ティハーマ

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ティハーマの位置を示す地図。緑色に着色された地域がティハーマ。
アラビア半島西半分の地勢を示す模式図。左から紅海、ティハーマ、ヒジャーズナジュド

ティハーマアラビア語: تهامة‎, ラテン文字転写: Tihāmat; 英語: Tihamah)は、アラビア半島アカバ湾からバーブル・マンデブ海峡までの、紅海に面した沿岸平野あるいは海岸低地を指す地理的名称である[1][2][3][4]

紅海に面したアラビア半島の西側海岸部は、海岸から20から30キロメートル、最大でも70キロメートルほど内陸まで低地が続いている[1][2][3][4]。この海抜1500メートルまでの低地がアラビア語で「ティハーマ」と呼ばれている沿岸平野である[1][4]。ティハーマよりさらに内陸へ行くと「ヒジャーズ」と呼ばれる山間部に入り、気候や植生が変わる[1][4]。ティハーマは、アカバ湾からバーブル・マンデブ海峡のすぐ北側に至るまで連続しており、そのため、非常に細長く狭い地域である[2][4]。なおイエメンのインド洋(アラビア海)沿岸部も「ティハーマ」と呼ばれることがある[1]

ティハーマをさらに細かく分ける場合は、アカバ湾からリース英語版[注釈 1]より北をティハーマトゥル・ヒジャーズ(Tihāmat Al-Ḥijāz)、リースより南から南アラビア(イエメン)までをティハーマ・アスィール(Tihāmat ʿAsīr)という[1][2][4]。南アラビア(イエメン)地方のティハーマは、ティハーマトゥル・ヤマン(Tihāmat al-Yaman)といい、ティハーマ・アスィールの延長である[1][3][4]

内陸部と違い、ほとんどは砂丘に覆われ火山地帯も存在し、海岸部の湿地帯やマングローブワジ(ワーディー、涸れ川)に沿った扇状地、いくつかのオアシスを除き乾燥した不毛の土地である。

注釈

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  1. ^ メッカと緯度が同じくらいのところのティハーマにある村の名前[1]

出典

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  1. ^ a b c d e f g h Smith, G. R. (2000). "Tihāma". In Bearman, P. J. [in 英語]; Bianquis, Th.; Bosworth, C. E. [in 英語]; van Donzel, E. [in 英語]; Heinrichs, W. P. [in 英語] (eds.). The Encyclopaedia of Islam, New Edition, Volume X: T–U. Leiden: E. J. Brill. pp. 481–482. ISBN 90-04-11211-1
  2. ^ a b c d Ochsenwald, William L.; Nijim, Basheer K.; Rentz, George S.; Serjeant, Robert Bertram. "Arabia". Encyclopaedia Britannica. 2021年2月12日閲覧
  3. ^ a b c Wenner, Manfred W.; Burrowes, Robert. "Yemen". Encyclopaedia Britannica. 2021年2月12日閲覧
  4. ^ a b c d e f g Thesiger, W. (1947). “A Journey Through the Tihama, the ’Asir, and the Hijaz Mountains.”. The Geographical Journal (Royal Geographical Society (with the Institute of British Geographers)) 110 (4/6): 188–200. doi:10.2307/1789949. 

外部リンク

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