コマンドキー

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2007年以前のAppleロゴが印字されたコマンドキー

コマンドキーは、MaciPadNewtonなどのApple製ハードウェア用キーボードに備わる修飾キーの一つである。キートップには、(コマンド)マークが刻印されている。2007年7月より前のApple製品のコマンドキーには、マークのほか、Appleロゴも刻印されていた。

スペースキーの左右に配置され、他のキーと一緒に押し下げることで、さまざまなコマンドを送信できる。Classic Mac OSmacOSにおいて軸足のような存在であり、快適に操作するには欠かせない。2007年8月7日にAppleから発表されたキーボードには、Appleマークの刻印が削除されている(削除理由についてはMac (コンピュータ)#ハードウェアを参照)。なお、NeXTのハードウェアにも "Command" 表記で存在した。Macとの違いはコマンドキーがスペースバーの下に配置されていたことであった。

Windows系OSではコマンドキーを採用せず、その機能をほぼコントロールキーで置き換えた。その代わりにWindowsキーを導入した。

MacでPC用キーボードを使用する際には、Windowsキーをコマンドキーとして使用するが、Windowsキーが搭載されていないキーボードも存在し、それらを使用する場合はコマンドキーが使用できないという問題があった。Mac OS X v10.4 Tiger以降のmacOSでは標準の機能でいくつかの修飾キーの位置を入れ替えることが可能になり、WindowsキーのないPC用キーボードを使用することができるようになった。

使用例[編集]

以下の例は、多くのアプリケーションで使用できる機能である(例外あり)。

Cmd+A すべてを選択
Cmd+C 〔選択項目の〕コピー
Cmd+F 検索
Cmd+H アプリケーションを隠す
Cmd+I 情報を見る
Cmd+M 最小化
Cmd+N 新規ウインドウ、新規〔書類〕
Cmd+O ファイルを開く
Cmd+Q 〔アプリケーションの〕終了
Cmd+S 保存
Cmd+ Shift+S 別名で保存
Cmd+W ウインドウを閉じる
Cmd+X 〔選択項目の〕カット
Cmd+V 〔カーソル位置に〕ペースト
Cmd+Z 元に戻す
Cmd+, 環境設定
Cmd+? ヘルプ
Cmd+F1 次のウインドウを手前に表示
Cmd+ Shift+F1 前のウインドウを手前に表示

※これらの用法はコンピュータに動作させる機能を表す英語の単語の頭文字が選択されていて、一般的な制御文字の動作とは無関係であることに留意されたい。

複数の項目の選択[編集]

MacでのFinder上でコマンドキーを押しながら項目をクリックすることで、シフトキーと同様に複数の項目を選択することが可能になる。ただ、コマンドキーを使用した場合、シフトキーを使用する場合とは異なり、範囲ではなく、クリックした項目のみが選択される。Macでコントロールキーを押しながらクリックすると、右クリックと同じ動作をする。

マークの由来[編集]

初代Mac開発時のデザイナーであったスーザン・ケアが、北欧の史跡などを示す交通標識に使われるマークを記号辞典で見つけ、採用した[1][2]。開発段階ではAppleマークが使われていたが、コマンドキー表示としてAppleマークが連なるメニューを見たスティーブ・ジョブズが自社ロゴを濫用していると感じ、別のマークにするよう指示した[2]

脚注[編集]

  1. ^ Carson, Biz. “The surprising inspiration behind the design of Apple's command key” (英語). Business Insider. 2021年6月29日閲覧。
  2. ^ a b Hertzfeld, Andy. “Swedish Campground”. Folklore.org. 2010年9月13日閲覧。

関連項目[編集]