接触通知
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開発者 | |
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利用開始 | 2020年4月 |
分野 | コンタクト・トレーシング |
対応機器 | Android及びiOS搭載携帯端末 |
物理的範囲 | 10 m[1] |
接触通知(せっしょくつうち、英語:Exposure Notification)とは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行を受け、AppleとGoogleが開発したコンタクト・トレーシング(接触確認)を目的とした機能。曝露(暴露)通知ともいう。iOSまたはAndroidを搭載したスマートフォン、タブレットのBluetooth機能を使用して、他の同機能を利用するユーザーとの接触を自動的に記録、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)陽性者登録を行ったユーザーとの濃厚接触を検知して通知する[2]。各国の保健当局のもとで開発、公開されたCOVID-19アプリ内の機能として動作する[3][4]。iOSとAndroid間で機能に互換性がある。
2020年4月10日に発表、同年5月21日に運用が開始された。
接触通知には Exposure Notifications System (ENS、濃厚接触の可能性を検出するシステム[5][6]、接触通知システム[7]) と Exposure Notifications Express (ENE) の二つがあり[8][3][4]、前者は独自のCOVID-19アプリを開発する国・地域向け、後者は独自アプリ開発の余裕がない国・地域向けのもので、両者には機能において互換性がある。日本の厚生労働省が提供する新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)ではENSが採用されている[3][4]。後者はOSにより提供方法が異なり、iOSではiOS 13.7以降でアプリをダウンロードせずに使用できる。AndroidではGoogleがそれぞれアプリを制作する[9]。
APIは政府の公衆衛生当局のみが使用可能。
歴史
[編集]2020年4月10日、AppleとGoogleの共同声明により機能が発表[10]。
同年5月21日、iOS はiOS 13.5の一部として、AndroidはGoogle Play Serviceの一部としてAndroid 6.0以降に提供された[11]。
同年9月2日、iOS 13.7の一部として、「設定」アプリからENEを使用できる機能が搭載された[12]。Android版は各地域の個別アプリとして配信されるため、OS自体にENEの起動機能は搭載されていない。
同年9月8日、Android 11アップデートにより、ユーザーが位置情報・Bluetoothを無効にしていても接触通知を有効にすることが可能となった。
同年12月14日、iOS 12.5アップデートにより、iOS 13に対応していないiPhoneでも使用可能となった[13]。
時期不明:Google Play開発者サービスの更新によりAndroid 5.0でも使用可能となった[14]。
2023年3月29日、iOS 16.4で当局が接触通知をオフにできる機能がリリースされた[15]。これまでもユーザーが無効化することは可能だったが、本機能により対象地域の全ユーザーに対して接触通知を無効化できるようになった。
2023年9月18日、接触通知APIが廃止された。同日リリースされたiOS 17でiOS版が削除された[16]。
2023年12月26日、Nearby SDKのアップデートによりAndroid版が削除された[17]。
脚注
[編集]- ^ Sponås, Jon Gunnar. “Things You Should Know About Bluetooth Range” (英語). blog.nordicsemi.com. 2020年4月12日閲覧。
- ^ “Exposure Notifications API”. Google Developers. Google LLC. 2021年1月23日閲覧。
- ^ a b c 関口 聖 (2020年9月2日). “グーグルとアップルの新型コロナ接触確認機能に新たな仕組み「Exposure Notification Express」――日本には影響なし”. ケータイ Watch (株式会社インプレス) 2021年1月23日閲覧。
- ^ a b c 佐藤由紀子,ITmedia (2020年9月2日). “AppleとGoogleの曝露通知、「Express」で当局の負担軽減”. ITmedia NEWS (アイティメディア株式会社) 2021年1月23日閲覧。
- ^ Apple Inc.・Google LLC. “濃厚接触の可能性を通知するシステム: 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大抑止に取り組む公衆衛生機関をテクノロジーで支援する”. COVID-19(新型コロナウイルス感染症)に関する情報とリソース. Google LLC / グーグル合同会社. 2021年1月23日閲覧。
- ^ “Exposure Notifications System のアップデートについて”. Google Japan Blog. グーグル合同会社 (2020年8月4日). 2021年1月23日閲覧。
- ^ “接触通知システムに関する情報”. Android ヘルプ. Google LLC / グーグル合同会社. 2021年1月23日閲覧。
- ^ “Exposure Notifications Express overview”. Google Developers. Google LLC. 2021年1月23日閲覧。
- ^ “AppleとGoogleの曝露通知、「Express」で当局の負担軽減”. ITmedia NEWS. 2025年6月9日閲覧。
- ^ “AppleとGoogle、 新型コロナウイルス感染症対策として、 濃厚接触の可能性を検出する技術で協力”. Apple Newsroom (日本). 2025年6月9日閲覧。
- ^ “AppleとGoogle、新型コロナ「曝露通知」のAPI公開 日本を含む22カ国がアクセス済み”. ITmedia NEWS. 2025年6月9日閲覧。
- ^ 株式会社インプレス (2020年9月3日). “iOS 13.7でも接触確認アプリ「COCOA」をそのまま使おう。厚労省が注意喚起”. Impress Watch. 2025年6月9日閲覧。
- ^ “古いiPhone向けにiOS12.5がリリース〜COVID-19接触通知機能追加 - iPhone Mania”. iphone-mania.jp (2020年12月15日). 2025年6月9日閲覧。
- ^ “[Android COCOAの対象バージョンをAndroid 5.0に拡大【要望】 · Issue #203 · cocoa-mhlw/cocoa]” (英語). GitHub. 2025年6月9日閲覧。
- ^ “米コロナ緊急事態宣言終了で、多くのiPhoneユーザーに「接触通知オフ」の通知が届く - iPhone Mania”. iphone-mania.jp (2023年5月13日). 2025年6月9日閲覧。
- ^ “Exposure Notification” (英語). Apple Developer. 2025年6月9日閲覧。
- ^ “リリースノート | Google Play services”. Google for Developers. 2025年6月9日閲覧。
関連項目
[編集]- COVID-19アプリ
- 新型コロナウイルス接触確認アプリ (COCOA)
- コンタクト・トレーシング
- 濃厚接触