安西篤子
安西 篤子 | |
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永井路子(左)とともに (文化実業社『新婦人』1965年) | |
誕生 | 1927年8月11日 兵庫県 |
職業 | 小説家 |
言語 | 日本語 |
国籍 | 日本 |
ジャンル | 歴史小説 |
主な受賞歴 | 直木三十五賞(1965年) 女流文学賞(1993年) |
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安西 篤子(あんざい あつこ、1927年8月11日[1] - )は、日本の小説家。
人物
[編集]兵庫県武庫郡須磨村(神戸市須磨区)[1]村雨町生まれ。父は福島県出身で横浜正金銀行に勤務した安西政一郎[1][2]。母は東京都の出身[2]。妹に作家の杉本晴子がいる(本項に記述)。生後間もなく父の勤務でドイツに渡り[1]、1933年まで在住した[1]。ドイツ滞在中、ベルリンで群衆の歓呼に応えるアドルフ・ヒトラーを目撃する(「あの日、ヒトラーを見た私」新潮社「波」2021年5月号)。帰国後の1935年、再び父の転勤で中国へ渡り[1]、青島高等女学校を経て1941年に帰国[1]。1945年神奈川県立横浜第一高等女学校(現・神奈川県立横浜平沼高等学校)卒[1]。1946年冨中暁と結婚[1]、長女、長男を儲ける[1]。
1953年中山義秀に師事して小説を書き始め[1]、1965年『張少子の話』で直木賞[1]。1972年離婚[1]。1991年十数年連れ添った恋人を失う[1]。1993年『黒鳥』で第32回女流文学賞を受賞した[1]。
受賞歴
[編集]著作
[編集]- 『張少子の話』文藝春秋新社 1965
- 『恋愛ミニ講座』山梨シルクセンター出版部 1970 「愛のミニ講座」集英社文庫
- 『一生を利口な嫁で過ごすために わがまま気ままなお嬢さん読本』日本文芸社 1973
- 『愛 愛しかた愛されかた』ロングセラーズ 1974
- 『銀の橋』旺文社 1976
- 『女人紋様』読売新聞社 1976 -旺文社文庫 1984
- 『東京』保育社 1976
- 『東京歴史散策』保育社カラーブックス,1976
- 『幸せ色の夜明け』集英社文庫コバルトシリーズ、1978
- 『悲愁中宮』読売新聞社 1978 のち集英社文庫
- 『千姫微笑』講談社 1979 - のち文庫
- 『泣かない女』家の光協会 1979
- 『女ありて』構想社 1979/千人社 1979
- 『戦国夢幻』読売新聞社(昭和世代女流短編集)1979
- 『歴史に抗う女たち』読売新聞社 1981
- 『愛染灯籠』講談社 1981 - のち文庫「愛の灯籠」1985
- 『似たひと』かまくら春秋社 1981 「古都のひと」集英社文庫
- 『淀殿 物語と史蹟をたずねて』成美堂出版 1981 のち文庫
- 『ひとりでも幸福か』海竜社 1981
- 『卑弥呼狂乱』光風社出版 1982 のち光文社文庫
- 『女の東京地図』文化出版局 1983
- 『花あざ伝奇』講談社 1983 のち文庫
- 『家康の母』読売新聞社 1983 のち集英社文庫
- 『男を成功させた悪女たち』集英社文庫 1983
- 『淀どの哀楽』秋田書店 1984 - のち講談社文庫 1987
- 『累卵』中央公論社 1985 短編集
- 『旅はびっくり箱』読売新聞社 1985
- 『歴史を彩った悪女、才女、賢女』講談社 1985 のち文庫
- 『義経の母』読売新聞社 1986 - のち集英社文庫 1989
- 『安西篤子の南総里見八犬伝』集英社(わたしの古典) 1986 のち文庫
- 『歴史のいたずら』読売新聞社 1988
- 『武家女夫録』講談社 1988 のち文庫
- 『春日局 大奥の権勢をにぎった女性の波乱の一生』新学社・全家研 1989
- 『壇ノ浦残花抄』読売新聞社 1989 のち集英社文庫
- 『今昔物語 -古典の旅』小学館 1990 「「今昔物語」を旅しよう」講談社文庫
- 『花ある季節』読売新聞社 1990 のち集英社文庫
- 『不義にあらず』講談社 1990 のち文庫
- 『油小路の血闘』読売新聞社 1991 のち小学館文庫
- 『色に狂えば』光文社文庫 1991
- 『鴛鴦ならび行く』新人物往来社 1992 短編集
- 『黒鳥』新潮社 1993
- 『龍を見た女』読売新聞社 1993 - のち講談社文庫 1997 (織田信長を女の眼から描く)
- 『恋に散りぬ』講談社 1994 のち文庫 短編集
- 『逢い逢いて』新潮社 1994 短編集
- 『生きてきて、いま』中央公論社 1995
- 『鎌倉 海と山のある暮らし』草思社 1996
- 『愛しく候』講談社 1996
- 『空白の瞬間』集英社 1997
- 『木瓜の夢』講談社 1998 短編集
- 『女人鎌倉 歴史を再発見する15の物語』祥伝社 1998
- 『洛陽の姉妹』講談社 1999
- 『北条時宗と蒙古襲来』学研M文庫 2000
- 『黄砂と桜』徳間書店 2001 (自伝小説)
- 『柴田勝家 ひたむきに戦国乱世を駆け抜けた男』学研M文庫 2002
- 『老いの思想 古人に学ぶ老境の生き方』草思社 2003
編共著
[編集]親族
[編集]杉本 晴子(すぎもと せいこ、本名:岩沢 晴子、1937年 - 2016年)は実妹。上海生まれ。立教大学卒。1983年「ぐみの木」が神奈川新聞文芸コンクール佳作。1989年「ビスクドール」で女流新人賞受賞。没するまで、長く鎌倉に住んだ[3]。