしたが、あまりにも散々な言われ様に納得がいかず、特に一番自信のあった回鍋肉が「食えたもんじゃない」と評価された事は許すことが出来なかった。だが、それを投稿しているブロガーには心当たりがあった。それは初投稿される前日に訪れた客とトラブルがありその客ではないかと。そんな中、組織を離れてもなお、自分を慕う元部下たちが、趙の店を侮辱された事に腹を立てブロガーの行方を追っていた。ブロガーの身の安全を第一に考え、もし危害を加えようものならば、即店を畳み、伊勢佐木異人町からも姿を消すと警告し事態の鎮静化を願っていたが、ある日、桐生に自身の料理を食べてもらおうと店に案内してた際に、元部下たちがブロガーを見つけ連れてきた。シメた方が良いと息巻くが趙はそれを許さず、ブロガーの身の安全の為、意を消して桐生と共に元部下たちを撃退。撃退後、衰えを知らない力を見せつけられた事で、改めて趙の実力を垣間見ることが出来、改めて組織再生と総帥への再就任を懇願したが、「決心したことを簡単に曲げるほど小さい器に見えるのか」と一蹴。元部下達も何も言えずに趙の決心を改めて受け入れた。ブロガー曰く、今まで食べたことのない美味しさだと感じたが、言葉で表現するのが難しく熟考してる時に元マフィアの都合上、撮影禁止にしている趙から注意を受けた事で頭が真っ白になり、その反動で激怒したのだと語った。趙も不評を書かれた事よりも、本当に美味しくなかったのかが気になっておりその言葉を聞いて、改めて高評を思い出してもらうために料理を振る舞った。結局、混乱によって桐生に御馳走する機会を逃してしまったが、後日、機会を設けることを約束。その際、趙のトップとしての器を認め、元部下たちが慕う事にも一定の理解を示した。趙曰く、幼い時から総帥になるよう養育され総帥を引き継ぎやってきたが、総帥の座を降りることで父親の呪縛から解き放たれ、喜びや楽しみを料理に見出すことで新しい世界が開けたこと。今はそれを手放したくないという一心でいることを桐生に語った。 『7』と『8』の間の時系列である『ロストジャッジメント』にもカメオ出演しており、「佑天飯店」で八神、桑名、杉浦、鉄爪に食事を振る舞った。この時点で横浜流氓の総帥は降りているものの、鉄爪は「上の人」として扱っている。また、杉浦(および九十九)に対しては『8』において調査を依頼している。
馬淵 昌(まぶち あきら)
声 - 竹田雅則
横浜流氓の参謀。上昇志向が強く、「掟破り」もお構いなしで、自身に忠誠を誓った上で望む物や金や権力を満たしてくれる者を自身の部下として評価する一面も持ち合わせており、直属の部下から「老馬(ラオマー)」と呼ばれている。また、貿易会社「横濱貿易公司」を運営しているほどのやり手であり、組織に潤沢な資金を供給している。総帥である趙をライバル視しているが、趙からは「何カ国語も話せ、数字にも強く暴力に躊躇いもない裏社会の逸材」や「自分には持っていないモノを持っている」と高く評価されており、自ら「右腕になって欲しい」と懇願されるほどだが、一方ではソンヒから「そんなに頭が切れる人間ではない」と辛辣な評価を受けており、横浜貿易公司の偽札ビジネスも偶然倉庫で偽札の原料紙を見つけた部下が提案したものであることが明かされている。また、先代総帥の趙の父親時代の古参幹部たちからも掟を蔑ろにしているとあまり良くは思われていなかった。戦闘では青龍刀青龍偃月刀)を使う。異人三の均衡に不満を持っており、それらを打ち破るきっかけを探っていたところを同じく近江連合を後ろ盾に異人三の偽札作りを暴こうとして青木からの命により動いていたブリーチジャパン代表の小笠原に「近江連合での良い肩書き」に乗せられる形で結託し、横浜星龍会との抗争とクーデターを起こす計画を思い付く。その後ブリーチジャパン横浜支部を訪れたところで春日たちと再会した際に春日たちに襲い掛かるが返り討ちにされた。その後は趙を捕らえて拷問に掛けていたが、「慶錦飯店」に駆けつけた春日とその仲間に阻止され再び襲い掛かるが敗れた。その後組織が壊滅したことでソンヒの預かりとなり、当初はケジメを付けるためとして殺害を視野に入れられていたが組織の稼ぎ頭だったことや日本屈指のグレーゾーンと言われる異人町での活動のために趙に報告しない仕事にも目を瞑っていたなどにより目を掛けていたこともあって全てをチャラにするという形で伊勢佐木異人町から出ていくこととなる。その後は趙と春日の首を差し出せば近江連合に取り入れられると唆されて再び異人町に舞い戻って手下たちと共に襲い掛かったところを返り討ちにされたが、最後の最後まで抵抗したところをようやく趙の本心を知って膝から崩れ落ちた。
鄭(てい)
横浜流氓の下っ端構成員。自分より下と見た者には居丈高な態度を取るが、組織での立場は低い。また中国国籍だが実際は生まれも育ちも日本という第3世代のため、中国語は挨拶以外にほとんど話すことも理解することもできない。戦闘ではナイフや青龍刀を使用する。趙や馬淵に内緒で伊勢佐木異人町のホームレス街で小銭をせびって私腹を肥やしていたが、春日に返り討ちにされた。その後異人通りにある中国パブ「凛凛」に入店するところを馬淵の行方を探っていた春日たちに見られ、店にホステスとして潜り込んだ向田紗栄子にセクハラ行為をして再び春日たちに返り討ちにされた上に横浜流氓の幹部たちにホームレス街でのことを告げ口するという脅しに屈し、結果的には馬淵のことを話してしまう。その後は馬淵が起こしたクーデターにより馬淵側に付き「慶錦飯店」に向かおうとした春日たちに三度挑むも敗れ、最終的には馬淵と共に異人町から姿を消した。
汪(おう)
横浜流氓の構成員で、慶錦飯店の支配人であり店内で飼育されている猛虎の飼い主でもある。戦闘では鉤爪を使用する。趙を救出するために乗り込んできた春日を迎え撃つも敗北し、その際に猛虎を嗾けたところを返り討ちにされて失敗した。

横濱貿易公司(はんぴんぼうえきこうし)

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『7』に登場した馬淵昌が社長を務めている貿易会社。中国系マフィア「横浜流氓」のシノギの一つになっており、横浜の伊勢佐木異人町を拠点としているが、実態は人民元での現金一括払いを謳い文句に中国から干しアワビやフカヒレといった高級食材を業者から直接輸入しては中華街のレストランなどに原価そのままの値で卸すというダンピングを行っており、また業者に対価として支払っているのは偽造人民元であり、卸先にて対価を「本物の日本円」で受け取るという一種のマネーロンダリングで利益を得ていた。また、荷物の搬入を人力で行ったり、倉庫の一角に机を設けて事務所とするなど時代錯誤な業態[注 37]が目立つ。

偽造人民元は横濱貿易公司内で製造しているもので、その材料は横濱貿易公司が高級食材に紛れて輸入している「謎の紙片」を使って行われている。これはコミジュルが行っている日本円の偽造に使われる特注の紙の輸入を横浜流氓が担当しているもので、馬淵がそれを勝手に流用しているものだが、横浜流氓の総帥である趙はそれを知っていて黙認している。部下にも生活があるためある程度の勝手なシノギには目を瞑ろうという趙の個人的な考えの他、これを咎めるとその紙の本来の使い道への言及が避けられない、即ち異人三それぞれのトップしか知らない「敵対しているはずの三すくみの結託による偽札事業」を部下に説明しなければならなくなるため、咎めようにも咎められないという事情があった。

厳(げん)
横濱貿易公司の現場監督で、倉庫の現場を仕切る大柄かつ強面の男。バイリンガルであり、日本人従業員には日本語、取引先の中国人相手には中国語で話すことができる。また、取引が立て込んで支払い用の現金が不足した際には偽札用の特殊用紙を持ち出して偽造人民元を調達しており、偽札製造の実態を把握していた。
戦闘では一戦目はハンマー、二戦目はパワーショベルとバールを用いて戦う。偽札ビジネスの実態を探ろうとした春日たちが偽札を持ち帰ろうとするのを見つけ、部下と共に襲い掛かるが返り討ちにされた。その後馬淵のアジトで尋問を受けていた春日たちを星龍会への見せしめとして拷問すると共に処刑するように馬淵に命じられるが、ハンによって解放された春日に部下諸共倒された。その後はアジトからの脱出を試みる春日たちを地下通路の出口前で迎え撃つも失敗した。

バラクーダ

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『8』に登場したハワイ・ホノルルシティ最大勢力のマフィア。構成員は国や人種もバラバラであるが、ほとんどが元ホームレスという共通点を持っており、勢力を誇示するために毎週月曜日の22時に街中を巡回することが決まりとなっている。 第5地区を活動拠点としており、酒やギャンブル好きで気性の荒い連中がいる西ブロック、また裏と呼ばれる所がある。裏からの通路を辿って行けばホノルルシティにあるアナコンダショッピングセンターにそっくりな施設がある。 24時間稼働の工場でホームレスたちを働かせ、偽ブランド品の製造がおこなわれており、世界中から集まったバイヤーたちが集い偽物と知りつつもオークションで競り落として正規品として売るなど、バラクーダの資金源の一つとなっている。バイヤー達の表の出入りとして、ハワイの老舗ホテル・クリスタルアロハリゾートホテルとも繋がっており、そこの最上階フロアをアジトにしている。またシノギの1つに偽造パスポート制作もあり、ワイキキストリートでタコストラックを経営するジェフが窓口となって、観光客などから摂取した盗品を買い取っている。特にパスポートは偽造材料に最適なため、パスポートを持っていれば第5地区に入ることもできる。不二宮千歳も茜を探すため、春日のパスポートを利用して入ることが出来た。 彼らに盾突けば「開き」と称される粛清を受けることになり、巡回する構成員にスリを働いたことがバレたホームレスが裏路地へ連れ込まれ、手足を壁に杭打ちにされ、文字通り「開き」にされた姿を春日達は目の当たりにした。

ドワイト・メンデス
声 - 松田修平マックスウェル・パワーズ(英語)
バラクーダの総帥。白いシャツにストライプが入った白いズボン。首には極細・細・太の金のネックレス、左耳にはサファイアのピアス。上半身には腕から指にまでびっしりタトゥーが入っており、左額にもワンポイントのタトゥーの井出立ち。クリスタルアロハリゾートホテルの最上階フロアのスイートルームを根城としている。マチェーテと呼ばれる大型のナイフを両手に持つ戦闘スタイル。
マチェーテを「私の故郷の男たちが使う」と言ってること、構成員にもマチェーテを使う者がいることから、ドワイトならびに多くの構成員の出身は中南米と推測される。第5地区に逃げ込んだ不二宮千歳の所作や言動から上流階級の人間であることを見抜いた上で、不二宮グループの令嬢であることを突き止め、自身の理になると考え側近に置いたが、結果的に最後には裏切られる形になり、自身の根城までたどり着いた春日達によって部下と共に襲撃したが撃退された。
撃退後、茜を追う理由を問い詰めたが、身元不明のアドレスからメールで直接、依頼された事、前金として1000万ドルが振り込まれた事で引き受けることにした為、追う理由は語られなかったが、実はそれはブライスからの勅命である事、またブライスがハワイ裏社会のオーナーであることを隠すためにとっさに出た嘘の情報だった。その後、春日達に近づいた三田村英二と裏で密かに結託し、茜とラニの確保を見届けたのを機に大道寺一派のセーフハウスに構成員を向かわせ三田村、茜、ラニの身柄を確保しようとしたが、春日達の反撃により、三田村とラニの確保のみで茜の確保には至らなかった。
しかし、真の目的でもあるラニの確保が出来たことでブライスの御機嫌うかがいをしたが一蹴された。その後、ラニ奪還を目論む春日達にネレ島への定期便にラニを乗せようとしたところで対峙、手下と共に襲撃したが撃退された。その後、山井の手招きによって日本帰国を目指し、山井一派が所有する船で海上保安庁との合流地点に向かっていた際に、手下達と共にボートで追ってきて襲撃したが、またも撃退された。ブライスを甘く見ていた春日達に「誰よりも恐ろしい怪物だ。自分の目で確認するがいい」と言い残し、手下たちを突き落として1人でボートで逃げ出したが、ホノルル湾に生息する巨大ザメに襲われ絶命した。サメの鋭く強く光るものに反応する習性から、結果的に自身が身に付けていたアクセサリーが標的となった。
ローマン・レイノルズ
表向きは地元の警察官だが、バラクーダの構成員。同じように警官を装ったバラクーダの構成員の親玉的存在。2012年に起こったタクシー事件の担当が彼であり、事実無根であるエリック・トミザワに逮捕状を突き付け犯人に仕立て上げて逮捕した張本人。
第5地区の月1度の巡回は彼が担当だが、中で起きていることについては一切の黙認している。春日達が巡回に相乗して第5地区に入ろうとしてダイヤモンドヘッドのバーで対面した。銃口を向け金を要求してきたが、桐生がそれを一蹴して撃退。巡回に相乗することを了承した。
春日達を伴い第5地区に入ったが、争いごとには一切の無視を決め込んで傍観するのみで、裏ルートの存在まで嗅ぎつけた春日達に、当初は難色を示し同行拒否を見せたが、渋々案内をすることになった。結果的に偽ブランド工場や偽ブランドオークションが行われている偽のアナコンダショッピングセンターの存在など、バラクーダの中枢を知られるきっかけを作ってしまい、春日達を案内中に出くわした他の構成員の手によって「開き」にされ、絶命した。
体験版ではボス扱いで、彼を倒すのが目的となるが、春日達と交戦する経緯は本編とは異なる。

ガンジョー

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『8』に登場したハワイ・ホノルルシティの中華系マフィア。チャイナタウンエリアを活動拠点としており、その中心にそびえたつ「涅槃岸」と呼ばれるホテルがアジトである。 チャイナタウンエリアの至る所で「裏カジノ」が行われているが、特に裏カジノでの審査基準を満たしたお客をVIPとして、涅槃岸上層階で行われている超VIP専用カジノへ招待する。そこではビスケットと呼ばれる1枚一千万円のチップを掛ける客がいるなど、ガンジョーの資金源にもなっている。地元警察や大道寺一派の情報網をしても裏カジノを見つけることが出来ず、涅槃岸のセキュリティもバラクーダの第5地区とは比べ物にならないほど高いセキュリティを誇り徹底している。

ウォン・トー
声 - 増元拓也
ガンジョーの総帥。黒のハイネックシャツに黒のズボンた白いズボン。首にはシルバーのネックレス、白のスニーカーという井出立ち。涅槃岸の経営者であり、表向きには実業家という顔を持ち巨万の富を得ている。超VIP専用カジノの奥にある部屋をアジトとしており、机以外に何もない殺風景な部屋。本人曰く「金で買えるものは何でも手に入る地位」にいるため、必要最低限以外のモノは置かない主義。涅槃岸最上階にペントハウスを構え、6歳になる息子と一緒に暮らしていた。ボールペンに見せかけたナイフを手にする戦闘スタイル。
茜の情報を聞き出すために涅槃岸に潜入した春日達と対峙したが撃退された。その後、全てを打ち明けようとハワイ裏社会のオーナーの存在を口にした途端、裏切りになると部下が静止。その直後、部下が窓を突き破り落下死したが、それがオーナーのスパイの1人であり、彼の死が裏切りの合図となった。ペントハウスにいる息子を救い出すため、春日達と共に向かうが、ガンジョーの構成員として潜伏していたオーナーのスパイたちに取り囲まれ春日達と共に撃退した。ガンジョーの構成員、シッター、ホテルマンのほとんどがオーナーのスパイであり、ホテルを出たところでまたも囲まれるが再び春日達と共に撃退した。
しかし、気を失ったと見せかけていた構成員の1人に右太ももを刺され、ホテル近くの森へと身を潜めた。その際、ハワイ裏社会のオーナーがパレカナ教祖ブライス・フェアチャイルドであることを含め、茜を突け狙うこと、茜が連れているラニという女の子が本当の目的であること等、春日達が知りえなかった真相を知ることとなる。元は、アメリカ本土進出を夢見てハワイで基盤を整え中華系コミュニティを駆逐した結果、結成されたのがガンジョーであり、本土進出を目前にしていた頃、ブライスの使いと名乗る者が傘下に入るよう伝えに来たが、それを突っぱねた。その後、自身の故郷から小さな小包が届いたが開けると自身の母親の頭部が入っていた。それは、自身の出生情報など容易に手に入れることが出来ないと踏んでいたが、いとも簡単に突き止め命令に対する報復の恐怖を目の当たりにした所で傘下に入ることを決断した。しかし、傘下に入ると見せかけ報復の機会をうかがっていたが、どこで情報が洩れるとも分からない状況下において、側近を徹底的に厳選したが、結果的に自身が厳選した側近のほとんどがパレカナを通じて洗脳し、ブライスの命令に忠実に仕立て上げられたスパイだった上、バラクーダもガンジョーもブライスの息がかかった一傘下の一つに過ぎなかった。
滅多に無いブライス直々に、茜とラニの身柄確保の勅命が下り従っていたが、滅多に無い勅命であることから、茜とラニがブライスの弱点であることを察し、密かに捕らえることでブライスと対等に渡り合う材料にしようとしたが、自身の考えの甘さに落胆した。それらを語ってる最中、ウォンと春日、桐生を探す山井の手が伸びてきたが、エリック・トミザワの機転により、春日らと共にその場から脱出。大道寺一派のセーフハウスに身を潜めることになる。しかし、セーフハウスにいた三田村英二がドワイトと繋がっていた事により、バラクーダが襲撃してきた際に大道寺一派の花輪とともに胸を打たれて絶命した。
なお、連れ去られた息子はパレカナが所有するネレ島に連れて行かれ丁重に扱われており、総帥亡き後のガンジョーを牛耳るため生かしていたはずだという千歳の目論見が当たり、春日達によって見つけ出されて保護された。

パレカナ

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『8』に登場するハワイでは数百年の歴史を持つ宗教団体で、代々、ミリラニ家の正統血族が教祖を受け継いでいる。

活火山が有名なハワイでは、火山は破壊・恐怖の象徴と言われてる一方で、恵と再生の象徴として崇められており、ネレと呼ばれる火山の女神への火山信仰が起源とされ、その名を冠としたネレ島と呼ばれる聖地がある。パレカナにとって火は神聖なものとされ、火や自然を粗末に扱わず常に自然の声に耳を傾けて生活し、普段の生活でも神聖な火は絶やさない事を教義としているが、小さい子が火を誤って消さぬよう静かに行動する自然習慣や不始末による火災防止のためLEDなど簡略したものを使用する事も推奨している。

また教義の一つとして自然とその中で生きる他者にも慈愛を以て接することを心掛けており、ホームレスへの炊き出しやフードバンク、ビーチのごみ拾い等のボランティア活動の他、養護施設も経営している。そう言った活動から、パレカナを宗教団体ではなくボランティア団体と認識する者も多い。

入信に際して強制は一切しないが、教徒スタッフ等の影響から自然の流れで入信する子供も多い。岸田茜は教団が運営する養護施設の施設長を40年近く勤めており、特に茜に好意を抱く子供が多く茜の影響で入信する子も多い。

