オークランド・トゥアタラ

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オークランド・トゥアタラ
創設 2018年
解散 2023年4月
所属リーグ
オーストラリアン・ベースボールリーグ
歴代チーム名

  • オークランド・トゥアタラ (2018年 - 2022年)
本拠地

ノース・ハーバー・スタジアム(2019年 - 2022年)

  • マクロード・パーク・ベースボール・ダイヤモンド(2018年)
収容人員 25,000人
獲得タイトル
シリーズ優勝
リーグ優勝
成績(タイトル以外)
プレーオフ出場
球団組織
オーナー ニュージーランド野球連盟
監督 スティーブ・ミンツ
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オークランド・トゥアタラ英語: Auckland Tuatara)は、オーストラリアン・ベースボールリーグ(ABL)に加盟していたプロ野球チームである。本拠地は、ニュージーランドオークランドノース・ハーバー・スタジアム

概要[編集]

2018年創設。2018-19シーズンよりABLが拡張されることに伴い、リーグに新たに加盟した球団である。ABLにとって初めてのオーストラリア国外に本拠を構えるチームであり[注釈 1]、また同時にニュージーランド初のプロ野球チームである。ニュージーランド野球連盟英語版により直接運営されている。

保護地域のオークランドは、決して野球が盛んではないニュージーランドにおいて、大規模な大会が開催される野球の中心地である。またチーム名となった「トゥアタラ」はニュージーランド北部に生息する固有の爬虫類ムカシトカゲの現地名から取られており、その姿はロゴデザインにも取り入れられている。公式ハッシュタグは「#TuataraNation」である。

2023年4月21日、ABLからの脱退とチームの清算が発表された[1]

歴史[編集]

2018-19[編集]

ABLに新規参入し、リーグの拡張によって新たに導入された2地区制のもと、ブリスベン・バンディッツキャンベラ・キャバルリーシドニー・ブルーソックスとともに北東部地区(Northeast Division)に割り振られた。監督には、元サンフランシスコ・ジャイアンツ投手で2015-16シーズンにはABLのアデレード・バイトで監督を務めた経験のあるスティーブ・ミンツ英語版が就任した。また、最初の選手として、アリゾナ・ダイヤモンドバックスおよびアトランタ・ブレーブスで7年間プレーした投手のジョシュ・コルメンターと契約した。

開幕戦はビジターでパース・ヒートと戦い、4-8で敗れた。その後も調子が上がらず開幕4連敗を喫したが、ホーム開幕戦となる開幕5戦目でブリスベンに対して5-4でサヨナラ勝ちを収めシーズン初勝利を挙げた。最終的な勝率は.350で、地区では首位のブリスベンから11ゲーム差の最下位となった。

2019-20[編集]

2年目のシーズンを前に、200万ドルを費やしてノース・ハーバー・スタジアムの大規模な改修工事が行われた。この改修では国際大会の開催に必要な基準を満たすため、従来設けられていた観客席を取り壊しグラウンドが拡張された[2]。また試合日程も変更され、ホームゲームでのダブルヘッダーを廃止し木曜日から日曜日にかけて4連戦を行うようになった[3]。監督は引き続きミンツが務め、選手では元横浜DeNAベイスターズで2019年はロサンゼルス・ドジャース傘下でプレーしていた北方悠誠が加わった[4]ほか、テキサス・レンジャーズなどからもプロスペクトが派遣された。シーズン中の公式ハッシュタグとしては「#FollowTheFun」を使用する。

開幕シリーズではホームでパースと対戦し、11月21日の第1戦は1-6で敗れた。11月23日の第3戦で初勝利を挙げ、3番手で登板した北方が勝利投手となった。

2020-21[編集]

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大が深刻となる中、金銭面や検疫などの問題から、ジーロング・コリアとともにリーグ戦不参加を表明した[5]。リーグは上記2チームを除く6チームで短縮開催された。

2021-22[編集]

2021年12月に開幕予定であったが、10月にリーグの開催中止が発表された[6]

2022-23[編集]

3年ぶりにリーグ戦に参加し、レギュラーシーズンは17勝17敗(勝率.500)の成績で北東部地区2位となり、プレーオフ(セミファイナル)に進出した[7]。セミファイナルでは南西部地区(Southwest Division)1位のアデレード・ジャイアンツと2勝先取制で対戦したが、両チーム1勝ずつで臨んだ第3戦で惜しくも敗戦し、決勝進出を逃した[8]

チーム清算[編集]

2023年4月21日、リーグ不参加が2シーズン続いたことや、2022-23シーズンにホームゲーム7試合が中止になったことなどが理由で球団経営が破綻したため、リーグからの脱退及びチームの清算手続きに入ることを発表した[1][9]。なお、同じオーナーが保有しニュージーランドのNBLに所属する同名のバスケットボールチーム英語版は今後も活動を継続する。

