マックルズフィールド堆

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マックルズフィールド堆[1](マックルズフィールドたい)又はマックレスフィールド岩礁群[2](マックレスフィールドがんしょうぐん、英語: Macclesfield Bank, Macclesfield Shoals)は、南シナ海に位置する暗礁のみから成る岩礁群である。

地理[編集]

西沙諸島(パラセル諸島)の東、東沙諸島(プラタス諸島)の南西、南沙諸島(スプラトリー諸島)の北、スカボロー礁の西に位置する。南西方向から北東方向にかけて広がり、長さは130km、最大幅は70km、海域面積は6,448km2[3]

マックルズフィールド堆という名称は、1804年にこの海域を航行したイギリス海軍の艦艇マックレスフィールド(HMS Macclesfield)に因んで名付けられた[4]

この岩礁群はすべてが暗礁であるため、占拠している国はない。また、領海、接続水域、排他的経済水域、大陸棚を有さない[5]

マックルズフィールド堆とスカボロー礁[編集]

中華人民共和国ではマックルズフィールド堆とスカボロー礁を合わせた島礁群を独自にひとつの群島として扱い、「中沙諸島」という名称で呼んで主権を主張している。しかし、スカボロー礁はマックルズフィールド堆から離れた位置にあるため、中国以外の地理学者からは、マックルズフィールド堆とスカボロー礁をひとつの群島として「中沙諸島」に含めることに対して地理学的にも疑義が呈されている[6]。一方、スカボロー礁を含めた島礁群をマックルズフィールド堆と呼ぶこともある[5]

マックルズフィールド堆を構成する岩礁[編集]

マックルズフィールド堆は、以下の岩礁等から構成される[3]。なお、スカボロー礁を含めた島礁の数は34ともされる[5]

脚注[編集]

  1. ^ パラセル群島 南シナ海(海上保安庁):1987|書誌詳細 国立国会図書館
  2. ^ 南シナ海問題(みなみシナかいもんだい)とは コトバンク
  3. ^ a b List of data for various geographic features (PDF) 米国地質学会(Geological Society of America)、2001年
  4. ^ Timeline”. History of the Spratlys. www.spratlys.org. 2008年1月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年9月1日閲覧。
  5. ^ a b c 佐藤考一「中国と「辺疆」:海洋国境 : 南シナ海の地図上のU字線をめぐる問題」『境界研究』第1巻、北海道大学スラブ研究センター内 グローバルCOEプログラム「境界研究の拠点形成:スラブ・ユーラシアと世界」、2010年10月、19-43頁、doi:10.14943/jbr.1.19ISSN 2185-6117NAID 120005743190 
  6. ^ Zou Keyuan "SCARBOROUGH REEF:A NEW FLASHPOINT IN SINO-PHILIPPINE RELATIONS? (PDF) " IBRU Boundary and Security Bulletin Summer 1999