ブライス・フェアチャイルド
声 - 古谷徹
パレカナ現教祖。首からは常にパレカナ教祖の証でもあるパレカナのシンボルマークを模したペンダントを提げている。表向きは穏やかな口調で心優しい人物を装っているが、実の正体は元マフィアでハワイ裏社会を牛耳る立場にあり「オーナー」と呼ばれている。
裏商売として各国の大企業経営者、中枢を担う大物政治家、時にはマフィアやヤクザ等を顧客に持ち、彼らを通して各国の核廃棄物処理を一手に請け負うことで莫大な資金と絶大なる権力を得ている。ドワイトやウォン・トーも彼には逆らえず傘下に下り、バラクーダやガンジョーをも操る。表向きには徳を積むことによって深い信仰心が認められた者のみ与えられるハクと呼ばれる教徒がいるが、それはブライスのいかなる命令にも忠実で時には命を投げうる覚悟がある程に仕立て上げられた深く洗脳された部下でもあった。
元々は、前代表が築いていた莫大な富を奪うのが目的で信徒を装い教団に潜り込んだマフィアの1人だったが、真の目的は核廃棄物処理により莫大な金と権力を得る事に早くから目を付け、離島と言う遮断された空間で、且つパレカナという宗教団体が所有という事で法的にも外部的にも気密性が高く、まさに自身の欲望を叶えるにはうってつけのネレ島を手に入れることだった。しかしある時、ネレ島を売却し教団の活動資金にすると言う話が進み、売却完了が目の前まで来ていた。何としても売却を阻止する為、前代表夫婦の慈善活動帰りを部下に襲わせ射殺。実行した部下も口封じのために射殺している。無理やりペンダントを奪い、表向きには事故死と見せ掛け教祖の座に就いた事で売却の話を白紙に戻した。それ以降、約70年近くにわたり自身の思惑通りに事は進んでいたが、2023年、ミリラニ家正統後継者であるラニがペンダントと前教祖の遺言状を持って茜の下を訪れたことから状況が一変。70年前、前教祖の下で活動していた際に、周囲からは次期教祖と言われるまでになっていたが、ブライスの本当の狙いに気付いた前教祖夫婦が、万事に備え、偽のペンダントとすり替えブライスが教祖に付かぬよう書かれた遺書と共に本物のペンダントが残されていた。
本物のペンダントを目の当たりにしたことで、自身のペンダントが偽物である事や教祖の座に就いたいきさつが明るみに出ることを恐れ、ラニを殺害しようとしたが、茜によって阻止され逃亡された。茜とラニの逃亡後、バラクーダ、ガンジョー、ハクを使い2人の行方を追わせていた所で、茜に会うためハワイへ来ていた春日達と出くわした。表向きには茜の安否を心配する素振りを見せ、当初は春日達の信用も得たが、ガンジョー壊滅でウォン・トーの証言により、真の黒幕が自分であること、またその間に先に春日達に茜の身柄を確保された事から一連の話を聞かされ全てが明るみとなった。バラクーダによりラニの身柄を確保できたが、ネレ島への移送直前でラニ奪還に来た春日達の手によってドワイト以下バラクーダも壊滅させられラニを奪われた。
桐生達とのやり取りや茜とラニを伴い帰国した際に、海老名・三田村との繋がりも明るみとなり全ての真相が明らかとなってしまった。施設要員として移送された元星龍会構成員達の安否確認と、最終決戦の為、再びハワイへ降り立った春日達により、ネレ島の核廃棄物処理場まで追い詰められ、自身のみ知る事の真相と狙い全てを明かし春日達の殺害を試みたが返り討ちにされた。しかし、自分には各国政府の強力なケツモチがおり、ここでの不祥事は各国政府の不祥事に繋がる為、揉み消されると高を括っていたが、突如、その場にいた不二宮千歳が「多々良チャンネル」のゲリラ配信を始め、表向きには核廃棄物処理と言う名目で集められたドラム缶が、粗末な環境で無造作に積み上げられた散々たる状況を生配信。更には、ブリーチジャパンの核廃棄物処理プロジェクトの名目で、核廃棄物運搬を請け負っていた不二宮海運を運営し、自身の実父でもある不二宮グループ会長・不二宮和成と電話を繋げ現状を目の当たりにさせた。当初は厳重な施設と管理下で処理されている事、元ヤクザの再雇用を担うという国家プロジェクトの下で協力関係にあったが、散々たる現状を目の当たりにし、事の真相を関係各所に伝えることで協力関係の解消と自身の進退についても約束。結果的に大きな力を持つケツモチからも見放され全てが世界中に知れ渡ることになり自身の求心力も失った。それでもなお、自分と言う必要悪がいなくなれば核廃棄物の行き場はなくなり、原発の恩恵に生きるも核廃棄物処理に否定的な奴らは行き場がなくなると説き、放射線廃棄物の池に投身自殺を図るが、死んで全てを終わらせるのは許せないと春日に阻止され、足立に身柄を確保された。
ラニ
声 - 種崎敦美
パレカナ正統後継者でもあるミリラニ家の血筋を受け継ぐ10歳の女の子。
早くに両親を亡くし、祖母の家で育てられていたが、その祖母も急な病により入院を余儀なくされた。命尽きるまで時間がないと悟った祖母から、ペンダントと手紙を預かった。それはブライスの本心を知り、自分たちに何かあったときにと残したパレカナ教祖の証でもある本物のペンダントと前代表による遺書だった。受け取ったラニはそれらを手にパレカナの養護施設を訪れ茜と対面。当初は真意を知らずに代表であるブライスに連絡を取ったが、深夜にも関わらず、すぐに来るというブライスの返事に違和感を覚えたが、その違和感が現実のモノとなり、ラニと会うや否や銃口を向けてきた。茜の咄嗟の行動により共に逃亡。茜の知り合いでもあった、ナイトスクエアでタトゥーショップを経営するキヨの所に身を寄せていたが、茜とラニの逃亡を知り行方を追っていた春日達と合流、保護された。春日や山井の協力で、大道寺一派のセーフハウスに案内されるも、ここでも三田村の裏切りにより、バラクーダ構成員に連れ去られドワイトに引き渡され、ネレ島への移送直前に春日達によって助け出された。
その後は山井の協力で、春日や茜らと共に日本へ出国し、横浜・伊勢佐木異人町のホームレス村で匿われた。一連の騒動が終結後、常に寄り添い身を挺して守ってくれた茜に心から感謝の気持ちを伝え、「今度は私が茜を守る」と決意し、茜にとって一番大切な場所でもある養護施設を守りたいが一心で、正統ペンダントを胸に元教祖の遺志を受け継ぐ形でブライスによる支配から脱却したパレカナの再建のため新教祖になることを決意し、茜もまたラニを支える為、共にハワイへ帰国した。
その境遇から桐生はその姿を遥と重ねていた。
タカダ
ハーバーストリート沿いにあるマリーナで働く日系人。エリック・トミザワとは同じ日系という事で友人関係にある。春日達がネレ島への輸送物資船を探す手掛かりを掴むために怪しい船が出入りしていないか尋ねに来た。快く受け入れ怪しい船とされる所へ案内途中の会話の中で、自己紹介もしていないにも関わらず、うっかり「春日」と口走ってしまい不審に思われナイフを手に襲い掛かった。春日達により撃退されたが、実はハクの1人でブライスによって洗脳されていた。返り討ちに遭った後、自ら自決用の毒を服用し自害した。己の為なら他人の命さえも顧みないブライスの卑劣な行動に春日は激しい憤りを覚え、立ち去る前にトミザワから「ネレ神さん、天国に連れて行ってやってくれ」と弔いの言葉を掛けた。
デイナ
パレカナ養護施設で働く女性スタッフ。茜の下で40年近く一緒に働いている。茜の事を聞くために訪れた春日達にパレカナの歴史や活動などを説明した。ネレ島へ上陸したハクは本島への帰還は許されないと聞いていたモノの、施設からハクに認められネレ島へ渡った子供を本島で見たと春日達に証言した上で、顔は変えられていたモノの声ではっきりと分かり問いただすと急ぎその場から去ったことも証言した。それを聞き春日もまたネレ島に対しての疑念を抱くきっかけともなった。
カロン
パレカナ養護施設で働く男性スタッフ。主にフードバンクへの運搬やビーチのごみ拾い、街中の見回りなどを請け負う。夕方、ビーチにて祈りを捧げているところに春日達が来て、ネレ島の存在とハクという教徒がいることを明かした。自身もハクになる事を目標に日々活動に勤しんでいるが、自らには雑念があると説き未熟さを感じていた。
ロメロ
パレカナ養護施設で男性働くスタッフ。主に街の見回りなどを担当している。
ハク
パレカナ信者の中でも、特に徳を積み深い信仰心が教祖に認められた教徒にのみ与えられる称号。ネレ島上陸の許可を与えられ生活する事も許される存在。だが一方で、一度ネレ島へ上陸した者は生涯ネレ島での生活を強いられ、ブライスなどの幹部やボディーガードをしているハクの戦士の一部を除いて島を出ることや外部への連絡も許されない。しかしそれは表向きに言われてる事であり、真の姿はブライスの命令にのみ絶対服従を誓い、ブライスのために身を捧げ時には命さえも投げうると言う強い洗脳された者たちでもある。更に強い信仰心を植え付けさせるためにハクの戦士同士で殺し合いや子供による銃殺刑をさせることもあり、またブライスの命により本島での活動の為、整形で顔を変えられる者もいる。戦闘ではサメの歯を加工した長剣を手にする事が多い。ガンジョーやバラクーダ、山井一派にもスパイや構成員として紛れ込ませたり、本島の様々な職種に就く者も数多く存在し、春日達のホノルルでの行動抑止にもなっていた。特にガンジョーと山井一派に至っては、総帥のウォン・トーや頭目の山井豊も知らない間にほとんどの構成員や側近までもがスパイとして紛れ込んでいた。

その他の組織

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ミニストリー・インテリジェンス・エージェンシー

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『1』に登場した内閣府直属の特殊部隊。略称は「MIA [注 3]」で、政治の裏工作や要人の警護といった任務を任されている。隊員はいずれも武器や戦闘術に長けた手練れたちだが、神宮の私兵に成り下がってしまっている。

神宮 京平(じんぐう きょうへい)
声 - 吉田裕秋
MIAの指揮者で、警察庁出身の代議士。贈収賄や銃刀法違反、殺人教唆といった数々の罪を犯している。戦闘ではMIAを率いて戦い、逃げ回りつつ中距離から銃撃(『極』ではさらに手榴弾を投げつける技が追加されている)するといった卑怯な戦法を取る。世良の協力を得ていた当時は理想と信念を尊んでいたが、10年前に記憶を失った由美と出会って彼女との間に遥をもうけた後に総理の娘との縁談が舞い込み、籍を入れていなかった由美が身を引いたのをいいことに金と出世、権力に溺れてしまう。その後、東城会を利用してマネーロンダリングを繰り返して後に由美と遥のことをかぎつけた記者を殺害し、世良と共に死体を隠したが、今後も同じようなことが起こることを恐れ、世良に由美と遥の殺害を依頼する。しかし、それが失敗に終わり、さらには世良が裏切った挙句に東城会に預けた100億円を盗んだことを知ると錦山に100億円の情報を流して東城会に混乱を引き起こし、取り返した100億円を手土産に近江連合に鞍替えしようと画策する。その後は部隊を率いてミレニアムタワーに赴き、そこで遥と由美を殺害しようと動くがそのことに激怒した桐生により敗北し、部隊共々叩きのめされる。その後由美が100億円の居場所を出したところで再び姿を現し、桐生と遥を庇った由美を銃撃した上で100億円を取り戻すためにその場で桐生たちを殺そうとしたが最後は錦山に刺された上に自分の100億もろとも彼の自爆に巻き込まれて爆死する[注 38]
『4』で100億円事件の動かぬ証拠として見つかった書類で警視庁に100億を渡すことや宗像と手を組んでいたこと、『5』では秋山のサブストーリーで秋山のいた部署がマネーロンダリングに関わっていたことが新たに判明する。
『ONLINE』では過去のエピソードで登場し、1999年当時は神室町で選挙戦に勤しんでいたが、自身の失脚を目論む梶谷と梶谷に雇われた記者の岡野に目をつけられたためにMIAを掌握した後に梶谷たちを謀殺した。
MIAの男
MIAの構成員。本名は不明。戦闘では拳銃を使用し、『極』では金融王に似たスタイルで戦う。神宮の命を受けて遥を拉致し、桐生を始末しようとするも叩きのめされる。自分たちの正体を白状しそうになったところを他の隊員に射殺された。

亜門一族

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『1』から登場した最強を自負する暗殺者集団。政財界の顧客から暗殺の依頼を受けている。一族の者はいずれも透過率の低い黒のサングラスをかけているのが特徴で、「亜門一族の女は男と拳を交えてはならない」という鉄の掟がある(『8』では丈たちが紗栄子とソンヒとバトルをしている。)。また、いずれも最終ボス以上の強敵で、最高まで成長させた主人公でも打ち倒すのは至難の業である。

亜門 丈(あもん じょう)
声 - 細川一毅[11](『3』 - 『5』)、田邉安彦(『0』)、宮本克哉 (『ONLINE』)
シリーズを通して条件を満たすことで登場する隠しボス的存在のキャラクター。格闘術だけでなく銃火器や武具をも使いこなす戦闘のエキスパートで、古牧宗太郎すら倒すほどの実力者であり、また人並み外れた体力も持ち合わせている。戦闘では二丁拳銃(荒瀬に似たスタイル)→素手(手榴弾などの投擲あり)→ナイフといった具合に段階的に戦闘方法を変えてくるのが特徴で、以降のシリーズでもこの形が取られている。敗れると「天よ、もはや一辺の悔いも無い」と言い立ち去っていく。
『2』では戦闘ではグレネードの投擲→グレネードガン→二丁拳銃(荒瀬に似たスタイル)→二振りのレーザーソードの順に武器を切り替えて戦う。桐生に倒されたことで彼を倒すために世界各地を回り、ありとあらゆる戦闘のスキルを会得し、究極の肉体作りに励む。その後、第一テストと称して桐生に三兄弟を送り込み、古牧を倒して秘伝書を奪った後、埠頭にて桐生と再戦する。
『3』では戦闘では二振りのレーザーソードを武器に戦い、一定の体力が減るとリチャードソンに似た二丁拳銃スタイルに切り替え、桐生の装備武器を使用不能にしてしまうほどの銃撃に加えて、鉤爪を装備したラウの動きや爆弾を放出するといった攻撃も見せる。「敗北した上に生かされることは死よりも屈辱だ」という激しい復讐心を持つことになり、桐生を倒すためにIF7を南田に開発させ、IF7のフィードバックシステムによって最高まで成長した桐生を圧倒するほどの力を身に付けた。
『4』では戦闘では最初はヴァレリーに似た格闘術と手榴弾を用いて戦い、体力が尽きて復活すると弟子たちのスタイルを使い分ける他、新たな兵器としてどこからかレーザービームを発動させてくる。主人公が4人に増えたことに合わせて弟子の一也や次朗、三吾と共に登場し、他の主人公たちを弟子に任せて自身は桐生に勝負を挑む。
『5』では戦闘では桐生に似た格闘術を用い、主人公たちの絶技である「怒龍の気位」と「エアストライク」の複合技による猛攻を仕掛けてくる他、体力が一定まで減ると怒龍の気位の発動と共に大量の傘型のミサイルを発射してくる。『4』と同じく一也や次朗、三吾と共に主人公たちと対峙し、自身は桐生と対決する。
『0』では戦闘では桐生と同様の格闘術の他、投擲武器にポケットティッシュや回復剤の偽物を混ぜてインベントリの空きにねじ込む攻撃を繰り出す。また、一定の体力が減るとドスを取り出し、真島さながらの動きで翻弄してくる。一族の好敵手となるかを見極めるために真島と対峙する。
『極』では戦闘では『0』でのスタイルと基本的に同じだが、一度体力が尽きて復活するタイミングでスタイルを切り替える、グレネードの投擲やブレイクダンスのような起き上がり攻撃の追加、体力が少なくなるほどに攻撃速度と移動スピードが速くなるなどの変更点がある。会話ではリメイク作であることを意識したメタフィクション的な選択肢が追加されており、どちらを選んでもプレイヤーに向けての感謝を述べる。また、敗北後は「天よ、もはや一辺の悔いも… 有る!」と言って再戦を誓う形になっている。
『6』では戦闘では巌見恒雄や秋山といった強敵に似た格闘術とアルティメットヒートモードを駆使しつつ、多数のドローンを展開して桐生の行動を妨害しながら自爆機能付きの自動掃除機を用いて追い詰めてくる。また、窮地に陥ると桐生の強力な攻撃を防ぐ球状のバリアを張る。敗北後は「いつでも桐生の命を狙っていい」という条件付きで桐生会の仲間に加わる。
『極2』では戦闘場所がミレニアムタワー内部に変更されており、戦闘では最初は郷田龍司に似た剣術で戦い、体力が一定まで減ると二振りの刀を用いる他、『6』と同じく桐生の強力な攻撃を防ぐ球状のバリアを張る。敗北後は桐生の強さの源を探るために真島建設に入社し、闘技場にも参戦する。
『8』ではメインストーリーに登場。表向き死亡したことなっている桐生への攻撃を控えていた。初戦では桐生に勝利するが[注 39]、これをきっかけとして桐生が絆覚醒に目覚める。絆覚醒した桐生に敗れるが、丈は「お前を倒すのは俺だ。……病じゃない。」と桐生に告げ去っていった。その後は横浜ダンジョンのEXフロア最深部でボスとして登場。戦闘開始直後に亜門三兄弟を呼び出し、絆連携も駆使してくる。倒すと「我々が追ってきた桐生が戻ってきた」と喜ぶが、桐生は「弱い自分も強い自分も俺だ」と告げる。そして初戦と同じく「お前を倒すのは亜門一族だ。……病じゃない。」と返し、去っていく桐生を見送った。
亜門 一也(あもん かずや)
『2』から登場した丈の弟子の一人。戦闘では二振りの大斧を使用する。最初の刺客としてチャンピオン街で桐生と対峙する。
『4』では戦闘ではヴァレリーに似た格闘術と素早い身のこなしを生かした高い回避力を武器に戦う。また、体力が一定まで減ると攻撃に対してよろけなくなり回避力も極端に上がる。主人公たちに合わせて登場し、前哨戦と称して秋山と戦う。
『5』では戦闘では秋山と同様に素早い動きや足技を駆使し、翻弄してくる。主人公たちに合わせて再び登場し、秋山と先鋒として戦う。
『極2』では髪が金髪になり、戦闘場所も七福パークに変更されている。戦闘では『2』と同じく二振りの斧を使用し、体力が一定まで減ると桐生の強力な攻撃を防ぐ球状のバリアを張る。敗北後は桐生討伐は他の弟子に譲り、桐生が亜門一族以外の者に討たれてはならないといった理由で真島建設に入社し、闘技場にも参戦する。
『8』では横浜ダンジョンEXフロア最深部での丈との戦闘で呼び出される。
亜門 次朗(あもん じろう)
『2』から登場した丈の弟子の一人。戦闘では武器に特殊な銃を使う。二番目の刺客としてセレナ裏で桐生と対峙する。
『4』では戦闘では防御不可能の特殊なハンマーを扱い、常時少しずつ体力が回復する状態に加えて、体力が一定まで減ると移動速度や回避率が上がる。一方で掴みに弱いという弱点も持っている。主人公たちに合わせて登場し、冴島と対峙する。
『5』では戦闘では金井に似た格闘スタイルで戦い、体力が一定まで減ると分身を生み出してくる。主人公たちに合わせて再び登場し、冴島と対決する。
『極2』では戦闘では武器がマシンガンに変更になり、倉橋や飯渕に似た戦闘スタイルと閃光弾を用いる他、体力が一定まで減ると桐生の強力な攻撃を防ぐ球状のバリアを張る。敗北後は自身を打ち負かした桐生に対し、桐生が討たれるまでの間は力を貸すといった理由で真島建設に入社し、闘技場にも参戦する。
『8』では横浜ダンジョンEXフロア最深部での丈との戦闘で呼び出される。
亜門 三吾(あもん さんご)
『2』から登場した丈の弟子の一人。戦闘ではバズーカ砲を武器に戦う。最後の刺客として劇場前広場で桐生と対峙する。
『4』では戦闘では最初はサブマシンガン一挺を武器に戦い、体力が一定まで減るとサブマシンガンを二挺に切り替える他、谷村と同じく捌き技を見せる。主人公たちに合わせて登場し、谷村と相見える。
『5』では戦闘では品田と同様に様々な武器を使いこなし、体力が一定まで減ると押田天童に似た戦闘スタイルに切り替わり、大量の傘をミサイルのように発射する攻撃を行う。主人公たちに合わせて再び登場し、谷村が不在のために代わりに連れてこられた品田と戦う。
『極2』では戦闘では武器が小型のバズーカ砲に変更になり、砲撃のみならず武器による打撃技も駆使し、体力が一定まで減ると桐生の強力な攻撃を防ぐ球状のバリアを張る。敗北後は桐生の強さに興味を持ったといった理由で真島建設に入社し、闘技場にも参戦する。
『8』では横浜ダンジョンEXフロア最深部での丈との戦闘で呼び出される。
亜門 乃亜(あもん のあ)
声 - 南雲希美(『ONLINE』)
『5』に登場した特定の条件を満たすことで遥の前に姿を現す亜門一族の長女。他の亜門一族と同じくサングラスを着用しているが、愛用品はフレームがハート型の個性的なもので、着用しない場合もある。ダンスバトルでは体力を大幅に削り取るヒートを使い、ライブバトルでは通常より複雑な譜面での対決を強いられる。丈に育てられて自らも暗殺の訓練を受けたものの、前述の掟により桐生と拳を交えられないことを歯がゆく思っており、後に遥がアイドルとして「戦い」の日々を送っていることを知って同じ土俵での勝負を挑む。エピソード終了後は亜門丈の桐生に対する執着とは違って遥をライバル視してはいるものの、殺害対象としては見ておらずに互いに競い合うライバルとして遥のことを認める発言をした。
『ONLINE』でも登場し、春日に出会い、遥との経緯を語り、掟を破って助っ人となる。
亜門 創(あもん そう)
『0』に登場した亜門丈の父で、当時の亜門一族の長。戦闘では旧式の鋳造砲に似た大砲を使用し、正面の砲撃と上に向けての連続の砲撃に加え、桐生が気絶すると絶大な威力を誇るレーザービームを発射する。また、体力が減るとパワータイプの渋澤に似たスタイルで戦い、さらにはヘリコプターを呼んで空から椅子や机(拾うとそれらを振り回す)、無敵となるドリンクを落とすという攻撃も行う。桐生が一族の繁栄を阻む存在になることを夢で見たことで桐生と対峙する。
亜門 新(あもん しん)
『7』に登場した亜門一族の一員。「ジャッジアイズ 」に先駆けて登場している。ストーリークリア後に登場する「ファイナルミレニアムタワー」の最上階に待ち構える最後の相手として登場し、他のメンバーと異なり、何度でも対決が可能となっている。初回対決以降もタワー最上階を根城としているようで、再度訪れるとテレビや食料品が持ち込まれており、ゴミが散乱している。またその際は普段の物々しい語り口調を完全に忘れ去った反応を見せる。戦闘では敵キャラクターの中でも最大のレベルを誇り、即死攻撃や様々な強敵たちの戦法を使い分ける。桐生が目に掛けた春日が「新たな龍」となるにふさわしいかを見極めるために激突する。敗北後は春日の力を認め、現れた桐生と共に春日の今後を見守ることにした。
亜門 鉄(あもん てつ)
『7外伝』に亜門一族が開発したロボット。
亜門 涯(あもん がい)
『7外伝』に登場した亜門一族の一員。

復讐者

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『3』の「ヒットマン」のイベントに登場する、かつての錦山組若中だった荒瀬和人がボスを務める謎の組織。劇中ではボスである荒瀬を含めて21名のヒットマンが登場(部下を従えている者もいる)し、堅生会を潰すために行動している。

HIDEKI(ヒデキ) / 新崎 英輝(しんざき ひでき)
復讐者の一人で、その中でもNo.2と言っても良い存在。「神速の刃」と呼ばれるほどの素早いナイフ捌きを誇る実力者の殺し屋で、復讐者ではヒットマンのスカウトも行っている。戦闘ではナイフと素早い動きを武器に戦う。かつては凄腕のヒットマンとして活躍していたが、ある時に不意に金で利用される仕事に虚しさを感じて失踪し、荒瀬と出会って復讐者の一員となる。その後、ミレニアムタワーの前で「HIDEKI」としてギターの弾き語りをしながら情報集めをしていたが、遂に自身が動かなければならない状況となり、対峙した桐生に敗北したことでプライドを傷付けられ、荒瀬と同様に桐生への復讐のために再度激突し、それでも勝てずに最後は荒瀬と共に桐生に挑むも敗れ去る。その後は全てを知ったことで堅生会襲撃を止めると発言した荒瀬と共に去って行った。
コータロー
復讐者の一人。「殺し屋」を名乗っているが、実際は人間の命を絶つということに対する恐怖心を克服できなかったことから誰一人殺しておらず、それを指摘されると逆上する。また、お調子者ではあるが復讐者の幹部となっている高名なヒットマンの一閃の弟子であったために殺し屋だったことに対しては自分なりのプライドを持っている。戦闘ではスタンガンを使用する。かつて組にいたが殺しができないことからすぐに追い出され、街で恐喝の小銭稼ぎをしていたところを桐生に見つかり、対峙するも敗北する。堅生会に連れてこられた後は通販に興じたり、ネットニュースで和んだりとインターネットを満喫しているが、更生する意思も確かであるために復讐者のイベントが終盤に差し掛かると就職先を探すようになる。
『4』では桐生のサブストーリーに登場し、更生して社会復帰を果たしており、それでも勤務態度の悪さ(特に言葉遣い)からバイト先を転々としていたが、最終的には桐生のアドバイスに助けられたことで新たに就職した寿司屋「寿司吟」では接客時の言葉遣いと態度を改めることに成功した。

