恋の骨折り甲斐
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『恋の骨折り甲斐』(こいのほねおりがい、Love's Labour's Won または Love's labour's wonne)は、1598年以前にウィリアム・シェイクスピアが書いた戯曲の題名。しかし、この戯曲が失われた作品なのか、他の作品につけられた別題名なのかはわからない。
証拠
[編集]フランシス・ミアズ(Francis Meres)の『知恵の宝庫(Palladis Tamia)』(1598年)には、シェイクスピアの戯曲がリストアップされている。その中の喜劇の欄には、次のように書かれている。
喜劇では、『ヴェローナの紳士たち』、『間違い』、『恋の骨折り損』、『恋の骨折り甲斐』、『夏の夜の夢』、『ヴェニスの商人』を見た
『恋の骨折り甲斐』が喜劇で、ここに挙げられている他の作品でないことはわかる。
長年にわたって、『恋の骨折り甲斐』は『じゃじゃ馬ならし』の別題名だと思われていた。しかし、1953年、Pottesmanが書籍商クリストファー・ハントの1603年夏の書籍リストを発見した。そこには「四折版」として印刷されたものがリストアップされていた。
『ヴェニスの商人』、『じゃじゃ馬ならし』、『恋の骨折り損』、『恋の骨折り甲斐』
大衆文化の中の『恋の骨折り甲斐』
[編集]- エドマンド・クリスピン(Edmund Crispin)の推理小説『愛は血を流して横たわる(Love Lies Bleeding)』(1948年)、ハリイ・タートルダヴの歴史改変SF『Ruled Britannia』(2002年)などで『恋の骨折り甲斐』がフィーチャーされている。
- SFテレビドラマ『ドクター・フー』の第3シリーズ第2話「言葉の魔術師』(2007年)でも『恋の骨折り甲斐』がフィーチャーされている。
参考文献
[編集]- Baldwin, T.W. Shakespeare's Love's Labour's Won: New Evidence from the Account Books of an Elizabethan Bookseller. Carbondale: Southern Illinois University Press, 1957.