日本球界とのつながり[編集]

ニュージーランドでは、2014年から2017年まで清水直行が野球連盟のGM補佐やU-15代表監督、ナショナルチームの投手コーチ、統括コーチを歴任し[10]、また世代別代表チームには日本国籍保有者も在籍するなど[11]日本との縁が深い。清水は本球団の設立にも関わったとしており、球団の日本統括も務めた[12][13]

新球団の設立に際しては、NPBから千葉ロッテマリーンズに所属する平沢大河酒居知史種市篤暉[14]四国アイランドリーグplusからは、MVP受賞者である香川オリーブガイナーズ所属の原田宥希が派遣された[15]

2022年10月には、ニュージーランドのホストタウンに2019年12月に登録している千葉県君津市において、清水が主催して本球団のトライアウトが実施された[16]

主な所属選手[編集]

2022-23シーズン[編集]

過去の所属選手[編集]

[19]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ オーストラリアにおける過去のプロ野球リーグまで遡れば、インターナショナル・ベースボールリーグ・オブ・オーストラリア(IBLA)時代の2001年に国外球団が参加していた。

出典[編集]

  1. ^ a b TRANS-TASMAN DIVIDE AS AUCKLAND TUATARA DEPART THE AUSTRALIAN BASEBALL LEAGUE.”. Australian Baseball League (2023年4月21日). 2023年5月21日閲覧。
  2. ^ Work Begins on New Tuatara Home”. aucklandtuatara.com (2019年5月16日). 2019年11月24日閲覧。
  3. ^ Big Changes Coming at Auckland Tuatara for Second Season”. stuff.co.nz (2019年3月5日). 2019年11月24日閲覧。
  4. ^ Japanese Phenom Joins Tuatara”. aucklandtuatara.com (2019年9月26日). 2019年11月24日閲覧。
  5. ^ DAVID PENROSE (2020年11月12日). “TUATARA PULL OUT OF SEASON, BA RELEASES STATEMENT”. Australian Baseball League. 2023年5月21日閲覧。
  6. ^ Australian Baseball League to skip season due to COVID-19 and relaunch 'bigger' for 2022-2023”. WBSC (2021年10月20日). 2023年5月21日閲覧。
  7. ^ 2022-23 Australian Baseball League”. Baseball-Reference.com. 2023年5月21日閲覧。
  8. ^ JANUARY 29TH, 2023 6:00 PM DICOLOR AUSTRALIA STADIUM”. Australian Baseball League (2023年1月29日). 2023年5月21日閲覧。
  9. ^ David Long (2023年4月21日). “Auckland Tuatara CEO Regan Wood disappointed baseball team has gone into liquidation”. stuff.co.nz. 2023年5月21日閲覧。
  10. ^ 清水直行 ニュージーランド野球連盟ゼネラルマネージャー補佐兼U15代表監督 - 在オークランド日本国総領事館 2016年09月16日
  11. ^ "世界の野球"清水直行 ニュージーランド野球の世界挑戦記「ニュージーランドから日本へ」 - 侍ジャパンオフィシャルサイト 2017年04月13日
  12. ^ ニュージーランドプロ野球チームへのトライアウトを開催”. 清水直行official. 2022年12月22日閲覧。
  13. ^ “NZ唯一のプロ野球チームが日本でトライアウト初開催 清水直行さん「環境面でプラスが多い」”. サンスポ. (2022年10月24日). https://www.sanspo.com/article/20221024-ZRZDHRYFIFOCFG7ZZ5WUPYM65Y/ 2022年12月22日閲覧。 
  14. ^ ロッテ 平沢、酒居、種市の3選手を豪州へ派遣 - デイリースポーツ 2018年10月17日
  15. ^ 香川・原田、さらなるレベルアップへ豪州プロリーグで武者修行 - デイリースポーツ 2018年11月05日
  16. ^ ニュージーランドのプロ野球チーム「オークランド・トゥアタラ(Auckland Tuatara)」が市内でトライアウトを開催しました”. 君津市 (2022年11月2日). 2022年12月22日閲覧。
  17. ^ ☆土田佳武(オークランド/BC茨城)インタビュー☆ 目標のためには優しさも捨てる覚悟ができました”. ABL Japan (2023年2月23日). 2023年5月21日閲覧。
  18. ^ ☆小東良投手(オークランド)インタビュー☆ABLでの経験をさらに海外で生かし、ステップアップの糧にしたい”. ABL Japan (2023年2月26日). 2023年5月21日閲覧。
  19. ^ http://web.theabl.com.au/news/article.jsp?ymd=20180820&content_id=291171428&fext=.jsp&vkey=news_abl[リンク切れ]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]