極道殲滅暗黒同盟

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『4』の桐生の「チームエンカウント」のイベントに登場する、神室町に住む極道を善しとしない者が結成した「暗黒会」とも称される同盟組織。構成員はアジア圏のマフィアが多く、任務が発生した場合は発案者が指揮を執る形式となっている。アジアンマフィアの中で強大な力を持っていたラウの死をきっかけとして本格的に桐生の排除に向けての画策を開始し、後に神室の盾と神室町のギャングチーム「神室町アクアデビル」のいざこざに桐生が介入したことで始まった各ギャングチームによる「桐生ハント[注 40]」に便乗して桐生を仕留めようとしたが、結局は返り討ちに遭ってしまう。

ノワール
暗黒会四天王の一人で「玄武」の名を持つ黒いダウンジャケットを着た男。黒悪夢のリーダーであるランク0は実弟にあたり、彼を「我らの崇高な理想を理解できずに逃げ出したクズ」と嘲笑している。戦闘ではルチャで戦う。組織の邪魔者である桐生を排除するために桐生を呼び出すが、命令でしか動けずその命令の本質すら理解しないことから桐生に「自らの意思で動いていた分、弟の方がまともそうだ」と言われて逆上し襲い掛かるも敗北した。桐生に敗れた後、彼から「弟を見習って自分の意思で生きるんだな」と諭される。
BLUE(ブルー)
暗黒会四天王の一人で「青龍」の名を持つ香港出身の男。日本語と英語が入り混じった片言で話す。戦闘では鉤爪を装備し、ラウに似た格闘スタイルで戦う。組織の命令で桐生に襲い掛かるも敗北し、直後にその場から姿を消した。
ブラン
暗黒会四天王の一人で「白虎」の名を持つ元韓国マフィアの構成員。日本ではマフィア活動は割に合わないとして、暗黒会に加入した経歴を持つ。戦闘ではリチャードソンに似た二丁拳銃スタイルで戦う。他の二人と同じく組織の命令で桐生に襲い掛かるも敗北した。
ルージュ
暗黒会四天王の一人で「朱雀」の名を持つ、暗黒会を指揮していた仮面を被った不気味な男。戦闘では秋山やリチャードソンに似た格闘スタイルの他に極め技も使用する。たまに現れては神室町のパワーバランスをたった一人で変えてしまうほどの桐生を「たまに来る天災レベル」と評して危険人物として目を付けており、ラウの死後に再び神室町に現れた桐生を始末する好機と思い、関東ギャングスターズの実質的なリーダーであるRAやパープルキラーズに桐生退治を依頼するが失敗し、最後は自身が動いて始末しようとするも敗北した。桐生に敗れた後、自分の命を狙った暗黒会に対して「今後狙われた際は気を付ける」と気にする程度の反応しかしなかった桐生の豪胆さに驚愕し去って行った。

神室町ファイブビリオネア

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『0』の桐生の「神室町マネーアイランド」のイベントに登場する、神室町でもっとも多くの金を動かしていると言われる「娯楽王」「電脳王」「風俗王」「賭博王」「芸能王」の5人からなる億万長者の総称。神室町を5つのエリアに分け、それぞれが圧倒的な資金力と暴力的な圧力で金儲けというマネーゲームを楽しむため、それぞれに暮らす人々を顧みることなく自分たちの金儲けを第一として強制的に次々とエリアを拡大している。桐生が山野井と共に解決策を講じ次々と桐生に倒され、黒幕である「金融王」が倒された後は、5人全員が桐生の仲間となり、それぞれのエリアの治安維持に務めている。

娯楽王 / 設楽(したら)
神室町ファイブビリオネアの一人で、天下一通りを根城としてパチンコ店経営を主とした娯楽産業で財を成した億万長者。ファイブビリオネアの中で唯一苗字が判明している。電脳王曰く「一番弱いビリオネア」で、サングラスにヒョウ柄のズボン、赤いシャツと遊び人風の風貌ながらも自身の管轄エリアから立ち退こうとしない山野井に暴力を振るうなど好戦的な性格をしている。戦闘ではブルース海老沼に似た格闘スタイルで戦う。街中で肩がぶつかった桐生に対し、威圧する手下をなだめ「金持ち喧嘩せず」と一言言い残し、去って行った。その後、自身のエリアの物件や土地を悉く桐生に買収されてしまい、最後の手段として桐生と戦うが敗れ、直後に現れた他のファイブビリオネアのメンバーからファイブビリオネアからの離反を突きつけられた。その後はファイブビリオネアに消されることを恐れて、手下の竹下楽太と共に桐生に仲間入りを志願した。
電脳王
神室町ファイブビリオネアの一人で、中道通りを根城として最先端技術の開発・投資で財を成した億万長者。IQ190の頭脳を持つ天才で、中道通りのゲームセンターに入り浸っており、自身を「IQ190のスーパーゲーマー」と称している。一方でオタク風の外見からは想像つかないほどに喧嘩も強く、チーマーに絡まれた際に全員返り討ちにし、彼らを従えるようになった。戦闘ではムエタイで戦う。桐生とゲーム勝負をしたりと常にゲーム感覚で戦うが、最後の対決では手段を選ばず、チーマーを呼び寄せて複数で桐生に挑むも敗北した。桐生に敗れた後は、桐生の経営能力を高く評価した上で、自身はゲーマーに戻ることを話し、手下の明電波也と共に桐生に仲間入りした。
風俗王
神室町ファイブビリオネアの一人で、ピンク通りを根城として風俗施設産業で財を成した億万長者。ごつい体にピンクのラメ入りボディコンを着たオカマであり、山野井からは「男の体に女の心、双方の気持ちがわかるからこそ大金を手に入れた」と評されている。また、ボッタクリ商法や店で働く風俗嬢を金で売り買いするなど良い噂はあまり聞かれず、ピンク通り周辺のヤンキーたちに金と女をあてがい従えさせた。戦闘では相沢に似た格闘スタイルで戦う。桐生を呼び出す際に風俗の割引券を送るなど桐生を弄びながらも対峙し、最後には桐生を直接襲う強行手段に出るが、他の手下と共に敗北した。桐生に敗れた後は、「神室町を元に戻すためには大元を潰す必要がある」と進言し、自ら風俗経営のアドバイス協力を申し出て、手下のジャガーと共に桐生に仲間入りした。
賭博王
神室町ファイブビリオネアの一人で、劇場前広場近辺を根城として驚異的な勝負強さで賭博に勝ち続け財を成した億万長者。金髪にスーツという出で立ちの元極道で、賭博で得た大金を元に極道から足を洗い、現在は裏カジノや自ら経営する賭博施設「キャットファイト」は元より、パチンコ店やレジャー施設などの経営や買収も行っている。また、極道時代の仲間をボディガードとして従えさせているなどファイブビリオネアの中でも芸能王と一、二の座を争うほどの財力とコネを持った一人でもある。戦闘では八幡に似た格闘スタイルで戦う。ギャンブルさながらのスタイルで桐生と対峙するが、最終対決では「最後にはなんとしても勝つ」という自身の哲学の元に仲間の極道と共に桐生に挑むも敗北した。桐生に敗れた後は、桐生の経営スキルの高さを評価し、桐生よりも大きな男になると意気込むが、対決後に現れた芸能王から「桐生に負けることを想定し、君の物件と資金を全て奪った」と聞かされ、一泡吹かせてやりたいと桐生に仲間入りを志願した。
芸能王
神室町ファイブビリオネアの一人で、七福通りを拠点としてディスコの経営で財を成した芸能プロダクションのマネージャー。元ダンサーという経歴から「ディスコキング」の異名を持ち、外人被れな口調とおちゃらけた雰囲気を醸し出しているが、利益を得るためならば手段を選ばない性格で、芸能人志望の女性を斡旋したり、桐生に敗れた元仲間をあっさりと切り捨てるなどしていた。また、ファイブビリオネアの中でも最強と評されるほどの財力と実力を誇っている。戦闘では風間譲二に似た格闘スタイルで戦う。他のファイブビリオネアのメンバーと同様に最後には桐生に直接対決を挑むが、自身も敗れてしまう。その後、現れた金融王から用済みとして手下に桐生もろとも抹殺されそうになるが、桐生と協力して手下を撃退し、直後に自身がして来た悪行を償うために桐生に協力する。
金融王
神室町ファイブビリオネアの元締めで、山野井のかつての同僚。ファイブビリオネアを凌駕する財力を誇るが、普段は自身の根城である「ビリオネアルーム」に籠ってファイブビリオネアを操っており、自分から動くことは少ない。また、社会貢献を唾棄したり金のためならどこまでも非情になれるなど、その性格は強欲かつ自己中心的で、我が強く拝金主義な性格の多いファイブビリオネアをもってして、逆らえば破滅は免れない存在として恐れられている。戦闘ではリチャードソンに似た格闘スタイルで戦う他、茉莉奈から強奪した拳銃による銃撃も織り交ぜてくる。かつては山野井と同じく不動産業を営んでいたが、次第に金と独善的な思想に溺れ、マネーゲームに手を出そうとしたことで山野井と決別してしまう。その後はマネーゲームで稼いだ金を元に始めた金融業からさらなる金を手に入れ、遂にはファイブビリオネアを利用して神室町を支配することを目論むようになる。ファイブビリオネア壊滅後は、山野井を買収した上で桐生を始末するという手段をとるも、山野井に銃を向けられたことで困惑して命乞いをするも断られて殺されそうになる。その後、駆け付けた桐生の秘書である潜入捜査官の茉莉奈に今までの悪事の摘発を受け、自棄になって茉莉奈が置き忘れた拳銃を強奪して桐生たちに襲い掛かるも返り討ちに遭ってしまい、直後に逮捕された。

蒼天堀ファイブスター

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『0』の真島の「蒼天堀水商売アイランド」のイベントに登場する、蒼天堀のキャバクラを牛耳っている人気キャバクラ5店舗のオーナーの総称。元々、蒼天堀にはキャバクラという新ビジネスの勢いの波に乗ろうとたくさんのキャバクラ店がひしめいていて栄えていたが、彼らが蒼天堀に出店してからは他のキャバクラ店に対しての嫌がらせや金を使ったキャストの引き抜きや暴力的な圧力など手段を選ばない手法によりどんどんと閉店に追いやられ、最終的にはファイブスター以外の蒼天堀のキャバクラはサンシャインのみとなった。また、彼らはお互いに手を組み自分たちの店だけで蒼天堀のキャバクラを独占しようと企んでいる。最終的な目標は、蒼天堀のキャバクラを独占しそこに渦巻く金や利権、人脈を手に入れた後に、蒼天堀で最も大きな力と金を持つキャバレー「グランド」を潰すことにあったが、真島と陽田によるファイブスター壊滅活動により追い詰められて行き、最後は組織の黒幕であったことみが月山と共に警察に自首したことで消滅した[注 41]

火野(ひの)
声 - 堀内隼人
キャバクラ「CLUB MARS」のオーナーで、蒼天堀ファイブスターの一人。上下赤のスーツに金色の蝶ネクタイとお坊ちゃん風の風貌をした傲岸不遜な拝金主義者で、月山からは「五本指のいわば小指」とあまり当てにされていない。招福町西に構えているMARSは、金持ちをのみをターゲットとした店となっており、「蒼天堀キャバクラランキング元気っ娘部門1位」に君臨している亜衣がNo.1として在籍している。また、キャバクラバトルでは、サンシャインの客を帰らせるフィーバーヒートを使う。真島が来る前からサンシャインに対していたずら電話や営業中に店で騒ぐなどの執拗な嫌がらせをしていたが、真島が来てからは本格的にサンシャイン立ち退きに乗り出し、真島たちが偵察しに来た際には「虫退治」と称して店員に暴力行為を指示するも真島に返り討ちにされた。その後、立ち退きに応じないサンシャインにキャバクラバトルを申し込むも敗北し、自身が負けた責任を全て亜衣に押しつけて無効を主張するが、その後に現れた月山により敗北したこととその見苦しさからファイブスターからの離反を突きつけられ、消されることを恐れてサンシャインを飛び出し逃げて行った。
木塚(きづか)
キャバクラ「CLUB JUPITER」のオーナーで、蒼天堀ファイブスターの一人。迷彩柄の作業着風の衣服を身にまとい、顔中にピアスを付けたいかつい風貌をした元暴走族総長で、ファイブスターの「汚れ仕事[注 42]」を任されている。文左衛門筋に構えているJUPITERは、キャストを休ませない経営から出勤率が高く、「蒼天堀キャバクラランキング連勤日数1位」の座に君臨し蒼天堀のキャバクラ嬢一の体力から「連勤の沙希」の異名を持つ沙希がNo.1として在籍している。また、キャバクラバトルでは、サンシャインのキャストの体力を減らすフィーバーヒートを使う。戦闘ではルチャで戦う。火野の敗北後、サンシャインに対して真島の留守中に手下を使い、陽田に暴行行為を働くなどの嫌がらせ行為をし、サンシャイン潰しに本格的に動き始める。その後は立ち退きに応じないサンシャインにキャバクラバトルを申し込むも敗れ、自身の負けを認めつつも今度は「男同士の拳の勝負」と真島に対して直接対決を挑むもこちらでも敗北し、潔く完敗を認めた(真島から「喧嘩は一流」と評された)。対決後は月山に消されることを恐れて身を隠す意向を示し、JUPITERを閉店させることを決めた後、沙希に今までの詫びを入れ、真島に沙希を雇って欲しいと懇願して立ち去った。
水村(みずむら)
キャバクラ「CLUB MERCURY」のオーナーで、蒼天堀ファイブスターの一人であり、陽田に水商売のイロハを教えた師匠。真島に似たポニーテール風の髪型に水色の長袖シャツとスーツ姿の老紳士的な風貌をしており、かつてはその手腕の凄さから「キャバレーの獅子」の異名を取っていた。招福町に構えているMERCURYは、水割り1杯10万円という所謂ぼったくりバーで、複雑な家庭事情や体調面に不安を抱えるひびきがNo.1として在籍している。また、キャバクラバトルでは、サンシャインのキャストの調子を下げるフィーバーヒートを使う。サンシャインと敵対していく中で自身の過去が明らかになり、陽田の師匠でかつて蒼天堀の水商売を賑わせていこうと夢を語り合った仲であることや共にキャバレーを経営していた妻を亡くしたことから店が経営難に陥っていたこと、月山の誘いに乗ってキャバクラに経営転換し汚い経営に手を染めてまでも妻との思い出の店を存続させるために奮起していたことなどが判明する。サンシャインとのキャバクラバトルに敗戦した後は、自身の負けを認めつつも、成長した陽田を褒め称え、陽田から「共にまた仕事をしたい」と告げられるも断り、MERCURYの閉店を決意した。また、陽田と同様に真島の手腕も高く評価した上で、ひびきの事情を汲んだ上でサンシャインで雇って欲しいと懇願し、最後には「老兵はただ去るのみ」と言い残してサンシャインを後にした。
金原(かねはら)
キャバクラ「CLUB VENUS」のオーナーで、蒼天堀ファイブスターのNo.2。金色のジャケットを着たハンサム風の風貌をしたナルシストで、「どんな手を使おうと相手より優位に立つ」という持論を持ち目的のためなら自らの風貌に魅せられた女を騙し手駒として利用することも厭わない卑劣さから真島に「外道」と揶揄された。蒼天堀通りの東側に構えているVENUSには、自身の恋人でありミステリアスかつクールな魅力を武器に蒼天堀内でも一、二を争う実力の持ち主と評される千佳がNo.1として在籍している。また、キャバクラバトルでは、サンシャインの客を帰らせると同時にキャストの体力を減らすフィーバーヒートを使う。戦闘では八幡に似た格闘スタイルで戦う。サンシャインにスパイを送り込むなどサンシャインと敵対する中でサンシャインで働くユキに目が止まり彼女を口説こうとしたが、ユキに「生理的に無理」と拒否された。その後もユキに対して口説きを仕掛けるが拒否され、強行手段として自身の個人的な目的とサンシャインの戦力ダウンのためにユキを拉致してサンシャインにキャバクラバトルを申し込むも敗れた。敗戦後は、自身が負けた責任を全て千佳に押しつけ、真島に対して実力行使に出るも再び敗北し、それでも負けを認めようとしない往生際の悪さから、対戦後に現れた月山に「消えなければ消すぞ」と脅されてその場から逃げ去った。
月山(つきやま)
キャバクラ「CLUB MOON」のオーナーで、蒼天堀ファイブスターのリーダー。深緑のスーツに眼鏡を掛けたインテリ風の風貌をしている冷静沈着な冷血漢で、同じファイブスターのメンバーに対しても仲間意識を持たずに火野を敗北後にあっさりと切り捨てたり、木塚に対しては汚れ仕事を押し付けたりと駒や道具のように扱うなど、その冷酷さを水村からは「水商売の悪魔」と評されている。蒼天堀通りの西側に構えているMOONには、「蒼天堀最強のキャバ嬢」の異名を持つまながNo.1として在籍している。また、キャバクラバトルでは最強の能力を誇り、サンシャインの客を帰らせると同時にキャストの体力と調子を下げるフィーバーヒートを使う。戦闘ではムエタイで戦う。他のファイブスターのメンバーが真島に敗れた後は最後の砦として立ちはだかるが、自身も真島に敗れてしまい、直後に母親を死に追いやったグランドを潰すという真の目的を吐露した[注 43]。その後はまなや真島に諭されたことでグランドへの憎しみから解放されようとしたところを、自身を利用していた秘書のことみに撃たれるが一命をとりとめ、彼女に利用されていたという事実を告げられて尚も真島にことみの暴走を止めて欲しいと懇願し、最終的には自殺しようとしたことみを止めて彼女と共に罪を償うために警察に出頭した。

ムナンチョヘペトナス教

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『0』から登場した「ムナンチョヘペトナス」と呼ばれる神を崇めるインチキ宗教団体。信者は白装束(『極』以降は黒装束)に数珠状の首飾りを身につけた装いをし、教団を狂信的なまでに信仰しているが、実際は教団に洗脳されているだけであり、自身が騙されていることに気づかずに盲信している者が多い。また、教団内では独創的な隠語を用いており、お布施のことを「フセリンチョ(1リンチョが10万円)」と呼び、ありがとうを意味する「ヘペトナス」、修練を「シュレピッピ」、徳を「ク・リパース」、出会いの挨拶を「ムナンチョ」、別れの挨拶を「ムナンチョッチョ」、再教育(洗脳)のことを「チョモゴメス」、「俺の母乳を飲め」を「ドルチェウッホ[注 44]」、教団に入信した者を「フレンド」とそれぞれ称している。街で入信者を勧誘しては洗脳して信者に仕立て上げ、お布施と称して金を騙し取るなどの詐欺行為で入信者を食い物にし、反抗的な者には監禁や暴力などといった悪辣な手段を講じることも厭わないなどのタチの悪さも目立つ。当初は大阪の蒼天堀で活動していたが、真島の摘発により教団の実態が暴かれて一度は解散した。その後も『極』で東京の神室町、『6』では広島の尾道仁涯町で残党が再起を図るも、双方共に桐生の介入により失敗に終わっている。『7』にはニワトリを生き神として祀るカルト教団の一員がスジモンとして登場し、その一味もムナンチョやシュレピッピなどムナンチョヘペトナスに関する単語を口にするが、関連性は不明である。『8』では名前のみ登場。他同業団体が行う同様な詐欺まがいの防止に役立てようと初代教祖が当時行っていた布教を自ら実践して動画配信する事で、詐欺防止の救済活動に身を挺していた事を察するに既に広島・尾道仁涯町で壊滅して以降の活動はしていないと思われる。『ONLINE』では1987年当時から蒼天堀で活動しており、ヤクザも近寄らないと言われるほどの勢力を誇っていたが、とある出来事によって一時壊滅状態まで追い込まれることが描かれている。

