少年と犬

少年と犬
作者 馳星周
日本の旗 日本
言語 日本語
ジャンル 短編集
発表形態 雑誌掲載
初出情報
初出オール讀物[1]
  • 「男と犬」(2018年1月号)
  • 「泥棒と犬」(2018年4月号)
  • 「夫婦と犬」(2018年7月号)
  • 「娼婦と犬」(2019年1月号)
  • 「老人と犬」(2020年1月号)
  • 「少年と犬」(2017年10月号)
刊本情報
出版元 文藝春秋[2]
出版年月日 2020年5月15日[2]
総ページ数 312[2]
id ISBN 978-4-16-391204-2[2]
受賞
第163回直木三十五賞
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少年と犬』(しょうねんといぬ)は、馳星周による小説。第163回直木三十五賞受賞作。6編からなる連作短編である。東日本大震災で飼い主を亡くしたの「多聞」とそれに関わる人々の物語を描く。

2025年に映画版が公開予定[3]

構成

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  • 「男と犬」 - 東日本大震災で被災した宮城県仙台市を舞台に、窃盗団に手を貸す和正と多聞が出会う。
  • 「泥棒と犬」 - 窃盗団の一員であるミゲルが、多聞とともに新潟県に向けて逃走する。
  • 「夫婦と犬」 - 富山県に住む中山夫婦が多聞を拾う。
  • 「娼婦と犬」 - 滋賀県娼婦の美羽が多聞を拾う。
  • 「老人と犬」 - 島根県猟師を営む弥一が多聞を拾う。
  • 「少年と犬」 - 熊本県に住む内村が多聞を拾い、家族で飼うことを決める。

登場人物

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多聞
シェパード。東日本大震災で飼い主を亡くす。南の方向をよく気にする。多くの人々に飼われながら西へと向かい、最終的に内村家によって飼われることになったが、熊本地震の際に光をかばって死亡する。
出口春子
釜石市在住の女性。多聞の飼い主であったが、東日本大震災で死亡する。
中垣和正
認知症の母のため、金目当てで盗賊団の運転手を務めるが、交通事故で死亡する。
ミゲル
「泥棒と犬」の主人公。盗賊団に所属する外国人。逃走を図り新潟県へと向かい、そこで多聞を放すが、最後に何者かによって銃殺される。
中山大貴
「夫婦と犬」の登場人物。牛岳でのトレイルランニング中にクマを追い払ってもらった縁から、多聞を自宅に連れ帰る。多聞を「トンバ」と呼ぶ。トレッキング中に滑落して死亡する。
中山紗英
「夫婦と犬」の登場人物。大貴の妻。有機野菜と手作りの工芸品をネットで販売することで生計を立てているが、それをいいことに子供っぽく趣味にばかり熱を上げる大貴に辟易している。多聞を「クリント」と呼ぶ。
美羽
「娼婦と犬」の主人公。滋賀県在住。多聞を「レオ」と名付ける。ギャンブラーの晴哉のために風俗店で働くが、金を無心するばかりで儲けても何一つ自分に返そうとせず、ついには若い女と浮気までしていたことを知って晴哉に愛想が尽き殺害。その死体を埋めに行った帰り道に多聞を拾った。自首を決意し、多聞を京都の山中に放つ。
片野弥一
「老人と犬」の主人公。島根県在住。長年の相棒だった猟犬の死をきっかけに引退しているがかつては集落一の猟師だった。迷い込んできた多聞を「ノリツネ」と名付ける。末期の膵臓がんを患っており、ノリツネは疎遠となった娘の代わりに、自身を看取るために遣わされたと信じる。集落の人達に頼まれ村に降りてきた熊を駆除するため山に入るが、助っ人として呼ばれていた他所の猟師の誤射によって死亡する。
内村徹
「少年と犬」の登場人物。釜石市で漁師をしていたが東日本大震災に被災、その体験から海を異常に恐れるようになった光のため、熊本県に引っ越してきて農業を始めた。農作業の帰りに多聞を拾い、家族で飼うことに決める。
内村光
「少年と犬」の登場人物。徹の息子。東日本大震災の経験から心を閉ざしていたが、多聞との交流で心を開くようになる。

書誌情報

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  • 馳星周『少年と犬』
    • 単行本:2020年5月15日発売、文藝春秋ISBN 978-4-16-391204-2
    • 文庫本:2023年4月5日発売、文春文庫ISBN 978-4-16-792021-0

受賞

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2020年7月15日直木三十五賞を受賞した。馳はデビュー作の『不夜城』で初ノミネートを受けてから23年、7回目のノミネートで受賞となった[4]

コミカライズ

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村上たかしによるコミカライズ作品が2021年8月21日から文春オンラインで連載され[5]、2022年6月28日に単行本として刊行された[6]

映画

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少年と犬
監督 瀬々敬久
脚本 林民夫
原作 馳星周
製作 平野隆
出演者 高橋文哉
西野七瀬
製作会社 映画「少年と犬」製作委員会
配給 東宝
公開 日本の旗 2025年春(予定)
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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2025年春に公開予定。監督は瀬々敬久、主演は本作が初共演となる高橋文哉西野七瀬[3]。連作短編形式の原作から複数のエピソードと映画オリジナルの要素を加えて再構成したものとなる[7]

キャスト

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スタッフ

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出典

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外部リンク

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小説
コミック
映画