第48回ベルリン国際映画祭
第48回ベルリン国際映画祭は1998年2月11日から22日まで開催された。
概要
[編集]コンペティション部門は、504本というこれまでで最も多い作品数の中から24本の長編と10本の短編が出品され、ブラジル映画『セントラル・ステーション』が金熊賞を受賞した。
当初はダライ・ラマの半生を描いたマーティン・スコセッシ監督の『クンドゥン』が上映される予定であったが、中国政府の抗議を受けるという出来事があった。映画祭側は上映を望んだが、スコセッシが映画を取り下げ、また2つの中国の制作会社が映画祭への参加を取り止めた。
受賞
[編集]- 金熊賞:『セントラル・ステーション』(ウォルター・サレス)
- 銀熊賞
- 審査員特別賞:『ウワサの真相/ワグ・ザ・ドッグ』 (バリー・レヴィンソン)
- 監督賞:ニール・ジョーダン (『ブッチャー・ボーイ』)
- 男優賞:サミュエル・L・ジャクソン (『ジャッキー・ブラウン』)
- 女優賞:フェルナンダ・モンテネグロ (『セントラル・ステーション』)
- 芸術貢献賞:アラン・レネ (『恋するシャンソン』)
- 貢献賞(an outstanding single achievement) :マット・デイモン (『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』)
上映作品
[編集]コンペティション部門
[編集]- 長編映画のみ記載。アルファベット順。邦題がついていない場合は原題の下に英題。
題名 原題 | 監督 | 製作国 |
---|---|---|
Barbara | ニルス・マルムロス | デンマーク |
セントラル・ステーション Central do Brasil | ウォルター・サレス | ブラジル フランス |
Das Mambospiel (The Big Mambo) | ミヒャエル・グヴィスデク | ドイツ |
台北ソリチュード Fang lang | リン・チェンシェン | 台湾 |
ガールズ・ナイト Girl’s Night | ニック・ハラン | イギリス |
グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち Good Will Hunting | ガス・ヴァン・サント | アメリカ合衆国 |
アイ ウォント ユー I Want You | マイケル・ウィンターボトム | イギリス |
恋は結婚式の後で… Il testimone dello sposo | プピ・アヴァティ | イタリア |
ジャッキー・ブラウン Jackie Brown | クエンティン・タランティーノ | アメリカ合衆国 |
ジャンヌと素敵な男の子 Jeanne et le garçon formidable | オリヴィエ・デュスカレル ジャック・マルティノー | フランス |
セクシャリティーズ La mirada del otro | ビセンテ・アランダ | スペイン |
失われたトランク Left Luggage | ジェローン・クラッベ | アメリカ合衆国 オランダ ベルギー イギリス |
恋するシャンソン On connaît la chanson | アラン・レネ | フランス スイス イギリス |
SADA 戯作・阿部定の生涯 | 大林宣彦 | 日本 |
Страна глухих (Country of the Deaf) | ヴァレリー・トドロフスキー | ロシア フランス |
ビッグ・リボウスキ The Big Lebowski | コーエン兄弟 | アメリカ合衆国 |
ボクサー The Boxer | ジム・シェリダン | アメリカ合衆国 アイルランド |
ダウン・アンダー・ボーイズ The Boys | ローワン・ウッズ | オーストラリア |
ブッチャー・ボーイ The Butcher Boy | ニール・ジョーダン | アイルランド アメリカ合衆国 |
The Commissioner | ジョルジュ・シュルイツァー | イギリス ドイツ ベルギー アメリカ合衆国 |
The Sound Of One Hand Clapping | リチャード・フラナガン | オーストラリア |
シュウシュウの季節 Xiu Xiu: The Sent Down Girl | ジョアン・チェン | 香港 アメリカ合衆国 台湾 |
あまりにも大きな(小さな)愛 Trop (peu) d'amour | ジャック・ドワイヨン | フランス |
ウワサの真相/ワグ・ザ・ドッグ Wag the Dog | バリー・レヴィンソン | アメリカ合衆国 |
ホールド・ユー・タイト 愈快樂愈墮落 | スタンリー・クワン | 香港 |
コンペティション外
[編集]- 大いなる遺産 – アルフォンソ・キュアロン (アメリカ)
- 相続人 – ロバート・アルトマン (アメリカ)
- もののけ姫 – 宮崎駿 (日本)
- レインメーカー – フランシス・フォード・コッポラ (アメリカ)
日本映画
[編集]コンペティション部門には、阿部定事件を描いた『SADA 戯作・阿部定の生涯』が出品された。 パノラマ部門では熊切和嘉の『鬼畜大宴会』、合津直枝の『落下する夕方』、フォーラム部門では中川陽介の『青い魚』、本橋成一の『ナージャの村』、今敏の『パーフェクトブルー』、市川準の『東京夜曲』がそれぞれ上映された。
審査員
[編集]- ベン・キングズレー (イギリス/俳優)
- ヘルムート・ディートゥル (ドイツ/監督)
- エクトル・オリヴェラ (アルゼンチン/監督)
- ブリジット・ルアン (フランス/女優・監督)
- センタ・バーガー (オーストリア/俳優)
- レスリー・チャン (香港/俳優)
- マウリツィオ・ニケッティ (イタリア/俳優・脚本家)
- リ・チォック・ト (香港/香港国際映画祭ディレクター)
- アネッテ・インスドルフ (アメリカ/評論家)
- マヤ・トゥロフスカヤ (ロシア/評論家)
- マイケル・ウィリアムズ=ジョーンズ (イギリス/ミラマックス・インターナショナル)
外部リンク
[編集]- 公式サイト (ドイツ語・英語)