ムナンチョ・鈴木(ムナンチョ・すずき)[注 3]
声 - 田窪一世(『6』)、後藤淳一(『ONLINE』)
真島のサブストーリーに登場したムナンチョヘペトナス教の開祖。詐欺師らしく狡猾さと演技力に長け、普段は聖人ぶった態度をとっているが、信者たちを私腹を肥やすための存在としか見ておらず、金を巻き上げたり、女性信者には「特殊なシュレピッピ」などと称して性行為を強要するなど、その本性は我欲に満ちている。また、自身の目論みを台無しにされたり挑発を受けると逆上して本性を剥き出しにするなど短気な面も目立つ。戦闘では南に似た格闘スタイルで戦う。騙されて入信したいおりを手籠めにしようとしたが、教団に潜入した真島に叩きのめされる。その後、信者たちに助けを求めたが、呼び掛けを無視して「回復の儀式」と称した祈祷を始めたために、洗脳が仇となって自滅するという自業自得な末路を辿り、詐欺罪で警察に逮捕される。
『6』でもサブストーリーに登場し、詐欺から足を洗っているものの相変わらず短気な面や口が上手い面は健在である。出所後に他に頼れるものが無かったために開祖として教団に返り咲けば居場所はあると思い、元金庫番のムナンチョ赤松が教祖になったことと教団が活動拠点を広島の尾道仁涯町に移したことを知って移り住む。しかし、移住して間もない頃から優しく接してくれたミエという老女に出会い、惚れ込んでしまったことで改心する。その後、ミエが夫を亡くしたところを教団に騙されて大金を寄付しようとするのを目の当たりにし、彼女を止めるために街中で言い争っていた時に偶然通りかかった桐生と共に入信希望者と偽り、教団施設に潜り込んだ。その際に自身が開祖であることや教団を作ったことに対する罪悪感と後悔を告白し、ミエの寄付を阻止した。その後、28年前の自身と同じ結末を迎えた赤松と教団の解体を見届けるも、同時に自身の過去も露見したことでミエからは絶交されてしまうが、改めて自身の犯した罪を一生背負っていくという決意をし、また罪を償う第一歩を踏み出せた礼を桐生に告げて街中へ去って行った。
『ONLINE』では過去のエピソードで登場し、教団へ入信して来たヤクザの石塚弘毅を洗脳して信者に仕立て上げるが、石塚を追って来た幕内組の組員である金宮から石塚が組の金を持ち逃げしたことを聞き出すと、石塚から金をせしめようとしたが記憶を消したことが仇となって金の在り処まで忘れてしまったがために、石塚の記憶を呼び起こすために躍起になる。紆余曲折を経て石塚の記憶を取り戻すも「持っていた金は競馬でスってしまい、それがバレたために組から身を隠すために教団へ逃げ込んだ」と告げられたために彼を教団から追い出そうとしたが、逆に金目的で組に歯向かったことをネタにされた上で逃亡の手助けをするように脅迫されてしまい、進退窮った状態に追い込まれた。最終的に石塚の脱走の手引きを行うことになり、幕内組の目を欺くためにかかった費用と時間から多大な損失を被る羽目になる。
『8』では桐生のエンディングノートに登場。教祖当時の教団服に身を包み、横浜・伊勢佐木異人町の浜北公園の海岸通りでシュレピッピ(修練)を動画撮影しているところに桐生が偶然通り掛かった。かつて広島・尾道仁涯町にて布教活動していた当時ムナンチョ赤松率いる同教団の悪事を共に暴き壊滅させたが、また戻ってきてインチキ商法に手を染めていたと勘違いし見過ごすことは出来ないと声を掛けてきた。当人は完全否定したが、なかなか信じてもらうことは出来ずにいたがチンピラに絡まれた際、ムナンチョへぺトナス教が行っていた一連の行動を動画を通して自ら実践して見せることで、同調圧力を利用し思考を鈍らせることで寄付金と称して金を摂取するための詐欺だという事を広め、他の同様な手口に騙されないよう促すためのモノであり、動画配信で得た収益も全て被害者の会に寄付していると告げ、せめてもの贖罪であると真意を語った。鈴木の本心を知った桐生がチンピラたちを撃退。かつて共に広島で撃退に協力してくれた桐生だと気付くも否定された。自分が今やってることは広島での別れ際に桐生に掛けてもらった言葉「犯した罪と真っすぐ向き合う人間を神様は悪いようにはしない」という言葉が、自らが贖罪を含めた被害者救済と詐欺防止する活動のきっかけになり、今でもその決意に一切のブレは無いと語り、別れ際、「がんばれよ、ムナンチョ鈴木」と小さく桐生が囁いた。
古川 いおり(こがわ いおり)
真島のサブストーリーに登場したムナンチョヘペトナス教の信者で、教団に騙されて入信した女子大生。20歳。父親を亡くして途方に暮れていたところを教団に付け込まれて教団を盲信するようになる。その後、洗脳により母親に関する記憶を消去されたり、金の支払いが未納であることに目に付けたムナンチョ鈴木に強姦されそうになったが、真島によって正気を取り戻す。その後は完全に化けの皮が剥がれたムナンチョ鈴木と彼の前で祈祷し続ける信者たちを尻目に教団を脱退して母親の元へ戻り、自身を助けるために行動してくれた真島に感謝をし、これからは母親と力を合わせて行きていくことを真島に誓った。
チョリトス・矢澤(チョリトス・やざわ)
『極』のサブストーリーに登場したムナンチョ鈴木の一番弟子を称する代行的存在。ムナンチョ鈴木に心酔しており教団壊滅後も慕い続けているほどの従順さを持ち、教団を潰した真島に対しては「災厄ウロゴマ」と呼び逆恨みしている。また、先生と自称しているが、芝居掛かった言動と怪しげな雰囲気から桐生に「ただの胡散臭いオッサン」と軽視された。戦闘では師匠と同じく南に似た格闘スタイルで戦う。ムナンチョ鈴木が逮捕された後は教団を再興させるために「生涯のパートナーが必ず見つかる」という触れ込みのパーティー[注 45]を開催し、信者を増やすという計画を神室町で行っていたが、桐生に阻止されて失敗に終わる。計画破綻後も桐生に対してゴネるも桐生から「人集めの才能はある」と評価され、彼からそれを生かした別な道を促されたことで神室町から撤退した。
ムナンチョ・赤松(ムナンチョ・あかまつ)
『6』のサブストーリーに登場したムナンチョヘペトナス教の二代目教祖で、教団の元金庫番。28年前と変わらぬ手口を使っていることや、インチキ呼ばわりされても平然とした態度で開き直る厚かましさから鈴木に「一端のペテン師になった」と皮肉を浴びせられた。戦闘ではブルース海老沼に似た格闘スタイルで戦う。ムナンチョ鈴木が教祖として活動していた頃は教団の金庫番を務めていたが、ムナンチョ鈴木が逮捕された後は警察から隠し通した金で教団を乗っ取って教祖の地位に就き、乗っ取りの事実や教団内の悪行を隠蔽した上で広島の尾道仁涯町で活動をするようになる。騙されて入信したミエから金を奪おうとしたところを桐生と共に教団に乗り込んできた鈴木に正体を明かされた上に教団も否定され、その怒りと失望感から彼を反逆者とみなして襲いかかるも桐生に一蹴された。その後、信者たちに助けを求めるも呼び掛けを無視され、結局は28年前の鈴木と同じ轍を踏むこととなった。
『7外伝』では大富豪にスカウトされた浄龍会のメンバーとして加わる。教団壊滅後は大人しくなったとされているが、改心したのかは不明である。

JUSTIS

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『6』の「クランクリエイター」のイベントに登場するチーム。名前の由来は英単語の「JUSTICE」だが、結成時にジョーやオカダが綴りを覚え間違えていたために「JUSTIS」となっている。チームでは「六狂人」と呼ばれる6人の幹部たちを中心に動いており、かつて神室町で幅を利かせていたカラーズと呼ばれるギャング集団を倒すために正義を貫く若者たちによって作られ、カラーズ壊滅後はギャングチームと遜色のないチームに成り下がって徐々に勢力を広めていくが、そのほとんどが参謀役のコウメイや彼のバックにいた黒幕の殺月の手の内にあることを見抜いていたオカダは密かに殺月共々組織を潰すことを狙っている。桐生会との抗争の中でオカダを含む六狂人メンバーは全員桐生会に移籍し、組織はコウメイが完全に掌握するも程無くして殺月と共に倒され、完全に壊滅した。『極2』では六狂人の6人は本編とは関係ないゲストキャラクターであるが、闘技場で対戦したり新・クランクリエイターで仲間にすることができる。

オカダ・カズチカ
JUSTISのリーダー兼六狂人の一人で、ジョーの親友。金の雨を降らせるという意味で「レインメーカー」という異名を持ち、メンバー3000人を束ねるほどの圧倒的なカリスマ性と強さを誇る。戦闘ではベースタイプの渋澤に似た格闘スタイルで戦い、必殺技として自身の異名と同じ名の「レインメーカー」を使用する。かつてカラーズを壊滅に追い込んだために殺月の報復に遭い、その際に恋人を守ることができなかったという悔恨から「JUSTISをもっと強くしたい」と考えるようになり、善悪や誰彼問わずに強いメンバーを引き入れるようになってしまい、JUSTISを思想が大きくくずれたチームへと変えてしまうが、その真の目的はJUSTISを敢えてギャング同然のチームにすることで自分の手駒となるギャングを欲する殺月を誘き出して復讐することであった。裏で殺月と繋がっていたコウメイをわざと泳がせる一方、JUSTISに立ち向かわせる戦力を興させるためにジョーをわざと抜けさせ、彼や桐生が興した桐生会にその可能性を見出すと、自らの意図を隠すために悪人を演じる一方で、他の六狂人メンバーを刺客という形で桐生会に送り込むことで内々にその戦力を強化させていく。その後、自身の計画通りにことが進んだ後は全てを明かし、コウメイと殺月、そして彼らの手勢と化してしまったJUSTISを完全に壊滅させるために桐生会に協力する。
棚橋 弘至(たなはし ひろし)
JUSTISの六狂人の一人で、オカダやジョーの友人。愛称は「タナ」。オカダの豹変の理由を知っているために彼の暴走を知りながらもオカダを支え続けており、またJUSTISを抜けたジョーの心情も理解しているなどの強さだけでなく仲間思いの優しさも持ち合わせている。ジョー曰くエアギターをしたり、「愛してマース!」と叫んだりするなど明るいキャラクターだったが、オカダの件もあって現在は落ち着いた性格になっている。戦闘ではルチャで戦い、必殺技として「スリング・ブレイド」を使用する[注 46]。神室町で桐生たちに敗れてコウメイに切り捨てられた後、オカダの豹変の理由を話し、ジョーと共にオカダを助けるために桐生会に入ると同時に本来の性格に戻る。
天山 広吉(てんざん ひろよし)
JUSTISの六狂人の一人。かつては小島と共にカラーズに所属していたが、後にオカダに敗れたことで、「負けたらそのチームに入る」というポリシーから小島と共にカラーズを抜けてJUSTISに入った経緯を持つ。戦闘ではハングマンに似た格闘スタイルで戦い、必殺技として「TTD」を使用する。神室町で小島とのタッグで桐生とジョーを相手に戦うも敗れ、直後に自らのポリシーに従って桐生会に入る。
小島 聡(こじま さとし)
JUSTISの六狂人の一人。天山とのタッグは「テンコジタッグ」と呼ばれ、組むことで通常の倍以上の実力を発揮し[注 47]、ジョーからも天山と共に「クソ野郎だが腕は確か」と評されている。戦闘では渡辺正高に似た格闘スタイルで戦い、必殺技として「ウエスタン・ラリアット」を使用する。桐生たちに敗れた後は天山と同様に桐生会に入る。
内藤 哲也(ないとう てつや)
JUSTISの六狂人の一人。「トランキーロ、あっせんなよ」などスペイン語を織り交ぜたややチャラけた独特な語り口調を使い回す一方で、オカダの命令ではなく自分の意思で尾道仁涯町に出向き、誰の命令も聞かないと嘯く強烈な反骨精神や、桐生やジョーのような「感情や男気で動く人間」を嫌ったり桐生に敗れた矢野に対し「負け犬は不要」と射殺しようとするといった冷酷な一面も持つ。また、ヤクザやマフィアに知り合いが多く、桐生が東城会の四代目ということも知っていた。戦闘ではルチャで戦い、必殺技として「デスティーノ」を使用する。矢野の敗北後、後任として尾道に攻め入って桐生たちと戦うも敗れ、直後に前述の「感情や男気で動く人間」への嫌悪は憧れの裏返しであったことを告白し、桐生の男気に惚れたことで桐生会に入る。
矢野 通(やの とおる)
JUSTISの六狂人の一人。元々は窃盗や詐欺のスペシャリストとして活動しており、オカダに引き抜かれてJUSTIS入りした経歴を持ち、「敏腕プロデューサー」と称して手下に様々なあくどい仕事をさせている。戦闘では金井に似た格闘スタイルで戦い、必殺技として「鬼殺し」を使用する。JUSTISの切り込み隊長として尾道仁涯町で桐生たちと対決するも敗北し、直後に現れた内藤からJUSTISからの除名を宣告され、用済みとして射殺されそうになったところをジョーが間に入ったことで救われる。その後は心を入れ替えたとして桐生会に入る。
コウメイ
声 - 武田直人
JUSTISの参謀役。六狂人ほどの腕っ節はないながらもその狡猾さと悪知恵を武器にオカダの右腕的存在として君臨しているが、格下と見た相手を露骨に見下すだけでその戦力を正当に分析しようとしない、兵隊の数で有利と不利を判別する、想定外の事態や裏を書かれた際には激昂したり狼狽えるなど、策士としても優秀とは評し難く、裏で手を結んでいた殺月からもさほど信頼されていない。JUSTISを発展させていく裏でJUSTIS乗っ取りのために黒幕の殺月と協力し、強いメンバーをJUSTISに引き入れた上で密かに自分たちの味方に付けるなどの計画を着々に進める。その後、オカダが桐生に敗れると本性を露わにして同時に殺月を紹介し、オカダに対して「リーダーとしては三流」と嘲りながら、自身がJUSTISのリーダーになることを宣言するが、オカダにその目的や行動は当に見抜かれていたことや殺月を誘き出すために敢えて泳がされていたことを聞かされ、自分が言い放った嘲笑をそのまま返されてしまった。その後はJUSTISの新リーダーとして殺月と共に桐生会に勝負を挑むも、返り討ちに遭い、殺月よりも一足先に倒された。

悪徳不動産

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『極2』の「新・クランクリエイター」のイベントに登場する、武藤不動産やカラーズ、地上げ三銃士が中心となり結成された組織。武藤と蝶野が組織を動かしているが、その裏では鶴川が操っている。「神室町ヒルズ計画」を請け負う真島建設の利権を狙って神室町へ侵攻を仕掛けるが、桐生の協力を得た真島建設の抵抗によりメンバーが悉く返り討ちに遭い、抗争の最中に武藤不動産とカラーズが鶴川と裏で手を組んでいた殺月の手で乗っ取られたことで組織は瓦解し、最終的には鶴川の敗北と殺月の撤退によって実質的に壊滅した。その後、悪徳不動産の全員が真島建設の社員となり、闘技場にも参戦する。

武藤 敬司(むとう けいじ)
悪名高いと評判の不動産企業「武藤不動産」の社長。弱肉強食という言葉が大好きで、自分の手を汚さずに同業者を潰す戦法を得意とする。戦闘ではパワータイプの渋澤に似た格闘スタイルで戦い、必殺技として「シャイニング・ウィザード」を使用してくる。桐生が来る前から真島建設の妨害を行なっており、桐生の登場により改めて真島建設に宣戦布告をする。地上げ三銃士敗北後は蝶野と共に出陣して真島建設に挑むも敗れる。敗北後は自身の信条に従い負けを認め真島建設と和解するが、それを良しとしなかった蝶野に裏切られた挙句、鶴川に会社を乗っ取られてしまう。しかし、真島が自身を庇ってくれたことで彼に感謝し、自身を裏切った蝶野を見返すために真島建設の一員となる。
蝶野 正洋(ちょうの まさひろ)
神室町最大のギャングチームと呼ばれる「カラーズ[注 48]」の総帥。カリスマ性と知略に富んでおり、カラーズの世界進出を目論んでいる。戦闘ではベースタイプの渋澤に似た格闘スタイルで戦い、必殺技として「ケンカキック」を使用してくる。武藤と手を組んでヒルズ計画を奪う計画を行っていたが、武藤敗北後は彼を裏切り、自身の野望を実現するために真島建設と再び激突するも敗れた。敗北後も負けを認めず、奥の手として鶴川に派遣してもらったギャング組織(殺月が率いる組織)を応援に呼ぼうとしたが、鶴川とそのバックについていた殺月の策略により、逆にカラーズを奪われてしまった。この事態に「総帥である自分が組織を乗っ取られたことを認めるわけにはいかない」と憤り、武藤の勧めもあって、カラーズを潰すために真島建設に加入する。
長州 力(ちょうしゅう りき)
有限会社「長州企画」の代表取締役で、伝説の地上げ屋と呼ばれる「地上げ三銃士」の一人。「革命戦士」の異名を持つ。戦闘ではハングマンに似た格闘スタイルで戦い、必殺技として「リキラリアット」を使用してくる。天龍が敗れた後は自ら出陣し、桐生と真島に勝負を挑むも敗れる。その後は現れた蝶野から地上げ三銃士を効率良く潰すために利用していたことを聞かされ、蝶野と武藤に一泡吹かせるために真島建設に入社する。
天龍 源一郎(てんりゅう げんいちろう)
有限会社「天龍興業」の代表取締役で、地上げ三銃士の一人。「生ける伝説」の異名を持ち、自らの強さを証明するために「伝説」と呼ばれる者を倒し続けたことから自身が伝説と呼ばれるようになった。戦闘では腕力と体格を活かした攻撃を使い、必殺技として「グーパンチ[注 49]」を使用してくる。伝説の龍と呼ばれる桐生を倒すことを目標にし、真島建設に挑むも敗れる。その後は「地上げ屋は引退するが、桐生を倒すことは諦めない」といった理由で真島建設に入社する。
藤波 辰爾(ふじなみ たつみ)
有限会社「フジナミ」の代表取締役で、地上げ三銃士の一人。「ドラゴン藤波」の異名を持ち、金になることなら何でも行う性格をしている。戦闘ではルチャで戦い必殺技として「ドラゴン・スープレックス」を使用してくる。真島建設が行っているヒルズ計画から金の臭いを感じ取り、悪徳不動産の最初の刺客として出陣し、同じく龍に関する異名を持つ桐生に勝負を挑むも敗れる。その後は「ヒルズ計画が横取りされたら金が手に入らないから困る」という理由で真島建設に入社する。

NPO法人・ブリーチジャパン

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『7』に登場した青木遼が設立した、現代社会に募る法律に反しつつも手がつけられていない「グレーゾーン」を撤廃して、健全な社会を築き上げることを目的としたNPO法人団体。ブリーチは「漂白」の意味で、団体名は「日本のグレーゾーンを漂白する」意味が込められている。団員は組織のロゴがプリントされたTシャツを着用しており、所属人数は小笠原の発言によると正規のメンバーは全国に駐在する支部を合わせると500人ほどだが、デモに参加するだけの者も含めると10万人にのぼり、民間団体でありながら高い知名度と影響力を持つ。デモを中心に活動しているがグレーゾーンを排除するためなら暴力や弾圧といった強行手段も平気で行ったり、近江連合の組員を組織に紛れ込ませるなど、理念とは矛盾した行為も多い。青木遼の不正発覚や代表殉死などにより壊滅となっていたが、『8』では横浜星龍会本家若頭・海老名正孝が陣頭指揮を執る形で、海外での核廃棄物処理を目指す国家プロジェクト参加の為、「社会復帰プログラム」として地方極道組織による第二次大解散後の元極道の受け皿として海老名が代表、三田村英二が副代表の体制で再結成[12]

小笠原 肇(おがさわら はじめ)
声 - 新垣樽助
ブリーチジャパンの現代表で、創設メンバーの一人。世間では共にブリーチジャパンを立ち上げた青木の盟友として知れ渡っているが、実際は損得勘定で青木に従っている部下的な立場でしかなく、その打算的な人間性を春日から「頭が良くて金と力に弱い人間」と揶揄された。アメリカ留学の際に青木と知り合い、帰国後はブリーチジャパンを創設し、2010年に青木が参議院選挙に立候補して当選を果たすと2代目代表となった。青木の正体が荒川真斗であることを知る数少ない人間の一人。政敵である荻久保を追い落とさんとする青木の命により馬淵を抱き込んで偽札作りの証拠発見および異人三による「肉の壁」取り崩しを図り、弟を助け出したい一心でコミジュルから逃げ出してきたナンバから偽札に関する情報を聞き出す。その後、デモ隊に扮した近江連合構成員たちと石尾田、ナンバらと共にコミジュルのアジトに突入するも失敗し一行に捕らわれて尋問を受け、青木に関する情報を白状することとなる。その後は近江連合構成員らの手によって救出されたが、情報を漏らしたと踏んだ青木に「リスクマネージメント」と称して粛清された。その死はさらにブリーチジャパンおよび青木に利用されて表向きはコミジュルのアジトへのデモの際に事故に巻き込まれて殉死したと発表され、ブリーチジャパンに警察以上に世論を味方に付けさせた上にその支部長である久米の選挙出馬への足掛かりのための宣伝として使われた。
久米 颯太(くめ そうた)
声 - 平川大輔
ブリーチジャパン横浜支部長。組織の理念と青木に心酔しており、目的のためなら弾圧や暴力行為も厭わない危うい行動力がある一方、矛盾点を指摘されると逆上したり、自分が不利な状況に陥れば逃走など精神的に稚拙な部分が見受けられている。また、支部長を任されているものの、組織を盲信するあまりに青木の真の目的や組織の裏事情については全く気づいていないため、青木からは「何も知らない青二才」、小笠原からも「無知の勇気」と見下されている。戦闘ではプラカードを武器に使用する。サクラの女性が目当てで加入し、支部長になった後は異人町に侵攻するが春日たちによって悉く返り討ちにされた。その後、民自党幹事長となった青木の後ろ盾を得て神奈川2区から衆議院議員選挙に出馬して当選を果たしたが、青木の正体が明るみに出たことで自分が利用されていることに気付いて失望し、自らの正義感と利用された復讐のために青木を刺して致命傷を与える。自分が今まで青木の正義を信じていたと恨み言を言い放ちつつ「でもまだ間に合う。本当の正義は勝つんです」と言い残してその場から去った。その後『8』にて直後に逮捕された事が明かされた。

大道寺一派

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『7外伝』に登場した謎の組織。元日本海軍将校で大物政治家である大道寺稔と民自党が深く関係しており、桐生は秘密エージェントのひとり”浄龍”として身を寄せることとなる。「大道寺」と称する表向きは大きな由緒ある寺を所有しており、そこが拠点の1つと思われるが、世界各地にアジトを持ち、どんなトラブルにも対応できるよう、独自の情報ネットワークを始め独自の人脈を持つ。

『7外伝』では東城会・近江連合同時解散を計画する渡瀬組に接触を受け、当初は桐生本人共々協力を拒否していたが、500億にもなる利権を差し出されたこと、幹部である荻久保が近江連合と関係を持つ青木に失脚させられたことから、近江連合の解体は一派にとっても利益になると判断され、桐生を協力者として派遣するよう命じる。

『8』においては青木遼の一連の行動により求心力を失った民自党が政権を奪われ下野。一派の勢いも衰えていた。そんな中、花輪の陣頭指揮の下、桐生と他のエージェントたちと共に茜の身柄確保を最優先にハワイでの任務遂行に全力を挙げていた。早い段階でパレカナが核廃棄処理を行っていた事、海老名を通じて日本政府に売り込みを掛けていた事を察知。万国共通の悩みでもある核廃棄の処理と原発推進を狙う政府の利害が一致という反面、あまりにも上手すぎる話に疑問を持ち真相を探る交渉材料にするため茜の身柄確保を最優先事項の任務としていた。しかし、花輪の死や三田村英二の裏切りなど想定外の事態に直面するも、春日達も同様に茜保護に動いていた為、彼らに同調・協力する事で任務を遂行していた。「悪の組織」と言われれば「陰の権力者」、「現政府の足を引っ張りたいのでは」と言われれば「現政府は政敵」と言い返すなど、否定的な捉え方を遠回しに言い換える。

花輪 喜平(はなわ きへい)
声 - 東地宏樹
大道寺一派のエージェント。同じく活動する吉村以外のエージェントらが敬語で接するところから、一派の中でもベテランの1人であり、桐生直轄の上司で管理者。桐生に直接指令を伝え、指令に同行もするなど、桐生と直接接触する人物の1人であり、桐生にとっても外世界の情報を知ることが出来る接点的な存在。肉体よりも口先で貢献するタイプ。常にサングラスを掛け、ノーネクタイで青のYシャツに黒のスーツ姿。
CIAを通してとある有力者から金塊輸送の警護依頼を受け、桐生や他のエージェントたちと共に横浜埠頭に待機していたが、思わぬ敵からの襲撃を受け、自らも後頭部を殴打され連れ去られそうになる所を桐生によって助けられた。すぐさま、一派の情報網を使い調べたところ、偽の依頼だったことが判明。襲撃されたグループの首謀者を「ミスターX」と称し、桐生に調査を指令した。その後、横浜・伊勢佐木異人町にて襲撃グループの一味と接触することに成功し、襲撃グループが八代目近江連合直参渡瀬組であること、ミスターXが同若頭・鶴野裕樹であることを知る。鶴野を更に尋問するため捕えたが、別ルートで待機していた同若頭補佐・獅子堂康生の襲撃に遭い、自ら人質に捕られてしまう。その際、横浜埠頭での依頼が桐生に接触するためを渡瀬組が仕組んだ事であること、また桐生と直接接触出来ずとも、桐生を管理する者を捕えれば桐生と接触できると考え、花輪を拉致しようとしたことを知る。近江連合のお膝元でもある大阪・蒼天堀に移送され、鶴野が管理するビルにて監禁、獅子堂により拷問を受けていたが、花輪を救出するため蒼天堀に来ていた桐生によって助け出された。その後、更なる追及をするため再び鶴野を捕え、蒼天堀にある大道寺一派のアジトに連れ込むが、一派の主任と名乗る人物から失態を叱責され、鶴野を始末するよう促され桐生を差し向けようとするが、逆に鶴野を逃がすため桐生に人質に捕られてしまう。桐生が吉村ら他のエージェントたちと乱闘を繰り広げている最中、桐生を抑え込むため、沖縄にいるエージェントたちに「アサガオ」を襲撃させるという苦渋の決断をし桐生を抑え込んだ。吉村から管理者として今回の失態の責任を負うべく、桐生の始末を要求され、当初は銃口を向けるが、自身も桐生に命を救われたこと、桐生の自身よりも他人を思いやる行動に迷いが生じ、結果的に自分には出来ないと自分が責任を負う覚悟で銃口を下ろす。その直後、主任がその場に姿を現し、鶴野から近江連合と渡瀬組が保有する不動産やフロント企業の経営権総額500億円の報酬を受け取ることを条件に、桐生の罷免と助力を認められるも、最終判断については花輪の考えと行動に委ねられていたことを知る。結果的に主任の思惑通りの展開となり、桐生と共に罷免され、渡瀬組への助力に管理者として同行することになる。桐生が渡瀬の真の目的である近江連合と東城会解散に向けて、一番の支障となる八代目近江連合直参鬼仁会の壊滅と会長・三代目西谷誉を抑え込むことに成功し、渡瀬の出所日に、大阪市内の工事現場にて渡瀬と合流。共に近江連合本部に乗り込もうとする直前に、解散否定派であり、解散派を排除し、否定派を引き連れて近江連合トップを狙う野心を露にした獅子堂と始末されたはずの三代目西谷が現れ、クーデターを起こす。桐生、渡瀬、鶴野らにより抑え込まれたが、鶴野をかばい負傷した渡瀬にとどめを刺そうとした三代目西谷を、赤目と共にリムジンで駆け付け三代目西谷に体当たりすることで難を逃れた。大道寺一派として蒼天堀を知り尽くす赤目ともコンタクトを取っていたことを明かし、この場から渡瀬らを近江連合に送迎するため、近江連合若頭の名に恥じぬようリムジンを用意し、桐生に新しいスーツを用意するなど、用意周到な一面も見せ、渡瀬からも感謝の意を受ける。近江連合本部での一連の動きが沈静後、再び、リムジンで駆け付け、渡瀬らを乗せて解散届提出のため警察へ送迎した。全ての仕事が終わり、沖縄の様子を知らせるため寺に戻った桐生の元へ来た。その際、沖縄に桐生の墓石があること、また監視するため監視カメラを設置していることを告げ、その際に桐生の墓参りに訪れた、遥、4歳に成長した遥勇、アサガオの子供たちをタブレット越しに見せた。更には、別れたときにはまだ言葉を発することも出来ない幼少の遥悠が桐生の絵を描いたことを告げ、スキャンした絵も桐生に見せた。桐生へのせめてもの礼と思ったが、死んだことにしている桐生にとっては、余計な事かもと思いつつ、半信半疑のまま桐生に見せたが、桐生から感謝を告げられた。今回の一連の事で、大道寺一派が500億円という破格の報酬を受けた事で、大道寺一派上層部への桐生の信頼度が高まり、休息のため長期休暇を願い出て了承されたことも告げる。桐生も旅に出ることを決意し、出発日に桐生が不自由なく旅が出来るようにと、偽の運転免許証とクレジットカードを手渡した。その運転免許証には、かつて福岡で身元を隠し身を潜めながらタクシー運転手に従事していた際に使用していた偽名「鈴木太一」であることを知るが、その事は、桐生は大道寺一派には一切他言はしておらず、どうして知っているのかを疑問に思ったが、花輪自身はその事を知っていた素振りを見せる。その際に、自らも過去の人生を抹消し、大道寺一派のエージェントとして活動している事を明かし、「2度命を助けられた」ことを改めて口にし感謝の意を示した。
『8』では、茜の身柄保護の命令が下り、桐生と3人の部下と共にハワイに同行。全てが事後報告と桐生に苦言を呈するなど、エージェントとしての立場を改めさせる場面も。本人含め、茜保護の真意は伝えられておらず、また春日の実母という事も後に判明した。桐生達がバラクーダに追われ潜伏先のホテルも危険なため、セーフハウスに春日達を連れてきたが、桐生の容態と茜捜索の為には春日達の協力は必須と迎え入れたり、春日達に情報提供、日本帰国の手引きなど様々なサポートを惜しまなかった。茜とラニの保護と言う任務が完了し、帰国の準備をしていた所に2人の奪還を目論むバラクーダ構成員が突如、襲撃。身を挺して阻止に尽くしたが、銃撃され絶命した。その後は部下3人が任務を遂行したが、花輪の殺害により、より具体的な茜保護の真相が明かされ春日達に伝えた。また、簡潔に纏めた日々の活動報告が義務付けられているが、絶命する最後の報告には「彼らは私利私欲に走る事なく自らの使命に命を懸けている。敬意を払い対等に接するべき対象でありそれこそが我々の目標達成に繋がる道である」と記載。滅多に人を褒めない花輪の報告に上層部をも動かし、一派によるハワイへの再渡航など春日や桐生達のその後の行動についても協力を惜しまぬよう配慮した。また花輪が絶命した直後の惨状を春日からの報告で知った桐生も、「色々あったが、監視する側・される側として様々な困難を乗り越えてきたというのに」とその死を悼んだ。エリック・トミザワから「日本の悪の組織」と評されるが、「陰の権力者」と反論。
吉村(よしむら)
声 - かぬか光明
大道寺一派のエージェント。花輪より組織に対する忠誠が高く、任務に背く者を躊躇なく排除しようとする行動に出る。命令違反として桐生の始末も試みるが、あえなく反抗され、最終的に「花輪に任せた」と匙を投げた。三代目西谷誉、獅子堂康生の身柄を確保し、エージェントに仕立て上げると連れ去った。
主任
声 - 中博史
大道寺一派の幹部。
大道寺住職
声 - 塾一久
大道寺の住職。
実は本当の住職ではなく、大道寺稔の元金庫番である。

山井一派

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『8』で登場したハワイに拠点を置く暴力集団。ヤクザ組織ではないが、構成員たちは山井を「組長」、自分たちを「組員」と呼んでいる。春日がハワイを訪れて最初に因縁を持つことになる相手。ハワイの裏社会では新参者扱いされ、勢力としては小規模。日本人構成員もいる。 アート&ナイトエリアの放棄されたシアタービルを乗っ取り根城にしている。

山井 豊(やまい ゆたか)
声 - 子安武人
山井一派の頭目であり、元東城会直系田端組構成員と言う経歴を持つ男。長髪に無精ひげ、黒のハイネックにダークグレーのスーツに革靴、常にグレーのコートを肩から掛け右手にはバールを持ち歩いており、常夏ハワイの環境とは全く見合っていない異色の姿をしており、「寒い」と口癖のように言う。田端組在籍時、組長の妻である田端唯に惚れていたが、田端唯は若頭とも密会を重ねていた。ある時、田端唯から若頭との関係を伏せる為、正当防衛に見せ掛けて旦那の殺害を依頼された。万に一つ、田端唯の気を引けるかもしれないと言う一抹の希望を持ってその依頼を受諾。計画通りに事は進んだが、組長殺害後、突然、田端唯が裏切り、組長を殺害した挙句に自分を襲おうとしたと主張。山井は逃亡を図った。田端組と警察の追っ手から逃れる形でハワイへと国外逃亡した。ハワイへ渡るとアート&ナイトスクエアを縄張りとして山井一派を組み、手下たちからは「親父」と呼ばれている。自身の手下の1人でもある、エリック・トミザワにタクシー強盗を強要したが、偶然、トミザワが乗せた客が春日一番だった。強盗に失敗し所有の車も押収されたことに憤り、ケジメを取らせるため三田村と合流した春日を襲うも三田村の援護もあって返り討ちにされた。
その後、茜の身柄確保を目的に彼女の自宅へ向かったところで春日と再会。また桐生とも出会い手下たちに襲わせるも撃退され、トミザワにも裏切られた。また、死んだと思われていた桐生の存在と生存を確認するきっかけともなった。春日達が茜を捜索している中で街中でまたも襲撃するが再び撃退される。しかし、その光景を目の当たりにして、自身の予想を下回る程桐生に勢いがなく、本当に本人なのか真意が揺らぐほどの違和感を覚えた。その後、春日達が中華系マフィア・ガンジョーの総帥ウォン・トーとの激戦とスパイ潜入により混乱してる中、それに乗じて組織を潰そうとウォンを探してる最中、潜伏している森に火をつけてあぶり出した。春日達に再び撃退されるも一瞬の隙に逃げられたが、吐血し身動きが取れなくなった桐生を人質にした。桐生奪還を目論む春日達が山井のアジトを訪れ、応戦するもまたも撃退された。しかし、桐生は自身が田端組構成員だった頃の憧れの存在であったことから、手厚く看護し療養させていた。その後、茜を捜索する中でナイトスクエアに足を踏み入れたガンジョー・バラクーダ構成員達に対し「シマを荒らされた」と自身の手下たちや春日達の協力もあり共に撃退。春日から茜捜索の協力を求められるも一度は拒否したが、「我を通すなら力づくで」の教育方針に則り春日達と6度目となる対戦に挑むもまたも撃退された。そこで初めて「負け」を認め、春日達に協力することを約束。バラクーダやガンジョーほどの勢力は無く格下に見られることから、ハワイの裏社会が血眼になって探す茜を先に見つけることで確たる地位を築くきっかけにするのが目的であり、なぜ茜を狙うのか真意を知らずに探していたことを告げる。その後は直接、春日達や敵対組織と対峙することはないが、茜を擁護したり大道寺一派セーフハウスへの送迎など、常に春日達の行動をサポートする立場になった。特にパレカナ信者による包囲網で日本帰国の術を無くしていた春日達に手を差し伸べた。国際指名手配されていた自身の立場を利用し自ら警視庁に伊達を引き渡し役にすること、同行者を伴うことを条件に帰国と自首を連絡。それらが受け入れられ、警視庁・海上保安庁の助力により、春日達と共に30年ぶりに日本に帰国した。またその時に初めて「田端を殺したのは自分だ」と自らの口で話した。帰国して、身柄を拘束される直後に逃亡。自身の逃亡のきっかけとなった田端唯に会うためだった。しかし、トミザワと春日の山井に対する恩義から、幇助の疑いを掛けられるかもしれないという立場を理解した上で山井を捜索していたが田端唯が入院している病院で身柄を確保、自らの足で自首した。春日からはただのチンピラではなく筋の通った本物の極道だと評され、また手下たちやナイトスクエアの住民からは厚い信頼を得る存在でもあった。一方でバラクーダやガンジョー程の勢力は無く常に新参者扱いされ、ウォン・トー曰く「オーナーにとっては小者過ぎる」ゆえ、ブライスからも目を掛けられるほどの存在では無かった。しかし、裏を返せばその事でブライス傘下に下ることはなく、春日達と行動を共にすることが出来たとも言えるが、自身の部下にもブライスのスパイが紛れ込んでおり、茜を擁護していたことで不利な状況に春日に連絡するが、信頼できる仲間たちと共に守り抜いた。田端修二殺害後、逃走を図る中で田端唯の事が気掛かりになり密かに様子を見に行くと、人目もはばからずに若頭と仲睦ましくしている姿を見掛けてしまい意気消沈。その事がきっかけで「寒気」が止まらなくなった。最終決戦でハワイへ再上陸した際にドンドコ島に招待できるようになる。

警察

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警視庁

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須藤 純一(すどう じゅんいち)
声 - 田中允貴(『1』 - 『4』)、小原雅人(『極』 - 『極2』 )
『1』から登場した警視庁刑事部捜査第一課の課長(階級は警視正)で、かつての伊達の部下。伊達に事件の捜査を依頼し、神宮の圧力を受けた警視庁上層部より伊達の行動を監視するように命令されていたが、最後は伊達を信じて和解する。終盤では神宮のマネーロンダリング事件を伊達と共に解明した。
『2』では前作で上層部の命令を無視したために組織犯罪対策第四課課長へと飛ばされてしまうが、後に大阪に渡った桐生の身辺保護を別所に依頼する。
『3』では冒頭にのみ登場し、近江連合との抗争終結後に警察の上層部が倉橋の不祥事を隠すために自身が昇進させられることが決定して念願の一課に戻ることを伊達に明かす。
『4』では杉内の身柄を拘束するために陣頭指揮を執るが、発砲命令を出すことを躊躇って杉内の逃走を許してしまう。その後最終決戦の際には伊達に無理矢理従わされ、宗像の汚職を暴露する号外記事をばらまいた。
瓦 次郎(かわら じろう)
演・声 - 寺島進[注 50]
『2』に登場した警視庁公安部外事二課の刑事(階級は警部補)。通称として「鬼瓦」と呼ばれており、また韓国語に精通している。26年前に神室町で起きた真拳派と堂島組との抗争事件を担当した際に風間に殺された真拳派のボスの妻であるスヨンとその子供(郷田龍司)を助けて避難させ、その半年後に龍司を郷田仁の元へ預けて一人となったスヨンと同居して薫をもうけるが、香港へ単身赴任中に彼女が真拳派の構成員に殺害されてしまい、その復讐のためや薫の過去を消し去るために伊達が刑事になったばかりの頃に不法入国者たち(真拳派の構成員)を手当たり次第に射殺(相手も発砲していたことから正当防衛で処理される)し、結果として「殺人刑事」と陰口を叩かれるようになった挙句に一課から外された。その後は倉橋の監視の為に公安部外事二課への異動を志願した。伊達たちが倉橋に人質に取られた時に民代と共に駆けつけて倉橋に薫との関係をばらされたことで抵抗し、その際に倉橋の銃撃から薫を庇って重傷を負うが彼女と2人で倉橋を射殺した後は龍司の引き取り先以外の全てのことを話して薫に看取られながら息を引き取った。
倉橋 渉(くらはし わたる) / 池 頻敏(ジ・ヨンミン)[注 51]
声 - 菅田俊(『2』)
演 - 木下ほうか(『極2』)
『2』に登場した警視庁公安部外事二課の課長(階級は警視正)だが、実は東城会への復讐のため日本に帰化した真拳派の生き残りでもある池頻敏である。42歳。戦闘では多数の真拳派の部下を引き連れており、神宮同様に近距離戦を部下に任せ自らは逃げ回りつつ中距離から拳銃で攻撃し、『極2』では玉城に似た戦闘スタイルが追加されている。生き残った3人の中では最も復讐心に燃えているために伊達とサイの花屋を人質に取り、桐生と狭山を大阪から呼び寄せる。その後駆けつけた瓦に銃を向けられたことで瓦と薫の関係をばらし、その場で桐生と戦うも敗北して最後は薫と瓦に射殺された。
杉内 順次(すぎうち じゅんじ)
演 - 遠藤憲一
『4』に登場した警視庁神室署捜査一課の刑事(階級は警部補)。現場一筋30年というベテランだけあって極道相手にも一歩も退かない態度を取っている。また、秋山とは面識があるが、互いに印象は悪く、秋山の金貸しを「ゲーム感覚」と非難し、また不良刑事として知られる谷村に対しても強引な捜査方法から「父の二の舞になる」と苦言を呈して注意を促している。戦闘では空手を主体とするスタイルを使い、谷村でも捌ききれないほどの強力な剛拳を振るう。25年前には特別捜査班として上野吉春襲撃事件について谷村の養父と共に捜査していたが、当時の刑事部長であった宗像に提出した報告書の矛盾を指摘されたことで宗像の手駒となってしまい、それを突き止めてしまった谷村の養父を殺害してしまう。その後は谷村が接触した三島を射殺して一時は須藤率いる警官隊に確保されるも逃走し、後を追いかけて来た谷村との戦いに敗れる。その後は谷村の養父を殺害した真犯人は自分であることや、本来は警察官ではなく上野誠和会に身を置く極道であり葛城とは「兄弟」であること、さらには警察の内情を知るために警察学校を経て刑事になったという異例の経緯だが30年近く警察官を勤めていたことから刑事としての自分と極道としての自分という二つの立場からジレンマに苦悩しており我武者羅に刑事として突き進む谷村のことを心の中では羨ましく思っていたことを告白して自身の知る全てを語ろうとした矢先に裏で糸を引く宗像の手先であった久井に銃撃され、最後は谷村に看取られながら息を引き取った。
久井 聡(ひさい さとし)
声 - 田中秀幸
『4』に登場した警視庁神室署生活安全課の課長だが、実は杉内と同様に宗像の息が掛かった人間である。部下である谷村の素行不良に手を焼いているものの、持ち前の優しさと谷村自身の犯罪検挙率の高さもあってあまり強く注意できないでいる。また頼りなさげな見た目とは裏腹に銃の腕前は一流で、狙撃銃を使いこなす。宗像に命じられるままに杉内を殺害したが、宗像の不正に協力してきたことに良心の呵責を感じているために谷村の協力者である趙とメイファを密かに保護し、最後は宗像を騙すための演技を行うと同時に谷村を助けるために宗像に「二人(杉内と谷村)を始末した」と嘘の報告をした後に自殺する。
宗像 征四郎(むなかた せいしろう)
演 - 北大路欣也
『4』に登場した警視庁副総監(階級は警視監)であり、ノンキャリアながら現在の地位にまで上り詰めた伝説的な人物で今回の事件の黒幕でもある。戦闘では多数の護衛を引き連れており、神宮や倉橋(『2』)と同じ中距離からの射撃スタイルで戦う他、護衛を使って相手を取り囲んだり自身の周囲に配置して壁にしたりと陣形のような戦術を取る。25年前の上野吉春襲撃事件の際には警視庁の刑事部長として捜査に関与しており、葛城と杉内の策を見抜いて事実を隠蔽する代わりに葛城と会わせるように要求した。その後2005年の100億円事件にも関与して裏資金で作った非合法刑務所に集められた囚人を使って犯罪を操作し、警察での権力を不動のものにしようと企むと同時に東城会会長の堂島大吾に攻め寄り、大吾が悩みの種としている上野誠和会を潰す代わりに潜入捜査官の新井を若頭にするよう要求して表社会(警察)と裏社会(極道)を乗っ取ろうと画策する。さらには1000億も桐生たちから奪おうと新井にアサガオの子供を人質にすることを指示するが彼の警察官の誇りとして拒否された挙句に撃たれてしまう。しかしその銃弾はゴム弾であったために助かっており、最終決戦では大勢の護衛と共に新井の前に現れる。その後は新井や大吾、城戸を消そうとしたところを乱入してきた谷村との死闘の末に護衛もろ共叩きのめされた。さらには秋山と伊達の力により自身の汚職を公に暴露されたため、その報復に秋山を撃つも失敗し最後は追い詰められて新井の拳銃で自ら命を絶った。
菊池(きくち)
『0』に登場した警官。千両通り付近で職務質問をしており、職務質問に関する能力だけは一流である。桐生のシノギではガードマンを務め、管轄エリア内で戦闘が起きると桐生に加勢してくれることがある。戦闘では風間譲二に似た格闘スタイルで戦う。配属された部署の先輩に憧れていたがとある喧嘩の仲裁をした際に、背後からナイフで刺殺されそうになったところを先輩が庇ったことで殉職してしまった経験から、警察官という職が怖くなって職務質問しかしなくなった過去を持つ。通りかかった桐生に職務質問をするが、職務質問を繰り返すうちに「職務質問がしたくて警官になったのか」と指摘されて警官を辞職しようと思い悩むようになる。その後、女性がチンピラに絡まれているところを目撃するも見て見ぬ振りをしていたがチンピラの一人が桐生を背後からナイフで刺そうとしているのを目撃し、その場面が先輩が殺された光景と重なって見えたために桐生を助けるために乱入し、桐生と共闘してチンピラを叩きのめした。その後は助けた女性からお礼を言われたことと、自身を変えてくれた桐生に感謝をした辞職を撤回し、警官を続ける決意をした。その後は桐生の不動産会社でガードマンとして働くようになる[注 52]
本庄 次郎(ほんじょう じろう)
声 - 河合みのる
『6』に登場した伊達の後輩である刑事。遵法精神が強く融通の利かない性格で、互いに信頼できる間柄とはいえ一般人の桐生に簡単に情報を提供する伊達に「馴れ合いにしか見えない」と言い放つなど二人の関係をよく思っていない。伊達と共に澤村遥の轢き逃げ事件を担当し、その過程で桐生に事件現場を見せたり事件の概要を説明する。終盤では巌見恒雄の根回しに騙されて伊達が遥とハルトを監禁したと誤解し二人を救出するために病室を訪れるが、そこで警官に扮していた巌見の仲間によって伊達と共に撃たれてしまう(その後の安否は不明である)。
堀ノ内 十郎(ほりのうち じゅうろう)
声 - 楠大典
『7』に登場した神奈川県警出身の警視庁警視総監。警察官でありながらあくどい性格をしており、真斗の金遣いの荒さに着目して夢乃に入れ知恵をしたり、公務の裏で近江連合から賄賂を受け取るなど私利私欲に満ちている。
20年前に資産家夫婦の強盗殺人事件を担当しており、その当時近所に住む前科持ちのアリバイがあやふやだった久住という男を容疑者として逮捕したが、その後の捜査により久住にはれっきとしたアリバイがあって無実であることが判明するも、その時堀ノ内には警視庁栄転の話があった[注 53]ため、「誤認逮捕」という失態により転任解消という事態を恐れ、当時釈放すべきだと訴えていた足立を始めとする捜査員の主張を無視し、アリバイの証言をした参考人に「そこまで言われると自信がない」と言わせるまで執拗で脅迫じみた取り調べも行い、久住を容疑者に仕立て上げて刑務所に送った。この内情を足立がマスコミに告発するもマスコミと太いパイプを持っていた堀ノ内はこれを握りつぶさせ、逆に足立を免許センターへ左遷して追いやる。警視庁に転任した後は、東京都知事・青木遼が打ち出した「神室町3K作戦」に乗じて神室町を手中に収めようとする近江連合の活動を目こぼしする見返りに、他の警視庁幹部らと共に荒川組から賄賂を受け取った。
また、18年前の大晦日には七福通りにある「Culb Zephyr」内にて、在籍していた夢乃を指名して接客させていたところ、夢乃の誕生日祝いに来店した荒川真斗と春日に遭遇して一悶着あったが、その際に真斗の常識外れの飲み方や金の使い方に半ば呆れていた夢乃に対して「巻き上げるだけ巻き上げて売ればいい」と入れ知恵を行い、真斗失踪後は夫婦となる。
真斗死亡後は自身を呼び出した足立に事の全てを暴露され、最後まで自身の悪事を認めずにその場に駆けつけた部下たちによって連行された。
なお18年前の真斗との一件は覚えておらず、妻となった夢乃共々青木が真斗だとは気づいていなかった。

大阪府警察

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別所 勉(べっしょ つとむ)[注 51]
声 - 赤井英和(『2』)
演 - 木村祐一(『極2』)
『2』に登場した大阪府警捜査四課の課長。通称として「マムシの別所」と呼ばれており、泥臭い大阪弁を喋る。以前は警視庁神室署の四課に所属していて、26年前に瓦と共に真拳派と堂島組との抗争事件を担当していたが、その際に堂島組の襲撃計画を把握しながらも真拳派が市民に与えた被害を考慮して看過した。事件後にそのことが上層部にばれて府警に異動となるが、その際に真拳派の生き残りである朴会宗を関西へ逃がして彼に村井という名前を与えた。狭山のに対して厳しく接っしているが実は心配しており、桐生に狭山のことを守ってほしいと依頼する。
ビリケン
声 - 中尾良平
『0』に登場した大阪府警の管轄にある蒼天堀警察署の刑事で、近江連合の極道たちに「ビリケン」と呼ばれる蒼天堀の裏社会では知られた存在。幼少時代からの付き合いという経緯から西谷誉(初代)とは互いに強い信頼関係で結ばれている。かつて一人娘を不良に滅多刺しにされて殺され、後に逮捕された不良が未成年だったために少年院に送致後はすぐに釈放されたことにショックを受けていたが、当時の高校生であった西谷(初代)がその不良を被害者と同じく滅多刺しにして殺害したことをきっかけに「法では裁けない悪」を裁くために蒼天堀の川底に「三途の川底」という闘技場を設立し、以降はそこの管理人を務めると共に副業として金儲けをするようになる。その後蒼天堀で西谷(初代)のいる留置場に入る手立てを探していた真島と出会い、闘技場で3連勝すれば西谷(初代)のいる留置場に案内する約束をして成し遂げた後は約束通り真島を留置場に案内する。その後は渋澤組に買収された看守に撃たれ、最後は西谷(初代)に逃げるように告げて息絶えた。

刑務所

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沖縄第弐刑務所

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『4』に登場した沖縄に存在する刑務所とは名ばかりの非公式な施設(名目上は民間運営の「更生促進施設」)。極道上がりの凶悪犯罪者ばかりが収監されているが、これは警察上層部が犯罪を恣意的にコントロールすることを目的として集められたためで、浜崎曰く「極道の墓場」と呼ばれ、刑務官による懲罰で囚人が死亡した場合でも病死で処理される。終盤で宗像の悪事を暴露した号外によって存在が公にされたが、その後は隠蔽されたらしく、『5』では半ば都市伝説として扱われる。

斉藤(さいとう)
声 - 小原雅人
沖縄第弐刑務所の刑務官。粗暴かつ嗜虐的な性格で、「懲罰」と称して囚人を何人も甚振り殺している。また怪力の持ち主である冴島や百戦錬磨の桐生と真っ向からの殴り合いで張り合ったり、何度叩きのめされても食い下がるタフさを持つなどの並みの喧嘩自慢では相手にもならないほどの実力を持っている。戦闘では懲罰用の特殊警棒と剛腕を武器に戦う。脱獄しようとした冴島を止めようとするも失敗し、浜崎と共に海の中に消えながらも生還する。その後は所長の命令で靖子を拉致しようと何人もの刑務官と共に旧玉城組のビルに入り、桐生を始末しようとするも返り討ちにされた。
『ONLINE』でも引き続き刑務官として働いており、年に一度の研修のために東京にやってきた際にキャバクラ遊びのために訪れた神室町で春日と出会う。神室町でも看守服と常備している警棒を手放さず、「教育」と称してヤクザやチンピラに喧嘩を打って甚振ったり、「最高のストレス発散法」として街の極道相手に見境なく喧嘩を売ろうとするなど相変わらず嗜虐的(春日曰く「近江の連中よりもガラが悪い」)だが喧嘩に夢中になるあまりに買い変えたばかりのスマホを壊してしまうなど抜けた一面も見せる。
鈴木(すずき)
沖縄第弐刑務所の年配刑務官。口振りは穏やかだが、囚人から常習的に賄賂を受け取っている汚職刑務官。浜崎からの依頼で100万円の賄賂と引き換えに冴島と会話させる時間を設けた。冴島が刑務所を脱獄する際の初戦で他の刑務官と共に倒された。

網走刑務所

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『5』に登場した北海道網走にある刑務所。

馬場 茂樹(ばば しげき)
演 - 大東駿介
他の刑務所から網走刑務所に移送されてきた冴島と同房の囚人で、北海道の極道組織である北方組の一員を称していたが、実は黒澤一派の一人である。戦闘では足技を主体とした総合格闘術を使用し、細身の体格ながらも大柄の相手に引けを取らない。兄弟のために殺人を犯して服役し、組に捨て駒扱いされたことから外の世界に出ることを嫌がるも冴島の働きにより仮出所を決意した。その後、所内で起こった囚人同士の刺傷事件の犯人にされてしまうが、冴島らの力で無実と証明される。その後は副所長の高坂から頼まれ、冴島と共に脱獄するも途中で雪山で遭難し、後に冴島と奥寺に助けられ、共に月見野へ向かう。その後、身の上話も全て作り話(刺傷事件も自作自演によるもの)であることや目的は冴島の出所のタイミングを操作するためだったこと、さらには行動を共にするうちに彼の男気に惚れて任務に対しての躊躇が生じたことを明かしてその場で自殺しようとしたが、冴島に止められて彼との戦いの末に倒される。その後は恥を忍んで今は見逃すように懇願して神室町に向かい、黒澤の指示で動きながらも桐生に情報を与えたり遥に桐生の言葉を伝えた上で後述の件によりコンサートの中止を勧めたりと冴島の恩義に報いるための行動を起こす。その後日本ドームコンサート当日には黒澤の指示に従って遥を狙撃しようとするが、良心の呵責に苦しんだ末に指示を無視してそのまま立ち去ろうとしたところを裏方としての仕事に徹し切れていない中途半端な姿勢に怒りを覚えた品田の手により激闘の末に叩きのめされた。その後は冴島に謝罪をしながら自ら命を絶とうとするも駆けつけた高坂たちによって止められ、最終的には罪を償うために網走へ帰る。
高坂 誠司(こうさか せいじ)
声 - 桐本琢也
網走刑務所の副所長。「囚人を更生させる」という仕事と規則に忠実で、違反があれば立場を活かして刑期延長と仮出所取り消しの処分を決める。冴島を事情を知った上で要注意人物としてマークしていたが、破門されてもなお意志を貫く冴島の人柄に触れるにつれて徐々に同情的な立場を取るようになる。その後は冴島の処遇の不自然な点を問い合わせようとした所長が殺されたことや釘原が大量の囚人を呼び寄せたことから強大な権力を持つ何者かに冴島の命が狙われていることを悟り、冴島たちの命を守るための苦肉の策として彼らを刑務所の外に逃がそうとしたことで運悪く釘原に刺されるも大島の治療を受けて一命を取り留めた。その後超法規的措置を使って大島と日村を刑務所から連れ出し、コンサート会場に駆け付ける。
大島 平八郎(おおしま へいはちろう)
声 - 掛川裕彦
網走刑務所で冴島と同房の囚人で、房のメンバーの中では最年長の存在。冴島のサブストーリーではかつては窃盗数15000件以上にして逮捕歴無しの「背広の平八郎」と呼ばれるスリであったことや60歳の誕生日に妻が別の男の下へ去って行ったことを機に自首したこと、さらには悪人からしか盗みをしない義賊であったことが自身を追っていた刑事の荒関から語られている。馬場の無実を冴島や日村と共に晴らそうとした時には、刺傷に使われたノミを刑務官の下から盗み出し、それが釘原のものであることを突き止める。その後は若い頃に習っていた医療技術を活かして冴島に鎮痛剤を横流ししたり、釘原に刺された高坂を手当てした。その後高坂や日村と共にコンサート会場に駆け付けた際は馬場の自殺を止めると彼に平手打ちをしつつも説得し、共に網走へ帰った。
日村(ひむら)
声 - 幸野善之
網走刑務所で冴島と同房囚人で、冴島のことを親分と呼んだりしている飄々とした雰囲気の房のムードメーカー。良くも悪くも見栄っ張りな性格をしており、月見野の地図をテーブルの上に広げてはそれを見ながら過去に娑婆で体験した出来事を思い出す形で妄想するという趣味を持ち、特にキャバクラに入り浸っているために「かぐや」というキャバ嬢がお気に入りである。冴島のサブストーリーでは、元捜査一課の刑事であることや自身の汚職(収賄罪)が原因で罷免して収監されていたことが判明するが、それでも後輩や同僚からは慕われていたことが判明する。馬場の無実を冴島や大島と共に晴らそうとした時には、前述の経歴から刑務所内では囚人たちから逆恨みされることを恐れて素性を隠していたことを明かす。その後冴島たちが脱獄する際は釘原を射殺し、コンサート会場では馬場の自殺を止めるためにスナイパーライフルを弾き飛ばしたりと刑事時代の銃の腕前を発揮して仲間たちをフォローした。
釘原 広志(くぎはら ひろし)
声 - 神奈延年
網走刑務所の囚人で、木工作業班のリーダー格でもある頭から左目にかけてかなり大きな傷跡を持つグロテスクな外見の男だが、実は馬場の部下である。刑務所内で表沙汰にならないように顔への攻撃は避けるなど見た目通りに狡猾で、残忍な性格をしている。戦闘では両手を前に突き出した独特な構えから繰り出す意表を突いた攻撃を得意とする。黒澤の指示で屈強な囚人たちを手下に従えて東城会の大幹部という勲章を持つ冴島を付け狙い、運動時間中に人気のない倉庫に呼び出しては一方的に暴行を加える。その後は脱獄しようとした冴島に多数の兵隊を引き連れて襲い掛かるも敗北し、直後に手首を執拗なまでに踏み潰される。その後立ち去ろうとした冴島に悪あがきとばかりに銃を向けるが、最後は駆け付けた日村に撃たれて死亡する。

政治家

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田宮 隆造(たみや りゅうぞう)
声 - 大塚明夫
『3』に登場した最大与党「民自党」の政治家である防衛大臣で、警察庁出身でもある風間譲二の同期かつ親友。沖縄米軍基地拡大法案を推し進め、国家防衛のための「新BMDシステム(弾道ミサイル防衛システム)」の導入を目論んで鈴木国交大臣と次期総裁の座を争う。しかしその真の目的は武器密輸組織「ブラックマンデー」を誘き寄せて壊滅させることであり、譲二と結託して日本全体や諸国をも騙す壮大なブラフを仕掛けていた。やがてブラックマンデーの尻尾を掴むと、用済みとなった基地拡大法案の破棄を考え、事態の渦中にいる桐生を呼び出して真相を語る。同時に、自分の元を去った秘書の當眞とその命を狙う譲二の身を案じて桐生に二人を救ってほしいと頼む。その見返りとして、その後はリゾート開発中止に向けて動くようになる。裏切ったとは言え元秘書である當眞を見捨てられなかったり、旧知の仲である譲二に変わらぬ友情を抱いたりと義理人情に厚く、また、「トップとは何かを成し遂げ、それを積み重ねた人間がいつの間にかなっているもの」という考えの持ち主で次期総裁の座にも興味が無く、桐生からも男気を認められる人物である。
鈴木 善伸(すずき よしのぶ)
声 - 池水通洋
『3』に登場した民自党の政治家で、国土交通大臣。基地拡大法案に対抗して沖縄のリゾート開発を推進する法案を提出し、田宮と次期総裁の座を争う。しかし実は基地拡大法案とリゾート開発は持ちつ持たれつのワンセットの関係で[注 54]、そもそもリゾート開発自体がブラックマンデー壊滅を目論む田宮が利権の一切を譲るという条件で持ちかけた話であり、野心と権力を利用されていた形となる。土地買収を強行させるために東城会の五次団体である玉城組と繋がるが、桐生の行動によって失敗する。桐生が田宮と接触すると大勢の私兵を差し向けるが、真島の乱入によって突破される。最終的には田宮の働きかけでリゾート開発も白紙となった。
當眞 昌洋(とうま しょうよう)
声 - 置鮎龍太郎
『3』に登場した沖縄出身である田宮の秘書。故郷の沖縄の発展を何よりも考え、田宮の秘書でありつつも基地拡大法案より鈴木のリゾート開発を希望している。玉城組の強引な土地買収によってリゾート開発が極道と繋がっていたというスキャンダルが明るみに出る事を避けるために大吾に仲介役を頼み、共に沖縄を訪れ、桐生と名嘉原に会って話をした。リゾート開発は当面は停止となったが、それでもいずれは実現させるという意志を語る。それから一年後に田宮の真の目的を知ったために秘書を辞め、玉城組の騒動の際に知り合った峯と結託。土地買収を再開させ、強引にリゾート開発を推し進める。しかしその結果、法案がフェイクであることやCIAの関与などを「知り過ぎた」としてCIAから殺害命令が下り、風間譲二に命を狙われる。そんな事など露知らず会合で沖縄へと渡り、琉球街のショーパブで豪遊していたところを譲二に殺されそうになるが、桐生に助けられる。そして田宮が自分のことを如何に大切に思っていたことを知らされ、涙流した。その後、田宮に謝罪しようと最終便で東京へと帰った。愚直なほどに沖縄の発展に執着しているが田宮からはその信念と純粋さを見込まれており、いずれ良い政治家になると評されていた。
大道寺 稔(だいどうじ みのる)
『6』に登場した元旧日本海軍将校で、「昭和の黒幕(フィクサー)」の異名を持つ大物政治家。
終戦間近の1945年、日本の存亡に関わるものとして、大和型戦艦を超える超大和型戦艦の建造を巌見造船に極秘で命じていた。しかし戦艦の完成は終戦に間に合わなかった上、建造も政府や軍上層部に伝えず独断で戦費を横領して行っていたため、「戦費の横領」が発覚すれば自らの破滅に繋がることを恐れ、占領軍からの武装解除命令を無視して、巌見造船社長・巌見兵三に頼み込み戦艦を隠し通すことにした。1952年、占領軍が撤退した戦後内閣において、黒幕と称されるまでの権力者となった大道寺は、戦艦隠蔽を依頼している巌見に対し、内閣の裏金で戦艦建造費の一部を賠償するとともに、不足分は巌見に有利に働く法案を次々と成立・執行させる「国家の法の私物化」をすることで償いを見せた。結果的に、巌見自身も大道寺を通して、政府の人間と裏で密利に通じる関係を持つことになり、2016年までその関係は継続することとなる。また、巌見にとっては自身と政界との癒着が明るみに出て、秘密が漏れないよう「陽銘連合会」を立ち上げるきっかけにもなった。30年後の1982年、大道寺は巌見に対して改めて秘密厳守厳命を迫ったことで、巌見は当時、そのことを知っていた陽銘連合会幹部たちの殺害を広瀬に命じた。
2016年、大道寺と巌見の関係を知る者は数知れない状況にはなったが、戦艦の情報が漏洩することを恐れた大道寺は制裁として、息子の巌見恒雄に「新たな契約者」として巌見兵三の殺害を依頼した。恒雄が陽銘連合会若頭・小清水に命令して兵三の殺害を実行した後、危篤のため病床にいた大道寺と対面し、秘密を暴いた桐生らの殺害を依頼、それらが達成されれば、恒雄に「陽銘連合会二代目会長・来栖猛」を名乗って良いと厳命した。結果的に恒雄も失敗し、桐生たちに返り討ちにされた上に逮捕された。全てが終わった後、誰にも看取られることなく自室でひっそりと息を引き取った。その後、『6』エンディングにおいて、恒雄らとの戦いで負傷して入院していた桐生の元に、大道寺の命を受けた部下を名乗る男が現れ、大金と引き換えに秘密の口外厳命を申し出たが拒まれた。しかし、違う条件として、菅井や染谷の陰謀により逮捕されていた東城会6代目会長・堂島大吾の釈放と自身の死亡届作成を依頼され、その条件を呑むことで秘密が公に出ることはなかった。
死後の『7』においても名前こそ出ていないが、ある登場人物に「フィクサー」と呼称される形でその存在を仄めかされたり、『7 名を消した男』では桐生が大道寺の弟子たちが作った組織の秘密エージェントとして活動している。
荻久保 豊(おぎくぼ ゆたか)
『7』に登場した民自党の幹事長。自身がまだ市議会議員だった頃、横浜・伊勢佐木異人町における横浜星龍会横浜流氓によるシマ争いにより、多くの犠牲者が出ていることに心を痛めた荻久保は、双方の組織に属する人間とその家族を救うため、初代星龍会会長と当時の横浜流氓総帥に偽札作りの話を持ちかけ、さらに作られた偽札を警察に渡すことで、警察を意のままに操り、彼らがシマ争いをしている区域を重点的に治安強化することで、騒動の発端を押さえることにも成功した。しかし、1980年代に入ると韓国マフィア真拳派壊滅により異人町に流れてきた、後のコミジュルとなる真拳派残党が次第に同胞と勢力を拡大していく中で、横浜流氓との抗争直前になる状況に危惧した荻久保は、彼らに安住の地と収入の保証を条件に、星龍会から印刷業務を引き継いで偽札作りの一手を担わせることで回避させることに成功し、ここに異人三による「肉の壁」の基礎を作ることにもなり、異人三当代トップ3人からも一目置かれる存在となった。また荻久保自身もその財源を利用し、民自党幹事長の椅子を手に入れることができ、「今の内閣に張り合える人はいない」と言われるまでに強大な力も手に入れた。
しかし、ナンバから偽札作りのことを聞いた小笠原からの密告により、民自党幹事長の座を狙って、荻久保の欠点を暴き失脚させようとしていた青木遼の知るところとなってしまった。その後、危篤に陥り入院を余儀なくされたのをきっかけに幹事長職を降り、その後任に青木が座ることとなった。青木が幹事長就任後、病室で面会したが、青木自身やブリーチジャパンを罵り否定されたことを指摘された。
7 名を消した男』では孫娘(声-上田麗奈)が登場した。名は一切語られなかったが、孫娘が中東に留学している友人が来日し、もてなすため六本木に来ていた際に、店を出たところでガラの悪い連中に絡まれそうになったが、大道寺一派の依頼として警護するため同行していた桐生によって、撃退された。荻久保自身も大道寺一派のメンバーであることが明かされた。

企業

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永洲タクシー

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『5』に登場した福岡にある桐生の働くタクシー会社。永洲街の東側に事務所を構えている。社長の中嶋曰く同業者との折り合いは悪いらしいが、街の人々からの評判は悪くない。

中嶋 洋太郎(なかじま ようたろう)
声 - 楠見尚己
永洲タクシーの社長で、「永洲デビルキラー」を創った走り屋の三銃士の一人。鷹揚で、酒好きの明るい性格をしており、酔った勢いで無謀にもチンピラやヤクザに食ってかかっては返り討ちに遭うような危なっかしい面はあるものの懐は広く、永洲街で自暴自棄になっていた桐生に対しても理由は聞かずに温かく迎え入れている。「自分に似た仲間」と一緒に会社を運営していくことを夢としている。桐生の只ならぬ事情も深くは触れずとも悟っており、「真面目で不器用な男はその性格が災いして厄介事に巻き込まれ、行き場を失っていく」と、桐生の境遇を見透かしたようなことも言っている。同時に「不器用で一直線な男は仲間を裏切らない」という考えを持ち、桐生にもその雰囲気を感じ取ったことから自分の会社に誘った。
他の車にも安全配慮した上で「走り」を高めるという意味でデビルキラーを創ったが、アルバイトの給料を車のパーツに使いながら結婚生活を送っていた最中にレース中の走り屋と衝突して交通事故を起こしてしまい、その際に妻が植物状態に陥ってしまう。その後、入院費を稼ぐためにタクシー運転手となって新たな仕事に就くも結局は妻は亡くなってしまい、自身も走り屋だったために相手を責めることができずにデビルキラーを作ってしまったことに負い目を感じていたが、最終的には桐生と鬼坂の勝負を通じてそのわだかまりも解消され、さらには鬼坂とも和解した。桐生とは最終決戦後も会社への復帰を約束していたが、桐生が逮捕及び収監されたため、果たせなかった。
『8』でも現役として働いており、伊達からの「鈴木太一の件で聴きたいことがある」と言う誘いに乗る形で横浜に来た。陽気な性格は健在で、待ち合わせの店ではキャスト相手に気持ちよく大盛り上がりしていた。伊達との会話の中で、当初は自分が知る「鈴木太一」と伊達の言う「鈴木太一」は別人だと否定し続け、その場を後にしようとしたが刑事として数々の修羅場を潜り抜けてきた伊達は中嶋の真意を見抜いており足止めして中嶋も信用できる人だと語り始めた。話では、『5』で描かれた大乱闘後、桐生が逮捕された事をニュースで知り、その時初めて「鈴木太一」が「桐生一馬」である事、その後のニュースで広島での抗争で命を落としたことも知った。しかし、自身も含め会社にも脛に傷を持つ者も多く、それ以降は一切触れないように心の奥底にしまっておいた。それから約10年の月日が流れ、聞くこともないと思っていた「鈴木太一」の名を伊達の口から久々に聞いたことで驚愕し伊達と会うことを約束した。しかしその後「多々良チャンネル」での「桐生一馬は生存している」の動画を見て、生きているのでは?と言う一抹の希望を覚えたが伊達と会う約束をした後だったため、生き永らえているのなら、自身の話で桐生を窮地に追い込んでしまうのではないかとの不安から、知らぬの一点張りを通す覚悟で約束通り会うことにした。伊達の口から直接「桐生一馬生存」と聞いたわけではないが、伊達との会話の中でそれらを察し、それ以上深く聞くことはせず、10年前最後に会った時に伝えた言葉「鈴木さんはうちの大事な社員。何があっても戻ってこい」という言葉は、未だ効力を持っているという事。それを踏まえて「いつでも九州では俺が待ってる。あんたは決して独りじゃない。」と伝えて欲しいと伝言を頼んだ。桐生にとって、当時どん底にいた自分に唯一手を差し伸べ、一番長く付き合いのあった堅気であり、忘れられぬ存在であり、今でも深い感謝の念を持たれている。
和田 雄三(わだ ゆうぞう)
永洲タクシーのベテラン社員。デビルキラー創立時のメンバーとして三銃士に因んで自身を「ダルタニアン」と例えており、また中嶋を慕って他の当時のメンバーと共に永洲タクシーの社員になっている。また、独身者としてキャバクラに通っていることが桐生のサブストーリーで語られている。
『極』ではカラオケのアカウント名で登場しており、初期のランキングでは10位にランクインしている。
村松 知顕(むらまつ ともあき)
永洲タクシーの社員。桐生より年下だが、経歴は先輩格で、交通ルールや仕事のマニュアルを大事にしており、また同年代の女性との交流が苦手で、童貞であることが桐生のサブストーリーで語られている。また、元々はアマチュアのレーサーとして活動しており、それ故に走り屋を嫌っているが、走り屋から足を洗って真面目に働いている中嶋のことは尊敬している。
平川(ひらかわ)
永洲タクシーの事務と受付を担当する初老の女性。落ち着いた性格でパソコンに詳しく、桐生に客からの依頼を提供したりと彼のことをしっかりとサポートしている。しかし酒癖が悪く、送迎ミッションのコメントによりニューハーフバーの常連であることも明かされている。
清川 浩司(きよかわ こうじ)
デビルキラーに憧れていた青年。家出して走り屋となり、後にデビルキラーに憧れて入団を希望するが、直後に桐生にレースで敗れてしまい、最終的にはデビルキラーに見捨てられたところを桐生に救われて永洲タクシーに雇われる。その後、第二種運転免許の勉強で中々合格ラインに到達できずに諦めようとしていたが、桐生のレースを見て再挑戦し、最終的には試験に合格してタクシー運転手となる。

ダイナチェア

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『5』に登場した遥の所属する大阪の芸能プロダクション。蒼天堀の南側に事務所を構えている。

朴 美麗(パク ミレイ)
声 - 朴璐美
ダイナチェアの社長。韓国籍として生まれ、幼少時に実の両親から虐待を受け、後に里親に引き取られてたまたまテレビで見たアイドルの姿に感銘を受けて日本一のアイドルになろうと大阪に移り住む。その後は勝矢や真島と出会い、真島と結婚したが、アイドルを続けるために独断で子供を中絶したことが原因で真島から離婚を告げられ、既婚事実などが世間に発覚したことでアイドルを辞める。社長としては同業者に対して厳しい上ワンマンが目立つが、母親を失った遥に優しく接する包容力もある。その後、勝矢の手助けもあって「日本一のアイドルを育て上げる」ためにダイナチェアを設立し、後に遥に目を付けた上で元極道の桐生に育てられたことが世間に知られぬようにアサガオも経済的援助をするという異例の条件で桐生をアサガオから離れさせ、さらには遥の才能を信じて日本ドームでのコンサートを開催させるために秋山のテストに合格して3億円の融資を受ける。その後は遥に夫から貰った万年筆をデビュー祝いとして渡したが、最後はその翌日に金井の命令で真島の手紙を奪取しようと動いていた荻田によって自殺に見せかけて殺害された。
堀江 博(ほりえ ひろし)
声 - 高塚正也
遥のマネージャー。人当たりが良く年若い遥に対しても誠実に接する好青年で、自身もアイドルファンであるということから人々に夢と希望を与えるアイドルという存在をサポートする仕事に誇りを持っている。また、詰めが甘い点も目立つが、メジャーデビューを目指す遥に売り込むために各方面に地道な営業活動を行ってライブやテレビ番組出演などの様々な仕事の話を取ってきている。秋山と同様に朴の自殺について疑問を持っており、調査を進める秋山に協力する。その後、遥と秋山がその事件について調査したところで金井に突き落とされるが、一命を取り留めてDREAM-LINEのコンサートに駆け付けた。
山浦 美沙(やまうら みさ)
声 - 永島由子
遥のボイストレーナー。歌手として活動していた経験を活かし、ボイストレーナーとしては関西でもトップクラスの腕前を誇っている。朴の死や堀江の入院などで遥のマネージメントやコンサートの運営を一挙に引き受けることになる。DREAM-LINE結成後は三人にボイストレーニングの指導を行う。また遥のサブストーリーでは、歌手時代にユニットを組んでいた倉田あゆと再会し、「ダンスさえ踊れれば歌は口パクでいい」という考えを持ったあゆと歌もダンスも真剣に取り組んでいる遥が揉めてダンスバトルをしたことがきっかけとなり、「本当は今でも歌手をやりたい」と語るあゆと「歌手は諦めたが遥に夢を託すことで芸能界で続けていられる」と語る自身とで互いに本音を打ち明け合い、憎まれ口を叩きつつも和解する。

大阪芸能

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『5』に登場した逢坂興業の会長である勝矢直樹が社長を務める関西最大手の芸能プロダクション。

真田 まい(さなだ まい)
声 - 白石涼子
大阪芸能所属のアイドルユニットである「T-SET」のメンバー。歌唱力やダンス共に圧倒的なパフォーマンスを見せるが、その反面ではプライドが高く、自分たちの障壁になりうる存在を退けるためには策略をも厭わない一面も見せる。もともと、ダイナチェアに所属していたが朴のやり方についていけず、移籍した。初は「実力が全て」と経験の浅い遥をよく思っておらずに様々な嫌がらせをしていたが、プリンセスリーグでの対戦を通じてあずさと共に遥を認め、和解する。DREAM-LINE結成後は嫌がる素振りを見せながらも内心ではテンションが上がるようになる。
大沢 あずさ(おおさわ あずさ)
声 - 野中藍
T-SETのメンバー。愛嬌があって温かみのあるルックスから男性ファンの支持が高く、パフォーマンスレベルもまいにも引けを取らないほどのレベルを持つ。彼女もまいと同様ダイナチェアに所属していたが、ついていけずに移籍した。また、まいと同様に意地の悪さはあるが、根は優しいために枕営業を強要されそうになっていた遥を助けたことがある。プリンセスリーグでの対戦を通じてまいと共に遥を認め、和解する。DREAM-LINE結成後は最高のパフォーマンスを披露するためにより一層技術に磨きをかけるようになる。
中井(なかい)
声 - 山田真一
大阪芸能の社員。期待の新星のT-SETを鮮烈にデビューさせるために早くからテレビ局内にも強引な売り込みをかけており、プリンセスリーグのプロデューサーの万田とも親密な関係を築いている。弱小ながら健闘しているダイナチェアを目障りに感じており、ことあるごとに遥や朴らダイナチェアの関係者に厭味、圧力をかけたりと、陰険かつ威圧的な態度が目に付くが、それらの行動は朴や、彼女が見出した遥の才能を評価し、T-SETのライバルとして認めているが故の裏返しでもある。T-SETが遥と和解した後、東京でデビューコンサートに備える遥の下に現れ、勝矢が生前の朴と準備していた特別ユニットである「DREAM-LINE」に関する詳細を告げる。

蒼天テレビ

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『5』に登場した大阪にある関西のテレビ局。このスタジオでプリンセスリーグが行われ、遥のアナザードラマでも蒼天テレビのバラエティ番組に出演できる。

ドルチェ 神谷(ドルチェ かみや)
声 - 服巻浩司(『5』)、堀内隼人(『0』)
プリンセスリーグ司会者。軽妙な司会ぶりの裏でプリンセスリーグという番組が持つ伝統や役割、出演するアイドルたちに対して熱い想いを持っている。
『0』ではサブストーリーに登場し、1988年当時はラジオパーソナリティーを務めており、自身のラジオで3回ハガキが読まれることで主人公たちの前に100万円相当の品を持って現れる。
万田 総一郎(まんだ そういちろう)
プリンセスリーグのプロデューサーで、アイドル時代の朴を知る人物。中井の謀略によって遥およびダイナチェアとの間に諍いが起こるが、別番組で出演キャンセルになったタレントの穴を偶然にも詫びに訪れた遥が埋めたことで和解した。

立華不動産

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『0』に登場した神室町にある劇場の最上階に事務所を構える不動産会社。東城会ですら及ばないほど不動産乗っ取りに長けており、豊富な資金力と独自の情報網を駆使し、目を付けたビルの店舗を強引に立ち退かせる一方でチャンピオン街を東城会の地上げから守るなど、その行動には謎が多い。

立華 鉄(たちばな てつ)
演 - 井浦新
立華不動産の社長だが実は中国残留日本人の二世で、マキムラマコトの実兄である。25歳。左腕に蝙蝠の刺青を入れている。東城会が根を張り巡らせる神室町においてどんな売り物件でも新たに用意することから「闇の不動産王」と呼ばれているが、紳士的な物腰や立ち振る舞いとは裏腹に東城会と比肩しうる神室町の支配層にのし上がらんとする野心も持ち合わせている。また、過去に尾田を助けた際に右腕を失い義手となり、時折、鎮痛剤が効かないほどの激痛や実際無いはずの指先にまで痛みが走ることに加えて、処置の遅れから負った腎臓の障害のために定期的な人工透析が欠かせない身体となったが、それでも東城会構成員に引けを取らないほどの喧嘩の腕前を持っている[注 55]。15歳で日本に密入国し、蒼天堀で中国マフィアとして活動していた際に偶然見ていたテレビでマコトの所在を知り、神室町に拠点を移すが、神室町再開発計画で土地の地上げを行っていた堂島組に「カラの一坪」の所有者であるマコトがいずれ狙われるであろうことを予見し、風間新太郎と組んで彼の助言で堂島組より先に「カラの一坪」を手に入れてマコトを守るために立華不動産を設立する。その後「カラの一坪」での殺人事件後に自ら堂島組を抜け出した桐生に接近して仲間に引き入れようとして一旦は断られるも自身の目的や「風間の推薦を受けて桐生に近づいたこと」などを全て明かし、彼を立華不動産の社員として迎え入れる。以後は桐生と協力し合い桐生が堂島組に追われた際は桐生の元に車で駆け付けて囲みを突破したり、堂島組の攻撃を止めるために東城会本家に向かい直接なしをつけるなど桐生とたしかな協力関係を築いていく。しかし後に桐生を庇って堂島宗兵が雇った老鬼に捕らえられてしまい、久瀬らによって凄惨な拷問を受けた際に逆上した米田に側頭部を大型ハンマーで殴られたことが致命傷となり最後は久瀬から聞いた堂島と老鬼に関する情報を駆け付けた桐生に伝えて息を引き取る。マコトが到着した時には手遅れであり、結局最後の言葉を交わす事すら叶わなかった。
尾田 純(おだ じゅん)
声 - 小西克幸
立華不動産の社員だが、実は中国からの密入国者で、2年前にマキムラマコトを騙して韓国系組織に売り飛ばした張本人である。左腕に蝙蝠の刺青を入れている。一見して軽い印象を与えるが、立華に対しては忠実であり、極道に対してさえ一歩も引かない態度で仕事をこなす。戦闘ではトンファーと投げナイフを駆使して戦う。マコトを売り飛ばした直後に蒼天堀で出会った立華に敗北して以来年下である彼を兄と崇めて心酔するようになり、仲間の証として蝙蝠の刺青を立華にも入れさせて、さらには立華に協力して立華不動産の設立に関わるようにもなる。立華が尾田をかばって片腕をなくした際は「この人だけは絶対裏切らない」と心に誓ったが、その矢先にかつて売り飛ばしたマコトが立華の妹である事を偶然にも知り、深い罪悪感を抱えるようになる。また、立華から「カラの一坪」の所有者が立華の妹(マコト)である事も知らされていた模様。その後は桐生と出会い、立華の命を受けて会社を訪れた桐生の実力を測るために戦うも敗北する。桐生と協力し合う一方で、マコトを売り飛ばした過去を立華に知られることを恐れていたため裏で渋澤と内通。立華にマコトを会わせないため、そして渋澤にマコトを引き渡すために彼女の居場所を伝えていた[注 56]。しかし予想以上に渋澤の手に渡らなかったため、自身でマコトを殺害するべく桐生の大阪行きに同行。だが、マコトは尾田の声を覚えており、桐生に尾田の正体を伝えようとする。焦った尾田は桐生とマコトを殺害しようとするが失敗。桐生に裏切りの経緯と立華への想いを語る。その後は自分の正体を知りながらも気遣うマコトに感化され、ケジメを付けるため襲撃してきた渋澤組の足止めを引き受けて桐生とマコトを逃すと単身渋澤組の構成員たちに戦いを挑んだが交戦の末に致命傷を負わされ、現れた渋澤からマコトの居場所を尋問されるも最期まで自白することなく渋澤に対して皮肉を吐き捨てながら射殺された。尾田がマコトを地獄へ突き落とした張本人であった事実は後に桐生の口から立華へ伝えられ、流石に立華も驚きを隠せずにいたが「己の運命と向き合わずに逃げた自分のせいで母や妹の人生を狂わせ、尾田さんも巻き込んでしまった」とあくまで尾田を恨もうとはしなかった。尾田自身もまた立華に対する恩義と罪の恐怖の狭間で苦しみながらも「立華さんが本当に好きだった」と語り、両者の絆は死してなおも途切れることは無かった。

巌見造船

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『6』に登場した広島にある会長の巌見兵三が立ち上げた造船会社。造船業だけではなく、病院や学校、交通網などの様々な分野で事業を展開しており、広島で絶大な影響力を誇っている。

巌見 恒雄(いわみ つねお)
演 - 大森南朋
巌見兵三の息子で、巌見造船の社長。穏やかな物言いや表情とは裏腹に鋭い眼光と父親顔負けの野心を持ち、中盤以降はその胸の内に長年抱えてきた野望を露わにし極道らしい凶暴さや目的のためならば手段を選ばない冷酷卑劣さで桐生たちを追い詰めていく。その野心や人心掌握術や狡猾ぶりは父親だけでなく広瀬、染谷からも危険視されるほどだが反面窮地に追いやられると命乞いも辞さなかったり、保身や目先の目的を最優先するあまりに引き際を見極められないなど本質まで極道になりきれていない一面も垣間見せる。
スーツの下は非常に逞しい肉体を誇り、背中には白沢の刺青が彫られている。戦闘では空手のような形式ばった技と荒々しい動きを複合させたスタイルで戦い、ヒート状態になるとタックルからマウントパンチを繰り出してくる。裏社会への進出を望んでいたがそれを望まずに表社会の日の当たる道を歩かせようとする父に反発心を抱いており、裏社会で絶大な力を持つ父を超えるという野心から父に代わって自らが陽銘連合会の会長となった上で「来栖猛」の渡世名を襲名するために東城会の菅井や染谷、若頭である小清水と手を組んで祭汪会のロウや彼の息子であるジミー・ロウを利用して亜細亜街の大火事を起こす[注 57]。その後は計画を着実に進めていき、桐生たちが尾道の秘密を暴いたことをきっかけに大道寺稔から父の殺害(および桐生の殺害)を依頼され遂にはそれを良しとして小清水に父を殺害して会長の座を手にする。
その後清美を人質に取り元夫である染谷に対して桐生の殺害を命令するが桐生に敗れた染谷が自害したために一度は失敗に終わり、後に巌見造船所で菅井と共に桐生たちと対峙する。その後は嗾けた小清水が倒されると自らの手で桐生を始末するために切り札として事前に連れ去った遥とハルトを人質に取り、桐生たちを無抵抗にした上で菅井と共に一方的に暴行するが直後に勇太たちの乱入によって遥たちが解放されてしまう。その後桐生と激突するも死闘の末に敗北し、追い詰められながらも悪あがきとして菅井に遥やハルトの殺害を命じたところを桐生に顔面を殴りつけられて気絶した。事件後は警察に逮捕され、陽銘連合会会長就任という野望は事実上失敗に終わった。
『ONLINE』の補完エピソードでは、桐生が意識を失った直後に同じく桐生に倒された小清水と共に目が覚めるも尚も自身の野望と桐生の殺害に固執し、小清水をけしかけようとするもこれまでの数々の卑劣なやり口をもってしても桐生に勝てなかった事実やどこまでも自分の野望と保身しか考えていない姿勢を「引き際を察して自殺した菅井の方が極道として立派だった」と非難され、二代目「来栖猛」を名乗る器ではないと一蹴される。さらに自らが殺めた父・兵三の真意を明かされ、愕然となりながら到着するパトカーのサイレンを聞き自らの敗北を認めるかのように自嘲の言葉を呟いた。

神崎グループ

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『極2』の「新・水商売アイランド」のイベントに登場した全国No.1のキャバクラ企業。

神崎(かんざき)
神崎グループのオーナーで、サンシャインの元黒服。徹底的な勝利主義かつ慇懃無礼な性格で、敗北した店舗のスタッフを容赦なく切り捨てたり、勝つためには卑怯な裏工作を仕掛けることも厭わない反面、サンシャインで同僚だったユキや陽田を店から追放した過去に対して「悪魔に魂を売った」「もう白くは戻れない」と語るなど、悪人であることを自覚し、背徳感を感じている節も見せる。ユキたちが新たに立ち上げたフォーシャインを潰すべく、営業妨害やスタッフ、キャストの引き抜きなどの邪魔をし、キャバクラグランプリ中も司会者のボーノ磯崎をはじめとする運営者たちと結託して、様々な妨害工作を仕掛けるが、桐生の協力を得たフォーシャインの奮闘により、グループ傘下の有力店舗[注 58]は尽く敗退する。その後も徐々に追い詰められる中で味方に抱き込んだと思っていた陽田と、乱入して来た真島の活躍でそれまでの妨害工作を含む不正行為が暴かれ、遂にはキャバクラグランプリ最終戦において本店であるサンシャインも敗れ去る。キャバクラグランプリ終了後、ユキに裏切りの真相[注 59]を打ち明けて水商売の世界の恐ろしさを自嘲気味に語るが、ユキのキャバクラの仕事に対する熱意を聞き、何らかのシンパシーを感じたのか、いつか再び這い上がってリベンジにくることを宣言し、その後はこれまでの妨害行為を含む悪事により警察に逮捕された。

一番製菓

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『7』の「会社経営」のイベントに登場した煎餅屋。伊勢佐木異人町の職安街エリアにある鶴亀橋付近に店舗を構えている。社名はえりの祖父が横浜で一番美味しい店にしたいという願いを込めてつけたもので、煎餅の販売や製造を主にし「コケコッ子」という鶏が店のマスコットキャラクターを務めている。かつては異人町で長年愛されていた店であったが、経営者の死と宝生による事業の強奪が重なり倒産寸前までに追い込まれてしまった。春日やニックの助力により中堅企業に昇格した後は事務所を店舗の二階から中華街にあるオフィスビルに移転し、社名も「一番ホールディングス」に改名した。『8』で一番製菓本店に向かうと鎌滝トメが店頭に立っており、桐生との会話から、春日が社長の座を鎌滝えりに譲っていたことが判明した。

鎌滝 トメ(かまたき トメ)
えりの祖母。えりの祖父の代から店に所属しており、主に店頭で煎餅の販売を行っている。春日のことを「えりが連れてきた彼氏」と思い込んでおり、春日のことを常に「彼氏」と呼んでいる。

不二宮グループ

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不二宮 和成(ふじのみや かずなり)
『8』で登場した。旧財閥系の名家・不二宮家の当主にして不二宮グループ会長。不二宮千歳の実父。核廃棄物処理と言う国家プロジェクトに参加するほどの絶大な権力を持っている。2013年、グループ傘下の不二宮海運が所有するタンカーの沈没事故が発生。原因は過積載とされているが、責任から逃れる為、部下に真相の隠蔽を指示。ちょうど季節外れの台風という事もあり、台風の影響によるものと処理されようとしていた。しかし、それを不審に思った千歳が隠蔽を指示する文書を発見。自身が開設していた「多々良チャンネル」で暴露するも、当時は観覧者も支持者も皆無だった為、相手にされず公に取り上げられることもなかった。しかし、千歳に近づいてきた三田村の台本と演出により動画内容が一変、一気に観覧者が増えた事で他メディアでも取り上げられるほどになり、その流れで隠蔽指示の文書を持って内部告発する者まで現れグループ運営として大ダメージを受けた。それらを見過ごせなくなり、千歳にハワイ留学と称して、ハワイへ行かせることで事態の鎮静化を図った。その後、海老名が謳う核廃棄物処理プロジェクトに参加する形で、核廃棄物の運搬を請け負うことになる。当初は厳重な施設と管理下の下で進められていると信じ協力関係にあったが、千歳からの「こんな事に加担してまでお金儲けがしたいのか」と直接の訴えと、現地からのゲリラ配信により、ずさんな管理体制の現状を目の当たりにした事で、協力関係の解消と関係各所への真意の伝達、自身の責任も負う形で会長を退任した。千歳曰く、自分と不二宮の看板が第一であり、円満な家庭を持つ偉大な経営者としての威厳を保つため家族はお飾りでしかなく、家族写真ですら撮影にはプロ顔負けのスタッフを用意するなど、常に自分は引き立て役だと思われていたが、その事を知っていた上でグループの不正を暴かれた多々良チャンネルが誰なのか見当がついており、身から出た錆だと反省する面も持っていた。
じいや
『8』で登場した。旧財閥系の名家・不二宮家の執事。不二宮千歳の養育を一手に任されており、一貫して、会長を「ご当主」、千歳を「千歳様」と呼ぶ。77歳で喜寿を迎えているが、千歳の見張り役も兼ねて共にハワイへ来た。頼まれごとを断れないおとなしい性格で年下の使用人たちに対しても腰を低く接しているが、一方でコミュニケーション能力は高く、ワイキキビーチにタコス屋を出しているジェフやその仲間たちとも信頼関係が築けるほどの関係を持っていた。それ故、周りから避けられていた千歳の養育を押し付けられる形で担うことになった。また元武闘家として武道に長けており武者修行と称して全国を回っていた。千歳曰く、北海道で熊を投げ飛ばしたと豪語しているが本人は「事実」だと主張している。千歳が父親や他の使用人たちから、はすました感じで接されていたが、自身だけは対等に向き合い千歳からの信頼度は高い。それだけに手を焼かせてきたと反省する千歳から、ハワイへ来てからの日々の連絡や、自身の体調を労りスマートウォッチを誕生日プレゼントで貰うなどの気遣いを見せられ、「私にとって大事な人」と言わしめるほど執事と令嬢という関係を超えた家族同然の信頼関係となってる。ジェフの店で千歳が盗んだパスポートを持って第5地区に入ったという事を聞き危惧して連絡した。第5地区に侵入したのではと危惧し、ジェフの店に駆け付けた千歳と遭遇。千歳に同行した春日を痴れ者扱いし仲間たちと襲ったが撃退された。武闘と武道に長けた自分が膝をついてしまったとショックを受けたが、春日への不安は払拭出来ずにおり、春日に千歳の目の前から姿を消して欲しいと懇願。しかし千歳からの懇願により千歳の成長を垣間見た事で安堵した一方で、父親と千歳との関係を危惧していたが、お互いに言葉足らずで歩み寄らずなため、誤解してる部分も多く「話す余地」はまだあると想いを伝えた。春日の事は最後まで名前すら知らなかったが、拳を交えたことで裏表のない人間だと評価した事で春日に千歳を託しその場を後にした。千歳は最後まで「じいや」と呼び、名前が明かされることはなかったが、ジェフからは「日本のサムライ」だと賞賛された。

地下格闘関係

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地下闘技場

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『1』から登場した神室町にある、サイの花屋が運営している地下格闘技大会。桐生や冴島がストーリー上で出場する他、『5』では他の主人公もミニゲームとして各種大会に参加できる。大会では基本的に3連勝することで優勝となり、試合形式も通常の戦い以外に武器のみの試合や灼熱のリングなどの様々な仕掛けが施された試合、タッグマッチ(『3』以降)といった多種多様のものに分かれている。

ゲイリー・バスター・ホームズ
声 - 間宮康弘(『ONLINE』)
過去3年間全勝無敗の戦績を誇る、「無敗の地下王者」と呼ばれている黒人男性。日本語はあまり堪能ではなく、単語の意味を理解せずに使っている節がある。戦闘では『1』ではパンチを中心とした格闘スタイル、『極』では相沢に似た格闘スタイルで戦う。桐生を花屋の場所に案内した後は地下闘技場の対戦相手として戦うも敗北する。
『2』では神室町ヒルズの建築現場で働いており、常時ヘルメットを被っている。戦闘ではナックルダスターを装備して戦う。再び地下闘技場の対戦相手として桐生と戦うも再び敗北する。
『4』では桐生のサブストーリーに登場し、変わらずに建築現場で働いている。また、日本語も上達している。戦闘ではボクシングで戦う。夜間に神室町ヒルズから謎の音がするという噂を聞いた桐生と再会し、真島組の構成員になったことを話す。その後、最後にもう一度戦いたいと桐生に申し出てその場で戦うも敗北し、直後に桐生に礼を言って別れた。
『極2』では『極』と同じく相沢に似た格闘スタイルで戦い、後にヒルズ計画を狙う悪徳不動産を倒すために桐生に協力する。
『ONLINE』では、草野球の助っ人として勧誘されそうになったところで春日に出会い、近江連合に勧誘されていると勘違いした春日の介入でこれを退ける。その後、本物の近江連合を春日と撃退したことで近江連合に目を付けられ、春日を手伝うようになる。
『7』ではデリバリーヘルプの1人として春日たちの戦闘をサポートしてくれる。
『8』では、ハワイのデリバリーヘルプ「ゲイリーズ・ラブ・キャンプ」を経営しており、ハワイでの春日たちの戦闘をサポートしてくれる。チトセのサブストーリーでは春日に好意を抱いた娘のチトセが弄ばれたと勘違いし、娘と共に春日に報復を迫った。また、サブストーリーとは別に条件を満たすとドンドコ島に宿泊客として訪れる。
ダニエル・フェルドマン
「米国第一級殺人逃亡犯」の肩書を持つ男。49歳。『2』でも対戦が可能である。戦闘ではレスリングで戦い、『極』ではルチャで戦う。桐生のデビュー戦の相手として戦うも敗北する。
ガオワイヤン・プラムック
声 - 三元雅芸(『1』)
ムエタイ選手でミドル級元王者。36歳。戦闘ではムエタイで戦う。フェルドマンと同様に桐生の対戦相手として戦うも敗北する。
グランシェフ張(グランシェフ チョウ) / カミソリ保(カミソリ やす)
黒いコックシャツ(『3』以降は白い甚平)を着た料理人風の男。年齢は『3』では38歳。『4』まで対戦が可能である。戦闘では『1』と『2』では二振りの中華包丁、『3』と『4』では出刃包丁を使用し、真島に似た包丁捌きで戦う。
『4』では40歳。冴島のサブストーリーにも登場し、田所考案のスペシャルマッチの一戦目の相手として登場するも敗れる。
『極2』では服装が返り血のついた青いコックシャツに変更されており、戦闘では曹に似た包丁捌きで戦う。
『7』では会社経営で人材紹介会社から紹介される社員の1人として登場する。
『極』では「カミソリ保」という名前で登場しており、年齢が29歳に変更されている。戦闘では『1』と同じく二振りの中華包丁を用いたスタイルで戦う[注 60]
熊殺しの沼田(ぬまた) / 熊田 勇(くまだ いさむ)
スキンヘッドで腰にサラシを巻いた服装の男。戦闘では真島に似たドス捌きで戦う。
『極』では「熊田 勇」という名前で登場しており、年齢が41歳に変更されている。戦闘では阿波野に似た格闘スタイルで戦う[注 60]。最初はサブストーリーに登場し古牧が連れてきた修行相手として登場する。
ハンター小沢(ハンター おざわ) / 深淵(しんえん)
坊主頭に緑色のジャケット(『3』以降は赤いスタジアムジャンパー)といった風貌の男。『2』以外の作品で対戦が可能である。年齢は『3』では33歳。戦闘では『1』ではショットガン、『3』と『4』では玉城に似た拳銃スタイル、『5』では拳銃による射撃を中心に戦う。
『4』では冴島のサブストーリーにも登場し、田所考案のスペシャルマッチの最終戦の相手として登場するも敗れる。
『極』では「深淵」という名前で登場しており、年齢が41歳に変更されている。戦闘ではスピードタイプの渋澤に似た格闘スタイルで戦う[注 60]
スノーマン / 芝 雷蔵(しば らいぞう)
白い覆面をした巨漢。戦闘では『1』では嶋野に似た格闘スタイルで戦う。
『極』では「芝雷蔵」という名前で登場しており、年齢が46歳に変更されている。戦闘では冴島に似た格闘スタイルで戦う[注 60]。最初はサブストーリーに登場し古牧が連れてきた修行相手として登場する。
ハデス西沢(ハデス にしざわ) / 鬼武 雅巳(おにたけ まさみ)
ガスマスクのような覆面をした男。『2』でも対戦が可能である。戦闘では『1』では錦山に似た格闘スタイル、『2』では大振りな技を主体としたスタイルで戦う。
『極』では「鬼武雅巳」という名前で登場しており、戦闘ではベースタイプの渋澤に似た格闘スタイルで戦う他、桐生の掴みを完全に無効化する術を持つ[注 60]
ロブソン・カエタノ・ダ・シウバ
『2』に登場した「ブラジルの超新星」と呼ばれる大男。27歳。戦闘では戦斧を使用する。再び地下闘技場を訪れた桐生の対戦相手として戦うも敗北する。
『7』では会社経営で人材紹介会社から紹介される社員の1人として登場する。
山岡 明(やまおか あきら)
『2』から登場した白いスーツに白いシルクハットと紳士的な容姿の男で、「地下闘技場の帝王」や「ステゴロの帝王」と呼ばれる地下闘技場のNo.1。『4』や『5』でも対戦が可能である。また、ツインドラゴンGPでは黒川般若と組んだ「ザ・サンクチュアリ」というチームで登場する。戦闘では『2』では桐生に似た格闘スタイル、『4』では杉内、『5』ではヴァレリーに似た格闘スタイルで戦う。
『極2』では年齢が40歳に設定され、戦闘では『6』での桐生に似た格闘スタイルで戦う他、桐生のカウンター技である「虎落とし」を使用したり、体力が一定以下になると「アルティメットヒートモード」を発動(エフェクトは無し)するなど、『2』よりも強化されている。後に桐生が悪徳不動産と戦っていることを聞き、真島建設に入社する。
サイクロプス大場(サイクロプス おおば)
『2』のサブストーリーに登場したプロレスラー。戦闘では『2』ではプロレス、『極2』ではルチャで戦う。試合で怪我をしたために龍宮城内で治療に専念していた所を桐生と出会い、飲食物を要求した後にスパーリングを要求したが、桐生に敗北した後は師匠であるゴーリキー寺山が出版した本を桐生に渡す[注 61]。その後、完治した後は地下闘技場内の出場選手として復帰する。
『極2』では桐生が悪徳不動産と戦っていることを聞き、真島建設に入社する。
『7』では会社経営での社員の1人として登場する。
河内 元匠(かわち げんしょう)
『2』のサブストーリーに登場した蒼天堀に住む河内兄弟の兄で、高校生でありながら河内流古武術の党首を務めている青年。17歳。戦闘では『2』では柔術で戦う他に投げ技を返し技として使用し、『極2』ではスピードタイプの渋澤に似た格闘スタイルで戦う。自らを鍛えるために武者修行の旅に出ていた際にいつしか目的と手段が入れ替わり、道場破りをするなど「投げ」にとり憑かれてしまう。河内流のライバルである古牧流を継ぐ桐生を倒すことを目標として地下闘技場に参戦していたが彼に敗北する。その後、自分自身の思い上がりと不甲斐なさを自覚し蒼天堀へと戻り、まさしく憑き物が落ちたように一層の鍛錬に励むようになった。
『極2』では桐生が悪徳不動産と戦っていることを聞き、真島建設に入社する。
ヴァレリー・ギャレット
『3』から登場したオランダ出身の総合格闘家。32歳。『4』でも対戦が可能である。また、ツインドラゴンGPでは『3』ではミノタウロス大滝、『4』以降はノーマン・クレイジー・ウェイドと組んだ「ヘル・インパルス」というチームで登場する。戦闘では峯に似た格闘スタイルで戦い、桐生の掴みを完全に無効化する術を持つ。
『5』では34歳。ビクトリーロードの永洲街予選の出場者として登場し、予選で戦っていた相手に手加減アリで勝ったために相手を激昂させてしまい、たまたま通りかかった桐生に助言を貰って桐生と再度戦うも敗北する。その後、桐生の相棒として出場する。
宝蔵院 胤禅(ほうぞういん いんぜん)
『3』から登場した和尚の容姿をした宝蔵院槍術の使い手。23歳。『4』でも対戦が可能である。戦闘ではラウに似た槍捌きで戦う。
『5』では26歳。ビクトリーロードの錦栄町予選の出場者として登場し、槍を使うのは卑怯だと他の参加者に仕返しを受けるが、品田と共に撃退する。その後、予選突破をかけて品田と戦うも敗北する。
鬼ヶ島 寅吉(おにがしま とらきち)
『3』から登場した元力士。28歳。『4』や『5』でも対戦が可能である。また、ツインドラゴンGPでは『3』ではザ・グレート・ジャックと組んだ「ザ・ダブルボルケーノ」、『4』以降はADABANAと組んだ「反逆力士会」というチームで登場する。戦闘では相撲で戦う。
マクシム・ソルダドフ
『3』に登場したウクライナ出身のボクサー。28歳。戦闘では玉城に似た格闘スタイルで戦う。「本当の強さ」を求めて地下闘技場に出場し、桐生との戦いで桐生の強さを感じたことでタッグマッチGPのパートナーになってほしいと懇願する。その後は桐生の相棒としても参戦する。
桧山 大治(ひやま だいじ)
『3』に登場したプロレスラー。41歳。戦闘ではプロレスで戦い、タッグバトルでは特殊なヒートアクションを発動する。かつては前原辰彦というプロレスラーとタッグを組んでおり、後に前原の死によって引退を考えていたが、桐生の型に囚われない戦い方が前原に似ていると思い、タッグマッチGPのパートナーになってほしいと懇願する。その後は桐生の相棒としても参戦する。
ブルース海老沼(ブルース えびぬま)
『3』から登場したトラックスーツ姿の拳法家。『4』や『5』でも対戦が可能である。また、『5』でのツインドラゴンGPでは伊坂銀士郎と組んだ「マッハパンチャーズ」というチームで登場する。戦闘では独特な動きの中国拳法で戦う。自分の強さに自信を持ち、『3』では手近なチンピラを雇ってタッグマッチGPに出場するも敗れてしまう。その経験から自身に合うパートナーを探しており、桐生の強さを見てタッグマッチGPのパートナーにスカウトする。その後は桐生の相棒としても参戦する。
波多江 真幸(はたえ まさゆき)
『3』に登場した地下闘技場の選手。戦闘ではリチャードソンに似た格闘スタイルで戦う。バッティングセンターで飛んでくるボールを避けるトレーニングをしていたところを桐生に迷惑だと注意されて逆上するが、逆に叩きのめされる。その後は桐生をタッグマッチGPのパートナーにスカウトし、桐生の相棒として参戦する。
神野 慶吾(じんの けいご)
『3』に登場した用心棒志望の男。戦闘では力也に似た格闘スタイルで戦い、タッグバトルでは特殊なヒートアクションを発動する。強い男になるために用心棒まがいのことをしており、マッハボウルに強引に押しかけてきた挙句に金を取ろうとしたが、桐生に叩きのめされる。その後、桐生の強さに惚れこんで弟子になろうとしたところを断られてしまい、代わりに桐生に紹介された地下闘技場に出場するも惨敗し、タッグマッチGPで桐生のパートナーになって強くなりたいと懇願する。
イワン・イブラヒモビッチ
『4』から登場した冴島が賽の河原を訪れた時点での地下闘技場のチャンピオン。36歳。半年間100戦無敗を誇っており、通称として「人を超えた男」と呼ばれている。『5』でも対戦が可能である。また、ツインドラゴンGPでは銀河要と組んだ「エリート連合」というチームで登場する。戦闘では大きな体躯を生かした総合格闘術で戦い、相手を気絶させた後に特殊なヒートアクションを繰り出してくる。冴島と「一方が死ぬまで戦い続ける」というルールのエキシビションマッチで戦うも敗北を喫する。その後、冴島兄妹を拉致しに来た上野誠和会を相手に冴島や花屋、その部下たちと共に戦うも叩きのめされる。
黒川 般若(くろかわ はんにゃ)
『4』から登場した黒い般若の面を付けた格闘家。また、ツインドラゴンGPでは山岡明と組んだ「ザ・サンクチュアリ」というチームで登場する。戦闘では素手状態のラウと風間譲二を織り交ぜたような格闘スタイルで戦う。
『5』ではビクトリーロードの蒼天堀予選の出場者として登場し、般若の面を取りたがっているが、面をつけた後で強さを得たために面を取ると弱い自分に戻るのではないかという恐怖心から面を取れずに困惑する。その後、それを吹っ切るために秋山と戦うも敗北し、直後に彼の助言で強いのは自分自身の力ということに気付いたことで面に対する恐怖心も無くなって面を取ろうとしたところを秋山から「それに気付いたなら取る必要はない」と言われ、面と付き合いながらも更なる強さを目指していくことを決意する。
ヘッドハンター刈谷(ヘッドハンター かりや)
『4』から登場した黒いパーカーに不気味なマスクといった風貌の男。32歳。『5』でも対戦が可能である。戦闘では『4』では戦斧、『5』では大鎌を使用する。
『4』では冴島のサブストーリーにも登場し、田所考案のスペシャルマッチの二戦目の相手として登場するも敗れる。
篠原 信一(しのはら しんいち)
『極』のサブストーリーに登場した元柔道家。戦闘では柔道を主体とした格闘スタイルで戦い、素手による力強い攻撃と、一度掴まれれば脱出不能な投げ技を繰り出す。神室町に観光に訪れた際に桐生がチンピラに絡まれていると勘違いしてそのチンピラを叩きのめすが、直後に誤解であることを知るとすぐに謝罪を示す。その後、桐生に案内されながら神室町を観光するが、それでも「刺激が足りない」と桐生に進言したことで地下闘技場に案内される。その後は地下闘技場に参戦して勝ち抜き、その際に桐生に勝負を申し出て彼と戦うも敗北する。敗北後は桐生の強さを称えつつも自身もさらに強くなることを決意し、以降は地下闘技場に参戦する。
リング・アナウンサー
声 - ケイ・グラント(『1』 - 『4』、『極2』)、堀内隼人(『5』)

曽田地道場

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『4』の冴島の「格つく」のイベントに登場する道場。新人トーナメントで優勝させた門下生は地下闘技場で対戦したり、タッグパートナーとして共闘することが可能となる。『5』ではまだ存在していたが、『6』では土地の値上がりにより既に売られており、もう存在していないことが曽田地の口から語られた。

曽田地 康夫(そだち やすお)
声 - 影山貴広(『6』)
曽田地道場の師範。実技経験がなく、格闘家としての実力はないが、格闘理論を学んできたためにアドバイスが上手い。門下生が集まらずに道場が経営難に陥っていたところを地下闘技場で冴島の強さと相手を思いやる優しさに惚れ込み、冴島に道場で師範を勤めるように依頼する。また、地下闘技場の受付でファンだった桐生と出会い、門下生の勉強として彼らのタッグパートナーとしての出場をお願いする。
『5』の冴島のサブストーリーにも登場し、道場を訪れた冴島に対して道場生が増えていることや冴島の鍛えた門下生たちも各地で自立していることを明かす。戦闘では独特な構えをしているが弟子たちよりも弱く、一撃を喰らうだけで倒れてしまう。その後は道場の強奪を目論む「エンジェル不動産」に襲撃されるが冴島と共に撃退し、道場を死守した。また、冴島のカラオケ「ばかみたい」のムービーでは冴島とのツーショット写真に登場する。
『極』『7』ではカラオケに「ソダチヤスオ」というアカウント名で登場しており、初期のランキングでは『極』では4位、『7』では1位にランクインしている。
『6』でもサブストーリーに登場し、戦闘では最初の対戦時こそ素人丸出しの動きだが、のちに過去作品に登場した強敵たちに似た格闘スタイルを駆使し、最後の戦いでは久瀬に似た格闘スタイルで戦う。土地の値上がりに乗じて道場を売り払い、売った際に手に入れた金を元手に「RIZAP」に通い始め、桐生と再会した時(桐生自身は覚えていなかった)には屈強な体付きになる。その後、桐生に勝負を挑んで敗北したことで更なるトレーニングを積み、結果として自身の格闘理論を実践できるほどの強さを手にしたが、桐生との再戦でも敗北する。敗北後は桐生から強くなったことを認められ、それを嬉しく思いつつもさらに強くなることを誓い、桐生会の仲間になる。
『極2』では新・クランクリエイターの求人で仲間にすることができる。
『7外伝』では闘技場のファイターとして登場。基本はボスクラスとしての登場だが、条件を満たすことで仲間にすることができる。
『8』では春日がハワイでドクター森笠と再会した際にスジモンバトルのファイターとして門下生の陽川、倉木と合わせて紹介され、春日と共にスジモンバトルの私物化を目論む筋神委員会配下のマネージャー四天王やキングに戦いを挑む。中盤、四天王の一人であるジョーカーに陽川と倉木が拉致されたことから、二人を助けるためさらに強くなることを決意。元四天王のエースに弟子入りし「殺意の極道」に目覚める。
杉山 秀夫(すぎやま ひでお)
冴島が曽田地道場に訪れる以前から入門していた唯一の門下生。25歳。真面目な性格だが、弱気かつ草食系で、伊達眼鏡を掛けている。格闘スタイルは空手で、均整の取れた能力を持つ。片想いの女の子を惹くために格闘技を始めるが、弱すぎるために冴島の最初の弟子となる。新人トーナメント優勝後は彼女に告白しようとしたところをその彼女が男とイチャついている場面を目の当たりにしたことで失恋してしまうが、それでもより一層格闘技に励むようになり、男としての成長を見せた。
江浜 丈裕(えはま たけひろ)
曽田地道場に入門した元サラリーマン。40歳。曽田地が勝手にマスクを被せ、マスクマンとして戦うことになるも本人はとても気に入っており、四六時中マスクを被っている。格闘スタイルは跳び技中心のプロレスで、全弟子中最高のスピードを身上とするが、体力とパワーに乏しく調子を崩しやすい。些細な理由(ピンセットを安全ピンのセットと間違えた)から会社をリストラされ、妻と息子には家を出て行かれたことで空っぽで情けない自分を直すために道場に入門するが、後に曽田地の計らいで家族が見にきていた新人トーナメントで優勝し、それをきっかけに家族との仲も元に戻り、さらには新たな就職先(建築会社)も決まる。
落合 福嗣(おちあい ふくし)
曽田地道場で寝てばかりいる青年。22歳。慢心家で、自身の実力を過剰に評価している。格闘スタイルは投げ技を取り入れたボクシング主体で、高いパワーと体力を併せ持つが、スピードに乏しく、信頼度が低いと練習をサボる悪癖を持つ。杉山と江浜の優勝を知り、それなら俺も優勝できると半ば強引に冴島に弟子入りをし、初めは冴島の言うことをほとんど聞くことがなかったが、徐々に冴島を信頼していき、最終的には新人トーナメントで優勝した。
音喜多 誠(おときた まこと)[注 62] / 時田 誠(ときた まこと)(PS4版)
曽田地道場の新規門下生。27歳。かなりと言って良いほどのナルシストで、自身の容姿と格闘スタイルを美しいと言って憚らない。格闘スタイルはムエタイで、テクニックに関しては並ぶ者がおらずに特に目立った欠点もないが、勝負弱いところがある。前道場の門下生に馬鹿にされたことで逃げ出し、以前の道場はレベルが低いとして曽田地道場に入門する。新人トーナメント優勝後は自身をバカにした前道場の門下生を嘲笑ってやろうと道場に呼ぶが、あっさりとした掌返しに呆れてしまい、つまらない相手に拘っていたことを恥じながらもこれをきっかけに人間として一皮剥けて成長した。
『5』では29歳。ビクトリーロードの月見野予選の出場者として登場し着実に実力もつけていたが、性格は変わらずに以前のままである。格闘スタイルは以前と異なってプロレスで戦う。ビクトリーロード予選では無敗で勝ち進んでおり、師である冴島を越えることを目標としているために冴島に勝負を仕掛けてくるも敗北し、闘技場では冴島のパートナーに名乗りを上げる。
PS4版では名前が「時田誠」に変更された。
渡辺 正高(わたなべ まさたか)
曽田地道場の新規門下生。28歳。大柄な体格に優しい性格で、力は非常に強いが、相手を傷つけることを嫌い、他人の顔色を窺ってばかりいた。格闘スタイルは軽妙な打撃技を織り交ぜる力技主体のプロレスで、成長は遅いものの、見た目通りのパワーや体力、さらにスピードやテクニックの伸びしろも